( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

487: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 13:51:08.91 ID:sE5eprg40
  
( ФωФ)「おっ! そうだ、こうしようぜ!
        お前がそれくれるってんなら、あの金髪女を解放してやるよ!」

ミ;,,"Д゚彡「え?」

( ФωФ)「お前だってこれ以上痛い目見たくねぇだろ?
        俺もいつ隙を突かれるかドッキドキでさぁ。
        どうよ? 悪くないっしょ?」

心の中に焦りが生まれる。
どうするべきか、と。

この武器は強力だ。
易々と渡すことなど出来はしない。
しかしその性質上、自分にしか扱えないのは解っている。

相手がそれを知っているのかによるが――

ミ;,,"Д゚彡「…………」

ξ;゚听)ξ「フサギコ……」

駄目だ。
彼女よりも大切な物などない。
自分の命よりも重要である彼女に勝るモノなど、ない。

ミ,,"Д゚彡「……解り、ました」

( ФωФ)「お?」



489: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 13:52:45.08 ID:sE5eprg40
  
ミ,,"Д゚彡「……解りました。
      これを差し上げますから、彼女の解放を御願いします」

( ФωФ)「いいだろう、その心意気は買っちゃうよぉ?
        さぁさぁ、こっち渡しな」

ミ,,"Д゚彡「…………」

3rd−W『ウィレフェル』を指輪に戻す。
それを指から外し、ロマネスクの手へ乗せた。

( ФωФ)「クハハ、ありがとよ!」

ミ,,"Д゚彡「彼女の解放を御願いします」

( ФωФ)「えー? やだやだー。
        俺、あの子気に入っちゃったもん」

ミ;,,"Д゚彡「なっ……!?」

( ФωФ)「誰がそんな約束守るかよボケナスが! 馬鹿かテメェは!
        クハハハハハハハハ! この世界の人間は馬鹿で愚鈍で能天気だなぁ!?」

呆然とするフサギコの目の前で大笑いを始める。



492: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 13:54:44.63 ID:sE5eprg40
  
ミ#,,"Д゚彡「貴様はァァァ!!」

叫びは途中で遮られた。
布が穿たれるような音と共に、フサギコの右肩から鮮血が散る。

( ФωФ)「わぉ♪」

続いて右肩。
そして左膝、更に右膝。

順に撃ち抜かれたフサギコは、糸を失ったマリオネットのように崩れ落ちる。
そしてトドメと言わんばかりの一撃が、胸の中心を穿った。

狙撃だ。
しかも超精密な。

ミ;,,"Д゚彡(ど……こから……)

微かに動く首を動かすが解らない。
痛みの増大と共に視界が上下から黒色に染まっていく。
意識を保とうとするも、激痛が脳の動きを阻害していった。



495: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 13:55:29.48 ID:sE5eprg40
  
ミ#,,"Д゚彡「貴様はァァァ!!」

叫びは途中で遮られた。
布が穿たれるような音と共に、フサギコの右肩から鮮血が散る。

( ФωФ)「わぉ♪」

続いて左肩。
そして左膝、更に右膝。

順に撃ち抜かれたフサギコは、糸を失ったマリオネットのように崩れ落ちる。
そしてトドメと言わんばかりの一撃が、胸の中心を穿った。

狙撃だ。
しかも超精密な。

ミ;,,"Д゚彡(ど……こから……)

微かに動く首を動かすが解らない。
痛みの増大と共に視界が上下から黒色に染まっていく。
意識を保とうとするも、激痛が脳の動きを阻害していった。



497: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 13:56:47.55 ID:sE5eprg40
  
ξ;凵G)ξ「――! ――!!」

ツンが何かを叫んでいる。
しかし聞こえない。
表情から、何かを必死に心配しているのが、ギリギリ見える視界から解った。

大丈夫ですよ。
心配しないで下さい。

口を動かすも、声として出ない。
遂に視界が黒に染まる。

ミ,,"Д゚彡(私は――)

そこで、フサギコの意識までもが闇へ落ちた。



499: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 13:58:23.27 ID:sE5eprg40
  
まず渡辺に対して投げかけられた質問は
『クルト博士との関係と、その背景』――つまり過去の詳細であった。

色々と、特に世界交差について聞きたいところであるが
まずは以前からの疑問を解消する必要があるという判断からだった。

从'ー'从「ちょっと長くなるけど……」

少しだけ目を瞑った彼女は、ポツリと語り始めた。

从'ー'从「私のいた世界――機械世界は、『異獣』によって滅ぼされ掛けたのは知ってるよね?」

(`・ω・´)「二百年前ほどの話らしいな。
      そして民間人を避難させるために『リフレクション』という巨大箱庭を作った、と」

シャキンとエクストが暮らしていたのがリフレクションだった。
外界と完全に遮断された世界で、彼らは独自の文化形態を作っていく。
そこから生まれた産物の一つが、GIFという戦闘機だ。

从'ー'从「まぁ、そのリフレクション内の話は知ってると思う。
      だから外の世界の話から始めるね」

川 ゚ -゚)「それがクルト博士に関係あるのだな?」

从'ー'从「うん」



501: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:00:41.00 ID:sE5eprg40
  
外の世界に残った連合軍は、命尽きるまで異獣と戦うことを決意した。
しかし大きな問題があった。

从'ー'从「彼らに戦う意思はあったんだけど、戦うための武器がなかったの」

( ゚д゚ )「随分とのんびりした世界だな」

从'ー'从「あることにはあったんだけど……この世界の武器レベルくらいはね。
      でもその武器では異獣に通用しなかった。
      まぁ、通用しないから滅亡寸前まで追い詰められたんだけど」

このままでは簡単に滅亡してしまう。
そう判断した連合軍は、有り余る技術を用いて異世界へのアクセスを試みた。
新たな武器や技術を求めて、だ。

从'ー'从「そして最初に繋がったのが『魔法世界』と呼ばれる世界だったの。
      その世界は、魔法という特殊な技術を用いて
      『EW(Enchant Weapon)』という武器を独自に開発していた」

( ^ω^)「あ、質問だお。
      魔力とか魔法っていつかも聞いたけど、結局何のことなんだお?」

从'ー'从「あ、その説明は後でしてあげるね。
      今するとややこしいから」



503: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:02:43.67 ID:sE5eprg40
  
渡辺は語りを再開する。

その魔法世界から仕入れた『EW』という武器。
異獣に対して使ってみたところ、自分達の武器に比べて多大な効果があることが判明する。

それからは仕入れた技術を用いて、使い易いように開発していったらしい。

だからなのか、『魔法世界』と『機械世界』のEWの系統が異なる進化を遂げたという。


例えばラミュタスが持っていたブレード。
あれが『魔法世界』から直接仕入れた、真作『EW』。

例えばニダーが持っていた白い銃器。
あれが『機械世界』にて独自開発された、贋作『EW』。


近距離用に作られたEWが魔法世界の
遠距離用に作られたEWが機械世界のモノというわけである。



505: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:04:40.22 ID:sE5eprg40
  
从'ー'从「それらの開発配備は、技術にモノを言わせて高速で行われたらしいの。
      でも、異獣の知能は高かった。
      最初こそは押されていたものの、すぐに弱点を把握して押し返し始めた」

以後は開発合戦だったらしい。
新たな仕様のEWを作っては、異獣に弱点を見破られ
また新たな仕様のEWを作っては、また異獣に弱点を見破られる。


そんな膠着状態が百年以上も続いた。


<_;プー゚)フ「そんなにかよ……とんでもねぇな、どっちも」

从'ー'从「私が生まれてから成人するまでも未だに続けられてたよ。
      あの世界に生まれた人は、全員が軍人になることになってるから
      私も勉強をして連合軍へ入隊した」

とはいえ、女性に出来ることなど限られている。
頭脳に秀でていた渡辺は、科部という科学技術を専門とする技術班へ送られた。



506: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:06:18.45 ID:sE5eprg40
  
从'ー'从「私は、この状態をどうしても打破したかった。
      そして研究の末、私は一つの打開策を発表することにしたの」

その打開策とは

从'ー'从「――『秩序崩壊論』」

( ,,゚Д゚)「秩序……崩壊?」

何やら大層な話になってくる。
とはいえ、異世界が絡んでいる時点で大き過ぎる話なのだが。

从'ー'从「『歪』魔力っていう、本来は存在しないはずの人工魔力を用いて
      各世界を遮っている壁を破壊する。
      そんなことを為すための計画みたいなものかな」

( ´_ゝ`)「そうするとどうなるのだ?」

从'ー'从「その世界を中心して、周囲世界の要素が引き込まれるの。
      特に『存在力』が大きい人や物が巻き込まれ易いかな。
      まぁ、ある程度の指定は技術次第で可能だけど」

存在力とは、他の人々にどれだけ認知されているということを示す力。
いわば知名度に近いものらしい。



509: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:08:03.82 ID:sE5eprg40
  
从'ー'从「そうやって引き込んだ要素――つまり戦力や技術を用いて
      異獣に対抗するっていう論だったんだけどね」

( ・∀・)「つまりランダムで落ちてきた玩具で遊ぶようなモノか。
     楽しめる玩具があれば、つまらない玩具が来る可能性もある……一種の賭けだね」

从'ー'从「でも、私の案はすぐさま否決された」

('A`)「何で?
   良さそうな案じゃん……周囲から見ればスゲェ迷惑だろうけど」

从'ー'从「秩序崩壊論って言ったよね?
      秩序っていうのは、世界を隔てる壁のことを指すんじゃないんだ」

そこから何やら小難しい話が始まる。

ブーンを始め、一般人には理解出来ない話だったが
モララーやシャキン、兄者などには理解出来る内容らしい。



512: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:10:29.29 ID:sE5eprg40
  
要約すると

从'ー'从「『運命』なんていうように、大体の歴史の道筋って実は決まってるの。
      その『運命』をアカシックレコードなんて言ったりするんだけど
      そこへ辿り着くための道筋のことを『秩序』って表現するんだ」

通路で言うならば壁や天井。
線路で言うならばレール

つまり超えられないライン、または壁のことだ。

从'ー'从「『秩序』を超えようとするような事を、その世界の住人は出来ないわけ。
      まぁ、そのラインの近付き方によって結果が変わったりするんだけどね」

( ^ω^)(何かよく解んないけど、それがあるから道を外れることが出来ないのかお)

从'ー'从「で、研究によって、世界を隔てる壁を破壊した場合
      その秩序も一緒に取り除かれることになるっていうことが解った」

( ・∀・)「だから否決されたわけだね」

( ゚∀゚)「え? 何で?」



513: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:11:58.53 ID:sE5eprg40
  
( ・∀・)「例えば、君の目の前に一本の糸があったとする。
     糸は途中から見えなくなっており、しかし確実に何処かに繋がっている。
     その先には『成功』や『失敗』といった結果があるのだよ」

( ,,゚Д゚)「渡辺がしようとしたのは……」

( ・∀・)「そう、その糸を消去しようとしていたことになる」

( ゚∀゚)「それが何で駄目なんだよ?」

( ・∀・)「例えばね、ジョルジュ君。
     糸の先が『成功』に繋がっていたとしたら……どうするかね?」

( ゚∀゚)「引っ張る!」

( ・∀・)「だが、現実は糸の繋がっている先など解らない。
     しかし『成功』に繋がっている可能性も否定出来ないね?」

連合軍は恐れたのだ。
『勝利』という結果が待っている可能性があるのだというのに
渡辺は、その糸の消去を望む案を出した。

成功するかもしれない可能性を、わざわざ潰すことはない、と。



516: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:13:50.94 ID:sE5eprg40
  
( ・∀・)「未来が見えぬからこそ、その未来に期待したわけだね」

从'ー'从「そういうこと。
      で、私はとんでも理論を打ち立てた大罪者とされてしまった」

危険人物の行く先は大体決まっている。
そのまま殺すか――

从'ー'从「というわけで、私は機械世界からの強制追放を命じられちゃったの」

川 ゚ -゚)「まさか……」

从'ー'从「追放先――到着した世界は奇妙な世界だった。
      魔法や魔力といった要素が無いにも関わらず繁栄していて
      その機械技術も、他世界に比べて高度なものだった」

一息。

从'ー'从「でも魔力が無ければ、帰るどころか異世界へのアクセスすら出来ない。
      焦った私は情報を必死に掻き集めた。
      その手の技術に通じてそうな研究機関を渡り歩いてね。
      そして、本来出来ないはずのアクセスを為した人物がいたことを発見したの」

それこそが

从'ー'从「『クルト=リルロンド』。
     私のいた機械世界へアクセスして、そしてルイルを受け取った科学者」



519: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:15:57.44 ID:sE5eprg40
  
(;^ω^)「…………」

繋がり掛けている。
あの日記の冒頭へ繋がり掛けているのだ。

しかし湧き上がったのは妙な既視感だけではない。

( ・∀・)「一つ聞きたい。
     クルト博士は魔力とやらが無いのに
     どうやって機械世界とコンタクトをとったのだね?」

从'ー'从「それは私にも解らない。
      同じ疑問を持って調べてみたの。
      向こうからのアクセスじゃないこと以外、結局答えが得られることは無かった」



521: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:17:57.97 ID:sE5eprg40
  
話は続く。

クルト博士がアクセスした世界は、滅亡の危機に瀕していた。
『異獣』という化け物が人間達を喰らっていたのである。
その話を聞いたクルトは大層驚き、そして喜んだそうだ。

『この世界ならば存分に、そして誰にも咎められずに、自分の研究の成果が試せる』と。

(;^ω^)「!?」

川;゚ -゚)「……ッ」

そこでブーン達は気付く。
気付いてしまった。

彼が研究していたモノは何だ?
彼が興味を持っていたモノは何だ?



――最強の生物。




从;゚∀从「…………」



524: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:19:21.87 ID:sE5eprg40
  
从'ー'从「つまりはそういうこと。
      クルト博士はルイルという魔法石、そして数多の技術と引き換えに
      完成した最強生物を戦力として送ることを約束した」

( ・∀・)「だから完成『品』と名付けたのだね。
     ハインリッヒ君は、まさに機械世界へ送るための品だったわけか……」

川;゚ -゚)「…………」

口の中がひどく乾く。
声を出して疑問を口にしたいが、それが出来ない。
心臓が不安定になり、頭痛が頭を揺さぶる。

幸いだったのは、聞きたいことを皆が次々に質問をしていったことだ。

( ,,゚Д゚)「……クルトの行動は大体解った。
     だが、俺は残り二人の行動も知りたいところだな」

从'ー'从「私とリトガーだね。
      まずはリトガーの方から話そっか」



526: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:21:00.16 ID:sE5eprg40
  
彼がクルト博士の助手となったのは、渡辺よりも前である。
クルト博士と同じく、己の興味を突き詰めるタイプ。
そしてどちらかと言えば臆病だった。

しかし彼は、クルトの目的とは異なる目的を持っていた。

それはウェポンと呼ばれる人知を越えた武具。

从'ー'从「彼は機械技術の方に精通していた。
      だからなのか、彼の興味は最強生物などではなく
      クルト博士が開発していた擬似精神とウェポンにあったの」

最強生物製作に加担していたのは、ウェポンや擬似精神の技術を盗むためであったのだ。
そしてリトガーは、その技術を自分のモノとした。

( ・∀・)「その証拠がクックルであり、ジェイル君であるわけか。
     成程……高度なAIだと思っていたが、実のところは擬似精神に近かったわけだね」

彼が対ウェポン用防具を開発出来たのも
機械世界からの技術を用いたからだったのだ



529: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:23:56.35 ID:sE5eprg40
  
( ,,゚Д゚)「その後のリトガーが、ウェポンの回収をしようとしたのは?
     何故、彼はハインリッヒまで利用しようとした?
     彼は俺達との戦いの後を見ていた……一体、何を見ていたんだ?」

从'ー'从「私が悪かったんだよね、アレは」

( ^ω^)「どういうことだお?」

从'ー'从「この世界に到着して、クルト博士やリトガーと関わって、地位を高めて……。
      ある程度自由にルイルを触れられるようになった私は
      一つの計画を密かに企てていた」

川 ゚ -゚)「それこそが、この世界で行う『秩序崩壊論』――『世界交差』というわけか」

从'ー'从「そう。
      『歪』魔力の作成方法は解ってたから、ひたすら地道に魔力を集め続けた。
      隠していたつもりだったんだけど、彼らは少し解ってたみたい」

その作業のみに二年の歳月を費やす。
ある程度、完成の目途が立ったと判断した彼女は

从'ー'从「用済みとなっちゃったんで、クルト博士の研究内容をちょっとだけ裏ルートで流したの。
      最強生物なんて言っても、所詮は実験作だしね……。
      私が信用出来なかったから、後で回収して自分好みに仕立て上げようと思ってた。
      後は知っての通り、私とリトガーは行方不明になって博士は自殺した。
      私がいたという事実は有耶無耶になり、計画は誰にも知られることなく潜行する」



531: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:26:26.22 ID:sE5eprg40
  
ハインリッヒは機械世界への寄贈品として。
クーはハインリッヒが暴走した場合、確実に止めるための予防策。
ジョルジュは、いわば実験作。

それらの要素を残して、あの一年半前の戦いが始まったのだ。
というのならば、リトガーは何故あのような行動をとったのか。

从'ー'从「最初に『リトガーは臆病だ』って言ったでしょ?
      そう思った理由として、彼は酷く私を恐れていたの」

『世界交差』とは、『秩序崩壊論』を実行に移すための計画名である。
ブーン達のいる世界を中心として、他世界の要素を引き込もうとしていたのだ。

そんなことをしようとしていた渡辺を恐れていたということは

(´・ω・`)「……彼は、この世界を『世界交差』から護ろうとしていた?」

从'ー'从「まぁ、ぶっちゃけるとそうなるんだろうね。
      彼の本当の目的は私の殺害だった。
      だから組織を作り、ウェポンを集め、ハインリッヒを目覚めさせた。
      全ては『世界交差』を引き起こそうとしていた私を倒すために」



533: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:28:26.11 ID:sE5eprg40
  
しかしその目論見はブーン達によって破られる。
己を監視する者がいなくなった渡辺は、誰にも見られることなく準備を進めることとなった。

从'ー'从「ちなみに貞子は、ジェイルを真似て暇潰しに作った子だよ。
      予想以上に完成度が高くてお気に入りかな。
      そして月日は流れて――」

( ・∀・)「あの研究所で、君と出会った時に繋がるというわけだね」

モララーの言葉を皮切りに沈黙が発生する。
予想以上に大きかった話に、全員が戸惑っているのか。



538: キンキキッズ(大分県) :2007/04/05(木) 14:29:41.28 ID:sE5eprg40
  
( ・∀・)「感傷は後だ。
     まずは全てを知ることを望もう」

从'ー'从「それはありがたいなぁ。
      んじゃあ、そろそろ私の話も聞いてくれない?
      もちろん質問に答えながらで良いよ」

( ・∀・)「それで全てが解るというのならば」

从'ー'从「じゃあ、私が聞いて欲しいことを言うね。
      それはこれからのこと」

これから。

この世界は現状、二つの世界と通じている。
そしてロマネスク率いる連合軍が、荒々しいやり方で世界交差を進めようとしている。
更には、まだ詳細が解らないグループがいくつかある。

混沌とも言える状況だ。

この混乱した『今』と、先を見据えるための『これから』。
果たして渡辺は未来の標となり得るか。

少し呼吸した後、彼女は言った。

从'ー'从「私からの聞いて欲しい御願いはたった一つ。
      異獣を倒すのを――手伝ってほしいの」



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