( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 27:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:05:03.25 ID:y361l3On0
- 川 ゚ -゚)「だが時間はあるのか?
聞いた話だと、そのGDFは持ち去られそうなんだろう?」
<_プー゚)フ「正直、のんびりとしてる場合じゃない。
今日か明日にでも運ばれそうなほどに作業は進んでたし」
爪゚ -゚)「では、移動中に話を聞きましょう」
(´・ω・`)「その方が良いみたいだね」
と、そこでジェイルがブーン達を見ながら
爪゚ -゚)「エクスト様から聞いた話から判断した結果、戦力はFCで事足りると思われます。
しかし、異世界からの来訪者と来訪物……。
これに渡辺達が噛んでいる可能性は否定出来ません」
川 ゚ -゚)「要は奴らに対抗するための用心棒となれ、ということか」
爪゚ -゚)「はい」
クーは少し考える素振りを見せる。
そして
川 ゚ -゚)「……私達に出来ることは限られているかもしれない。
しかし、足止めくらいにはなるだろうか」
- 28:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:06:45.90 ID:y361l3On0
- ( ^ω^)「クー」
クーの肩を叩き
( ^ω^)「そんなネガティヴじゃ駄目だお。
次はアイツらを圧倒するくらいの気持ちで行かなきゃ、知りたい真実を得られない気がするお」
川 ゚ -゚)「……あぁ、そうだな」
('A`)「何やらよく解んねぇが……俺も手伝うぞ」
爪゚ -゚)「ですが、状況によっては危険かと」
('A`)「いやまぁ……そうなんだろうけどな。
だからといって友達を放っておくのもどうよ、って話じゃん。
この前は思い切り放って置かれたけどさ」
ドクオが言っているのは渡辺との接触のことだろう。
確かに危険だという判断から、事が終わるまで知らせもしなかった。
(;^ω^)「あれはすまんかったお」
('A`)「別に怒ってるわけじゃねぇよ。
でも、俺的な意見を言わせて貰えば……これは傲慢な考えかもしれねぇが
俺がいなかったことにより、誰かが怪我したり死ぬかもしれない。
だったら危険だろうが何だろうが手伝うぜ」
(´・ω・`)(自分が足手纏いになるってのは考えないのね。
まぁ、ドクオらしいといえばらしいけど)
- 30:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:08:26.59 ID:y361l3On0
- そこで便乗するようにハインリッヒが手を上げる。
从 ゚∀从「僕も行きます!」
川 ゚ -゚)「ハイン、悪いが今回は駄目だ」
从;゚∀从「何でですか!? 渡辺さん達が関わってるかもしれませんよ!」
川 ゚ -゚)「端的に言えば危険だからだ。
それに渡辺達が噛んでいるという話も、結局は可能性の範囲内。
確実でない、しかも危険だと思われる場所に連れて行けるわけがない」
クーの言っていることは正論である。
しかし、彼女の口には出さぬ心の内がブーンには解っていた。
足手纏いなのだ。
前回の渡辺接触時、彼女はまったく戦うことは無かった。
それはそれで幸いだったのだろう。
ただ、あの時は『戦う必要が無かった』と言い換えられる。
今回は乱闘になる可能性が高い。
更には異世界の人間と物が関わっているという点で、どのように状況が転ぶかも解らない。
しかも渡辺達にまで介入されるとなると、もはやカオスの領域だ。
- 32:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:09:44.08 ID:y361l3On0
- そんな状況において必要なのは『素早い判断力』と『鋭い洞察力』。
そしてその根底を支えるのは『行動力』だ。
ハインリッヒがいることにより、クーやブーンの判断が遅れる可能性がある。
最悪、もし人質にでも取られれば敗北は必至。
口では言わないが、クーはそれらを懸念しているのだろう。
川 ゚ -゚)「解ってくれ、ハイン」
从;゚∀从「……うぅ」
クーの怖さを知っているからこそ、彼女の言うことには逆らえないハインリッヒ。
ここにきて過去の教育の裏効果が出てしまっていた。
少しだけ可哀想に思いながらも心を鬼にし
( ^ω^)「ハイン、ここはクーの言う通りにするお」
从;゚∀从「う〜……解りました……」
半泣きになりながらも、首を縦に振った。
- 33:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:11:09.01 ID:y361l3On0
- 爪゚ -゚)「では行くのは、私とエクスト様、ラミュタス様、内藤一家様、ドクオ様ということで。
ちなみにショボン様はどうされますか?」
(´・ω・`)「僕は店があるからね。
それに連絡役としても残る人がいて良いはずだ。
ジョルジュは寝てるから、出来れば起きる前に出発して欲しいかな」
爪゚ -゚)「御心配なく。 今すぐ出ますので」
軽く手を広げ
爪゚ -゚)「では、異世界の話を聞きながらの楽しい楽しい奪還作戦と致しましょう」
言葉をきっかけに、順次バーボンハウスを出て行くブーン達。
『いってらっしゃい』と見送ったショボンは、コーヒーカップとクッキーを取り出しながら
(´・ω・`)「さて、ハインリッヒちゃん。
彼らが帰ってくるまでどうす――」
振り向く。
薄暗い景色の中、どう見ても人の気配がないことに気付いた。
- 34:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:12:32.47 ID:y361l3On0
- (;´・ω・`)「……ハインリッヒちゃん?」
返事は無い。
つまり、いない。
まさかとは思うが――というか、それしかないわけで――
携帯電話を取り出す。
操作し、ブーンの携帯番号を表示させて通話ボタンに指を乗せ
(´・ω・`)「…………」
そこで、ショボンは思い留まった。
通話ボタンに触れていた指を離して、携帯電話をポケットへと入れる。
そして溜息。
(´・ω・`)「……まぁ、彼女なりの考えもあるだろうし。
ここは知らない振りをするのが正解かもね」
- 35:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:13:47.79 ID:y361l3On0
- 暗闇が来る時間。
都市ニューソクから少しだけ離れた山中、鬱蒼と茂る木々の狭間に人影があった。
(`・ω・´)「…………」
シャキンだ。
野戦服のような服装で、懐中電灯のようなライトを片手に草木を掻き分けながら進む。
とはいえ、彼に目的地など存在しない。
己の翼を探しているだけだった。
(`・ω・´)「この付近じゃないのか……?」
手に持っているのは、エクストが持っていたそれと同じ形状を持つ機械。
ESSと呼ばれるシステムを搭載したレーダーだ。
赤い点滅が、方角で言う北で光を発している。
その方角へと歩き続けて半日以上。
まったく近付く様子がない。
木々の狭間から見えるのは、闇色に染まった空。
(`・ω・´)(そろそろ野宿の準備だな……)
こういうサバイバルは苦手である。
軍人であるエクストならば得意とするはずだろうが
生憎、自分は民間のテストパイロットに過ぎないので、その手の訓練は受けたことがない。
- 36:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:15:36.73 ID:y361l3On0
- 慣れない手付きで携帯食料の封を切り、口に入れる。
少し咀嚼し
(;`・ω・´)「……不味い」
「――文句を言うくらいなら、そろそろ山を降りても良いのではと思いますが」
(`・ω・´)「誰だ!?」
( <●><●>)「こんにちは」
低身、そして黒衣の男が付近の木の上にいた。
爛々と輝く黒色の瞳でこちらを見下ろしている。
あまりに不気味な光景に、シャキンは一筋の冷や汗が流れるのを感じながら
(;`・ω・´)「お、お前は……?」
( <●><●>)「とりあえず、これを」
何かを落とす。
慌ててキャッチしてみれば、それはコンビニで売っているオニギリだった。
( <●><●>)「美味しいですよ」
(;`・ω・´)「……ワケが解らない」
- 38:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:17:14.95 ID:y361l3On0
- ( <●><●>)「お腹が空いていると思いまして。
それと、別に貴方の命を取りに来たわけではないので……その証明として」
その言葉に、シャキンは更なる冷や汗を憶える。
――命を取りに来たわけではない。
つまり逆を言えば、取ろうと思えば取れるということだ。
(;`・ω・´)「…………」
( <●><●>)「そんなに警戒することも無いと思いますが。
そもそも私達側が貴方を殺したりするメリットがありません」
(;`・ω・´)(側? 何処かの組織に属してるわけか……?)
( <●><●>)「やれやれ、随分と警戒されているようで」
(`・ω・´)「当たり前だろう。
知らない奴から貰ったモノを、そう簡単に口にする馬鹿はいない」
- 40:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:19:13.89 ID:y361l3On0
- ( <●><●>)「私には、貴方のことが解ってます」
男は文字の羅列を口にした。
( <●><●>)「リフレクション内オーベウス軍ニクルス開発局の民間テストパイロット。
担当機はGIF『レイドール』で、エクストという男といつも競い合っていましたね?
兄弟がいて、その兄は二年前から行方不明。
貴方はその兄を追う形でパイロットとなった……違いますか?」
(;`・ω・´)「お前……」
完璧だった。
己の経歴をそこまで知っているという事は。
いや、兄を追うためにニクルス開発局に接触したことまで知っているのはおかしい。
アレは自分の独断で、エクストとガナー以外に話したことがないはずだ。
( <●><●>)「これで解りましたか? 私がどの程度の人物なのかを」
(;`・ω・´)「……つまり、俺など毒を仕込んで殺すまでもないということか」
( <●><●>)「何にせよ、私に敵意が無いと解ってもらえれば良いです」
この男には絶対に適わない。
シャキンはそう確信する。
取っ組み合いになれば勝てるのかもしれない。
経験は解らぬが、体格はこちらに分があるし武器だってある。
しかし、あの男からはそれ以前の力が発せられいるのが解った。
圧倒的な何かの差を感じ、シャキンは肩を軽く落とす。
- 41:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:20:36.78 ID:y361l3On0
- (`・ω・´)「……で、お前ほどの男が俺に何の用だ?」
( <●><●>)「貴方の求めるモノ、それに向かうための道標になりに来ました」
(`・ω・´)「?」
( <●><●>)「今、貴方が求めるモノ……すなわちGIF『レイドール』」
(`・ω・´)「! 在り処を知っているというのか?」
( <●><●>)「月面を北に三百km」
(;`・ω・´)「そんなに遠いのか!?」
( <●><●>)「……冗談が通じない人は、この先苦労しますよ。
そもそも月面の時点でおかしいと気付きなさい」
(;`・ω・´)「い、いや……その、すまない……」
上から溜息が聞こえる。
気を取り直したのか、黒衣の男は北を指差し
( <●><●>)「このまま進めば、いずれ小さな滝が見付かるでしょう。
その周囲をよく調べなさい……。
木々に隠れて見難いでしょうが、きっと望む物があるはずです」
- 42:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:22:10.51 ID:y361l3On0
- (`・ω・´)「…………」
( <●><●>)「疑っているのですか?」
(`・ω・´)「いや……どうして俺に教えるのか、と」
( <●><●>)「私が貴方を導く理由として、貴方に動く意味があるということですよ。
このまま森の中で燻ってもらっていては困る……そう思って下さい」
(`・ω・´)「お前は一体何者なんだ?
それに、俺が動く意味などあるようには思えない。
お前が知っている通り、そんなに俺は大きな力も存在力もないはずだ」
( <●><●>)「自分の価値観と他人の価値観には思っている以上の差異があります。
私には、その差異全てが解るだけ……たった、それだけです」
(`・ω・´)「どういう――」
瞬き。
その一瞬の間に、黒衣の男は視界から消えていた。
音さえもなく、風さえも起こさず。
沈黙が訪れた森内を見回し、シャキンは小さく呟く。
(;`・ω・´)「……どうやら、俺はとんでもない奴と会ってしまったらしいな」
- 43:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:23:27.63 ID:y361l3On0
- どの世界にも『強者』はいる。 絶対に、だ。
強者は総じて影響力が桁違いに強い。
むしろ、それだからこそ『強』者と呼ばれるのだろう。
たった数人、いや一人が動くだけで事が大きく様変わりすることだってある。
その中で安全に生きる条件は共通しており、それは『関わらないこと』。
なのだが――
(;`・ω・´)「…………」
思い切り、関わってしまった。
しかも向こうから。
強者が弱者に接触する場合、そのほとんどに理由がある。
言い換えるならば『メリット』があるから、己よりも格下の相手を目を向けるのだ。
ならば、自分が黒衣の男にとってのメリットとなり得るか?
答えはNOだ。
自分よりも強い者はいる。
自分よりも役立つ者はいる。
自分にしか出来ないことなど無い。
(`・ω・´)(ならば何故……?)
疑問が浮かぶも、しかし答えを出さぬまま消えていく。
(`・ω・´)「……考えていても仕方ない、か」
- 45:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:24:52.18 ID:y361l3On0
- 夕暮れに染まる山内。
鬱蒼と茂る木々の中、在り得ないモノが在った。
それは喫茶店と呼ばれる建物。
そのあり得ない光景に一つの黒い人影が接近する。
十メートルを切った瞬間、扉が開いた。
( <●><●>)「御迎えありがとうございます」
|(●), 、(●)、.:|「いえいえ、これくらいしか私には出来ませんから」
扉を開いたのはダディだ。
コーヒーの匂いを纏いながら、笑みで黒衣の男を迎える。
|(●), 、(●)、.:|「で、どうでした?」
( <●><●>)「場所は教えてあげましたよ。
おそらく数時間後には動き出すでしょうね……運が良ければ」
|(●), 、(●)、.:|「貴方さんから見て、彼の評価は?」
その言葉を聞いて、黒衣の男は少しだけ目を瞑り
( <●><●>)「彼は普通の人間でした。
私達が思っていたよりも、狂気に捉われていないです」
|(●), 、(●)、.:|「そうですか……それは残念ですね」
- 47:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:26:10.84 ID:y361l3On0
- ( <●><●>)「後は彼次第となりますか。
もっとも、もはや我々が知ったことではありませんが。
ところで――」
黒衣の男は背後へ視線を向け
( <●><●>)「盗み聞きとは感心しませんね」
視線の先。
闇色に等しい木々の狭間から、まるで縫って出てきたような影。
ル(i|゚ ー゚ノリ「ふふ……流石にここまで近付けばバレてしまうか」
それは青髪の女だった。
黒衣を纏い、右手には刀を一本だけ鞘に納めて握っている。
( <●><●>)「何か用でしょうか?」
ル(i|゚ ー゚ノリ「いや、別に。
こちら側としては、お前達の行動はとても興味深いのでな」
|(●), 、(●)、.:|「観察? むしろ監視ですかな?」
ル(i|゚ ー゚ノリ「そこまで大層なものじゃあない。
私達はただの『観測者』として、状況を見守っているに過ぎないさ」
- 49:造園業(大分県) :2007/03/26(月) 16:27:39.74 ID:y361l3On0
- ( <●><●>)「秩序が完全に壊れるまでは観測者気取り? それが終われば食事ですか?
前者はともかく、後者は絶対に我々がさせません」
ル(i|゚ ー゚ノリ「ならば、今も刻一刻と進んでいる世界交差……これを止めれば良い」
表情は笑み。
己が絶対的な優位に立っていると解っている笑みだ。
その苛立ちさえ覚えそうな表情を見ながら
( <●><●>)「…………」
ル(i|゚ ー゚ノリ「そう睨むな……我々とて無駄な争いはしたくない」
何故なら、と続き
ル(i|゚ ー゚ノリ「お前達も料理の一つだからな。
特に強い力を持つお前達は、我々にとっては最高の食材だ」
その時だ。
ヒュ、という風切音が響き、青髪の女が消える。
直後、女がいた場所に黒の大刀が叩き込まれた。
ル(i|゚ ー゚ノリ「やれやれ、女性にその仕打ちはないだろう?」
一瞬で立ち位置を変えた女が、大刀の持ち主に微笑みかける。
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