( ^ω^)ブーンがカービィに代わりスパデラを攻略するようです

19: 数学者(福島県) :2007/03/29(木) 21:34:18.45 ID:lXJosk3i0
  
CHAPTER 1『集結』

『プルルルルルル』

今日も電話が鳴り響く。
ダイナブレイドの撃退、マジルテの崩壊、
主役代行のブーンは、ここ最近で随分と名が売れたようである。

以前はビルの一角にある小さな事務所で、ひっそりとやっていたビジネスだが、
金が入るようになって、ついにブーンは念願のマイホームを手に入れた。
自宅と兼用で、一階に事務所を設けてある。
ブーン以外にスタッフはいない。なぜなら彼は人付き合いが苦手だからだ。

『プルルルルルル……ガチャ』

( ^ω^)「毎度ありがとうございます、主役代行のブーンですお」

( ^ω^)「マリオさんですかお、えぇその件につきましてはどうも」

( ^ω^)「え?『ブリリアンカード』?盗んでませんよ。
       はい、『ジャッキーベルト』も『ゆうれいくんしょう』も盗んでません。
       『ジャンパースカーフ』?『フラワーギフト』?何の事です?
       『レッドヨッシーエキス』も知らない間に貴方が使ったんじゃないすか?」

マリオ『おま…………ブツッ』

電話の主が何か言いかけたが、ブーンは何処吹く風で切ってやった。
これ以上はボロが出ると判断した結果だ。
これだけ金が入った理由。それは以前攻略を頼まれたゲームで、
金目の物は全部、依頼主の許可無しに頂戴したからである。



21: 数学者(福島県) :2007/03/29(木) 21:36:17.53 ID:lXJosk3i0
  
( ^ω^)「ハフッwwwハムハムwww『コオロギようかん』うめぇwwwwww」

この茶菓子も、その時のゲームで手に入れた物だ。
カエル仙人とかいう老いぼれが、執拗に欲しいとねだって来るもんだから、
つい殺してしまった。そんな思い出のある菓子だ。

( ^ω^)「そういえば最近……」

小学生でも五秒で描ける、あのピンクの丸い生物の姿を見ない。
洞窟で大作戦をしてから、もう三ヶ月が経つ。
いれば鬱陶しい。しかしいなければ、それはそれで寂しい。

( ^ω^)「それはそれで寂しい……」

…………!

(;^ω^)「いやいやいやいや待て待て待て待て!
       何を考えてるんだお、あの野郎はやっぱいない方が世のためだお!!」

左右に首を激しく振る。
もう振り回しすぎて、首が360度に回転した。妖怪である。

彼が化物になりかけている最中、不意にインターホンが鳴った。

「宅配便でーす」



23: 数学者(福島県) :2007/03/29(木) 21:38:41.58 ID:lXJosk3i0
  
何やら小包のようだ。
それでもって送り主は例のトラブルメーカー、カービィ本人。

鼓動が高鳴る。ワクワクする。
ブーンはあれほど送り主を毛嫌いしていたのに。
何故であろうか。答えはCMを跨がなくても分かっている。
ここ最近のブーンには冒険心を擽るようなイベントは何一つ起きちゃいないからだ。
主役代行という職業柄、ラブアンドピースだけの世界を抜け出して、
危険な危険なイバラの道を行きたいという願望が、心の奥のタンスと壁の間あたりに詰まっているからである。

しかし万が一開けてみろブーンよ。ロクな事は起きないぞ。
今までを振り返って考えて味噌漬け。

血に塗れ、炎に焼かれ、宝は横取りされ、
依頼の報酬で一つでもマシな物があっただろうか。
退屈な世界を抜け出したくて君が始めたビジネスだ。
その気持ちは今も変わらない、分かる。
だけど、もう一度だけ考え直s( ^ω^)「さーて開けるか」パカッ

地の文の忠告を無視するなんていい度胸だ。
もうブーン君なんて知らない! バカ!
謝っても遅いわよ、もう私出ていくから!
居なくなった後で、私の重大さに気付いても許さないんだから!

( ^ω^)「お……? ワープスターと手紙だお……」



26: 数学者(福島県) :2007/03/29(木) 21:40:50.66 ID:lXJosk3i0
  
( ^ω^)「拝啓ブーン様……

ようピザ!元気にしてたか!?
この手紙を読んでいると言う事は、もう俺はこの世にいないって事だな。
とかいって生きてたらハズいよな(ワラ
メタナイトのブログにプププランドを滅ぼすと言う犯行予告があった。
こればっかりは俺もMK5だったわけで、だだだだだだだだだだだだ
カインを焼いてたのを忘れて、家を飛び出していったわけよ。
家……燃えてるだろうなぁ。         だだだだだだだだ
俺は必ずメタナイトの野望を止める。しかし万が一、俺だだが死ぬような事があれば、
やつをとめるのはおまえしかいないってことだだだだだだだだだだだ。。

↑スマンスマン、上の文ちょっとヤバい事になってんな(ワラ(ワラ(ワラ
強風が酷くてな。この手紙書いてるのワープスターの上なもんだから、仕方が無いだろう?
俺もよくメモ用紙一枚分のスペースにこれだけ書けたよ。表彰モンだよ。
ワープスターは俺からの差し入れだ。小包に上手くねじ込んだから小さく見えるが、
水をあげれば大きくなる。風呂で遊んでもいいぞ。
最大四人まで乗れるからな。もしもの場合は、頼れる仲間を三人集めて、
メタナイトを潰しにいってくれ。

PS.このPSって何の略なんだろうな……

                    カービィより、愛をこめて 敬具    」


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「あー、エロゲの主役代行の依頼こねーかなー」



27: 数学者(福島県) :2007/03/29(木) 21:43:26.27 ID:lXJosk3i0
  
( ^ω^)「そういやメタナイトのブログってまだあったのかお……」

( ^ω^)「さっそく、デスクの上にある新品のノートパソコンを起動させて、
       僕は暇つぶしにメタナイトのブログを見る事にするかお」

( ^ω^)「ややっ、そこにある内容に僕は愕然としているお……
       今時女子高生でもありえない程の顔文字を使って、
       自分がカービィを抹殺したとほざいてるお……」

( ^ω^)「残虐非道……僕の怒りの炎が沸きあがってきたお!!」

( ^ω^)「こうして僕は、一緒にメタナイトの討伐をする仲間を集めに、
       街へ繰り出したんだお!!」

( ^ω^)「プアー、パパー、ブゥゥン……ざわ……ざわ……ワイワイガヤガヤ……
       うーむ、人ゴミは避けたい所だお……」

( ^ω^)「……はぁ……」






( ;ω;)「僕が悪かったお、戻って来てくれ地の文!!」

べ、別にあんたの為じゃないんだからね。
酷すぎて見ていられなかっただけだからね。



28: 数学者(福島県) :2007/03/29(木) 21:45:01.13 ID:lXJosk3i0
  
ブーンはよくよく考えてみた。
カービィは単身で要塞に乗り込んだというのだ。
奴に出来て自分に出来ない事なんて何一つ無い。コピー能力も得たんだから。
そうと決まれば突撃だ。
大体、今までに出会ったヘルパーでマトモな奴が一人でもいたか?
個々の能力は確かに高いが、無駄にキャラが濃い奴もいる。
主役である自分を差し置いて目立たれると、何かカッコ悪いじゃないですか。

決して友達感覚で声が掛けられなかったんじゃないぞ。
最初から一人で行くつもりだったんだよブーン君は。
新しいクラスに微妙に馴染んできたところで、席も近いし、いつも親しくしてくれている
クラスメートに勇気を出して、たまには自分から声を掛けてみたら、(呼び捨てで)
馴れ馴れしくすんなよ、みたいな眼で見られたトラウマは、今回の件で全く関係ないぞ。

そんなこんなでワープスターが飛び立てるような丘にやってきた。
カジオーが橋を壊して、クッパ城に行けなくなった丘を想像してもらうとありがたい。

( ^ω^)「よし、コンパス(算数で使う)も持ったし、冒険の準備は整ったお!!」

意地を張って、本当に一人で来たブーン。
背中には何とも言えない哀愁が漂い始めている。
会社で一人だけ、おにゃのこにお茶を貰えなかった、窓際の席のおっさんみたいだ。

( ^ω^)「……行くかお」

「ちょっと待ちな!!」

岩の陰からひょっこり姿を現したのは、燃える闘魂の格闘家。

( ,,゚Д゚)「ファイターのナックルジョーだ」



30: 数学者(福島県) :2007/03/29(木) 21:46:52.39 ID:lXJosk3i0
  
( ^ω^)「矢吹……来てくれたのかお……」

呼び方は違うが、ブーンは確かに感動している。
例えるなら、どっこいおむすび君の最終回くらい感動している。

「自分もいるぜ!!」

( ^ω^)「あ、アナタは……」

<ヽ`∀´>「ニンジャのバイオスパークニダ」

ぶっちゃけ、あまり面識はないが共に戦ってくれるなら大歓迎だ。
しかし、何故コイツなのか。

<ヽ`∀´>「メタナイトの飛行船でディ○ニーランド行くニダ」

ブーンはあえて何も突っ込まなかった。

「俺を忘れるな!!」

小石の影からひょっこり姿を現したのは、燃える人。

从 ゚∀从「ファイアのバーニンレオだ」

忘れる以前に会った事も無いような気がするのは気のせいじゃないだろう。
目的を尋ねると、飛行船で伊豆に行きたいらしい。自費で行けよ。



33: 数学者(福島県) :2007/03/29(木) 21:47:45.14 ID:lXJosk3i0
  
奇妙な面子だか役者は揃った。
どう見ても視聴率が取れなさそうなキャストだが、問題は無い。
出演者の穴は脚本で埋める。
この戦いのストーリーはヤワなもんじゃない。
命を懸けた男達の物語なのだから。

( ,,゚Д゚)从 ゚∀从<ヽ`∀´>「俺達は仲間だ!!」(^ω^ )



マト#>д<)メ「何だよこの手抜き臭い集結は! スパデラは飾りか――――!!」



【;●ω●】「ブ、ブーンがやってきました!
       真っ直ぐこちらに飛んできます!」

(;゚ー゚)「大変!大変!どうしよぉ!」

( <●><●>)「別に大変でもなくね?」

鳥「メタナイト様、いかが致しましょう?」

( ,_ノ` )y━・~~~「丁重にお迎えしようか」


メタナイトはこの事態を重く受け止めていなかった。
それほどブーンを危険視していないのだ。

戦闘力などたかが知れている。周りのヘルパーも同様だ。



35: 数学者(福島県) :2007/03/29(木) 21:48:49.76 ID:lXJosk3i0
  
( ,_ノ` )y━・~~~「甲板付近の者は戦闘準備!他の者は昼飯に備えよ!」

丁度甲板でワープスターの電池が切れ、四人は無事に到着した。
やはりスピードは馬鹿にならない代物だ。
算数のコンパスは全く役に立たなかった。


少なくとも今は無事というだけで。
これからどれほど出血し、何本骨が折れるかなんて誰にも分からないが。

(;^ω^)「あっという間に囲まれちゃったお」

ブーン達四人を円状に取り囲み、じりじりと距離を詰めていく甲板の兵士。
だが、これで臆するくらいなら、最初からこんな登場はしない。
初っ端からジャッキーばりのアクションシーンが始まる。



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