( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

3: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 14:57:31.62 ID:1huiboN40
  
活動グループ別現状一覧

( ^ω^) 川 ゚ -゚) 从 ゚∀从 ('A`) (´・ω・`) ( ,,゚Д゚) ( ゚∀゚) ( ´_ゝ`)
( ゚д゚ ) ('、`*川 (`・ω・´) <_プー゚)フ ( ・∀・)
从'ー'从 (#゚;;-゚) [゚д゚]
所属:??世界・後継者
位置:FC八階『大会議室』
状況:過去を知る

( ФωФ) (´・_ゝ・`) ( ・ω・)=つ  <ヽ`∀´> *(‘‘)* 川 -川 ξ゚听)ξ
所属:機械世界・アギルト連合軍
位置:連合軍アジト
状況:不明

ミ,,"Д゚彡
所属:??世界・アストクフル家執事
位置:アストクルフ家
状況:不明

(,,^Д^) (゜3゜)
所属:世界運営政府・特殊部隊『ラウンジ』
位置:不明
状況:不明

ノハ#゚  ゚) ┗(^o^ )┓
所属:英雄世界
位置:不明
状況:不明



6: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 14:59:07.24 ID:1huiboN40
  
第十六話 『そして』

朝の日差しが差し込む森の中で、撃音が響く。
それはガ行を基本としている豪胆な色だ。

音の主は一人だけではない。

その数は三。
一人が、二人を追っている状況。

時折、ジャラリと鎖が這う音と、ヒュンと何かが大気を貫く音が混じる。

直後に来るのは轟音。

鬱蒼と茂った木々の間で、戦闘が行われているのだ。

今、森の中から二人の人間が飛び出した。
人の手が入っていない草原を跳ねつつ走る。



8: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:00:22.58 ID:1huiboN40
  
メ(リ゚ ー゚ノリ「ははッ! 久々に面白い相手だな、姉貴!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「そうやって油断しているとやられるぞ、兄上」

二人の男女。
髪の色が青か赤かという、そして少しの髪型の違いだ。

赤髪の男は素手。
青髪の女は白刀。

そして二人を追うのは

ノハ#゚  ゚)「――――」

仮面の女だ。
赤茶色の長髪を風に任せ、一直線に走る。

右手には長槍。
左手には大刀。

獰猛な獣を髣髴とさせる雰囲気、姿勢で二人の男女を追い詰めようとする。



9: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:02:21.52 ID:1huiboN40
  
ノハ#゚  ゚)「――!」

横に身をロールする。
そのままの勢いで、左手の大刀を前方へ投げ飛ばした。
下から上へ抉りこむような軌道で迫るが

メ(リ゚ ー゚ノリ「ひょぅ!!」

素っ頓狂な声を上げつつ、男の方が跳躍して回避。
女の方も振り返って刀を構えた。

上空へ昇る大刀。
その柄尻には鎖が繋がっており、末端は仮面の女の腰に接続されていた。

空いた左手に小型の弓を握る。
矢は袖の中から出現し、自動的にセットされるように滑る。

ル(i|゚ ー゚ノリ「来るぞ!」

刀を構えた女が鋭い声をあげ、言葉は現実となった。
長槍を握ったまま弓を構えて発射したのだ。



11: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:04:08.29 ID:1huiboN40
  
ヒュ、と小さな音。

メ(リ゚ ー゚ノリ「あっぶね!」

跳躍姿勢のまま身を捻る。
掠めるように矢が飛んでいくが、攻撃はまだ止んでいなかった。

ノハ#゚  ゚)「――これで!」

放っておいた鎖を引っ張ったのだ。
空を舞っていた大刀が、力に従って鉄の身を落とす。
それは男を狙った断頭台だ。

ル(i|゚ ー゚ノリ「行ったぞ!」

メ(リ゚ ー゚ノリ「わぁってる!」

金属音。
重さと勢いを利用した刃は、しかし男の腕によって阻まれた。
跳ねるようにして大刀が弾け飛ぶ。

メ(リ゚ ー゚ノリ「俺にコレを使わせるなんてやるじゃねぇか」

ル(i|゚ ー゚ノリ「その台詞は、滅多に使わないから言うものだろう」

メ(リ゚ ー゚ノリ「姉貴はいちいちうるさい!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「兄上はいちいち騒がしい」



13: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:06:02.26 ID:1huiboN40
  
二人がしているのは余裕の会話だ。
未だ敵が攻撃動作中だというのに、クスクスと笑い合いながら
まるで遊ぶように身を飛ばす。

ル(i|゚ ー゚ノリ「しかし――」

青髪の女が、油断なく構えつつ

ル(i|゚ ー゚ノリ「あの仮面の女……人外の力を感じる」

メ(リ゚ ー゚ノリ「そうかぁ? 俺から見れば人間にちょっと毛が生えた程度だぜ」

ル(i|゚ ー゚ノリ「能力自体、という点ならば同意だ。
      だがその雰囲気というか……纏っている空気が人間のそれと異なる」

メ(リ゚ ー゚ノリ「……そういうことね。
      まぁ、そもそも俺らを狙うってことは」

ル(i|゚ ー゚ノリ「あぁ――」

二人は同時に、左右に割れるように跳んだ。
次の瞬間、

「――!!」

大刀が叩き込まれる。
土煙が派手に巻き上げられた。



16: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:07:39.36 ID:1huiboN40
  
ル(i|゚ ー゚ノリ「煙幕か」

言うと同時、強烈な殺気が真正面から降りかかる。
まるで気自体を盾とするかのように、仮面の女が突進してきた。

ル(i|゚ ー゚ノリ「久々に楽しいのだが……お前は何故私達を狙う?」

ノハ#゚  ゚)「黙れ……貴女が上げて良いのは断末魔だけ……!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「なら一生喋ることが出来ん。 死ぬことなどないからな」

ノハ#゚  ゚)「!」

突如、仮面の女が距離をとった。
すぐ背後の煙幕から出てきたのは赤髪の男。

メ(リ゚ ー゚ノリ「ちっ、人間にしちゃあ鋭い感覚持ってんじゃねぇか」

ル(i|゚ ー゚ノリ「兄上は気配の消し方が下手だと何回言えば解る。
      自分を基準に考えると、色々と損するぞ」

メ(リ゚ ー゚ノリ「はいはい、耳にタコだぜ」

ル(i|゚ ー゚ノリ「諺というモノだな、私も知っている。
      『泣かぬなら、泣くまで殴る、いつまでも』」

メ(リ゚ ー゚ノリ「流石は姉貴、豊富な知識だな」

ル(i|゚ ー゚ノリ「伊達に姉をやっとらんよ」



19: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:09:23.02 ID:1huiboN40
  
そこでふと気付く。
いつの間にか攻撃の手が止んでいた。
視線を向ければ、仮面の女が膝をついているのが見える。

ノハ#;゚  ゚)「――ハッ――ハッ……ッ!」

苦痛の吐息。
呼吸をするのもキツイのだろうか、全身で息を吸うように上下させる。

ル(i|゚ ー゚ノリ「……ふむ?」

メ(リ゚ ー゚ノリ「どうなってんだ?」

ノハ#;゚  ゚)「くっ……うぁ……」

遂には、その場で身を倒す。
苦悶の動きを眺めつつ

メ(リ゚ ー゚ノリ「何やらよく解んねぇが……どうするよ?」

ル(i|゚ ー゚ノリ「少しの間だが楽しませてもらった。
      礼というのもアレだが、ここは殺さずに置いておいてやろう」



20: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:11:27.11 ID:1huiboN40
  
メ(リ゚ ー゚ノリ「優しいねぇ」

ル(i|゚ ー゚ノリ「姉だからな」

二人は背後へ跳躍する。
次の瞬間には、気配と共に何処かへ去っていった。

ノハ#;゚  ゚)「ハッ……ッ……くっ、そぉ……」

後に残るは苦悶の声だ。

朝の空気が充満する中、仮面の女はいつまでも倒れたままだった。



24: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:12:52.79 ID:1huiboN40
  
FC八階の大会議室。
暖房が効いている部屋であるが、雰囲気は冷たかった。
全員がその顔に緊張を浮かばせている。

川;゚ -゚)「……異獣の滅びを手伝う? 私達が?」

渡辺の願い。
機械世界を滅ぼしつつある異獣を倒す。
その手伝いを、ブーン達にしてほしいというものであった。

从'ー'从「勝手に巻き込んだ私が言うのもアレなんだけど
      このまま放っておいたら、待っている未来は二つしかない」

( ´_ゝ`)「たった二つか」

从'ー'从「異獣に滅ぼされるか。
      それともロマネスクに無理矢理に戦闘に狩り出されて、血の海の上で勝利するか」

( ・∀・)「ロマネスクとは?」

从'ー'从「私達と同じ連合軍の人なんだけど
      どうやら私達のやり方が気に入らなかったみたいで」



25: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:14:28.68 ID:1huiboN40
  
渡辺達がFCへ来た経緯を話す。
敵はロマネスクを筆頭に、デミタス、ボッコス、ニダー、ヘリカル、貞子。
そして駒となる三百の兵。

ただ、ロマネスクによって世界交差が進められれば
その連合軍兵の数は千や万を超える可能性もあった。

(`・ω・´)「異獣やら何やら聞きたいことがあるのだが、まずは世界交差についての説明が欲しいな。
      具体的にアンタは、この世界で何をしようとしていた?」

从'ー'从「単純に言えば、周囲世界の戦力を集めるっていうのが第一目的。
      でもこの世界に限って言えば、第二目的があるの」

( ゚д゚ )「どういうことだ?」

从'ー'从「この世界に何故、『魔力』という存在が無いのか。
      何故、他の世界に在るはずのモノが無いのか……解る人いる?」

否定の無言。
皆、それぞれの顔を見合わせるばかりだ。
しかし一人だけ答えを知っている人物がいた。

(;^ω^)「まさか……」



28: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:15:55.71 ID:1huiboN40
  
从'ー'从「ん? なぁに?」

(;^ω^)「この世界にルイルが存在しないことに関係あるのかお?」

从'ー'从「内藤君、正解」

(;'A`)「マジかよ」

全員がブーンを驚きの表情で見る。
勘に近いものがあったので、ブーンは少し顔を赤くし

(;^ω^)「え、えと……ラミュタスさんが言ってたんだお。
      『世界交差に必要な力が、この世界にはある』って。
      でもそんなの聞いたことがないから……そこで変だと思ったんだお」

(`・ω・´)「兄さんが……?」

少しだけ驚いたような表情を浮かべる。
エクストが、肘で彼の脇腹を突いているのが見えた。



30: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:17:41.51 ID:1huiboN40
  
( ,,゚Д゚)「で、それが何と関係あるのだ?」

从'ー'从「平行世界は御存知かな?」

( ・∀・)「パラレルワールドなどと呼ばれるものか。
     現在の世界とは少し異なる世界であり
     潜在的に存在する可能性を持っている世界であるというような……。
     確か、そのような解釈だったね」

(;゚∀゚)「意味わかんねー」

( ・∀・)「つまり君は今日、黒色の服を着てFCへ来ているが
     青色の服を着てFCへ来るという、別の可能性の君が
     何処かこの世界とは違う平行宇宙に存在するという考え方だ」

(;゚∀゚)「意味わかんねー」

( ´_ゝ`)「とりあえず寝てろ」

机の上に叩きつけられるジョルジュ。
その騒ぎを端目に

('、`*川「その話を出してきたってことは……
     この世界とか私達の世界って、つまり平行世界同士だって言いたいわけ?」

从'ー'从「そういうこと」



33: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:20:05.68 ID:1huiboN40
  
(´・ω・`)「でも、似ても似つかないよね?
      モララーさんが言った通り、服装の違いだとかそんな小さな話だと思ってた」

从'ー'从「実際は世界創生の時点で分かれていって、実は途中で枝分かれなんかしていない。
      そしてこの世界の周囲にあったのが、たまたま英雄・機械・魔法だったってだけ。
      文化や状態がまったく違ったりするのは、創生初期から分裂していった結果だから」

( ・∀・)「つまり私達の世界も君達の世界も、元々は一緒だということ。
     そして『ルイル』という物質が君達の方にあるのにも関わらず
     こちらの世界には無いらしい……ということか」

从'ー'从「在るんだけどね」

あっさり。
あまりに味気無い回答だったので、全員が一瞬だけ固まった。
慌ててエクストが立ち上がり

<_;プー゚)フ「え!? マジ!?」

从'ー'从「元々は一緒だって言ったでしょ?
      ルイルだって、ちゃんとこの世界に存在してるんだよ」



35: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:21:29.12 ID:1huiboN40
  
( ,,゚Д゚)「……そうか」

('A`)「何か解ったんスか?」

( ,,゚Д゚)「英雄世界や機械世界など、同じ世界にしては文化や形態がかなり異なっている。
     それに大きくルイルが関わっていたとするならば――」

( ・∀・)「成程……この世界のルイルは、まだ発見されていないのだね?」

从'ー'从「うん、そういうことだね。
      例えば英雄世界は初期の頃にルイルを発見してるから、機械文明はそれほど栄えなかった。
      例えば機械世界は比較的後にルイルを発見してるから、機械+魔力という高度な技術文明が栄えた。
      ルイルっていうのは、実は文化の種でもあるの」

('、`*川「あ、何かそれ解る気がする。
     魔力があれば、機械なんて作る必要なくなるもんね」

( ・∀・)「言葉から察するに、魔力というモノはルイルから発せられているのだね?」

言葉に渡辺が頷き

从'ー'从「でも、この世界のルイルは発見されていない。
      何故なら秩序によって『発見されることがない』世界として設定されてるから」

( ´_ゝ`)「そうか……アンタはそれを手に入れるために、秩序を破壊しようとしていたのか。
      そういう設定が為されているんだったら、いくら探しても見付かるわけないからな」



37: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:23:07.87 ID:1huiboN40
  
そして兄者は『ん?』と首をかしげ

( ´_ゝ`)「あれ? おかしくね?
      『発見されることがない』設定なら、世界交差前に手に入れることが出来ないんだろ?
      でもそのルイルを用いて世界交差を実行するって……矛盾してね?」

从'ー'从「だから、もう一つの大きな力を持つルイルが必要になってくるわけで」

そんなモノがあるのだろうか。
この世界にあるのは使えないとして、残る世界は英雄と機械の二つ。

从'ー'从「機械世界のは既に存在しない。
      だから使うとすれば、英雄世界のモノだね」

('、`*川「そんなのあった?」

( ゚д゚ )「む……まさか……?」



38: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:24:29.94 ID:1huiboN40
  
从'ー'从「そう、英雄神の魂が入っている巨大魔法石こそ……ルイルのコアと言えるモノなの。
      コアだけでも充分な力があるから、それを用いて――」

('、`*川「ってことは、中の英雄神消えちゃうの?」

从'ー'从「だとしたら?」

('、`*川「是非ともやっちゃってください」

(;゚д゚ )「おいおい、良いのか……」

('、`*川「あのセクハラタマネギは、一旦死ぬべきなのよそうなのよ」

どうやら苦い思い出があるらしい。
自らを納得させるように、ブンブンと首を振るペニサス。

('A`)「でもよぉ、ルイルって小さい石みてぇなモンだろ?
   俺らのウェポンにも使われてるらしいけど、そんな力が強いモンなのか?」

从'ー'从「君達が使っているのは、初期ルイルが砕かれた小型のモノなの。
      元々ルイルっていうのは一つの巨大石でね。
      例えば魔法世界のルイルなんかは、地殻変動期以前に発見・砕かれて世界に散ってるわけ。
      その分、力が細分化してるから機械にも頼ってる歴史がある」

( ゚д゚ )「つまりこの世界のルイルは、細分化されていない純正ルイルというわけか」



40: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:26:20.15 ID:1huiboN40
  
从 ゚∀从「それって凄いんですか?」

从'ー'从「凄いとかいうレベルじゃない。
      純正ルイルがあれば、指輪なんか数えることが出来ないほど作れちゃうよ」

(;^ω^)「おー……」

何やらよく解らないが凄いらしい。
一兆円などと言われても、上手く想像出来ないのと同じ感覚だ。

( ・∀・)「では、異獣を倒すためにも純正ルイルが必要だというわけだね?」

从'ー'从「必要だし、確保しなきゃいけない理由がある」

( ,,゚Д゚)「理由?」

从'ー'从「世界交差が完了して、秩序と世界壁が完全に取り除かれた時。
      この完全なルイルを求めて異獣が攻めてくるから」

言葉と共に沈黙。
全員が口を開けて呆けるように渡辺を見る。
それを見てデフラグが溜息を吐き、軍神が笑った。



42: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:27:59.82 ID:1huiboN40
  
川;゚ -゚)「要するに……」

从'ー'从「異獣はルイルっていう、各世界に一つだけある魔法石が大好物でね。
      それを求めて世界から世界を渡る、いわば世界のウイルスのような存在なの」

(;'A`)「ちょ、ちょっと待て……誰かこのややこしい話を解りやすくまとめてくれ」

( ・∀・)「つまり我々が、もしくはロマネスクが世界交差を成功させれば
     異獣がこの世界に、純正ルイルを求めて攻めて来るということだね。
     言うなれば連続ボスバトルのようなものだ」

( ´_ゝ`)「中ボスが十近く。
      その後に大量のザコ戦で、ラスボスか……クソゲーだな」

从'ー'从「まぁ、ロマネスクの世界交差を止めることが出来たら
      後は私達の好きなタイミングで秩序崩壊が可能だから、そんなに心配は要らないと思うけど」

( ^ω^)「つまりロマネスクを倒すタイミングが重要ってことかお」

もちろん早いに越したことはない。
しかし都市閉鎖されているニューソクに近付くのは、容易ではないだろう。
戦闘準備を整えるのにも時間が必要である。

そして出撃タイミングや時間、情報が結果を大きく左右するはずだ。



43: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:29:37.63 ID:1huiboN40
  
(`・ω・´)「そのロマネクスという男も、純正ルイルを?」

从'ー'从「もちろん彼だって欲しがっているはず。
      純正ルイルを手に入れられるかどうかが、この戦いの鍵になるよ」

( ゚д゚ )「奴らがいる場所は?」

从'ー'从「まだアジトを使用してると思うから……都市ニューソクだね」

渡辺の言から、彼女らも都市ニューソクに潜んでいたことになる。
意外と付近に存在していたことを驚きつつ、クーはその位置を聞いてみた。

それは地下。

旧JAPAN軍が使用していた、戦術兵器に対するための地下施設だ。
何千もの人間を収容するために作られたそれは、広大な空間と機能を持っている。

第三次世界大戦が終わり、世界がイクヨリによって統合された現在、その存在は忘れ去られていた。
現政府でさえも憶える者が少ないその地下空間を、渡辺達は無断使用していたというわけだ。

从'ー'从「意外と地下って便利なんだよね。
      出口いくつも作っておけば、誰にも知られずに移動することが出来るし」



46: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:30:58.15 ID:1huiboN40
  
その入り口は

从'ー'从「北の郊外スラム街に一つ。
      西の戦跡荒野に一つ。
      東の倉庫街に一つ。
      南にある森の中に一つ。
      後は中心街の方に一つあるけど、あそこまで行くのは難しいかも」

五ヶ所存在するわけだ。
敵幹部の数は六。
リーダーであるロマネスクは地下から出ないとして、丁度数が合うことになる。

('A`)「こっちの方が数的に言えば圧倒的だよな」

ドクオが周囲を見渡して言う。
この場には十三人、そしてフサギコやジェイル、しぃ、弟者を合わせて十七人。
完全な状態で挑むとすれば、三対一以上の戦いを強いることも可能だ。

从'ー'从「でも、そうも簡単にいかないかも」

(´・ω・`)「どういうこと?」

从'ー'从「私達が追い出される前に、英雄世界の神と言われる『英雄神』を手に入れておいたの。
      今頃、彼と話をするために作業している頃じゃないかなぁ」

('、`*;川「げっ……英雄神が向こうにいるの!?」



47: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:32:47.28 ID:1huiboN40
  
( ・∀・)「誰だね、それは?」

('、`*川「私達の世界は、英雄認定された人がたくさんいるわけなんだけど
      その個性が強い奴らをまとめる神みたいな人がいるんだわ」

( ゚д゚ )「英雄世界のルイルに自身の魂を流し込んで、半永久的に時を生きているらしい」

从;゚∀从「そ、その人は強いんですか?」

( ゚д゚ )「ぶっちゃけると俺には解らん。
     そもそもルイルの中から出てきたことがないらしいから――」

('、`*川「強いよ」

ペニサスが言葉を遮って割り込む。
その言葉の色には、微かな戦慄が混ざっていた。

('、`*川「本人にやる気が無ければ良いけど、もし前線に出てきたりすればまずい。
     正直言わせてもらうと……この中の誰もが勝つ事なんて出来ないと思う」

(#゚;;-゚)「へぇ?」

反応したのは軍神だった。
彼女の力は、クーがよく知っている。
クーには軍神が負けるところなど想像出来ないのだが――

('、`*川「アンタも結構な力を持ってるっぽいけど勝てない。
     英雄神は、もう何ていうか……超越しちゃってるんだ」



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