( ^ω^)クローバーのようです

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:06:44.54 ID:A0eAmYtX0



Stand by me



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:08:15.74 ID:A0eAmYtX0
黄昏の教室。


( ><)「そーれ!」

( <●><●>) 「おー 飛ぶね」


窓から飛ばした紙飛行機は、赤点のテストという素晴らしい材質で出来ていたため、
とても遠くまで飛んだ。 それでも、強い風に晒されて真っ逆さまに落ちた。


( <●><●>) 「誰かが拾って見たらどうするの」

( ><)「別にいいんです」

( <●><●>) 「…はぁ」

( ><)「どうしたんです? 溜息ついて」

( <●><●>) 「いや、またちょっと新しい考えごとをしててさ」



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:10:17.16 ID:A0eAmYtX0
僕の親友であるワカッテマス君は、少々テツガク的である。
いつも、愛とはなんだ。人生とはなんだ と、悩むだけ悩んで
それで、何一つ答えを出せないまま次の問いへ移る人。

さて今回は?


( <●><●>) 「ねえビロード。大人になるって なんだろ」

( ><)「うーん…」


難題だ。頭ん中が炭酸の僕には難しすぎる。
きっとワカッテマス君も、いつものように、答えを出せないまま終わる。




学校で出された問題はいつも解ききるのにね。



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:12:27.18 ID:A0eAmYtX0
( ><)「ジョルジュ君が言ってたんです」

( <●><●>) 「なんて?」

( ><)「女の子とオメコすることがオトナの証だって」

( <●><●>) 「ふん。下らない。低俗だ。僕、あいつ嫌いさ」

( ><)「ワカッテマス君はオメコしたことあるんです?」

( <○><○>) 「あっ… あるわけないだろ」

( ><)「ふーん……」


窓を見た。
飛行機雲をくっきり残しながら旅客機は飛んでいく。
明日は雨だな。 そんなことを思った。



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:13:49.45 ID:A0eAmYtX0
明日から夏休み。 
家路を急ぐ足取りが軽いのは、小学生まで。


( ><)「はあーあ。 講習面倒くさいんです」

( <●><●>) 「何でも面倒だろ。お前は」

( ><)「ううん。音楽をきくことと散歩とぼーっとすることは面倒くさくないよ」

( <●><●>) 「そうかいそうかい」



トンボが向日葵に止まった。
その時、少し向こうの線路に電車が走り抜けた。


( <●><●>) 「あ」

( ><)「どうしたんです?」



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:16:23.25 ID:A0eAmYtX0
( <●><●>) 「この線路に添ってどこまでも行ってみようよ」

( ><)「え?」

( <●><●>) 「どこまでも行ってみるんだよ」

( <●><●>) 「その先に何か見つかるかもしれない」

( ><) 「面白そうなんです!」





そう言いつつ、僕の足はそこから動かなかった。
分かってるんだ。 線路沿いに歩いたって誰かの死体なんかありゃしない。
ただまた違う町が広がってるだけだって。




にこにこしながらつっ立ってたら、ワカッテマス君に頭をはたかれた。



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:19:15.21 ID:A0eAmYtX0
( ><)「いたた…」

( <●><●>) 「あー! どこかにないかなあ! 非日常がさ!」

( <●><●>) 「エキセントリックでグルーヴィーでキャッチーでアバンギャルドでパンクでロックな世界がさ!!!!」

( <●><●>) 「分かるか!? ビロード!」

( ><)「わかんないん…」

( ><)「わかるかもしれないんです」



非日常へのトンネル。地から足が少しだけ浮いたような心地。
案外そこらじゅうにあるかもしれない。
そう思って僕はおじきをしている向日葵の壁を指差した。




( ><)「行ってみるんです!」



80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:22:19.00 ID:A0eAmYtX0









( <●><●>) 「まてぇええーーい!!」

( ><)「ワカッテマス君足おそーーい!! 追いつけないよー! それじゃ!!」


僕らはおいかけっこをしていた。 

僕の勘は鋭く、向日葵の壁を掻き分けて進んだら、そこはヒマワリ王国だった。

一面がヒマワリ。 右も、左も、 そして射す黄金の日差し。 

なかなか素敵じゃないか。 ねえ? ワカッテマス君。


( <●><●>) 「つかまえた!」

( ><)「わざと減速してやったんです!」



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:25:28.19 ID:A0eAmYtX0
( ><)「ねえワカッテマス君。さっき大人がどーたらって言ってたじゃない」

( <●><●>) 「ああ」

( ><)「どんな大人になりたいんです?」

( <●><●>) 「ふふ。ききたいか?」

( ><)「うん!」


( <●><●>) 「こほん」

( <●><●>) 「夢はでっかくマッドサイエンティスト! 目指すは服用するだけで空を飛べる薬の開発!
       ノーベルうんたら賞も総ナメだ! ははは!!!! どうだ!!!!」



( ><)「…」

(;<●><●>) 「…」

( ><)「ぎゃははははwwwwwwwww」



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:27:49.48 ID:A0eAmYtX0
( ><)「ぼく、ぼくはね!! ミュージシャンになりたいんです!」

( ><)「リストカット少女からお茶のみばーさんをもトリコにする歌を歌いたいんです!」

( ><)「それで、それで…」

( ><)「オメコやりまくりなんです!!!!!!!!!!!!!!」



( <●><●>) 「あっはははははははははwwwwwwwwww」

( <●><●>) 「いいねえ! 実にいいよ! ビロードくん!」


( ><)「へへへへ!!」



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:30:47.36 ID:A0eAmYtX0
( <●><●>) 「あはははww なあ、ビロード!」

( ><)「んー?」

( <●><●>) 「僕達… ”立派”な大人になれるかなあ?」

( ><)「わかんないんです!」

( ><)「ってか…」

( ><)「別にいいんじゃない!? ならなくても!」

( <●><●>) 「…」

( ><)「…」



( <●><●>) 「あはははっはははははwwww」(>< )



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/09/19(金) 22:31:22.53 ID:A0eAmYtX0
ヒマワリ園の真ん中。 青すぎる空の下。
僕はいつまでもワカッテマス君と笑い転げた。

稚内ビロード 14歳





僕の青春はまだ、始まったばかりだ!







(end)



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