( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

  
39: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:42:34.56 ID:3S++GCzM0
  
/ ゚、。 /「問答無用とはこの事か」

川 -川「最初から期待はしていませんでした」

/ ゚、。 /「確かに……」

口元に笑みを浮かべる。

/ ゚、。 /「だが、その意思の堅さは解った」

川 -川「理解など不要」

ぶつかる。
火花が散り、轟音が周囲空間を振るわせた。
二本のナイフと黒い巨剣が、互いに存在の強さを競う。

/ ゚、。 /「つれないな」

川 -川「敵に言われる筋合はありません」

そうか、と言い残し、ダイオードはバックステップで距離をとった。

/ ゚、。 /「随分と嫌われているようだ……これでは交渉も間もならん」

川 -川「いきなり襲撃しておいて、よく言いますね」

/ ゚、。 /「すまんな、性分だ」



  
41: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:44:03.44 ID:3S++GCzM0
  
肩に巨剣を乗せる。
そのままの姿勢で丁度五歩だけ後退。

/ ゚、。 /「ふむ……今日は退こう。
      互いに頭を冷やした後、建設的な話し合いをしたいものだ」

川 -川「果たして、そうのんびりと出来るのでしょうか。
     我々とそちら側……そしてもう一つが動いていますが」

/ ゚、。 /「あぁ、リトガーを倒した者達か……あんな烏合の衆、今更気に掛けるまでもない。
      せいぜい我々の意図通りに動いてもらうさ」

川 -川「だと良いですが」

突如、貞子が背後へ飛んだ。
そのまま闇夜へと身を走らせる。
ターゲットの気配がなくなったと確認した後、ダイオードは溜息混じりに言葉を吐く。

/ ゚、。 /「ふン……下らん」

彼女の呟きは、誰にも聞こえることなく消えていった。



  
43: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:45:48.56 ID:3S++GCzM0
  
( ・∀・)「……真実の、場所?」

夜のバーボンハウス。
突如として現れた客人に、動揺を隠せないブーン達。
その中で唯一人冷静なモララーが、言葉の意味を問いかける。

( <●><●>)「『真実を得られる場所』、と言い換えても構いませんし
        『真実が現われる場所』、という解釈でも構いません」

(´・ω・`)「それは良いんだけど……どちら様?」

( <●><●>)「私のことはどうでも良いんです。
        真実が在る場所を求めるか、ということを問いかけに来ているだけです」

川 ゚ -゚)「つまり貴方は『真実の場所』とやらを知っていると?
     それとも、真実自体を知っていると?」

( <●><●>)「どちらもです」

( ・∀・)「あれかね? チートでも使ったのかね?」

爪゚ -゚)「御主人様、ここは現実です」

( ・∀・)「冗談だよ、冗談……で、何故知っているのか聞いても良いかね?」

( <●><●>)「知っていることが当然であるからです」

どうにもあやふやである。
つまり『自身の情報は渡さぬが、真実を得られる位置を教えよう』ということらしい。



  
44: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:47:12.92 ID:3S++GCzM0
  
( ,,゚Д゚)「……どうする? 『教えて』もらうか?」

ギコの問いかけに答える声はない。
単なる解釈の違いなのだが、それが仲間を二分化していると解っているからだ。

(*゚ー゚)「場所は教えてもらって、真実の内容は現地で確かめれば良いんじゃない?」

( ・∀・)「あぁ、私もそれに賛成だ。
     全て自分の力で、などということは不可能だからね」

他の者はどうかな、と視線を向ける。

(´・ω・`)「どちらでも。 あまり拘ってるわけじゃないし」

从 ゚∀从「僕もです」

( ゚∀゚)「面倒くせぇ」

川 ゚ -゚)「……拘り過ぎるのも良くないかもしれないな」

( ^ω^)「僕も賛成だお。 ギコさんは?」

( ,,゚Д゚)「まぁ、『協力者』として見るならばOKじゃないか?」

大体、全員の意見は同じだ。
やはり何においても真実を得たい、という心境は一致しているらしい。



  
45: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:48:33.05 ID:3S++GCzM0
  
( <●><●>)「では、言いましょう」

( ・∀・)「真実の位置とは?」

( <●><●>)「『クルト博士の研究所』……そこに、真実が在ります」

その場にいた全員が、その言葉に身を固めた。
何故なら、真実の位置があまりにも意外だったからだ。

いや、ある意味想定内だったのかもしれない。
しかし調べ尽くされ、更には崩壊した場所の名が出るとは誰も思っていなかった。

(;^ω^)「……そこに、真実が?」

( <●><●>)「明日の夜。
        貴方達が求めるものがあるはずです」

直後、黒に纏われた身体が闇に消える。
音も無く、まるで最初からいなかったかのように。



  
46: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:49:52.25 ID:3S++GCzM0
  
その一角を見ながら

从;゚∀从「えっと……幻、だったんでしょうか?」

川 ゚ -゚)「全員が同じ幻覚を見るなど、ありえない。
     それこそ指輪の力に似た何かを使わねばな」

(*゚ー゚)「でも今の人って、何か妙な感じがしたわ……」

未だ、不思議そうに部屋の隅を見つめるしぃ。
その横でグラスを傾けるギコが

( ,,゚Д゚)「……研究所に、今更何がある?
     FCや流石兄弟が調べ尽くしているはずだろう?」

( ・∀・)「あぁ、持てる力の限りは。
     見逃しがあるとは考え難い……何があるのかワクワクするね」

ショボンが差し出したコーヒー入りカップを手に取り

( ・∀・)「まぁ、とりあえず明日だ。
     一体誰が来るのか、確認しておこう」



  
47: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:51:02.86 ID:3S++GCzM0
  
川 ゚ -゚)「私は当然行くぞ」

从;゚∀从「ぼ、僕も行きます!」

大人しくジュースを飲んでいたハインリッヒが声を上げた。

(;^ω^)「ハインリッヒも? 多分、危険だお?」

从;゚∀从「で、でも……僕自身に関係があるかもしれません。
      だからこそせめて、自分の目で見たいんです」

川;゚ -゚)「しかしだな――」

(´・ω・`)「いいんじゃない?」

(;^ω^)「ショボン?」

(´・ω・`)「彼女が行きたいって言ってるんだ……その意見は尊重すべきだと思うよ」

(;^ω^)「うー……」

川 ゚ -゚)「……まぁ、意思が堅いのは前々から承知しているからな。
     ハインリッヒ、ただし私の側を離れないでほしい」

从;゚∀从「は、はい!」



  
50: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:53:25.45 ID:3S++GCzM0
  
( ・∀・)「そこの元祖バカップルはどうかね?」

( ,,゚Д゚)「……俺も、行こう」

(*゚ー゚)「大丈夫なの?」

( ,,゚Д゚)「あぁ、最初はそんなに興味無かったが……少し知りたいと思った」

昨晩の一場面を思い出す。
それは彼女が発した声。

――貴方達が如何に無知で愚かだったって痛感出来ると思うんだ。

一体、向こうは何を知っているのか
中途半端な知識しかない自分達が、一体何を知らぬというのか。

その未だ埋まらないピースが気になる。

( ,,゚Д゚)「しぃは残っていて構わない。
     相手の事を考えるに、やはり危険だからな」

(*゚ー゚)「……ううん、私も行くよ。
    ギコ君が行くなら、私は何処へでも一緒に行く」

( ・∀・)「はっは、流石は元祖バカップルだ。 言うことも何もかもが熱い熱い」

爪゚ -゚)「扇風機モードを起動します」

ジェイルの腹部が扇風機に変形する。
ブォォン、と妙に生暖かい風がモララーの髪を揺らした。



  
53: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:54:43.69 ID:3S++GCzM0
  
( ^ω^)「あれ? 元祖っていうことは……新生がいるのかお?」

(´・ω・`)「君達だよ、君達」

( ^ω^)「?」

川 ゚ -゚)「ところで、ショボンはどうするのだ?」

(´・ω・`)「僕は店があるからね……ちょっと無理かな。
       代わりにジョルジュを持っていけって言おうと思ったけど
       流石兄弟さんがいない今、人手は出来るだけ多く欲しい」

( ゚∀゚)p「俺様も御留守番かよー、つまんねぇー……ブーブー」

(´・ω・`)「給料減らすよ? 半分くらい」

(;゚∀゚)「ごめんなさい」



  
58: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 21:58:56.12 ID:3S++GCzM0
  
( ・∀・)「さて、この場にいないのはドクオ君とフサギコ君、流石兄弟だが……」

川 ゚ -゚)「希望があるならともかく、無理矢理に連れて行くのは駄目だと思うぞ」

( ・∀・)「ま、そう言うと思ったよ。
     ということは我々、えーっと……八名で行くわけだね。
     更にはFCからも何人から連れて行くとして――」

( ,,゚Д゚)「戦力としては充分だな。
     後は俺達の対応次第という事になる」

( ・∀・)「私がいるので安心して良いよ……ふふふ」

ヘラヘラと笑っているように見えるも、実は裏で腹黒いことを考えている。
ギコにはそう感じた。

どうやら、研究所での一件が相当に悔しいらしい。

( ,,゚Д゚)(結局、考えていることは似たようなものか)

ギコは半分納得、半分感心しながら酒を口に入れた。



  
59: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 22:00:08.31 ID:3S++GCzM0
  
暗い空間。
夜という闇が光を閉ざし、冷たい空気が満ちた空間。
広さは教室一つ分ほどだ。
そして物は一切置かれておらず、窓も無い部屋。

从'ー'从「うーん、いい感じだね」

中央に二つの人影。
渡辺と貞子。

川 -川「陣の用意は出来ています、マスター」

言葉と同時に渡辺は自分の足元を確認するように見渡す。
白い床には血のような色の線で、妙な模様が描かれていた。
それを見て満足そうに頷いた彼女は、手に持っていたアタッシュケースに手を掛ける。

从'ー'从「あとはこれを配置して、と……」

光が漏れる。
内部には、大小様々な光る石が収められていた。

川 -川「流石は『歪』の魔力ですね……希少故にその輝きは神々しい」

从'ー'从「まぁ、希少っていうか元々存在しないはずの魔粒子だしね。
      とりあえず見た目くらいは綺麗にしなきゃと思って作ったら、予想以上に美しくなっちゃった」



  
60: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 22:01:39.54 ID:3S++GCzM0
  
手に取ろうとしたその時だ。

从'ー'从「「!」」川 -川

二人は一斉に背後へ振り向く。
その視線の先に、今までいなかったはずの人影が一つ。

从'ー'从「……また貴方?」

メ(リ゚ ー゚ノリ「おうよ」

それは男だった。
真っ赤な髪の毛を持ち、首の後ろで一つに束ねている。
身体は黒衣に隠れて判別出来ないが、声からして男だということは解っていた。

川 -川「相変わらず神出鬼没ですね……マスターに何か用でもあるのですか?」

メ(リ゚ ー゚ノリ「まぁ、用って言うか警告だな。
      無知の後継者が、アンタらの真実を覗き見しようとしてるぞ」

発せられた言葉に、渡辺は目を軽く見開いた。
そして口元に笑みを浮かべる。

从'ー'从「へぇ、それは面白い情報だね……とりあえず、ありがとう」

メ(リ゚ ー゚ノリ「礼には及ばねぇ。
      俺は俺のしたいことをしているまでさ」

黒衣の男は一言呟くと、そのまま闇へと溶けて消えた。



  
62: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 22:02:58.86 ID:3S++GCzM0
  
気配が完全になくなったのを確認した渡辺は、ふと言葉を紡ぐ。

从'ー'从「以前から私の前に現れるけど……彼は何者なのかな?」

川 -川「不明、という言葉しか該当しません。
     名も正体も所属も目的も行動理念も思考も――全て解っておりません」

从'ー'从「まぁ、別に害ある情報を渡されたためしはないからいいんだけどね。
      誰かは知らないけど、協力してくれるなら利用しなきゃ」

簡単な結論を出した彼女は、アタッシュケースから光を発する石を取り出し始める。
それを決められた位置に設置。
作業はものの数分で終了した。

从'ー'从「今までの準備が功を奏したみたいだね」

川 -川「しかしどうされますか?
     最近我々を嗅ぎ回っていたのは、おそらく――」

从'ー'从「うん、さっき言ってた後継者って人達だね。
      指輪の戦士、と言い換えてもいいかな?」

川 -川「後継者……その意味を彼らに言えば、きっと驚くことでしょう」



  
64: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 22:04:34.27 ID:3S++GCzM0
  
それを聞いて渡辺は口に笑みを作った。

从'ー'从「あぁ、そう言えば彼らは知らないんだったね。
      いつの間にか、自分達がリトガーの後継者になってるってことに……クスクス……」

可愛らしい控えめな笑い声が部屋に木霊する。
それはしばらくの間、止むことはなかった。

突如、陣から光が発生。
紫に近いそれは、置いてある石をも巻き込む。

轟、と空気が渦巻く音。

こうして、変革を生み出す舞台は整っていった。

あとは時を待つだけ。
渡辺の計画は順調に進んでいくこととなった。



  
68: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 22:05:56.04 ID:3S++GCzM0
  
人気の無いビルの屋上。
一面を支配する闇から、人が浮き出てくる。

( <●><●>)「…………」

彼はそのまま足を進め、屋上の縁で足を止めた。

( <●><●>)「修正、誘導、管理……」

呟き、眼下の光々を目に入れる。
しばらくそのまま、彼が動くことはなかった。

「何を、考えているのですかな?」

背後から声。
振り返れば、今までいなかったはずの男がそこにいた。

|(●),  、(●)、.:|「部屋の準備は出来上がりました、どうぞ」

彼の背後に建物があった。
それは巨大な木造の扉が美しい、喫茶店のような建物。



  
69: ◆BYUt189CYA :2007/03/04(日) 22:07:38.62 ID:3S++GCzM0
  
( <●><●>)「おや、思ったよりも早かったですね」

|(●),  、(●)、.:|「えぇ、この世界はコーヒー豆の種類が豊富でして。
            やはり良い事があれば、やる気が出るものですよ」

それを聞いた彼は、少しだけ笑う。

( <●><●>)「現金な人です」

|(●),  、(●)、.:|「まぁ、そういう性格ですので。
            ところでダイオードさんは?」

( <●><●>)「彼女は、おそらく渡辺さんの居場所を探っているのではないでしょうか」

|(●),  、(●)、.:|「そうですか」

目元を弓にしているダディの隣を、無表情で歩いていく。
そのまま扉のノブへ手を掛け

( <●><●>)「では早速……」

扉を開いて内部へ。
ダディも追いかけるように室内へと入る。
大きな扉が閉まった途端、その建物は闇の中へと消えていった。



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