( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

5: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 20:40:00.89 ID:IySuGSYX0
活動グループ別現状一覧

( ・∀・) (,,゚Д゚) (*゚ー゚) ミ,,"Д゚彡 ( ´_ゝ`) (´<_` )
(`・ω・´) <_プー゚)フ (#゚;;-゚) [゚д゚] ( ゚д゚ ) ノハ#゚  ゚) 
从・∀・ノ!リ ( ><) (*‘ω‘ *) |゚ノ ^∀^) lw´‐ _‐ノv ハ(リメ -゚ノリ
所属:四世界
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:強襲中

( <●><●>) |(●),  、(●)、| / ゚、。 /
( ̄ー ̄) ( ^Д^) (゜3゜) ,(・)(・), ┗(^o^ )┓ \(^o^)/ |  ^o^ |
( ^ω^) 川 ゚ -゚) ('A`) (´・ω・`) ( ゚∀゚) ('、`*川 从'ー'从 川д川 ( ´∀`)
所属:世界運営政府
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:迎撃中

(メ _) キオル
所属:魔法世界
位置:不明
状況:???

メ(リ゚ ー゚ノリ ル(i|゚ ー゚ノリ
所属:???
位置:???
状況:???



6: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 20:43:52.49 ID:IySuGSYX0
第三十五話 『赤き乱入者』

世界政府本部入口。
庭園のような様相の場で、激音が幾度となく響いている。

音の中心には長身の女性。

漆黒の甲冑を着込んだ彼女は、背丈の二倍はあろうかという巨剣を振るっている。
動作は俊敏で、とても巨剣を担いで戦っているようには見えない。

周囲にはいくつかの人影。
軍神、ミルナ、モララー、流石兄弟が果敢に挑んでいる。

その中でも、最もダイオードに挑んでいる数が多いのはモララーだった。

( ・∀・)「ッ!」

/ ゚、。 /「鈍い」

背後に滑り込むようにして走るモララー。
振りかぶった鉄鎚が、高速で打ち下ろされた。

金属音。
同時に火花が散る。

しかし手応えは肉を穿ったにしては堅く、攻撃を防御されたのだと腕の痺れで知れた。



11: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 20:46:48.43 ID:IySuGSYX0
/ ゚、。 /「殺すのではないのか?」

( ・∀・)「黙れ」

/ ゚、。 /「四世界連合軍の中で最も思慮深いのはモララー、お前だと思っていたのだが
      どうやら買い被りだったようだな。
      今このようにして私に正面から挑むなど、愚かの極み」

( ・∀・)「愚かで構わん……!」

/ ゚、。 /「開き直るなよ凡人」

( ・∀・)「ぐっ!?」

腕の動きだけで振るわれた巨剣。
しかし、その威力は想像以上に多大だ。

(´<_`;)「おい、落ち着いてくれモララーさん!」

高く打ち上げられたモララーの落下点に弟者が走り込む。
ジゴミルの斥力操作により、落下速度を抑え込むためだ。
結果として、モララーはゆっくりと地面へ足を付けることになったが

( ・∀・)「……すまない、弟者君」

(´<_`;)「待てって!」

礼を言い、そのまま駆け出そうとするモララーの肩を弟者が掴んだ。



13: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 20:49:15.96 ID:IySuGSYX0
(´<_`;)「アンタらしくない!
     さっきまでの冷静さはどこいったんだ!」

( ・∀・)「手段が変わっただけだ。
     奴は私が殺す……いや、奴ら全員を私の手で殺す。
     それで全てが済む」

(´<_`;)(くそっ、完全にキレてやがる!)

このままでは弟者達にも牙を剥きかねない。
しかし、放っておくわけにもいかないのが現状だった。

(´<_`;)「アンタがそんなのでどうするんだよ!」

( ・∀・)「どいてくれ」

(´<_`;)「モララーさん……!」

ある意味、誤算であった。
モララーにとってのジェイルの大きさを、弟者達は量れていなかったのである。
あのようにしてジェイルが破壊されても、きっと平常心を保って動いてくれると思っていた。

(´<_`;)(そうだ、そんなわけがなかったんだ)

いつもモララーと一緒にいたのは誰だったか。
モララーの仕事を傍でサポートしていたのは誰だったか。
モララーが一番楽しそうに接していたのは誰だったか。

(;´_ゝ`)「っていうか、これはまず過ぎやしないか……!?」



15: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 20:52:10.02 ID:IySuGSYX0
モララーが機能しないということは、こちらの『芯』が無くなったのと同義である。
あらゆる面で頼れる支えが無くなれば、どうなるかは目に見えていた。
その証拠に、既に兄者やミルナの表情には焦燥の色が出始めている。

/ ゚、。 /「はは、滑稽だな。
      たった一本の芯を失っただけで、こうも簡単に崩れるものか」

ぞくり、と背筋を撫でる悪寒。
あの女は、それさえも計算に入れてジェイルを破壊したのだろう。
たった一手で、モララーだけでなく敵全体の支柱を叩き折ったのだ。

( ・∀・)「どいてくれ……頼むからどいてくれ」

(´<_`;)「モ、モララーさん……」

( ・∀・)「頼む。
     もうこれ以降、私の言うことなんて聞かなくていいから……今だけは従ってくれ」

顔からは表情が消え失せ、その目には暗い炎が映っていた。

( ・∀・)「私があの時、あんな命令をしなければ……彼女を私の傍に置いておけば……!」

( ゚д゚ )「もう止めろ、モララー!」

( ・∀・)「私は、奴を――」

言葉が止まった。
背後から羽交い絞めにしたのはミルナだ。
見ていられなくなったのか、少し表情を歪めてモララーの動きを抑える。



20: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 20:54:11.36 ID:IySuGSYX0
(#゚;;-゚)「アンタらはそのまま下がっとき。
    ダイオードはウチが何とかする」

ミルナが頷き、抵抗しようとするモララーを強制的に引きずっていく。
諦めたように身体の力を抜いた彼は、ダイオードを睨みながら『地獄に落ちろ』と親指を下にした拳を向けた。

(#゚;;-゚)(…………)

(;´_ゝ`)「よ、よし、今の内に本部内に――」

/ ゚、。 /「行けると思うか?」

(;´_ゝ`)「あばばばばばばばば」

ダイオードの睨みに、兄者は呆気なく後退した。

ただ、今回に限っては『兄者、情けねぇ』とは言えないだろう。
入口前で巨剣を構える黒騎士が、異常なほどの威圧感を生み出しているのだ。
普段の兄者ならば、普通に失禁していてもおかしくない。

/ ゚、。 /「一応、この先には通すなと言われているのでな。
      戦いの最中であろうと、ここを通ろうとするならば遠慮なく斬る」

言葉はきっと事実となるだろう。
それだけの実力を持っていると証明されている上、何より纏っている雰囲気が『必殺』そのものだ。

彼女と相対して生を見出せる者など、軍神や高レベルの英雄くらいだろうか。



23: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 20:57:25.64 ID:IySuGSYX0
しかし、だからこそ疑問を持った者がいた。

(#゚;;-゚)「……前にも聞いたけど、アンタ一体何が目的なん?」

/ ゚、。 /「秩序を守ることだ」

(#゚;;-゚)「嘘吐くなや。
    アンタは微塵もそんなこと思っとらんやろ」

/ ゚、。 /「……だとしたら?」

(#゚;;-゚)「アンタが何企んどるかなんぞ興味無い。
    ウチらの目的とアンタの目的が関係ないなら、どいてもらうだけや」

/ ゚、。 /「はン」

そんなことか、と言いたげな吐息。

/ ゚、。 /「ならば尚更通すわけにはいかんな……私の目的は軍神、お前なのだから」

(#゚;;-゚)「何やと?」

/ ゚、。 /「言ったはずだが。 私はお前が好きだ、と」

(#゚;;-゚)「胸糞悪くなる告白、ありがとさん。 でもお断りや」

/ ゚、。 /「それは残念。
      だが、お前なら解ると思っているのだがな。
      強者は強者を求め、更なる高みを目指すという私の生き様を」



26: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 20:59:39.37 ID:IySuGSYX0
黒い巨剣――ブロスティークの切っ先を軍神へと向け

/ ゚、。 /「そして、お前は私と同類だ。
      強さを求め、それを振るうことが出来る事実を喜んでいる」

(#゚;;-゚)「違う!」

/ ゚、。 /「何が違うというのだ? お前の人生が証明しているだろう?
      軍神という人造神の立場を甘んじて受け、常に最前線に立つことを希望したのは誰だ?
      異獣を片っ端から薙ぎ払い、しかし傷付きながらも戦場に立つのは誰だ?
      渡辺やモララー達を、戦闘力という鎖でここまで引っ張ってきたのは誰だ?」

(#゚;;-゚)「それは――」

/ ゚、。 /「お前だよ、軍神」

放たれた言葉。
断定された意味を通じ、軍神は微かに身を振るわせた。

(#゚;;-゚)「違う……!」

/ ゚、。 /「違わない。
      お前は戦いを望み、戦いを経て強くなり、しかしまだ更なる力を欲している。
      異獣だけでは飽き足らず、今度は強者という人間との戦いを欲し始めている」

(#゚;;-゚)「ウチは――アンタとは違う!」



29: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:01:43.87 ID:IySuGSYX0
/ ゚、。 /「ならば身体に聞いてみるか」

風が動くと同時、ダイオードが地を蹴って攻撃に入る。
一直線に軍神の下へと駆け込み、その巨剣を叩き下ろした。

(#゚;;-゚)「――!!」

受け止めたのは一本の腕。
機械に包まれた黒色のそれは、蓄えられた力の強さを誇示するかのように巨剣を受け止めている。

/ ゚、。 /「良い反応だ。
      戦いの中で育まれた、後天性の異常反射神経――もはや戦闘が生活の一部になっている証拠だな」

(#゚;;-゚)「っ……」

/ ゚、。 /「身体は正直だな、軍神?
      こうして殺気を向けて攻撃してやるだけで、無意識に防御を行ってしまう。
      お前が生きてきた人生を象徴するかのような行動だ」

(#゚;;-゚)「そうかもしらんが――!」

/ ゚、。 /「認めろよ、軍神」

見下ろすような視線は冷たい。
反論を許さない鋭い目は、こう言っていた。

/ ゚、。 /「戦いが、楽しいのだろう?」



30: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:03:45.44 ID:IySuGSYX0
(#゚;;-゚)「…………」

/ ゚、。 /「強い者と戦うと血が滾るのだろう?
      骨肉が煮えるように熱くなり、血液が高速で身体中を這い回るのだろう?」

(#゚;;-゚)「……――」

/ ゚、。 /「認めろよ……そして享楽の中で私と戦え……!」

(# ;;- )「――――」

か細い声は、段々と強く高く。
俯いていた軍神の顔が徐々に上がっていく。

しかし、目に浮かんでいたのは炎のような光だった。
逆ハの字に立った眉が震え、その瞳が一気に鋭さを増し


(#゚;;-゚)「――あぁあぁぁあぁ!!!」

叫ぶは咆哮。
拳を握りしめ、歯を剥き、軍神は力の限り声を発した。
そこから生まれる力は全身を循環し、更なる機動を可能とする。

(#゚;;-゚)「ダイオードッ!!」

/ ゚、。 /「!」

力の限りを以って拳を打ち上げる。
機械と剣がぶつかり、強烈な火花が散ると同時にダイオードが一歩二歩と後退する。



33: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:05:44.96 ID:IySuGSYX0
(#゚;;-゚)「ベラベラベラベラ勝手なこと抜かしおって……!」

/ ゚、。 /(ようやく火が点いたか)

(#゚;;-゚)「さっきから心の隙ばかり突いてるようやけど、そんな姑息なやり方でウチの心を折れると思うな!」

/ ゚、。 /「御望みならば、直接叩き折ってやろう!」

向かい来るはダイオード。
秩序守護者の一員にして、黒色の巨剣を操る女性騎士。
その剣は敗者の技を強奪し、そして模倣する呪われた魔剣だ。

激突。

轟音を始めとして、衝撃波が周囲の砂や石を容赦なく弾き飛ばす。

/ ゚、。 /「もう一度聞くぞ! 面白いか軍神!」

(#゚;;-゚)「あぁ!?」

/ ゚、。 /「このような戦いが出来ることを嬉しく思えるか!」

巨剣が舞う。
女性とは思えない力で振り回されるそれは、一種の暴風を生み出していた。

(#゚;;-゚)「嬉しい? 嬉しいやと!?」

果敢に飛び込みながら

(#゚;;-゚)「ふざけんなッ! 戦うことが面白いなんぞ一度も思ったこともないわ!」



35: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:07:16.32 ID:IySuGSYX0
/ ゚、。 /「笑わせるなよ軍神!」

(#゚;;-゚)「ちィっ!」

眼前を黒い線が過ぎっていく。
死中の最前線で発達した感覚が、ダイオードの挙動一つ一つを追って行く。

軍神が群を抜いて強い理由。
それは、祭り上げられるために装着させられた機械皮膚だけではない。
生と死が混和した地獄にて得た、異常なまでの反応神経。

(#゚;;-゚)「はぁッ!!」

地を這うように疾駆する。

隙を見つけてからの挙動速度が早いのは、上記の理由がある。
そしてその神速反応を体現するのが、機械化された身体だ。

/ ゚、。 /「お前は――!」

その速度に完全対応出来るのは、世界多しと言えどダイオードか英雄神くらいだろう。
普通の人間が受ければ即死する拳を、その黒い甲冑や剣で往なしていく。



37: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:09:09.16 ID:IySuGSYX0
火花は当然として、衝撃波さえも視覚化出来るほどの戦闘。

ダイオードが巨剣を振れば、軍神が回避ついでに蹴りを放ち、また次の攻防へと移っていく。
ワンアクションに掛かる時間は秒以下だ。

/ ゚、。 /「お前は、この戦いを楽しめないのか!」

(#゚;;-゚)「楽しめるかヴォケ!!」

/ ゚、。 /「強大な力を持ち! それを自由に振るい! 紙同然に敵を薙ぎ払う!
      それを喜べないのか……それを幸運に思えないのか!?」

(#゚;;-゚)「正直言うと! 力に興味無いなんぞ言えん!
    力を得れたおかげで異獣に復讐することを考えられる!
    でも、でもなぁ――!」

バックステップ。

(#゚;;-゚)「それが自分の力やと思えんのや!!」

地を踏み砕き、自身を砲弾のように撃ち出す。

/ ゚、。 /「その身体と思考を得たのは何者でもなく貴様自身!
      それすらも否定するか!」

(#゚;;-゚)「こんな与えられる力なんぞ、誰が望むかぁぁぁ!!!」

渾身の右ストレート。
剣の腹で受け止めたダイオードは、その勢いを殺すことが出来ずに吹き飛んだ。



40: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:11:16.60 ID:IySuGSYX0
(#゚;;-゚)「アンタは――」

鋭い視線の先、灰色の煙から黒の甲冑が姿を見せる。

(#゚;;-゚)「アンタは一体何が欲しいんや……?
    何を欲してこの戦いに挑んだ?」

/ ゚、。 /「いつかも言ったろう……強者は強者を求める、と」

(#゚;;-゚)「何故求める!? それだけの理由で――」

/ ゚、。 /「そんな下らない目的など忘れたよ!」

剣を振りかぶる。
上空へと切っ先を向け、

/ ゚、。 /「ブロスティーク!!」

怨、と漆黒の巨剣が吼えた。
途端に雰囲気が歪み、撓み、捻じ曲げられる。
まるでダイオードの周囲空間だけが別世界に存在するように、不気味な軋みを挙げている。

/ ゚、。 /「この剣をただの特殊な剣だと思わない方がいい」

(#゚;;-゚)「何を……!」

/ ゚、。 /「ブロスティークとは剣の名ではない。
      この剣に『憑いている』存在――人知を凌駕する不可視の種の名なのだよ」



44: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:13:31.66 ID:IySuGSYX0
巨剣が震える。
まるで生きているかのように。
獲物を前にして、歓喜に打ち震えている。

/ ゚、。 /「さぁ、殺し合おう!」

溜めこまれていた力が解放された。
剣を中心として、莫大な負の何かが噴き出す。
それは黒色の煙――いや、帯として周囲に撒き散らされた。

(;゚д゚ )「な、何だアレは!?」

(#゚;;-゚)「ダイオード……アンタは何を知ってる?
    その剣、いや、『それ』は一体何や!?」

/ ゚、。 /「混沌だよ!
      たった一種あれば世界一つがねじ曲がる程の!
      これによって運命を歪まされた世界は数え切れんだろうさ!」

(#゚;;-゚)「何、やて……?」

/ ゚、。 /「だから私はこの剣を握る! 約束したのさ!
      混沌の根源を持てば、それだけで私は望みを叶えられると!」

狡猾に笑い

/ ゚、。 /「私にとって秩序などどうでも良い……こんな世界の滅びなどに興味はない!」



47: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:15:47.76 ID:IySuGSYX0
遂に本性を現した。
不気味に吼えるブロスティークに触発されてか、ダイオードは本心を口にする。
しかし放たれた言葉の意味は、軍神達に伝わることはなかった。

(;´_ゝ`)「ど、どういうことだ……混沌っていうか……話デカくね!?」

(#゚;;-゚)「それは解らん……けれども、アイツはウチらの知らんことを知っとるみたいやな。
    そして他の秩序守護者は、ダイオードの本心を知っていて仲間に加えとる」

(´<_`;)「だろうな……能力を買っているのか、それとも別の理由があるのかは知らんが」

ダイオードの本性はともかく、決して良いとは言えない状況だ。

時間を掛ければ掛けるほど、自分達は不利になっていく。
こうしている間にも、他方に散っていた世界政府の戦力が集まってくるかもしれないのだ。
囚われている人質も、いつ気まぐれで殺されるものか解ったものではない。

しかし、目の前には鬼神の如き威圧感を見せる黒騎士。
これを突破しなければ活路は見出せないだろう。

(#゚;;-゚)「……しゃーないか」

(´<_`;)「ぐ、軍神さん?」

(#゚;;-゚)「時間もないことやし、ガチで終わらせるわ。
    あんま使いとうなかったんやけど……四の五の言うてられん」



50: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:17:25.63 ID:IySuGSYX0
/ ゚、。 /「私は幸せ者だよ、軍神。
      本気のお前と一対一で戦えるとは……ははは」

その瞳は闇のように深く暗い。
もはや正気ではない。

いや、元の彼女に戻った、と言った方が正しいのかもしれない。
巨剣を構えて獰猛に笑う彼女こそが、本来の姿なのかもしれない。

本気だ。
彼女は本気で、軍神を潰そうとしている。
相対するには相応の力が必要だと、状況が言っていた。
だから

(#゚;;-゚)「ごめんな……また修理頼むことになるよ、デフラグ」

呟くように、己の身体を診てくれる人に謝罪する。
通信機など使っていないので、彼本人には今の言葉は届いていない。

これはむしろ、己の覚悟を決めるための呟きだ。

右手が上がる。
機械に包まれた黒い指が、鎖骨の周囲を撫で擦り

その動きは、ある一点で止まることとなった。



52: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:18:53.78 ID:IySuGSYX0
『――!!』

突如、甲高い音が場を包み込んだ。
ひ、という悲鳴のような駆動音は、軍神の身体中を走り回る。
追うように光の線が生まれ、彼女の身体に模様のようなモノを残した。

(#゚;;-゚)「機械肌の全機能を起動させた。
    脳と直結した人工神経が、ウチの反応速度を最大限に活かしてくれる。
    これでもうアンタは――」

威圧というより、諭すような口調。
しかしダイオードは笑みを以って応えた。

/ ゚、。 /「ふ……ふふ、それがお前の最高の状態か?」

(#゚;;-゚)「はン、ウチからしてみれば最悪の状態やけどな」

自嘲の声に笑みを深くするダイオード。

再度激突するのに、そう時間は掛からなかった。



57: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:20:23.27 ID:IySuGSYX0
世界政府本部の外周を走る音がある。

数にして五。
幼女を思わせる背丈の女性や、片目に傷を負った男。
そして大剣を背負った金髪の女性など、多種多様な格好だ。

从・∀・ノ!リ「モララー達は既に先に行っておるようじゃな」

ハ(リメ -゚ノリ「あぁ、先ほど正面入口で敵と戦い始めたと連絡があった。
      これで本部内の敵の目は彼らに引きつけられることになる」

从・∀・ノ!リ「その内に我々が別場所から侵入。
      EMAとモナー、そして人質であるハインリッヒ達を救出じゃな」

( ><)「出来れば世界交差装置も確保してくれ、だそうなんです」

从・∀・ノ!リ「それはこの戦力では難しいが……まぁ、隙があれば挑戦しよう」

(*‘ω‘ *)「ぽぽっぽ!」

白い壁の前でゴソゴソとやっていたチンが作業終了を知らせる。

从・∀・ノ!リ「よし、伏せろ! スイッチONじゃ!」

閃光と爆発。
スイッチを押した瞬間、頑丈そうに見えた白い壁が光と共に粉砕した。

爆風を屈むことで回避したレイン達は、空いた穴へと歩を進める。



61: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:22:29.00 ID:IySuGSYX0
从・∀・ノ!リ「ふふふ。
       対魔力処理を施していたかもしれんが、魔法に関しては我らのほうが上よ。
       この程度の壁など、いくらでも破壊出来る」

ハ(リメ -゚ノリ「行こう、レイン。 モナーを助けないと」

从・∀・ノ!リ「とにかく行動は迅速に、じゃな。
       前衛はレモナ、任せたぞ」

|゚ノ ^∀^)「…………」

从・∀・ノ!リ「レモナ?」

|゚ノ ^∀^)「……えぇ、解ったわ」

無骨な剣を肩に乗せ、レモナは小さく呟いた。
その背を見送りつつ

从・∀・ノ!リ「ミツキ、おぬしまだ――」

ハ(リメ -゚ノリ「……解ってるよ」



65: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:24:49.35 ID:IySuGSYX0
俯き

ハ(リメ -゚ノリ「ただ、時に内面よりも外面が真実になることがある
       事実なんて脆いものだよ。
       人は少数派の真実よりも、多数派の偽装を信じてしまうんだから」

苦笑する。
諦めの色が混じった表情だ。

从・∀・ノ!リ「おぬし、まさか――」

レインが、ミツキの真意に気付いた。
何か言葉を発せられる前に、ミツキは首を振る。

ハ(リメ -゚ノリ「いえ、何も聞かないでください。
       僕はミカヅキの感情を正面から受け止めなければならない。
       『隊長を殺した』僕を、彼は打ち倒さなければならないんだ」

その笑みは、決して良い笑みとは言えなかった。
しかし今のレインにそれを指摘する資格など無く。

从・∀・ノ!リ「…………」

酷く霞んだ背を、レインは黙って見送ることとなった。



68: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:27:01.09 ID:IySuGSYX0
森の中を疾走する音がある。
ハ、という短く吐く息がそれを修飾し、必死になって逃げていることを明確に示唆する。

<_;プー゚)フ「だらっしゃぁぁぁ!!」

奇声を上げて逃げる男、エクスト。
彼は右手に緑色のトマホークを持ち、しかし抗うことなく退避に徹している。
まともに戦える相手ではないことを知っているからだ。

('、`*川「あのさー、鬼ごっこで私に勝てると思ってる?」

追ってくるのはペニサス。
エクストが五歩走る分を、彼女はたった一歩で踏み越えてくる。
彼からしてみればとんでもない化物だ。

('、`*川「戦おうよー、少しは加減してあげるからさー……ほいっと!」

<_;プー゚)フ「誰が戦うか!
         くそっ! クン三兄弟も怖かったけど、お前もなかなかきゃぁぁぁぁ!!」

('、`*川「ねぇねぇ例えばさ、弓矢と拳ってどっちが怖いー?」

<_;プー゚)フ「はぁ!? 弓矢に決まってんだろ!」

('、`*川「ですよねー」

ペニサスの速度が上がる。
その視線は完全にエクストを捉え、だからこそ攻撃の気配を背中越しに感じることが出来た。
背筋を撫でる悪寒に、エクストは身を投げ出すような姿勢で跳ぶ。



71: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:28:42.36 ID:IySuGSYX0
('、`*川「ほいさっ」

<_;プー゚)フ「どわぁぁ!?」

放たれたのは拳。
数メートルを一瞬で無にする脚力から放たれたそれは、エクストの傍にあった樹木を容易く砕いた。
メキメキ、という耳障りな音をバックに

('、`*川「ねぇねぇ、弓矢と拳ってどっちが怖い?」

<_;プー゚)フ「拳! 拳の方が怖いです!!」

('、`*川「要は威圧感の違いなんだよねー。
     っていうか私の方も人質の命かかってるから、戦ってほしいんだけど」

<_;プー゚)フ「……っていうか、関係の薄そうなお前がよく我慢してられるよな」

('、`*川「いや、ハインちゃん可愛いし」

<_;プー゚)フ「お、俺も負けず劣らず結構可愛いよなぁ、とか自負しちゃってたりなんか――」

('、`*川「あ?」

百八十度転換した声を合図に、今度は手加減なしの攻撃が再開された。



78: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:30:49.85 ID:IySuGSYX0
<_;プー゚)フ「いぃぃぃやぁぁぁぁ――って、あれ?」

腰を抜かしたエクストに衝撃は来なかった。
不思議に思い、視線を上げると

('、`*川「……あれ何?」

<_;プー゚)フ「え?」

木々の挟間から東の空が見えた。
青が八割を占める中、一点だけ赤色が明滅しているのが目に入る。

それは青白い光を吐き出しながら、一直線にこちらに向かってきていた。

<_;プー゚)フ「ま、まさかありゃあ――」

それは巨人だった。
赤い甲冑のような装甲を身に纏った、無機質な巨人。



――EMAだ。



81: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:32:27.49 ID:IySuGSYX0
甲高い電子音が、空域に新たな敵の侵入を知らせる。

(`・ω・´)「!? この反応……!」

データベースに登録されていた。
直後、ウインドウの片隅に入力されていた名称が表示される。

――EMA−02『ウルグルフ』、と。

風貌越しに見る東の空。
その先から、猛スピードで迫り来る赤き巨人。
このままではシャキンの乗るGIFに激突してしまう軌道だ。

『――――な』

ノイズ混じりの通信が入る。

(`・ω・´)「お前――」

『――邪魔をするな』

(`・ω・´)「ミツキを狙ってここまで来たのか?」

『邪魔をするな』

(`・ω・´)「これ以上、場を混乱させるのならば――」

『邪魔をするな――!!』



86: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:34:14.12 ID:IySuGSYX0
突っ込んでくる。
あの機体の装甲からすれば、GIFなど紙同然だろう。

(`・ω・´)「ッ!」

スロットルレバーを倒し、ペダルを踏み込む。
重力制御を司っていた小型ルイルが活性化し、機体の位置を押し上げた。

直下をEMAが通過していく。
その際に発生した衝撃が機体を揺らすが、微細な調整で立て直すことに成功。
熟練された腕が、経験が咄嗟の判断を手助けする。

(`・ω・´)「逃がさん!」

既に機首はEMAを向いていた。
風防の正面に捉え、ペダルとスロットルレバーを全開。
一瞬にして景色を吹き飛ばす速度まで上がり、代償としてGキャンセラーでも追いつかないGが身体全体に掛かる。

(`・ω・´)「だが、この速度なら――ッ!」

いくらEMAが高速を誇ろうとも、GIF『レイドール』には及ばない。
こちらは『速く飛ぶ』ことに主眼を置いた機体だ。

予想通り、ものの数秒で追いつくことに成功する。

『……その挙動、異世界の物だな?』

(`・ω・´)「機械世界所属のシャキンだ。
      悪いが、この場に無用な混乱を招きたくはない。 機体を止めろ」



91: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:35:59.34 ID:IySuGSYX0
『機械世界?
 ……成程、これは礼を言わんとならんらしい』

(`・ω・´)「何……?」

視界の先でEMAがこちらを振り向いた。
赤い電子の双眸が不気味に光る。

『貴様のいた世界のはずだ……私のいた世界の理論を用いてWSSを構築した科学者が』

(;`・ω・´)「なっ――まさか――」

自然とレバーを強く握る両手。
彼の言葉に覚えがある。
あれはこの世界に来る前、一つの騒動が起きる直前――

――もちろんタダで教わったわけじゃないわよ? 戦闘機用WSSを組み上げて返してあげたら喜んでたわ。

(`・ω・´)(こいつ、ガナーのことを……!?
      それに奴の世界の理論ということは、やはりこの機体のシステムは――)

『彼女に会うことがあれば言っておいてくれ。
 「貴女の組み上げたWSSは、非常に役に立った」と』

(;`・ω・´)「お前……」

『伝言は預けた。 それを持ってここから去れ』

声はそう言っているが、意志は別の言葉を示唆していた。
これ以上近付くのならば死を覚悟してもらう、と。



95: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:38:13.84 ID:IySuGSYX0
(`・ω・´)(だが……)

あの機体の搭乗者の目的はミツキだろう。
本陣にいるフサギコからの情報によれば、今彼は世界政府本部への侵入を試みているらしい。
もしそんな場に奴が突っ込んでいけば、混乱は避けられない。

『去れと言っている』

微かな怒気を含んだ声。
もはやこれが最後通告なのだろう、とシャキンは直感した。
数回深呼吸し、声に震えが出ないよう勢いをつけ

(`・ω・´)「だが断る!」

加速。
一瞬で風景が背後へと吹き飛ばされる。

『!?』

前方目掛けて機首をぶつけるような軌道に対し、EMAの両腕が反射的に上がるが

(`・ω・´)「――遅い!!」

突き抜ける。
機体先端に張った魔力を用いた突撃――『Force Attack』だ。

激音。

コックピットが揺れに揺れ、シャキンは身を押さえつけるかのようにして衝撃に耐えた。
一瞬の事とはいえ、震動が与えるダメージは侮れない。



97: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:40:31.18 ID:IySuGSYX0
抵抗が無くなり、推力任せに場を離脱する。

(`・ω・´)「やったか……?」

背後は灰色の煙に包まれている。
あれがEMAから出た爆炎ならば、勝ち目もあるのだが――

『流石は機械の鉄鳥……強襲はお手の物というわけだな』

声が来る。
続いて煙が晴れ、中から防御の形に手を組んだEMAが現れた。

(;`・ω・´)「くっ、効かないだと……?」

『残念ながら、こちらは魔法機動兵器でな。
 予め装甲には魔力をたっぷりと塗りこんである。
 ただ速く飛ぶための戦闘機と、戦うための戦闘機動兵器を同じように見てもらっては困るな』

(;`・ω・´)「だが、まだ負けが決まったわけではない……時間稼ぎくらいはやってやるさ」

『その考えが驕りだということを教えてやろう』

EMAが動く。
両腕を前に突き出した格好。

途端、その眼前に変化が起きた。



100: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:42:08.69 ID:IySuGSYX0
(;`・ω・´)「あれは!?」

一瞬の発光。
直後、空間を割るようにして棒状の何かが現れる。

それは半分ほどまで分解された武器だった。

いくつかの大きなパーツと、多数の小さなパーツ。
そして周囲にはネジやボルトと思われる大小様々な釘状物体。

合致する。

秒にも満たない速度で、その武器は己の身を完成までもっていった。

一言で言うなれば『二刀流』。
合計二本の剣のような棒のような武器は、赤いEMAの両手に握られている。

『準備運動代わりだ。
 EMAの戦闘力を――フラフラと飛ぶだけの戦闘機など、もはや相手にもならないことを教えてやる』

EMAが動く。
両手に持った武器を振り上げ、背部のブースターが光を噴いた。

(`・ω・´)「嘗めるな!」

対応するように、シャキンも動く。



103: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:44:13.28 ID:IySuGSYX0
対応するように、シャキンも動いた。

一歩遅れての行動は、しかしシャキンの方が速い。
元よりそのために作られた機体だ。
速度で負けてしまっては、その存在意義に傷が付いてしまう。

だから加速した。

旋回軌道でEMAの背後をとる。
そのままミサイルをバラ撒き、自身も突撃するために機首に魔力を張った。

『――!』

螺旋を描いて殺到する爆発飛翔体。
赤いEMAが、避ける間もなく爆炎に包まれる。

(`・ω・´)「これで!」

躊躇を捨てて仕掛けた。
いくら赤いEMAの対魔力防御が高くとも、この連撃であれば多少のダメージを与えられるはず。

しかし――


『翼を断てば鳥は飛べまい』


スピーカー越しに呟かれた声に、シャキンは突発的な鳥肌を止められなかった。



106: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:46:04.49 ID:IySuGSYX0
機体が爆炎の中に突っ込み――

衝撃。

(;`・ω・´)「ッ!?」

風防の両サイドから苛烈な光が飛び込んでくる。
それと共に機体制御が効かなくなり、自身の方が攻撃されたのだと悟った。
しかも致命的な威力で、だ。

(;`・ω・´)「ぐっ――あっ……!?」

『流石は「重力解放戦闘機」といったところか。
 しかし、瞬発力に関してはこちらの方が上だったな』

(;`・ω・´)「馬鹿、な……俺のGIFが……!」

『何も不思議なことではない。
 近接戦において最も重要なのは瞬発力。
 いいか? いくら力があろうとも、先の先を獲れねば勝利は薄いのだ』

回転しつつ高度が落ちていく景色の中、ノイズ混じりの声が響く。

『この機体――EMA02「ウルグルフ」の機構は瞬発力に主眼を置いている。
 如何に先手を獲られようとも、それを逆転させる程の速度があれば負けることなどない』

視界の端、赤いEMAが二本のブレードを振るう。
どうやら接近戦に多大な自信があるらしい。



108: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:47:58.70 ID:IySuGSYX0
(;`・ω・´)「だが、翼をやられたくらいで!」

スロットルレバーやペダルを動かすが、しかし反応が薄い。
落下速度を抑えるだけで精一杯だ。

どうなっているのだ、と表情を青くしたシャキンに

『GIFの翼は真の翼に非ず。
 その正体は、武器兵器を収めるための単なる兵装庫に過ぎない』

(;`・ω・´)「まさ、か」

『お前の機体を浮かべているのは動力である小型ルイルだろう?
 悪いが、その接続を八割ほど寸断させてもらった』

つまりあの一瞬の交差で両翼を斬り飛ばし、更には動力の接続部を狙い穿った、と。

言葉を聞き、シャキンは戦慄する。
信じられない反応速度と判断力。
そして、それらを体現するEMAの性能。

十割切断をしなかったのは、彼なりの情けなのだろう。
この高さから引力制御を失って落下すれば高確率で死ぬ。

しかし二割ほどの出力が残っている現状、そのまま落ち着いて降下すれば生存出来る可能性が高かった。



111: ◆BYUt189CYA :2007/09/26(水) 21:49:38.69 ID:IySuGSYX0
『私の相手はお前ではなく、お前の相手も私ではない。
 EMAの相手はGIFでは成り立たず、GIFの相手はEMAでは成り立たない』

それに、と言い

『この機体は人を殺すために作られたのではないのだ。
 今は、ただ一人の例外を殺すために動いているのだがな』

赤いEMAが背を向ける。
もはやシャキンなど眼中にない。
青白い光を背部脇のスラスターから溢れさせ、本命のターゲットを探すために移動を始める。

反撃を。
せめて反論したかった。

しかし、精神的にも状況的にもそんな余裕など残されていない。

(;`・ω・´)「くっ――」

そ、と続く悪態は最後まで続かない。

両翼から爆炎を撒き散らし、GIF『レイドール』は森の中へと落ちていった。



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