( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 48: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:49:51.75 ID:ObkGOkKd0
- *(#‘‘)*「ハンマァァァァァ!!!」
从;゚∀从「!!?」
光で形作られたのは巨大なハンマー。
この轟風の中にも関わらず、その形はハッキリと形成されている。
常識外の大きさにハインリッヒは、ただただ圧倒された。
从;゚∀从「うわぁぁぁぁ!? でけぇぇぇ!!」
*(#‘‘)*「これでお前の悪の心を粉砕するです!」
从;゚∀从「心どころか僕の存在まで消えそうなんですけどどうでしょうかそこら辺は!?」
*(‘‘)*「それはそれ♪ これはこれ☆」
从;゚∀从「意味が解りませんよ!?」
*(#‘‘)*「浄化ァァァァ!!」
轟音と共にハンマーが動き始める。
突風を物ともしない勢いでハインリッヒに迫り――
- 50: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:51:18.44 ID:ObkGOkKd0
- 激音が響いた。
(;^ω^)「うわっ!?」
背後から猛烈な衝撃が走り、ブーンとラミュタスを吹き飛ばす。
そのまま二人は空の木箱へ突っ込んだ。
(;`・д・')「今のは……」
慌てて背後を見れば、一つ後ろの車両が屋根から潰れていた。
桃色の光が残滓として舞っているのが見える。
(;^ω^)「あ、あ、危なかったお……少しでも遅かったら死んでたお……」
(`・д・')「敵の攻撃か?」
(;^ω^)「少なくとも僕ら側の攻撃じゃないですお……」
となれば、敵の攻撃となる。
当然それを受けたのは上にいるはずの
(;^ω^)「クーかお!?」
- 51: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:52:25.78 ID:ObkGOkKd0
- 駆け出そうとするブーンの肩を掴んだのはラミュタス。
(`・д・')「GDFの回収を最優先だと言ったのは誰だ?」
(;^ω^)「で、でも!!」
(`・д・')「一つ聞かせろ。
彼女とお前の関係は何だ? ただの恋人か? それとも仲間か?」
(;^ω^)「え?」
(`・д・')「ただの恋人ならば助けに行け……。
だが、少しでも仲間だと思っているのならば信じろ」
(;^ω^)「あうあう……」
(`・д・')「彼女は、君に助けられて喜ぶような人間なのか?」
違う。
ブーンは心から否定した。
彼女は、助けて欲しい時にはハッキリと言う。
(;^ω^)「……解りましたお」
(`・д・')「よし、行くぞ」
- 53: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:53:44.80 ID:ObkGOkKd0
- 駆け出すラミュタスの背後を、後ろ髪を引かれるような思いでついて行くブーン。
『仲間』に執着する彼の態度に疑問を浮かべるも
しかし口には出せない雰囲気に気圧される。
(`・д・')「車両は残り五つか。
おそらく運転室の前……つまり二、三両目にGDFがあると見て良いだろう」
(;^ω^)「もう少しだお」
貨物室と思われる暗い空間を走り、六両目と五両目の境の扉を開け放つ。
(;^ω^)「お?」
次の瞬間、流れ込んだのは五両目内部の空気だけではなかった。
見えたのは銃を構える男と小さな光弾。
それを視認出来た瞬間には、背後からの力によって床に叩き付けられていた。
(;^ω^)「いてっ!?」
(`・д・')「気をつけろ! 敵だ!」
ブーンの背中を押さえ、ラミュタスが腰の金属片を抜く。
それはトリガーの付いたブレードだった。
ブーンの記憶から、『ガンブレード』というゲームの武器名が思い出される。
- 56: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:55:14.52 ID:ObkGOkKd0
- (`・д・')「ニダー、お前か……」
<ヽ`∀´>「裏切り者の気分はどうニダ?」
五両目の最奥。
戦闘服を着たニダーが、巨大な白い銃を脇に抱えて構えていた。
(`・д・')「俺は裏切ってなんかいない」
<ヽ`∀´>「そう言い切れるニカ?
アギルト連合軍の一員として、その行動はどうなのニカ?
よーく考えてみるニダよ」
(;^ω^)(アギルト連合軍……?)
連合軍。
確かエクストの話では、リフレクションの外の世界の軍隊のはずだ。
話から判断するに、ラミュタスも連合軍とやらの一員だったらしい。
(;^ω^)(お? リフレクションから脱出して、そのまま連合軍へ入ったってことかお?)
よく解らないが、そういうことらしい。
二人はブーンの存在を無視しつつ話を続けた。
<ヽ`∀´>「軍神はこっち側にいるニダ。
今なら許してやるから、こっちに帰ってくるニダ」
- 57: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:56:37.05 ID:ObkGOkKd0
- (`・д・')「…………」
<ヽ`∀´>「最愛の女性がいるのに何を迷うニカ?」
(`・д・')「俺は……」
彼は、震えた声で答えを出した。
(`・д・')「確かにお前達の心中も理解出来る……だが、それでは駄目なんだ……!」
<ヽ`∀´>「何を……」
(`・д・')「何も知らないで! 何も知らずに済むなら!」
ブレードを構え
(`・д・')「やる事には賛成だが、手段は絶対に反対だ!
俺は俺のやり方で行かせてもらう!」
<ヽ`∀´>「……なら、障害になる前に殺してやるニダ!」
銃を構える。
その直後、ラミュタスが身を前方へ飛ばした。
地を這うように疾駆。
<ヽ;`∀´>「くっ!」
ニダーの構える銃口が下がった途端、ラミュタスは床を蹴って跳ねる。
- 59: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 17:58:42.69 ID:ObkGOkKd0
- 彼は跳躍姿勢のまま飛び掛った。
振り下ろされた刃は――
<ヽ`∀´>「ニダっ!」
振り上げられた銃に阻まれた。
弾け飛ぶように二人の身体が離れる。
( ^ω^)「加勢しますお!」
(`・д・')「離れろ! あの銃は、この世界の銃とは違うんだ!」
(;^ω^)「例えば?」
(`・д・')「当たったら死ぬぞ」
(;^ω^)「ねー……あるあるwwwwwww」
(`・д・')「比喩や誇張なんかじゃない! 本当に死ぬ可能性が高いんだ!」
<ヽ`∀´>「何遊んでるニダ!」
腰溜めに銃を構えたニダーが大声で言う。
(`・д・')「どうしても戦うというのなら、奴の引き金を引くタイミングを見ろ!
それさえ見切れれば回避することは難しくない!」
ラミュタスが走り出す。
まるでブーンの盾となるように、だ。
- 60: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:00:03.38 ID:ObkGOkKd0
- (;^ω^)「っていうか、銃弾を回避するなんて不可能だお?」
音速超過で飛ぶ銃弾を見切る。
そんなことは、身体強化を受けているブーンですら無理だろう。
異世界の住人である彼らは、銃弾を見切るほどの動体視力を持つのだろうか?
疑問の答えは次の瞬間に解った。
ニダーの指がトリガーを引くのが見える。
しかし
(;^ω^)(え?)
出るであろう光弾が
(`・д・')「ッ!」
一拍遅れて発射されたのだ。
光弾が一直線に飛ぶが、ラミュタスが真横に身を飛ばして回避する。
(;^ω^)(しかも遅い……?)
遅いのだ。
音速超過だと思われた光弾の速度が、目でギリギリ捉えられるほど。
身体強化のお陰で、おそらくは常人以上に見切り易くなっているのもあるのだろうが。
- 63: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:01:20.88 ID:ObkGOkKd0
- このことから出る結論は
( ^ω^)「僕でも大丈夫ってことだお!」
駆け出す。
思考は無謀極まりないが、彼の運動神経ならば可能だ。
本人に自覚が無いのがネックなのだが。
しかし、先ほどの光弾が向かった先を見て表情を曇らせる。
(;^ω^)「……何だお、これ」
穴だ。
光弾の大きさ丁度の穴が空いているのだが、それは奥にある壁をも貫通している。
覗いて見れば
(;^ω^)「……何で外が見えるんだお」
高速で景色が吹っ飛んでいる光景。
このことから、あの光弾は幾重にも張られた鉄の壁を全て貫通したことになる。
先ほどのラミュタスの言葉が脳内で再生された。
『比喩や誇張なんかじゃない! 本当に死ぬ可能性が高いんだ!』
確かに。
こんなモノが身体の何処かに当たってしまえば
(;^ω^)「……何てこったい」
- 65: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:02:37.63 ID:ObkGOkKd0
- 防御も駄目だ。
全て貫かれて終わりという可能性が非常に高い。
この死に直結するような弾丸の中を、ラミュタスは一人で飛び込んだというのか。
(;^ω^)「……凄いお」
それは正直な感想だった。
実際、ブーンは身体強化に頼っていた部分が多い。
圧倒的な力ではない限りは防御出来るからだ。
もちろん彼自身が、長年の経験から打たれ強くなっているというのもある。
クレティウスを手に入れてからのブーンは、その身体強化任せに突っ込んでいくことが多かった。
その彼が足を止めている。
そして、足を止めている彼を追い越して走る男の姿があった。
(`・д・')「おぉぉ!」
<ヽ`∀´>「しつこいニダ!」
発砲音と金属音が連鎖する。
息を詰めるような声、そして被さる怒号。
(;^ω^)「ラミュタスさん……!」
- 66: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:03:58.28 ID:ObkGOkKd0
- 駄目だ。
立ち止まることなど、出来ない。
進むことしか、出来ない。
それが
(#^ω^)「それしか僕には出来ないんだお――!」
駆け出す。
まだこちらに気付いていないニダーに接近。
<ヽ`∀´>「とっくに気付いてるニダ!」
銃口が向けられる。
トリガーが引かれ、一瞬だけ時が止まったかのような沈黙。
しかし
(#^ω^)「おぉ!」
光弾が出る直前、ブーンは弾け飛ぶようにサイドステップを繰り出した。
バシュ、という空気が抜けるような音が、右足を掠るような感覚が冷や汗を促がす。
- 67: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:05:14.96 ID:ObkGOkKd0
- (;^ω^)(よし――!!)
当たってはいない。
このまま突っ込めば――
<ヽ`∀´>「残念ニダ」
( ^ω^)「え」
目の前に銃口。
既に引き金は引かれていた。
<ヽ`∀´>「誰も一丁しか持っていない、なんて言ってないニダよ?」
(;^ω^)「しまっ――」
光が、目の前で爆発した。
- 70: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:06:35.80 ID:ObkGOkKd0
――あぁ、痛いなぁ。
身体が動かず、背中から熱を感じる。
心臓の鼓動と共に痛みが全身に波打つ感覚だ。
ズキズキと響く頭の中で、痛い痛いと全身が訴えてくる。
ハインリッヒは、瓦礫の中で仰向けで倒れていた。
从;-∀从(あう……)
何がどうなったのか。
確かピンク色の巨大ハンマーが落ちてきて、その直撃を受けて――
从メ゚∀从「あ……僕はやられちゃったんですか……」
目を開き、軽く頭を振る。
どうやら天井部を突き抜けて車両の中に叩き落とされたらしい。
タタンタタン、と列車の鼓動を背中に感じる。
敗北。
その二文字が脳裏に浮かんだ。
- 72: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:08:12.57 ID:ObkGOkKd0
- 从メ゚∀从(クーさんや内藤さん達も、こんな痛みの中で戦い続けていたんですね……)
凄い、と素直に思う。
一年前、自分が彼女達の敵だったことは教えられていた。
内容までは記憶に無いが、かなりの激戦だったことも。
たった一撃でこれほどまでのダメージ。
敵が強いのか、それとも自分が弱いのか。
そして
从メ゚∀从(僕は――)
何のために戦うと思ったのだろうか。
何のためにクー達について来たのだろうか。
真実が知りたいから?
そんなもの、クー達に任せれば良い。
彼女達の力になりたいから?
自分の力など知れているし、むしろ足手纏いだ。
ならば、何故?
- 74: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:09:48.28 ID:ObkGOkKd0
- そこまで考えて、ふと気付いた。
从メ゚∀从「そうだ……僕は……」
役に立たない自分が嫌なんだ。
何もせずに待つ自分が嫌なんだ。
足手纏いになって迷惑を掛ける自分が嫌なんだ。
きっとクー達は『そんなことない』と言ってくれるだろう。
しかし
从メ゚∀从「僕自身はそうは思えない……」
ならばどうするべきか。
自身を納得させるための行動とは何か。
从メ゚∀从「自分の力で立つしか……それしか僕には残されていないんです……!」
身体の上に乗っている瓦礫をどけながら、上半身を起こす。
- 76: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:11:00.31 ID:ObkGOkKd0
- これまでは、誰かの手によって支えられてきた。
それはクーの手であったり、ブーンの手であったり。
今は違う。
自分の足で立ち、自分の声で感情を表現し、自分の力で選択することが出来る。
从メ゚∀从(そうだ、僕は証明したいんだ)
もうクー達の手は要らない。
自分一人で立つことが出来るんだ、と。
从メ゚∀从「……なら、僕がアイツに勝つしかない!」
立ち上がり、跳躍。
未だに全身が痛みを訴えるが、そんなことを気にしている場合ではない。
再び轟風が吹き荒れる外部へ出てみれば
*(‘‘)*「まだ痛い目見なきゃ解らないんですか?
負けた分際でウザイんですけどー」
ヘリカルが待っていた。
- 78: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:12:21.28 ID:ObkGOkKd0
- その事実に少しだけ安堵し
从メ゚∀从「僕は負けてません!」
何故なら
从メ゚∀从「負けというのは、自分自身が諦めた時に決定するんです!!
だから――」
拳を握り締め
从メ゚∀从「だから、僕はまだ負けてません――!!」
今までの人生の中で、おそらく一番大きな声。
それは彼女の覚悟の咆哮だった。
そして応じる光が来る。
从メ゚∀从「!?」
ポケットが震動。
内部のモノを手に取ると、1st−W『グラニード』が叫ぶように甲高い音を発していた。
从メ゚∀从「力を、貸してくれるんですか……?」
返事は無い。
しかし、音と光は止むことも無い。
- 79: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:13:56.62 ID:ObkGOkKd0
- 肯定を受け取ったハインリッヒは右手中指に青の指輪を装着。
そして、腹の底から
从メ゚∀从「1st−W!! グラニードォォォォ!!!」
叫声。
直後、強烈な青光が彼女を包み込んだ。
続いて右手に重みが来る。
彼女の手にズシリと掛かったそれは、覚悟の重さを自覚させる。
*(‘‘)*「――!」
ステッキを構えたヘリカルの視線の先。
青の光が止んだそこには、覚悟を決めた新たな戦士が立っていた。
从メ゚∀从「僕は戦います! 自分の存在を証明するために!
僕はここにいるんだと確定するために!!」
右手に持つのは巨剣グラニード。
誇り高き青剣が彼女の咆哮に応えたのだ。
- 81: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:15:33.37 ID:ObkGOkKd0
- *(‘‘)*「まさか打たれて強くなるタイプだったりします?
下らないし、そんな根性論は大嫌いなんです。
だから――」
舌打ちをし、ヘリカルも構えて言った。
*(#‘‘)*「――もう一度負けろよ『最強』!」
ステッキを振るい、今度は桃色で構成された剣を作り出す。
从メ゚∀从「僕は負けない!
負ける意思なんて、これっぽっちもないんだ!」
駆け出す。
巨剣の重さに少し戸惑い、しかし速度を緩めず。
そして
从メ゚∀从「お前が負けろ!!」
上段からの渾身の一撃が炸裂した。
引力に操らず、ただ質量をそのままぶつけるような斬撃。
*(‘‘)*「ッ!!」
真正面からぶつかったのは桃色の剣身。
叩き下ろされた巨剣に対して、交差するように構えられている。
- 83: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:16:53.49 ID:ObkGOkKd0
- *(#‘‘)*「んだクラァ! この程度で私がやられると思ってんですかぁぁ!!」
そこに魔法要素など皆無。
ただ腕と腰の力で、全身ごとぶつかったハインリッヒを弾き飛ばす。
空中で身を回して着地した彼女は、諦めずに再度駆け出した。
从メ゚∀从「まだまだぁ!」
*(#‘‘)*「その意気は認めてやるですぁ!
だがなぁ! この世には絶対に勝てねぇ相手がいやがるんですよ!」
从メ゚∀从「……お前は僕にとってのそれなんかじゃない!」
*(#‘‘)*「んなの私が決めるんですよゴルァァァ!!」
从メ゚∀从「負けるのだって僕が決めるんだぁぁぁぁ!!」
青と桃の剣戟が走る。
轟風の中で、二人の少女は力を用いてぶつかった。
从メ゚∀从「っていうか、魔法少女じゃないんですか!?」
*(#‘‘)*「うるせぇんですよチビ助!」
从メ゚∀从「お前の方がチビでしょう!!」
*(#‘‘)*「そんなに魔法使ってほしいなら、使ってやんですよ!」
- 87: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:18:31.64 ID:ObkGOkKd0
- バックステップ。
そのまま剣状の光を消し飛ばし、ステッキの先端をハインリッヒへと向ける。
*(#‘‘)*「さぁ、後悔の時間ですよぉぉ!」
ガシャン、という音と共にステッキ先端が展開。
内部からは重厚な砲口が顔を出した。
从メ゚∀从「魔法じゃNEEEEEE!!」
*(#‘‘)*「あぁん!? こちとら『魔砲少女』ですよクラァァ!!」
从メ゚∀从「それ何処かで聞いたことがありますよ!?」
*(#‘‘)*「黙れ小僧ォ!!」
叫びと同時に桃色の波動が発射される。
それは一直線に空気を切り裂く。
从メ゚∀从「うわぁぁ!?」
グラニードの刀身に直撃。
軌道を曲げられた桃色のレーザーは、闇に染まった空へと駆け上がり
花火のように爆発した。
- 88: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:19:41.11 ID:ObkGOkKd0
- 桃色花火を遠くから見る影があった。
それは空中を飛ぶ鉄翼の中。
(`・ω・´)「あそこか」
ESS反応は、どうやらあの地点周囲から発せられているようだ。
(`・ω・´)(そしてラミュタスがいる、か――)
確定していたわけではないが、ある種の確信があった。
そう断言出来るだけの自信があるのだ。
兄であるラミュタスは、いつも自分の先を行っていた。
ならば、今から向かう場所にいるのは当然だと言えるだろう。
- 91: 下着ドロ(大分県) :2007/03/28(水) 18:21:12.53 ID:ObkGOkKd0
- (`・ω・´)(決着……)
思い、しかし考える。
リフレクションを脱出してから、兄の話を幾度か聞く機会があった。
『風鷲』と呼ばれているのは相変わらずであったが
一つだけ気になる言葉があったのをシャキンは記憶している。
『風鷲』はもう飛ぶことはない、と。
この言葉が意味することを、シャキンは一つしか知らない。
(`・ω・´)「まぁいい……この目で確かめてみるまでさ……!」
スロットルレバーを突き出して加速。
決着か、はたまた継続の場なのか解らぬが。
黒の鉄鳥が夜空を飛ぶ。
背部に青緑の色を吐き出しながら、風を切り裂いて。
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