( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

2: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:15:48.58 ID:ObkGOkKd0
  
第九話 『自立的戦闘行為』

その装甲列車は高速で走っていた。

重さにも関わらず、速度を叩き出せる理由の一つに強力なエンジンがある。
理由の一つに車輪がある。
理由の一つに構造がある。

贅沢過ぎるといえるほどの装備を積んだ列車は、ひたすら逃げるように走り続けた。
一瞬で景色を吹き飛ばしながらだ。

そんな速度で走る列車に一台の車両が追従している。
進行方向から見て左側を走るのはFC製の装甲車両。

爪゚ -゚)「舌を噛まないよう、御願い致します」

(;^ω^)「揺れるお揺れるお! シェイクだお!」

ガクガクと揺れる車内では、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されている。

今、ブーン達が走っているのは戦跡荒野のど真ん中。
荒野の名に相応しいほどの荒れ具合だ。
大小様々な石が車両を跳ねさせ、内部の者達を掻き混ぜる。

(;'A`)「いてぇぇぇ!! 誰が足踏んだ!?」

川 ゚ -゚)「む、すまない」

('A`)b「なら許す!」



4: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:17:08.28 ID:ObkGOkKd0
  
<_プー゚)フ「ギャーギャー騒ぐなよ……これくらい、どうってことねぇだろが」

(`・д・')「前から言っているが、お前は自分の価値観でモノを語る癖がある。
     彼らは軍人ではない……少し騒がしくなるのは仕方ない」

<_プー゚)フ「随分と余裕だな。
        今から愛しの愛機に会えるってのに」

(`・д・')「……別に、愛機なんかじゃない」

そっぽ向くラミュタスに、エクストは小さな違和感を覚える。
GDFのことよりも懸念している事がある。
そんな雰囲気なのだが

川;゚ -゚)「――おい! 背後からもう一台来てるぞ!」

爪゚ -゚)「我々以外の車両は敵と認識して頂いて結構です。
    出来れば排除を御願いします」

(;^ω^)「んなこと言われてもうひゃひゃひゃwwwwwwwwくすぐるなおwwwwww」



7: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:18:10.37 ID:ObkGOkKd0
  
川 ゚ -゚)「……何だ?」

クーが背後を見ながら呟く。
視線の先、ジープのような車両に一人の中年男が立っていた。

その肩には

川;゚ -゚)「ミサイルか!?」

声と共に白い煙が上がる。
直後、猛スピードで爆発兵器が接近を始めた。

爪゚ -゚)「迎撃御願いします」

(;'A`)「こんな状態で出来るかバーロー!」

川;゚ -゚)「あっ――」



9: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:19:40.50 ID:ObkGOkKd0
  
前方で爆発。
その光景をデフラグは満足気に見つめながら。

[゚д゚]「大当たりだ」

空となった鉄筒を投げ捨て、己の席に座る。
その横では貞子がハンドルを操っており、背後には双眼鏡を片手に持っている渡辺。

从'ー'从「残念、はずれ」

[;゚д゚]「な、何ぃ?」

慌てて前方を見れば、爆発の直撃を受けたのが金属の板だということが解った。

<ヽ`∀´>「天井部を外して、身代わりとして直撃させたニダね。
      咄嗟の判断にしては合格ニダ」

[゚д゚]「ちっ、次は当ててやる」



11: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:21:14.31 ID:ObkGOkKd0
  
新たなミサイルを取り出そうとしたデフラグを、ヘリカルが止める。

*(‘‘)*「もう間に合わないです。
     そろそろレール越えて向こう側に行かないと、こっちも大変です」

从'ー'从「そういうこと。
      んじゃ、貞子……御願いねー」

川 -川「イェス、マスター」

言葉と共にハンドルを切る。
そのままジープはレールを乗り越え
ブーン達とは逆の配置――つまり進行方向から見て右側――へと移動を始める。

景色が動いていく様子を、最奥で眺めるのはでぃだ。
ゆったりとした姿勢で

(#゚;;-゚)(あの車の中におるんかねぇ……)

[゚д゚]「おい、ボーッとすんなよ。
    これからアンタには大活躍してもらうんだからな」

その言葉を聞いて彼女は苦笑した。

(#゚;;-゚)「はいはい、ウチにお任せあれってな」



12: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:22:25.71 ID:ObkGOkKd0
  
装甲列車の運転室。
そこでは汗をダラダラと流すシナー。

( ;`ハ´)「ちょ、何で!? ワタシ悪いことしたアルか!?」

アンタの仕事自体が(ry
と突っ込んでくれる部下はいない。

倉庫での襲撃でほとんど――
いや、報告が一切無いところを見ると、部下は誰一人として列車に乗っていないらしい。

/(`ハ´)\オワタアル

などと言っている場合ではない。
と、慌てていると轟音が響いた。
サイドカメラから見えるのは、先行していた車両を攻撃したジープ。

どうやら、二台は仲間同士ではないらしい。

(  `ハ´)「ホ? こりゃラッキーアル!
      お互いに潰し合えば逃げ切れるかもしれないアル!」

こうなれば自分は運転に集中するのみだ。
とはいえ、アクセルレバーを限界まで捻るのみなのだが。



15: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:24:16.38 ID:ObkGOkKd0
  
(;^ω^)「し、死ぬかと思ったお……」

冷や汗を流しているブーン。
彼らが乗っている車両の天井は分離されていた。
真正面から来る風を受けつつ、しかし平静な表情で説明を始めるのはジェイル。

爪゚ -゚)「これぞFC製にしかない機能『いつでもオープン君』です。
    ただし、外した天井は高確率で戻ってきませんが」

<_;プー゚)フ「そりゃそうだろうな……」

川 ゚ -゚)「それで、どうする?
     止まれと言っても止まってくれそうにないが」

爪゚ -゚)「戦闘可能な方は飛び移って頂いて、そのまま物理的に制圧するというのが正しいかと」

<_;プー゚)フ「乱暴だな、おい」

川 ゚ -゚)「だが、正論だ。
     このまま走っていても埒が明かないし、破壊して止めるわけにもいかない」

( ^ω^)「誰が行くお?」

('A`)「俺は車内からガロンでサポートする。
    そもそも飛び移るなんて怖いこと出来ないんだぜ?」

<_プー゚)フ「何そのナチュラル臆病。
        あ、俺も銃は持ってるし同じくサポート役だ」

爪゚ -゚)「私は運転がありますので。 そもそも戦闘は出来ない身体です」



17: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:25:37.86 ID:ObkGOkKd0
  
(`・д・')「……俺は乗り込む。
     GDFの操作は俺と軍神しか知らないからな」

川 ゚ -゚)「私も行こう」

( ^ω^)「僕もだお」

爪゚ -゚)「では、今から最接近しますので飛び移って下さい……幸運を祈っております」

( ^ω^)「把握!」

白の指輪を取り出してはめる。
一瞬の発光後、彼の腕にグローブが装着された。

クーやドクオも同じく、指輪からウェポンを出現させる。

それを見たエクストが小さく呟いた。

<_;プー゚)フ「……んだよ、魔力あるじゃねぇか」



19: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:27:15.03 ID:ObkGOkKd0
  
从'ー'从「んじゃ、そろそろ上陸と参りますか」

列車を挟んだ向こう側。
震動の上、そして轟風の中で渡辺がのん気な声を出す。

[゚д゚]「俺と渡辺はサポート……やんちゃなテメェらは暴れてこいってか。
    暴れるのは構わねぇが無茶はすんじゃねぇぞ」

<ヽ`∀´>「誰にモノ言ってるニダ。
      伊達に軍人やってないニダよ」

*(‘‘)*「この世界は空気が良いです! やる気も出るってもんです!」

(#゚;;-゚)「さぁて、行こか」

貞子が黙ってハンドルを操作し、ジープを近付け始める。

从'ー'从「行ってらっしゃーい」

声と共に、三人が跳んだ。
高速で移動する景色の中、でぃとヘリカルは列車の上へ。
ニダーは扉を蹴破り、車両内部へと跳び込んでいく。



21: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:28:39.06 ID:ObkGOkKd0
  
川 -川「マスターは行かなくて良いので?
     ゲシュタルトがあれば、数や装備が如何に強力でも無力化可能かと」

从'ー'从「ぶっちゃけ反則でしょう?
      それに、今跳んで行った彼らにだってプライドや戦い方ってのがあるだろうし
      今日はそんな彼らの戦い方を観察しようと思ってね」

[゚д゚]「はン、素直に言ったらどうだ?
    出来れば奴らを殺すことは避けたいってよ」

从'ー'从「まぁ、ね……キツい御灸を据えようとも思ったんだけど
      覚悟があるのなら、或いは……とか思っちゃったりして」

[゚д゚]「相変わらずテメェは甘ぇな。
    そんな調子で世界を救えるのかよ?」

从'ー'从「……救うよ、必ず。
      何が在っても、何が有っても、何が遭ってもね」

デフラグの皮肉に、渡辺は小さく呟いて答えた。



22: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:29:58.30 ID:ObkGOkKd0
  
川 ゚ -゚)「ん……あれは……」

轟風の中、最初に気付いたのはクーだった。

(;^ω^)「もう誰か乗って来てるお!」

列車の上に飛び乗ったのは二人の女性。
更に、音がすることから内部にも乗り込んだ人物がいるらしい。

(`・д・')「どうやら奴らは、上と内部の両方から攻めるつもりらしいな。
      俺は下に行くからお前達は上から行くんだ」

川 ゚ -゚)「上は私一人の足止めで充分だ……何も数に合わせる必要は無い。
     君達は下から向かえ」

( ^ω^)「把握! んじゃ、行って来ますお!」

爪゚ -゚)「いってらっしゃいませ」

ジェイルの見送りの声と共に、ブーンとラミュタスが飛び出した。
蹴り込むように扉を破壊して内部へと突入する。



26: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:31:22.07 ID:ObkGOkKd0
  
(;'A`)「よくもまぁ……落ちたら助からねぇってのに」

冷や汗を流しながら、高速で流れる景色を見るドクオ。
もし、こんな速度で岩がゴロゴロ転がっている地面に落ちたりすれば――

(;'A`)「あーやだやだ……こう、腰がくすぐったくなるぜ」

<_プー゚)フ「怖かったら後ろで震えててもいいんだぜ」

('A`)「いや、そっちの方が怖いだろ。
   終わって出てみれば、友達が死んでたりするかもしれねぇ……それは嫌だ」

<_プー゚)フ(……へぇ)

川 ゚ -゚)「では、私も行って来る」

クーも、内藤達と同じように跳び出した。
同時にドクオの背後から物音。

('A`)「え?」

後部座席の奥から人影が飛び出る。

从 ゚∀从「えいっ!!」

(;'A`)「ハ、ハインリッヒ!?」



31: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:34:03.01 ID:ObkGOkKd0
  
止める間もなく、彼女は装甲列車に飛び乗ってしまった。
クーが慌てて背後を振り向くのが見える。

爪゚ -゚)「アクシデントがあったようですが、我々は援護射撃と参りましょう。
    出来ればこの威嚇で列車が止まるのが望ましいのですが――」

その時だ。
バシュン、という音と共にクーの叫び声。

川 ゚ -゚)「早く退避しろ! 向こうからの攻撃が来るぞ!」

言葉に被さるように彼女の上空を跨いで小さなミサイルが来る。
誘導性はあまり無いようだが、付近で爆発すれば危険だ。

爪゚ -゚)「では、御武運を」

ハンドルを左へと切る。
右側への慣性を受けながら、ジェイル達を乗せた装甲車両が離れていく。
直後、地面が爆炎に包まれた。

装甲車両の無事を確認したクーは、背後を見て

川#゚ -゚)「ハイン! 何故来た!?」

从;゚∀从「僕だって、僕だって――」

川#゚ -゚)「危険なんだぞ!?」

从#゚∀从「やれるったらやれるんです! 僕だって戦えるんです!」



32: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:36:07.40 ID:ObkGOkKd0
  
こうなったハインリッヒは止まらない。
クーが唯一、彼女に対して『手に負えない』と痛感する状態だ。

おそらくギコから預かった指輪の件もあるのだろう。
彼女は今、誰かの役に立ちたいと強く願っているらしい。

血が昇った頭を無理矢理に冷やし、溜息を吐く。

川 ゚ -゚)「……今更何を言っても変わらないか。
     だがハイン、私の傍を決して離れるなよ」

从 ゚∀从「で、でも僕は――」

川#゚ -゚)「解ったか!?」

从;゚∀从「は、はい……」

クーは吐息し、改めて前方を見る。
そこには人影が一つ。

(#゚;;-゚)「……こんばんは、と」

川 ゚ -゚)「貴様は……」

14th−W『ハンレ』を構える。
相手は棒立ちだが、その身から何か得体の知れない気配を感じ取れた。



34: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:37:31.21 ID:ObkGOkKd0
  
自分の立ち位置は向かい風だ。
ぶつかり合いにおいて、この位置は不利といえる。
更にはハインリッヒがいるために、彼女を護りながらの戦いとなってしまった。

(#゚;;-゚)「初めまして、ウチの名は――あー、軍神言います」

川 ゚ -゚)「軍神……大層な名前だな。
     私はクーだ」

(#゚;;-゚)「可愛らしい名前やね」

川 ゚ -゚)「生憎、冗談を言い合っている場合ではない。
     そこをどいてくれ」

(#゚;;-゚)「嫌や言うたら?」

刀を背後へ向け、突撃姿勢を作りながら

川 ゚ -゚)「無理矢理にでもどいてもらう――!」

この状況で、ハインリッヒを庇いながら戦うのは難しい。
最も良いのは速攻で終わらせることだ。

そう判断した彼女は全力で身を飛ばし、身体ごとぶつかるように突進する。
一瞬で間を詰めて剣撃を放つが

(#゚;;-゚)「よっ」

軽い掛け声と共に回避される。



35: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:38:51.90 ID:ObkGOkKd0
  
しかしその程度でうろたえるほど、クーの精神は柔ではない。

川 ゚ -゚)「ッ!」

右足を踏み込み、身を回転させる勢いで刃を振るう。

(#゚;;-゚)「ほっ」

バックステップ。
避けられぬと見たのか、軍神はクーと距離をとった。

川 ゚ -゚)「だが――甘い!」

刀を形状変化させる。
次に現われたのは5th−W『ミストラン』だ。
攻撃と命中を入れ替えるという、半ば反則的な武器を

川 ゚ -゚)「そこだ!」

右肩目掛けて撃つ。
オリジナルに比べて有効範囲が狭く、少しのタイムラグがあるが
それでも一瞬に近い速度で突きを放てるはずだ。

不可視の刺突がでぃの肩を貫かんと走るが――

(#゚;;-゚)「ほいっ」

それは左手によって阻まれた。
貫く予定だった場所に、左手の甲が置かれたのだ。
ギン、という空間を震わせる音が響くも、しかしミストランは何も貫かない。



36: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:40:35.46 ID:ObkGOkKd0
  
川;゚ -゚)「何だと……!?」

しかし疑問に思う暇は無い。

今度は攻撃の回収として、一定時間内にこちらが攻撃した位置を突かねばならないのだ。
これこそがミストランの特性であり弱点でもある。

向かい風を受けながらも低く跳躍し

川 ゚ -゚)「ッ!」

でぃの右肩にミストランを突き出す。
対する彼女は口元に笑みを残し、更にバックステップで距離をとった。



38: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:41:59.86 ID:ObkGOkKd0
  
(#゚;;-゚)「面白いモン持ってるんやね。
    何? よく解らんけども因果律を歪めたりとかするん?」

川;゚ -゚)「……何故、解った?」

(#゚;;-゚)「アンタは殺気を放ち過ぎるんよ。
    だから何処を狙ってるかなんて、視線を見ればすぐに解る。
    戦う者としては間違っちゃいないけど、殺す者として見れば三流もええとこや」

川;゚ -゚)「し、しかし皮膚に傷がつかないのはおかしいぞ!」

見た限り、でぃの手には何も装着されていない。
あの状態で刺突を防ぐなど、確かに可能かもしれないが怪我が無いのはおかしい。

(#゚;;-゚)「驚いてる顔も可愛いやないか。
    その表情に免じてタネ明かしでもしましょうか、と」

でぃの左手が右手首を掴んだ。
引っ張る。

川;゚ -゚)「……!!?」

でぃの右手皮膚全てが、ズルリと呆気無く剥けた。



39: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:43:41.94 ID:ObkGOkKd0
  
その様子をハインリッヒは後部から見ていた。
ぶつかり合っていたクーと軍神は、今や膠着状態に陥っているようだ。

从;゚∀从「うわわ、僕はどうしましょうか」

キョロキョロと見回すと、己の背後に女性がいるのを発見する。

*(‘‘)*「私の相手はお前ですか。
     何か楽な仕事になーりそうでーすねー♪」

ゴスロリ衣装を着た少女が笑う。

从;゚∀从「あ、貴女は誰ですか!」

*(‘‘)*「私はヘリカル。 そしてお前の敵なのです」

そこでヘリカルが息を呑み、慌てて台詞を言い直した。

*(;‘‘)*「わ、私はヘリカル! そしてお前は私の敵なのです!」

从;゚∀从「え? え? 何で言い直したんですか?」

*(‘‘)*「うるさい、この悪党め! 私が成敗してやるんです!」

从;゚∀从「いきなり悪党扱いは酷いんじゃないですか!?
      むしろそっちが敵でしょう!」

*(‘‘)*「しらばっくれるのもいい加減にするです!」

从#゚∀从「それはこっちの台詞ですよ!」



40: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:45:11.34 ID:ObkGOkKd0
  
火花を散らして睨み合う両者。
武器は無いのか、互いの両手には何も握られていない。

*(#‘‘)*「むむむ……」

从#゚∀从「ぬぬぬ……」

*(‘‘)*「こうなったら私がお前の目を覚まさせてやるです!」

ヘリカルが腰から何かを抜き放つ。
それは俗に言う

从;゚∀从「ステッキ……?」

ピンク色で統一され、天辺には星型の何かが付いた長めのステッキだ。
ヘリカルが軽やかに振り回すと、その星から光が漏れ始める。

*(‘‘)*「マジカルヘリカルトランスチェンジ☆」

直後、ヘリカルを中心として桃色の光が発生。
それは竜巻のように舞い上がり、彼女の身を完全に隠してしまった。

何やら軽快なBGMと共に、キラキラな効果音が響く。

从;゚∀从「……!?」

驚愕に目を見開く先、徐々に光が消えていく。
中から現われたのは――



43: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:46:36.78 ID:ObkGOkKd0
  
*(‘‘)*「魔法少女ヘリカルなのDEATH!!」

从;゚∀从「な、ななな何ですかこの状況はぁぁぁ!?」

ハインリッヒの驚愕、いや悲痛な叫び声が響く。
今の彼女は先ほどまでとは違い、ゴスロリ衣装を超越した服装を着ているのだから。

白とピンクを基調としたヒラヒラの衣装。
髪の毛が長くなっており、それはツインテールという髪型で表現される。
可愛らしい、しかし大きめの帽子が何とも魔法少女を匂わせた。

*(‘‘)*「悪の手先をやっつけちゃうぞ☆」

从;゚∀从「変態だぁぁぁぁ!!」

*(#‘‘)*「誰が変態かゴルァァァァァ!!」

ハインリッヒの叫びも無理は無い。
彼女の中では誰かさんのせいで、『魔法少女=変態』という図式がインプットされているのだ。
それを知らぬヘリカルは怒り狂う。



46: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:48:05.72 ID:ObkGOkKd0
  
*(#‘‘)*「テメェぶっ殺しますよクラァ! オンカッカテメェ!!」

从;゚∀从「いやいや百歩譲ってもその口調では魔法少女名乗れませんって!」

その言葉にヘリカルは我を取り戻す。

*(;‘‘)*「ハッ! 悪の心に乗っ取られるところでした!」

この時、ハインリッヒの脳に『魔法少女=変態=悪?』という図式が新たにインプットされた。
それはさておき、純粋少女と魔法少女の戦いの火蓋が切って落とされる。

*(‘‘)*「マジカルヘリカル!」

声と共にステッキを振るう。
次の瞬間、ステッキ頭部に光が集い始めた。

从;゚∀从「あれは――」

次の瞬間、ピピピという電子音と共にヘリカルのステッキが輝き始めた。

*(#‘‘)*「ヘ! ル! カ! ル――!!」

振りかぶるように掲げる。
応じるように桃色の光が収束し、それは段々と武器の形を作り上げていった。



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