( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

276: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 20:53:33.75 ID:9kIeQKni0
  
活動グループ別現状一覧

( ^ω^) 川 ゚ -゚) 从 ゚∀从 ( ゚д゚ ) ('、`*川
所属:??世界・後継者
位置:内藤家
状況:御飯だワショーイ

从'ー'从 (#゚;;-゚) 川 -川 [゚д゚] <ヽ`∀´> *(‘‘)*
( ФωФ) (´・_ゝ・`) ( ・ω・)=つ
所属:機械世界・アギルト連合軍
位置:連合軍アジト
状況:不明

(,,^Д^) (゜3゜)
所属:世界運営政府・特殊部隊『ラウンジ』
位置:都市ニューソク周辺
状況:異変の監査

ノハ#゚  ゚) ┗(^o^ )┓
所属:英雄世界
位置:不明
状況:不明



277: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 20:54:57.19 ID:9kIeQKni0
  
第十四話 『鞍替え』

内藤家。
少し遅くなった夕飯の匂いが、鼻をくすぐる。
今日のメインは肉じゃがだ。

('、`*川「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

( ゚д゚ )(……モグモグ)

J( 'ー`)し「あらあら、よく食べるわねぇ」

('、`*川「何てーの? ニクジャガ?
     よく解んないけど美味しいー!」

( ゚д゚ )(……ムシャムシャ)

从;゚∀从「あの、ママさん……御飯、足りるんですか?」

無理もない。
内藤家に招待された二人の男女は、まさに怒涛の勢いで飯をかき込んでいるのだ。

食事開始から数十分程度。
腹を空かした獣のように貪る二人の男女。
ペニサスに至っては、既に御飯四杯を腹の中に収めている。



280: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 20:56:45.17 ID:9kIeQKni0
  
J( 'ー`)し「遠慮せずに食べちゃって良いわよ。
      これだけ気持ちよく食べてくれたら、私も嬉しいわぁ」

('、`*川「ヒャホーイ!」

( ゚д゚ )「御飯粒を飛ばすな」

川;゚ -゚)(しかしまぁ、よく内藤の母も簡単に納得したものだ。
     息子である内藤がボロボロで帰ってきたのに、特に驚きもしない……。
     得体の知れない二人に飯を食わせてやってくれと頼んだ時も、別に怪しむことはしなかった)

器が大きいというか、何というか。
むしろクーやハインリッヒを心の底から信頼しているのだろう。
そのことに少し安心感を憶える。

今、ブーンは二階の自室で寝せてあった。
もちろん応急治療済みである。
あとは目覚めるのを待つのみだった。

ただ、その後はどうしようか、と思う。

今日の態度を見るに、どうやらブーンはクーに対して不信感のようなモノを募らせているらしい。
これからの相談をしたとしても、きっと彼は応えてくれないのではないか。

川 ゚ -゚)(……少し、焦り過ぎたのかもしれんな)



284: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 20:59:00.94 ID:9kIeQKni0
  
知りたい。
解りたい。
そういった気持ちが先行し、周りが見えていなかったのかもしれない。

川 ゚ -゚)(いつかの繰り返しか。
     私には信頼出来る仲間がいるというのに……)

もう一人ではない。
その本当の意味が少しだけ理解出来た。

一人ではないのだ。
勝手な行動は許されないだろうし、許し難い。
一種の束縛のようなものだろう。

その代わりに、互いが互いをサポートし合える関係が得られるというわけだ。

正直言って少し煩わしい部分がある。
が、それを無視出来るほどの恩威もある。



286: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 21:00:16.48 ID:9kIeQKni0
  
川 ゚ -゚)(まぁ、波風立たせないのが利口なやり口か)

一人で納得し、食事を再開しようと肉じゃがの入った皿を見る。

肉が無い。

川 ゚ -゚)「…………」

('、`*川「あ、何かいらないっぽかったから頂いちゃったよー」
  _,
川 ゚ -゚)「…………」

从;゚∀从(怖っ!?)

衣食住の内、最も『食』を重視するクーの眉が動く。
肉争奪戦が始まったのは直後。

と、そこでブーンの上着から携帯の着信音。
手に取って見れば『ショボン』の表記。

从 ゚∀从「え、えと……クーさん、電話ですよー!」
  _,
川 ゚ -゚)「今忙しい!」

('、`*川「ぬぉ!? やりおったな!」

( ゚д゚ )(……美味い)



289: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 21:01:55.38 ID:9kIeQKni0
  
渡辺達の潜む連合軍アジト。
広大な倉庫を髣髴とさせる空間で

从'ー'从「…………」

渡辺は両手を軽く掲げていた。

その両腕には、光るリングが巻き付いており
その表情には、少しばかりの緊張と怒りが見える。

そして、彼女の前にいるのは

( ФωФ)「いやいやいや、こういうのは気分が良いねぇ、えぇ?」

ハンドガンタイプの銃器を突きつけるロマネスクだ。
その傷跡が痛々しい両目は、渡辺の身体を舐め回すように見つめている。

彼の背後には、二百名ほどの兵士達がいた。
残る百は残ったアジト内の制圧に動いているのだろう。

黒を基調とした戦闘服に白い銃器を構えて、やはり渡辺を睨んでいる。

両手を掲げているのは渡辺だけではなかった。
その隣では貞子、デフラグ、ヘリカル、ニダー、でぃも同じように並ぶ。



291: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 21:03:11.16 ID:9kIeQKni0
  
[゚д゚]「テメェ、こんなことしてタダで済むと思うなよ……」

煙草を取り上げられたデフラグが苛立ち気に睨む。

( ФωФ)「そぉんな格好で言われても、全然怖くないでちゅ〜」

ヘラヘラと笑い

[#)゚д゚]「ぐっ――!?」

右頬を思い切り殴り飛ばした。
よろけたデフラグは、しかし無理矢理に元の位置へ戻される。
顎に銃口を突きつけ

( ФωФ)「お前まぁだ解ってねぇのかよボケバカアホ死ね。
        あぁ、そうだ死んだ方がいいな、その方がスッキリ満点だわ」

トリガーに指が掛かる。

(#゚;;-゚)「……やめとき」

でぃの静かな声。
その両目は誰もを見ていないが、殺気のような冷たい空気を放っていた。



296: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 21:05:20.82 ID:9kIeQKni0
  
( ФωФ)「あぁ? アンタら頭おかしくねぇかぁ?
        お前らがこっちに命令出来る立場じゃねぇんだよゴミカス」

(´・_ゝ・`)「ロマネスクさん、アジト内の制圧を完了しましたよ。
      人数が少なかったので楽でした」

( ・ω・)=つ「シュ! シュシュ!」

デミタスが倉庫内に入ってきた。
その横では、相変わらずボッコスがシャドーボクシングに勤しんでいる。
いくつかの報告を受けたロマネスクは、大袈裟に手を広げ

( ФωФ)「さぁてさてさて! 暗い雰囲気は吹き飛ばそうぜ!
        何か質問あったら受け付けちゃうよー!?」

从'ー'从「……何故、私達と捕らえるのかな?
      目的は同じでしょう?」

( ФωФ)「クハハ! テメェは馬鹿か、もしくは大馬鹿だな!」

笑い

( ФωФ)「テメェらのようなゴミクズのよぉ!?
        その鈍い足取りが気に入らねぇんだよ!
        その『出来るだけ他世界を巻き込まない』みてぇな偽善が気に入らねぇ!
        端的に言えばムカつくんだよ、ドゥーユーアンダースタン?」



297: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 21:07:18.51 ID:9kIeQKni0
  
从;'ー'从「…………」

完全な誤算であった。
特殊な思考を持っていたことは記憶していたが
まさかかつての仲間が、ここまで狂っていようとは。

周囲の兵達が、始めから自分達を裏切っていることを考えるに

<ヽ`∀´>「……ウリ達がこちらの世界に来ている間に、兵達を丸め込んだニダね?」

( ФωФ)「あぁ、忠誠心が無駄に高ぇ奴とかいたけどな。
        もちろん、頭吹き飛ばさせてもらったがな。
        皆の輪を乱す可能性がある奴ぁ、早めの退場が望ましいからねぇ!」

ゲラゲラと笑う。
よくよく背後の兵達を見れば、半数以上が顔を青ざめているのが解った。
彼らを束縛しているのは

从'ー'从「……恐怖で皆を従わせたんだね?」

( ФωФ)「ったりめぇだ。 今時『忠誠心』とか流行らねぇよ」

(´・_ゝ・`)「人を従わせるには『力』と『恐怖』が一番適してますからなぁ」

( ФωФ)「そういうこった。
        強者は弱者を率いる責務があり、そして統率する責任もある。
        弱ぇ奴をまとめてやってんだから何してもOKだろぉがよ、あぁ?」



299: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 21:08:58.03 ID:9kIeQKni0
  
かつてはロマネスクも弱者であった。
渡辺の部下とはいえ、その権力は無きに等しい。

それでいて、捻じ曲がった思考を持っていた彼は
きっと心の底に何か禍々しいモノを溜め込んでいたのだろう。

しかし疑問が浮かぶ。
性格の豹変のレベルが桁違いだ。
根底にある『何か』が彼を支えているのだろう。

( ФωФ)「俺はよぉ、お前がこっちの世界に行く前から常々思ってたんだわ。
        『秩序破壊論』? 『世界交差』だっけか?
        大いに結構! これには大賛成だったぜ俺はよ!」

突如、ロマネスクの表情が変わる。

( ФωФ)「だが実際の計画内容見てみりゃ、何だこれ?
        『各世界を繋ぎ、協力してくれる人材を集め
         異世界の強力な技術を用いて戦力増強後、異獣と決戦』だぁ?」

[#)゚д゚]「何が悪いってんだ……」

( ФωФ)「あのさぁ、今更さぁ、何偽善ぶってんのって話だろーがよゴミカス。
        目ぼしい人材を見かけりゃ拉致って、拷問でもして従わせてよぉ。
        使えそうな武器があれば強奪すりゃいいんじゃねぇの?」



300: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 21:11:05.92 ID:9kIeQKni0
  
何故なら、と言い

( ФωФ)「俺たちゃ、世界を救おうってんだぜ!?
        こんな最高な大義名分があるってのに、何でテメェらコソコソ動いてんだよ!?」

从'ー'从「……異獣の件は私達の世界の問題。
      協力はあれど、無理矢理に巻き込むのは駄目だよ」

( ФωФ)「あぁ!? テメェ世界救う気あんのか!?
        救いてぇなら必死こいて救えや!」

正義を語る口調ではない。
しかし、その口からは大層な正義が流れ出ている。

対して、渡辺達六人は無言で返答した。
その様子を気に入らなかったのか、はたまた気に入ったのか。
ロマネスクは妙な提案を出してきた。

( ФωФ)「よぅし、飽きた!
        だからここで、俺が救いの手を差し伸べてやろうのコーナーいっちゃうぜ!
        俺のやり方に賛同するってんなら、仲間に入れてやっても良いかも!?
        断るってんならココから放り出す! どうよ!」



302: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 21:12:27.12 ID:9kIeQKni0
  
从'ー'从「……殺しはしないんだね」

( ФωФ)「ゴミクズ殺すくらいの銃弾があったら、威嚇に使った方がマシだぜ?
        どうせテメェらに出来るこたぁねぇ。
        俺の元で一生懸命働くか、出て行ってのたれ死ぬか……選べ!」

六人はやはり沈黙を発する。
しかし渡辺は、誰がロマネスクの下に行くのか見当をつけていた。

足を前へ出したのは二人。

<ヽ`∀´>「…………」

*(‘‘)*「…………」

ニダーとヘリカルだ。

( ФωФ)「オゥオゥ?
        お前ら渡辺ちゃんを裏切っちゃうのかい? いいのかい?」

<ヽ`∀´>「ウリの目的は、結局のところは『馴れ合い』じゃなく『異獣殲滅』ニダ。
      それを果たせる奴の下に行くのは当たり前ニダ」

*(‘‘)*「別にどっちでも良いっちゃ良いんですけどねー。
     まぁ、こっちの方が派手に動けそうだしーです」



305: 屯田兵(大分県) :2007/04/04(水) 21:15:31.30 ID:9kIeQKni0
  
( ФωФ)「テメェらは賢い馬鹿だ。
        OK、その心意気を買って仲間に入れてやろうじゃねぇか。
        渡辺ちゃん達はどうすんだよぉ?」

从'ー'从「悪いけど断るしかないなぁ。
      出て行った方がマシだよ」

(#゚;;-゚)「ウチも同じ意見やな……どうせなら、気に入った上司の下がええし」

[#)゚д゚]「はン、テメェが大嫌いだから出て行ってやるよ」

( ФωФ)「いいねいいねぇ、そういう反骨心も大好きだぁねぇ」

楽しそうに笑う。
そして中指を立て

( ФωФ)「じゃあこっから出て行け、全てを置いてな。
        何かを持ち出すことは許さねぇ。
        あぁ、貞子やゲシュタルトブラストも置いていってもらうぜ。
        テメェらは……まぁ、衣服くらいは許してやるとして、丸腰で出て行きな」

背中を小突かれる。
追い出されるように、渡辺ら三人はアジトから姿を消す。

連合軍が二つに分かれた瞬間であった。



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