( ^ω^)あり得たかも知れない展開が集まるようです

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 13:56:48.74 ID:3k6nelvQ0
(*゚∀゚) 「そろそろさぁ、あきらめたらどうだい?」

( ^ω^)「…………」

(*゚∀゚) 「ここはね、淵の沼って言って、一度沈めば二度と浮かび上がってこない事で有名なんだ」

( ^ω^)「…………」

(*゚∀゚) 「君は……そうだなあ。人より早く沈むんじゃない? 理由は言わないけど」

( ^ω^)「…………」

(*゚∀゚) 「さて、君の後方には淵の沼、そして前方には七神将、繊月の将ことボク」

( ^ω^)「…………」

(*゚∀゚) 「まさに絶対ぜつめーって奴だね。最後に何か、言っておくことは?」

( ^ω^)「…………」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 13:57:40.79 ID:3k6nelvQ0
(*゚∀゚) 「あら? いよいよ怖くなって声出なくなっちゃった? あはは、残念。
 あの男みたいに、なっさけなーく命ごいしてくれるかと思ったのになぁ」

( ^ω^)「…………なお」

(*゚∀゚) 「え?」

( ^ω^)「ざけんなお、って言ったんだお」


ブーンの口から、確かにその言葉がつむがれていた。


パターン1『強い敵と対戦。主人公、絶対絶命』

    ジャンル「バトル系」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 13:59:10.27 ID:3k6nelvQ0
倒したい、と強く願った瞬間、ブーンが握りしめていたその両拳から光が溢れ出していた。
それはこの世にある全ての色を混ぜこぜにしたような、白く、暖かい光。

枯れ切った大地の上で閃光のように煌くそれ。ブーンには一度だけ見覚えがあった。
瞬間、鮮明に記憶が浮かび上がってくる。
そうだ。あの夜。水上の都、ワイスタイン。そして――ツン!

(*゚∀゚) 「なん――ッ!!?」

(;;^ω^)「……っくぅあ……なんだお……力が湧いてくる――?」

(;*゚∀゚) 「まさか、キミ、……いや、ありえない!
 ただの人間から、なぜそれほどまでの月光が出るなんてのは聞いたことがない!
 そもそもその光は、その虹色は、月兎の民だけが持つもののハズだ――!」

( ^ω^)「……っ――どっちにしろ、お前を倒すにはちょうどいいってことだお?」

その言葉と共に、ブーンは依然強く光輝く自身の拳を握りしめていた。
誰かの為ではなく、初めて自分の為に振るう拳。
人を殴ることにもう迷いはなかった。『迷いのなさ』に比例してか、光はより力強くなっていく。

(;*゚∀゚) 「くそッ、やめろ、やめてくれ! ボクたち雪狼はその光をあびると――!」
(#^ω^)「その言葉、お前は言われて止めたのかおぉぉぉぉぉぉおお!!!!」

荒野、ブーンたちの叫び声が響く。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 14:01:19.06 ID:3k6nelvQ0
あるあるその1『主人公覚醒』

ファンタジー系のバトル系でよく見る。
戦争物でも使われているが、魔法とか超能力とかそう言うものが存在する世界じゃないと使いにくいタイプだろう。
鉄板の戦争もので、ファンタジー要素があるもの、と言えば皇国の守護者だろうか。
ともかく、これ系の展開で、クリリンのことかー! はあまりにも有名だ。
大抵は主人公の激情によって真の力が覚醒する。

これを最初に出した理由はただひとつ。展開的にそう何度も使えないからだ。
窮地に追い込まれるたびに覚醒してたんじゃ、いざそのシーンになったときの緊張感がない。
「はいはいまた覚醒覚醒」と読む前から解ってるんじゃ楽しめないだろうしね。
だからこれは、ここぞという大一番に使ってほしい展開でもある。

ブリーチでは「実は秘めた力があったのです」とか
「これが奥の手です」とかだでこのパターンよく使ってるが、
それは漫画なんていう視覚へ直に入り込んでくる言えば演出やカメラ角度の変え方とか言うのを変えれば
大丈夫(というかある程度展開の無理さを補える?)種類の媒体だからなせる業だろう。
小説だとこうはいかないということをどうか覚えておいてほしい。

ああサハラが僕を呼んでいる。成功。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 14:03:58.97 ID:3k6nelvQ0
(*゚∀゚) 「はっ、戯言を」
( ^ω^)「…………」

つーの言葉は、ありとあらゆる意味で正しかった。
強がったはいいものの、自分と相手に絶対的な力の差があることには変わりがない。
無力な己に歯がゆさを覚えながら、ブーンは決して避けられない死を覚悟する。


(*゚∀゚) 「チェックメイトだ」


つーが言った。振り上げられる腕。獣のように伸びたつーの爪が、自分の喉元を捕らえているのだとブーンは悟る。
彼女が背負う圧力が、目をつむることは許されない。
ブーンは目を見開き、つーはにたりと笑い、
ブーンは肺にとめた息を吐ききるまでが自分の残された寿命だと確信した。
そしてつーが、その凶刃を振り下ろ

(*;゚∀゚) 「なぁっ――!?」
(;;^ω^)「お――――!?」

そうとした瞬間だった。
二人同時に息を呑む。驚愕、否、むしろその真意は。

('Aメ)「――またせたな、ブーン」

現実を受け止めきれないからこそ出てきた言葉だった。
突如としてブーンの目の前に現れ、つーの腕を片手で受け止める、隻眼の男。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 14:05:33.65 ID:3k6nelvQ0
 

(#*゚∀゚) 「お前は、おまえ、お前お前お前ぇぇぇぇええ!!!!
――なぜだ! あの時、たしかに、『あんなに』殺したはずなのに、なぜここにいる!」


目を皿にさせ、童顔を圧巻と憎悪の色に歪ませながら、つーが吼えた。
一方ブーンはへなへなとその場にへたれ込み、震える唇で言葉を捻り出すのが精一杯である。

……しかしこの場合、その言葉が重要だった。
それは、その言葉は、この世界に飛ばされ何も知らなかった自分の世話を焼いてくれた人の名前だった。
自分の命を何度も救い、そして抗うことを教えてくれた人の、
つーに殺されたと思っていた人の――今、自分の目の前にいる人間の名前だった。




( ^ω^)「ドクオ――?」




隻眼は、ただ一言『応よ』と返答した。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 14:06:41.40 ID:3k6nelvQ0
あるあるその2『助け舟』
燃える。少年ジャンプっぽさが出てて個人的に大好きな展開のひとつ。
大抵助けにくるのは過去主人公にぶっ飛ばされて改心した悪役だったり、
死んだ(殺された)と思ってた仲間が助けに来てくれる。

その次点で多いのが、キーパーソンから譲り受けたとか父の形見とかが守ってくれるやつ。
具体例をあげるのであれば、

・ペンダントが銃弾を受けとめてくれた

・幸運のコインが(以下略) 

・ヒロインからもらったお守りが

・カーちゃんの形見が

などがある。
このパターンをもっていく時、注意して欲しいのはそれより前に伏線を張っておかねばならないということだ。
上の話だと、ドクオが死んだ(実際死んでないけど)って事を それより前の話で出して置かなくちゃいけない。
そしてその上で、『死んだって言ってるけど実際は生きてるよ』って伏線を書いておかなくちゃいけないってことだ。

これはその1(主人公覚醒)よりもちょいとばかし考えがいる。
伏線を張る分、労力を使うってことだから。
それでも自分は大好きだから是非やって欲しい。○○かっけーって展開は燃える。



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 14:10:29.06 ID:3k6nelvQ0
(*゚∀゚)「ふざけるな? 今キミ、ふざけるなっていった?」

ブーンの反抗の言葉に、つーが喜んだ風に目を細める。
驚いたことにそこに猟奇や加虐から生ずる悦楽といった感情はなく、
つーの浮かべるそれはむしろ、慈母のような暖かさすら感じられそうな笑い顔。


――からして、ブーンには上手く現状が飲み込めない。


人が人を殺すとき、こんなにも柔らかそうな笑みを浮かべられるのだろうか?
ブーンの思考が荒野を走り、ここではないどこかへ飛びそうになる。



(*゚∀゚)「――このまま沼へ沈め。下の方で仲間が待機してる」



ブーンはハッとした。つーの言葉で、全ての感覚が引き戻された。
いの間にかすり合う様に体を近づけてきたつーが、自分の耳元で囁いたのだった。

(;^ω^)「お前、なに言って――」
(*゚∀゚)「ぎゃあぎゃあうるさい。早く死ね」

黙れ、と言外に意図を孕ませつーがブーンを睨んだ。
つーの眼光の鋭さに一歩引き下がるブーン。情けないその様子を見ながら再度つーが小声で言った。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 14:12:58.08 ID:3k6nelvQ0



(*゚∀゚)「森蝙蝠どもが見張ってるんだ。下手な行動は慎め」



そして――きっと『森蝙蝠』とからからは死角になっているであろう場所で、
つーは自身の手のひらをブーンに見せた。その中にあったものは、一つのバッチだった。

『Zの騎士団』。
野獣政府に対抗するために作られた、動物園の名を冠する組織のメンバーバッチ。


(;^ω^)「……お前、まさか、」


ツンが持っていたそれと同じものを、何故つーが持っているのか。
ブーンの思考が止まり、固まった脳みそはきまぐれに、かつてクーが言った言葉を反芻した。
彼女が本部へいた時自分へ告げた『野獣政府へ送ったスパイから連絡がない』というもの。
まさか、ともう一度ブーンが言いのと、


(*゚∀゚)「バイバイ」


つーがブーンの体を押し、沼底へ突き落とすのは同じタイミングだった。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/17(日) 14:13:36.39 ID:3k6nelvQ0
その3『強敵、実は味方』
これも好きだ。


ダイの冒険でなかったっけ?


稀に実は味方だった敵(なんか変な言い方だが)に志望フラグ立つことがあるから注意したい。
付け加えるなら、これも使用頻度が限られる展開だろう。
いっそ敵組織全員味方でしたオチも楽しいと思うけど。



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