( ^ω^)キミニヨバレテ、のようです

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:34:09.82 ID:JNLCnvAf0

@#_、_@   
 (  ノ`)「どうかしたのかい?」

母者に「少し野暮用を思い出しまして」と告げて家を飛び出す。

太陽はまだ寝ぼけているのだろうか?
やる気がなさそうに光を放っている。

昨日来た道とは少しずれた道、つまりは家の横側を進んで行く。
道は無く、ちっぽけな草の絨毯の上を駆ける。

ブーンは律義に踏んだ草たちに謝罪の言葉を入れながら進む。

消える前に、消える前に、消える前に。
いつの間にかブーンは涙を流していた。

どれだけ涙腺が緩いのか、自分でも驚くぐらいだった。
そもそもなぜ泣いているのかすら分からない。

もしかしたら、この涙は弟者の――――。

その考えが浮かんだ時、違和感が指示していた場所に着いた。
高台になっていて、そこから海を見渡せた。



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:36:18.32 ID:JNLCnvAf0

違和感は一本の木の元へと歩かせる。
そこに辿り着き、辺りを見回してみるが、特に変わったものはない。

( ^ω^)(どういうことだお?)

呼吸を整えるために、木に凭れ掛かり海を眺める。
少しずつ弱くなっていく左足の違和感。

それは、まだ何かを求めている。
だがブーンにはそれが何なのかを全く理解できず、ただ途方に暮れるだけだった。

海からの風が気持ちいい。
ざわざわとなる木を見上げると、葉っぱの隙間から陽を窺うことができた。

( ^ω^)「どういうことだお?」

さっき頭に浮かべた台詞を、今度は口に出す。
違和感はここまで連れてきて、どうするかまでは教えてはくれなかった。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:37:15.59 ID:JNLCnvAf0

――――。

いつの間にか眠っていたのだろう。
陽は最も高い位置を通り過ぎていた。

一度家に帰って手がかりを探そうか。
そう思い立ちあがると、尻に着いた草や土を払う。

走ってきた道を帰るにしてはやたら早く感じられた。
家の前に立ち、扉に手をかける。

ああ、そういえば飛び出したんだっけな。
何か言われるかもしれない、その時は何て言おうか。

何の情報も得ていない今、弟者のことを会話に出すのは控えたい。
知人の所に行ってきた、なんて言っても信じてもらえるわけが無かった。

(;^ω^)「ええい、男は度胸」

勢いよく扉を開けて、中に入る。
扉から手を離すと、それは力なく閉まっていく。



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:38:42.74 ID:JNLCnvAf0

@#_、_@     
 (  ノ`)「お帰り、野暮用は終わったのかい?」

(;^ω^)「え、ええ」

意外にも何のお咎めも無くすんだ。
というより何をそこまで恐れていたんだろうか。

みんなは昼食を食べ終えたようだった。
にも関わらず、母者はブーンにそれらを用意してくれた。

感謝しながらそれらに貪りつくと、母者は微笑む。
ブーンが不思議そうにしていると、彼女も椅子に腰をかけた。

@#_、_@     
 (  ノ`)「そっくりだよ、あんたは」

きっと弟者とのことを言っているのだろう。
どう反応していいのか困り果てていると母者は付け足すように話をする。

@#_、_@     
 (  ノ`)「これだけは覚えておいてほしいんだ。子供は子供でいるのが一番大人だよ」

ブーンが首を傾げていると、母者は「意味なんか分からなくてもいいさ」と笑い食器を片づける。
兄者さんは今どこに?、そう聞くと母者は、書斎にいるよ、と短く告げた。



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:40:10.91 ID:JNLCnvAf0

書斎に入ると外の光だけが入っていて、独特の雰囲気を作り出していた。
たくさんの本棚、それらには本が大量に並んでいた。

( ´_ゝ`)「どうした?」

扉から入って正面にある机、そこには本が積み上げられていて、小さな砦のようになっていた。
そこからひょっこりと顔を現したのは兄者。

彼はその場から動こうとはせず、用があるのなら自分から来いと言わんばかりだった。
ブーンは最初からそのつもりだったため、兄者に近づく。

兄者の隣まで行くと、机の上にある一枚の写真に目がいった。
2人の男の子が肩を組んで笑っている。

( ´_ゝ`)「どっちが俺か分かるか?」

兄者の問いに、ブーンは困惑する。
正直、どちらも兄者じゃないように思えた。

仕方なく右を差すと、兄者は「ハズレ」と言ってみせる。
少し写真を見つめたあと、兄者はブーンに書斎に来た訳を尋ねた。

( ^ω^)「弟者さんはどんな人だったんですか?」

ブーンの質問に兄者は一言で返した。
「子供だよ」と。



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:42:22.22 ID:JNLCnvAf0

( ^ω^)「子供?」

ブーンが兄者の言葉を繰り返すと、兄者は軽くうなずいた。

( ´_ゝ`)「小さい頃はいつも一緒に遊んでたよ。騒いでは大人に怒られ、悪戯してはまた怒られ。
       弟者と俺は、いつかこの街を飛び出そうとしていたんだ、もっと色んなものが見たくてさ」

そこで兄者は一息つく。
無口、というわけでは無い様だが、相変わらず静かな口調。

( ´_ゝ`)「だけどさ、人ってのはいつか大人になるものじゃないか。
       それでも弟者は相変わらず飛び出すつもりでいたよ。子供のころから何も変わっちゃいない。
       俺は馬鹿らしくなってな・・・、本を読んで知識をつけようとしたんだ。
       いつまでも子供じゃいられないだろう?本は何でも教えてくれるからな」

兄者は鼻で笑うようにして再び写真を見る。

( ^ω^)「それで・・・弟者さんは?」

「飛び出して、それっきりさ」と、兄者は言う。
ブーンは何かモヤモヤしたものを胸につっかえながらも、お礼を言いその場を去る。

向かう先は自室、その中のベッドに腰掛け、左足を眺めた。



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:43:51.71 ID:JNLCnvAf0

( ^ω^)「弟者さん・・・」

ブーンは少し不安になってきていた。
まだ弟者は望んでいることがある。

だけど、かなり力が薄れてきている。
というより、今度は違う部位がゆっくりと違和感を露にしてきたのだ。

新たな違和感は、急いでくれ、と言わんばかりにブーンを急かす。
それでも今は弟者のことを、そう途方に暮れていると、あっという間に時間は流れていた。

いつの間にか日は沈み始め、街をオレンジ色に染めてゆく。
それを眺めていると今度は、あたりが暗くなる。

そうこうしているうちに、夕食だということを告げられ、申し訳ないと思いながらも、食をともにした。
明るい夕食の時間が終わり少し経つと風呂を借りて入る。

こんな事をしている場合じゃないと思いながらも、他にどうしたら良いのかわからなかった。

( ^ω^)「先に寝かしてもらいますお」

母者、妹者、父者に軽く頭を下げ、弟者の部屋に行く。
兄者はまた書斎にこもっているようだった。



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:44:32.42 ID:JNLCnvAf0

明日早く起きて、手がかりを掴もう。
寝る時間が多ければ、長く夢を見れる。

そう考えたブーンは横になる。
ゆっくりと目を閉じて、心の中で弟者に問いかける。

望みを言ってくれ、できるなら叶えるから。
まどろむ意識の中、ブーンは写真の中の二人を思い出していた。



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:45:47.89 ID:JNLCnvAf0

『宝物を埋めよう。ここが俺たちの旅の、宝のありかだ』

聞いたことの無い子供の声で目が覚める。
ブーンは目をこすりながら宝物、宝物と繰り返す。
寝ぼけているだけなのだろうが。

この街に来てから三日目。
ほとんどと言っていいほど進歩していない。

朝食をとり終えると、兄者とブーンを残してそれぞれが出かけて行った。
また何か聞こうか、ブーンは書斎へと足を運ぶ。

兄者は相変わらず本を読んでいた。
いったいどれくらいの時間本を読んでいるのだろうかと疑問に思う。

( ´_ゝ`)「内藤か。どうした?」

お話をしに来ましたと言って昨日と同じように歩み寄る。
やはり置かれているのは写真、それを見て今朝聞いた言葉を口にする。

無意識の行為だった。

しかし、兄者は目を見開いてブーンを見ると、すぐに部屋から飛び出した。



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:47:35.51 ID:JNLCnvAf0

(;^ω^)「兄者さん!?」

ブーンは走って行く兄者の後を追いかける。
あまり体力がないのか、足が遅いのか、すぐに追いつくことができた。

(;´_ゝ`)「宝物、弟者・・・」

さっき言った言葉は弟者が生前に言った言葉なのだろうか。

周りなど見えていない、ただ一心不乱に駆けて行く。
そこは昨日ブーンが同じようにして通った道。

(;^ω^)「ど、どうしたんですお?」

(;´_ゝ`)「うまく説明できない!見て悟れ」

懸命に走り、ついた場所、やはり昨日と同じ場所。
兄者は昨日ブーンが体を預けていた木の根元を掘り起こす。

素手で何度も何度も。
爪の間に土が入り、指先は切れ、それでも何度も掘る。

ブーンはそれを見ていることしかできなかった。
いや、弟者が手を貸すなと言っているように思えていた。



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:48:46.23 ID:JNLCnvAf0

少ししたら、古錆びた、お菓子を入れるような箱が出てきた。
兄者はボロボロになった手など目もくれず、箱を開ける。

中に入っていたのは色褪せた紙に書かれた絵と、手紙のようなもの。
兄者は絵と手紙を見て、力なく笑う。
ブーンが立ちつくしていると、兄者が立ち上がり、家の方へと歩いて行く。

ブーンは兄者の後に続くように家に向かう。
その間は会話などなく、何か寂しさだけを感じられた。

兄者が扉を開けると、帰ってきていた母者と妹者が出迎える。
その二人は兄者を見て驚いた様子だったが、彼の手を見てさらに驚きを大きくした。

そして一つ、ブーンの体に変化があった。
二つあった違和感が、今、完璧に一つになった。

左足から完全に弟者の意識がなくなる。
ブーンは俯き肩を震わせた。

だけどここで泣くわけにはいかない。
ブーンは思いっきり天井を見上げ、目を拭う。

@#_、_@
 (  ノ`)「洗濯した服は鞄に戻しておいたよ」

母者からの言葉聞いて、決心する。
行かなくてはならない、と。



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:50:56.16 ID:JNLCnvAf0

もう次の目的地に向かわなきゃ。

そのことを流石家に伝える。
母者は「そうか」と笑っていた、その瞳は少し潤んでいた。

妹者は、えー、とがっかりしていた。
好かれていたのだろうか、と少し嬉しくなる。

兄者はブーンを見て――――。
いや、ブーンの左足を見ながら言い放つ。

( ´_ゝ`)「その足、置いて行ってくれないか?」

静かに、冷たく、当たり前のように。



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:51:45.72 ID:JNLCnvAf0

ブーンは黙りこくる。
母者は兄者に怒鳴り声を浴びせていた。

兄者は、冗談だから気にするな、と言う。
だけどブーンは首を振り、答える。

地面を見つめたまま、震えた声で。

(; ω )「悪いのは僕なんですお・・・。自分だけ生きてて。
       本当ならこの足だって、返さなければならないのに」

どうして誰も責めなかった。
なぜ快く迎え入れてくれた。
なんで――――。

そこでブーンの頬に衝撃が走った。
ブーンは尻もちをつき、見上げる。

兄者が右手で拳を作り、ブーンを殴ったのだ。

( ´_ゝ`)「ふざけるな」



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:53:52.90 ID:JNLCnvAf0

兄者は続ける。

( ´_ゝ`)「お前はきっと誰かに責めてもらいたかったんだろうな」

ブーンは咄嗟に首を横に振るが、その通りだった。
兄者はブーンに怒鳴り声を浴びせる。

(#´_ゝ`)「ふざけるな!それはもうお前の足なんだ、手だってそうだ!!
       責められて楽になりたいか?だったらいくらでも責めてやるよ。だけどそうじゃないだろう?」

(#´_ゝ`)「お前がいつまでもそうしてるとな、そいつらが迷惑なんだよ!
       死んだら終わりなのに、もう一度チャンスをン貰えたんだぞ。むしろ感謝するぐらいだ」

(#´_ゝ`)「どんな本を・・・」

(#;_ゝ;)「どんなに本を読んでも、人に再会する方法は載っていなかった」

( ;_ゝ;)「それどころか、死に対しての絶望感が積もっていくばかりだった。
なのにこうしてもう一度会わせてくれた。誰も・・・責めるわけないだろう」

兄者はブーンの胸倉を掴み何度も叫ぶ。
母者も泣いていた、妹者は状況を理解していないようで、困った様子だ。

ブーンもいつの間にか涙を流していた。



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:54:49.56 ID:JNLCnvAf0

2人は母者になだめられ、テーブルの椅子に座らされる。

( ´_ゝ`)「殴って悪かったな」

目を赤く腫らした兄者が謝る。
それに対してブーンも同じように謝り、お互いに気まずそうに微笑んだ。

ちょうど昼時ということもあり、昼食を食べてから出発することにした。
普通の旅人だったらここまで急いだりはしないだろう、だがブーンは変わっている。

そうしている間も違和感はブーンを引っ張る。
食べたら行くよ、だからもう少し待って。

母者はブーンの鞄の脇に小袋を置く。
食べ物入ってるから持って行きな、と豪快に笑う。

( ^ω^) 「ありがとうございますお!」

ブーンは食事を終え、一息つくと、椅子から立ち上がる。
まだ陽は高い、少しでも前に――――。



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:55:57.75 ID:JNLCnvAf0

ブーンが荷物を背負うと、妹者が玄関の扉を開ける。

l从・∀・ノ!リ人「内藤!ちっちゃい兄者にあったらよろしくなのじゃ。
        おっきい兄者にそっくりなのじゃ!!」

妹者は弟者が死んだことを知らない。
今もどこかにいると思って――――いや、いるんだ。

そうだよ、弟者はまた歩き続けるんだ。

( ´_ゝ`)「ちなみに弟者は俺とそっくりじゃないぞ」

( ^ω^) 「お?」

( ´_ゝ`)「そっくりなら、俺はもっと自分を好きになれていたはずだからな」

ブーンはそれを聞いて笑うと、兄者に言う。

( ^ω^)「今からでも遅くないお」

それを聞いた兄者は「そうか、そうなのかもな」と呟く。
母者は妹者の頭に手を乗せブーンに声をかける。

@#_、_@
 (  ノ`)「いつ帰ってきたっていいんだよ」

その言葉は、ブーンと弟者、両方に向けられていた。



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:57:06.83 ID:JNLCnvAf0

( ^ω^)「お世話になりましたお。父者さんにもよろしくお伝えください」

ブーンは深くお辞儀をした後、振り返る。
ゆるい斜面は下り坂、そこから街を見て、海を見る。

道に一歩踏み出して、後は次の目的に向かって歩き出す。
弟者は今も歩いている。

後ろからは流石家の人たちの見送りの声が聞こえていた。

ブーンは一度だけ振り返り、大きく手を振った。



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 16:59:35.47 ID:JNLCnvAf0

@#_、_@
 (  ノ`)「行っちまったね」

母者が何気なくつぶやいた一言に兄者は「ああ」と返す。
兄者はブーンではなく、どこか遠くを見ている。
見送り終えた妹者は部屋に行ったようだった。

@#_、_@
 (  ノ`)「にしてもあんたが外に出るなんて珍しいね。手まで怪我して・・・ん?」

母者は兄者が傷だらけの手に握っている物に気づく。
それはなんだいと言う質問の声に、兄者はそれを母者に軽く投げる。

@#_、_@
 (  ノ`)「・・・はは」

母者は目を細めてそれを見て、口元を緩める。
クレヨンで描かれた、兄者と弟者が小さい頃描いた不器用な絵。
背景には海や山、きっと彼らが本で読んだであろう世界が描かれている。

( ´_ゝ`)「こんな手紙もあるぞ」

母者はそれを受け取り読む。
絵と比べたらだいぶ新しい紙に書かれている。

本当に一言だけ。



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 17:00:17.56 ID:JNLCnvAf0


               「靴はくれてやる、さっさと靴紐を結べ」



87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 17:01:17.63 ID:JNLCnvAf0

@#_、_@
 (  ノ`)「あの子らしいね。で、あんたはいつまで大人の真似事をしているつもりだい?」

母者の一言に兄者は苦笑いで返す。
そうだ、旅をするにはまだ遅くない。

( ´_ゝ`)「知識ってさ、いくら溜めても使わなきゃ意味がないんだよ」

@#_、_@
 (  ノ`)「だったら使いなさい。履いて行く靴はあるんだろう?」

母者が言う、笑いながらも凛とした表情で。

( ´_ゝ`)「そうするよ。もう休憩は終わりだ。宝物を探しに行くんだ」

弟者が見た景色を探そう。
弟者がいけなかった場所に行って、あいつに言うんだ「ざまぁみろ」って。
そして、宝物の埋まる場所に帰ってくるんだ。

――――弟者と一緒に。

兄者は駆け足で自室へと上がっていく。
きっと書斎の利用可数も極端に減るだろう。



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 17:01:51.37 ID:JNLCnvAf0

母者はやれやれといった様子で椅子に凭れる。
やっぱり似てるよあんたら兄弟は。

自分のやりたい事をしなきゃ駄目だ。
周りの目なんて気にする必要はないのさ。
転んでも起きて、地面踏みしめな。

わがまま言っても構わないさ。

「子供は子供でいるのが一番大人だよ」


母者は一人きりの空間でひっそりと呟いた。



90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/18(日) 17:03:15.60 ID:JNLCnvAf0

<第3話 波の上、紅い街と結ばれる靴紐> END



戻る第4話