( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 50: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:34:14.33 ID:1huiboN40
- ( ゚д゚ )(あのタマネギが……?)
ミルナは一度だけ英雄神と会ったことがあった。
英雄の試練を受けた後、気まぐれに現われたタマネギのような物体。
その姿と言動は奇抜なものと記憶している。
『ナリだす』を語尾に付けて喋り、その身長は三十cmほど。
外見はタマネギに近く、頭のちょんまげ(?)に火をつけると爆発する。
確かにある意味、生物を超越しているのだろうが――
( ゚д゚ )(そういえば……)
あの頃の自分は、ヒートと一緒だった。
彼女のおかげで人生に希望が見え、そして英雄にまでなれた。
( ゚д゚ )(だが……耽っている場合ではないな)
頭に浮かびかけた彼女の笑顔を脳裏から消す。
その横では、ペニサスが英雄神についての情報を語っていた。
('、`*川「英雄神が向こうにいるとなると、クン三兄弟も敵として出る可能性があるわ」
( ´_ゝ`)「何? 三兄弟?」
('、`*川「剣と槍と弓を使う、愉快な三人組でね。
一人一人の力も結構なものなんだけど、最も恐るべきは三人揃った時の連携。
挑む時は最低でも三人以上で相対しないとキツイわ」
- 53: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:36:26.99 ID:1huiboN40
- ( ´_ゝ`)「兄弟ネタは俺達で充分だというのに、飽きられるぞ」
( ・∀・)「何を言っているのか解らんね。
しかし敵が増えたか……合計して十人」
从'ー'从「まだ警戒すべき勢力はあるよー」
<_;プー゚)フ「あるのかよ……勘弁してくれ」
エクストが頭を抱えて机に伏せる。
その様子を無視し、渡辺はブーンへ視線を向けた。
从'ー'从「内藤ホライゾン君、以前、私が言っていた言葉を覚えてる?
『君達の背後に見え隠れしている連中が嫌い』って」
(;^ω^)「憶えてるお」
しかし、その答えはまだ解っていない。
自分達の背後に誰がいるのだというのだろうか。
从'ー'从「『秩序守護者』って言ってね。
多分、一度くらいは君達の前に現われたと思うんだけど……」
- 56: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:37:29.41 ID:1huiboN40
- 全員が『?』マークを浮かばせる。
ある二人を除いて。
( ・∀・)「……得体の知れない者なら、一人だけ知っている」
( ,,゚Д゚)「アイツか」
( ・∀・)「黒のローブを目深に被った小柄な男。
研究所跡に渡辺君が現われる、と予言した男がいたね?」
(;^ω^)「お……」
思い出した。
世界交差が発動する前、バーボンハウスに現われた男だ。
目を爛々と輝かせ、全てを知っているような口調をしていた――
( ゚д゚ )(目を爛々と輝かせた……? いや、まさかな……)
(`・ω・´)「それなら、俺の前にも現われたぞ」
シャキンが手を上げた。
GIF『レイドール』を回収出来たのも、その怪しい男のおかげらしい。
- 58: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:38:59.74 ID:1huiboN40
- 川 ゚ -゚)「言動を見れば、私達の味方に見えるが……」
从'ー'从「彼らは秩序を守護する、どの世界の人間でもない神の使徒。
でも歴史に歪みを入れないよう、自分達が直接動くなんてことは滅多にしない」
( ・∀・)「あぁ、そういうことか。
彼は私達を『情報』という餌で、思い通りに動かそうとしていたのだね?
秩序の破壊を企てていた君を消すために」
从'ー'从「理解が早くて助かるよ」
( ・∀・)「更に言わせてもらおう。
私達の選択次第では、その秩序守護者という勢力が敵になるわけか」
从'ー'从「もはや異獣を倒そうとするなら、世界交差が不可欠になりつつあるからね。
というか私に接触している時点で、もう向こうは貴方達を敵視している可能性もあるけど」
(´・ω・`)「勢力はFC、ロマネスク達、秩序守護者。
それぞれの勢力はそれぞれを敵視……つまり三つ巴ってわけだね」
<_プー゚)フ「んでもって異獣ってのも控えてんだろ?
たまんねぇな」
- 60: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:40:27.92 ID:1huiboN40
- ( ・∀・)「まぁ、今はロマネスクを止めることだけを――」
その時。
ブーン達が入ってきた扉が、音を立てて勢い良く開いた。
駆け込んできたのはジェイル。
爪゚ -゚)「報告します」
ポケットから一枚の紙を取り出し
爪゚ -゚)「本日早朝七時十二分。
都市ニューソクのアストクルフ家が、何者かの襲撃を受けました」
(;´・ω・`)「え……」
爪゚ -゚)「敷地内の警備員や従事者は、怪我の大小あれど基本的に無事。
しかし執事長であるフサギコ様は重傷――肩と膝の関節、胸部を銃弾で打ち抜かれております。
現在、ニューソク総合病院にて緊急治療を受けておりますが……」
(;'A`)「ツ、ツンはどうなった!?」
爪゚ -゚)「……姿が見当たらない、とのことです。
状況から察するに、その襲撃者から拉致されたのではないかと思われます」
- 62: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:41:39.61 ID:1huiboN40
- 襲撃者は、どれも黒い戦闘服を着た兵士達。
そしてそのリーダー格と思われる男には、両目に痛々しい傷があったと言う。
(;^ω^)「アイツかお……!!」
从'ー'从「ロマネスクだね」
爪゚ -゚)「更に、フサギコ様の所有していた3rd−Wを強奪したようでして」
( ・∀・)「それ目当ての襲撃か。
成程、つまり我々も狙われておかしくない状況にあるわけだね。
これは行動に関して少し考える必要があるな……」
(;'A`)(ツンがさらわれたのかよ……俺の人生オワタ……)
(´・ω・`)(…………)
- 64: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:43:36.21 ID:1huiboN40
- そこで、話戻していいか?とエクストが手を上げた。
基本的に関係がない彼にとっては、話を進めることの方が重要らしい。
空気嫁と思えるも、現状を考えるにそれが妥当だとほぼ全員が納得する。
<_プー゚)フ「んで、そもそも異獣って何なんだ?」
(#゚;;-゚)「異獣は異獣や。
どの系統種にも属さない、『それだけ』の独立した存在」
( ・∀・)「すまないが、もっと詳しい情報を教えて欲しい。
例えば外見や能力、大きさや性格のような……戦いに有効な情報を」
从'ー'从「外見や大きさは、白い狼のような感じをイメージしてくれて良いよ。
性格というか知能は高い……多分、人に近いレベルなんじゃないかな。
数はとんでもなく多い」
白い狼。
人レベルの知能。
数が非常に多い。
( ,,゚Д゚)「厄介だな」
ギコの呟きの後
(;゚д゚ )「白い……狼……?」
ミルナが血相を変えて立ち上がる。
珍しく、その額に汗が浮かんでいた。
- 65: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:45:18.86 ID:1huiboN40
- ( ・∀・)「心当たりでも?」
(;゚д゚ )「俺達の世界にも、その外見と同じな異形生物が出現していたのだが……」
从'ー'从「もうそっちにも行ってた、ってことだね」
(;゚д゚ )「どういうことだ?」
从'ー'从「言ったでしょ? 機械世界には既に純正ルイルが存在しないって。
存在しない世界にいつまでも執着する理由はない。
だから異獣は、機械世界にいる本隊とは別の分隊を各世界に送っていても――」
おかしくはない。
妙ではない。
つまり、ある意味での当然。
彼女はその当然の中に――
( ゚д゚ )「…………」
('、`*川「ミルナ君?」
( ゚д゚ )「……戦う理由が出来た。
俺は異獣を倒さねばならんらしい」
('、`*川「あー、そういうことね」
- 67: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:46:46.99 ID:1huiboN40
- そこで沈黙が起きた。
質問者がいない、というよりも何を質問すれば良いのか解らないような空気。
情報が交錯し、多少ながらも混乱しているのだろう。
その様子を見ながら、モララーは腕を組んで考え
( ・∀・)「……各自、少し整理する時間を設けようか。
他に個人的に聞きたいことがある者は、渡辺君達や私に直接聞いて良いよ。
そして一時間後くらいに戻ってきたまえ。
私はこれからに関して、何か簡単な案を考えておく」
その言葉と共に、誰ともなく椅子から立ち上がる。
以後、誰も言葉を発さずに会議室を出て行くこととなった。
( ^ω^)「…………」
ブーンも同じく。
誰かと話そうという気にはなれなかった。
クーが何か言いたげだったが、それも無視をした。
- 69: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:47:50.14 ID:1huiboN40
- 会議室から少し離れた休憩室。
自動販売機が二つ並び、ベンチのような長椅子が四つほど配置されている。
( ´_ゝ`)「ふぅ」
小銭を入れてスイッチを押す。
ガタン、という音と同時に目的の飲み物が落ちてきた。
『激甘! 99%砂糖の水!』と表記されている。
( ,,゚Д゚)「……甘党か?」
ミルクコーヒーの缶を持ったギコが、その表示を半目で見つつ問いかけた。
( ´_ゝ`)「頭を動かすには糖分が必要だろう?」
タブを開け、中身を口に流し込む。
飲み込み
( ´_ゝ`)「何だこれ、ほとんど粉じゃないか」
( ,,゚Д゚)「そう書いてるだろう」
( ´_ゝ`)「なるほど……だからこんなに甘――」
言葉を残して倒れる兄者。
『甘味は毒』だと言うが、まさにその通りとなっていた。
- 71: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:49:10.41 ID:1huiboN40
- ( ,,゚Д゚)「さて」
コーヒーを口につけ、足元に転がった兄者を横目に考える。
異獣やら秩序やら世界交差やら規模が大きい話だ。
しかし一つだけ言えることは
もし何処かで失敗した場合、自分達の世界が危うくなるということ。
世界政府にこの事実を申告すべきだろうか。
考え、そしてすぐに否定する。
彼らは少なくとも味方ではないし、こんな与太話を信じるようには見えない。
もはや事情を知りつつ頼れるのはFCのみという状況だ。
( ,,゚Д゚)(正義のため? いや、むしろ保身のために近いか?)
人間、大層な名分よりも生き残りに掛ける力の方が強い。
FCも似たような行動理念なのだろう。
そもそもモララーが、『世界を救う』などと言うのが想像出来なかった。
- 72: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:50:24.88 ID:1huiboN40
- ('A`)「あれ? ギコさんだけッスか?」
ドクオが現われる。
どうやらギコと同じく飲み物を買いに来たらしい。
( ,,゚Д゚)「そこに兄者が転がっているが、持っていくか?」
(;'A`)「いえ、要らないッス」
うつ伏せに倒れた兄者を隅に蹴飛ばし、スペースを確保。
炭酸ジュース『喉壊滅』を買ったドクオはギコの隣に座った。
('A`)「ギコさん、しぃさんの容態はどうなんスか?」
( ,,゚Д゚)「あれから二週間程度だが……まだ目を覚ます様子はない」
('A`)「早く目覚めると良いッスね」
( ,,゚Д゚)「お前の方はツンが――」
('A`)「助けるッスよ」
即答。
- 74: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:51:36.80 ID:1huiboN40
- ('A`)「好きな人を助けるのに、動機も理由も状況も関係ないッス。
俺はそんな強くないけど……何もしないわけにはいかない」
大層な心意気だな、と思うが口にはしない。
何やら張り切っているドクオの意気を、わざわざ消沈させることもないからだ。
ドクオが缶に口をつける。
途端、ドクオの喉が『ジュワジュワ』と音を立て始めた。
('A`)「あー……効くぅー……」
そのまま床に倒れる。
時折、身体を痙攣させているのを見つめ
( ,,゚Д゚)(……俺の周りにはロクな人間がいないな)
(´・ω・`)「あれ、ギコさんだけ?」
ふと視線を向ければ、ショボンとジョルジュが立っていた。
- 75: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:53:03.52 ID:1huiboN40
- ( ゚∀゚)「あー、喉渇いた。
物凄ぇ難しい話だったからな……俺様の脳みそが沸騰寸前だぜ」
(´・ω・`)「何気に理解した、みたいな言い方はよしなよ。
それにどっちかと言えば馬鹿に見えるんだけど、その発言」
ジョルジュは『パチパチ君120%』を、ショボンは『ホット漢汁』を購入。
それを半目で見つめるギコを余所に
(´・ω・`)「ジョルジュは、これからどうするんだい?」
( ゚∀゚)「あー? 俺様は俺様の命じた通りに動くぜ」
(´・ω・`)「何か格好良いように言ってるけど、すごい間抜けだよそれ」
( ゚∀゚)「うるせー馬鹿。
よくわかんねぇから、とりあえず流れに乗んぜ」
(´・ω・`)「あれだね? 今流行ってる『流される若者』だね?」
( ゚∀゚)「おおう、つまり俺様は流れを見る目があんだな?」
(´・ω・`)「僕思うんだけど、君は真面目に一回転生した方が良いと思う」
- 79: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:54:27.26 ID:1huiboN40
- 不毛な会話が続く。
静かな場所が好みであるギコは、その場から立ち去ることにした。
ショボンはともかく、ジョルジュは流れに乗って行動するらしい。
何も考えてはいないだろうが、それでも抵抗すると言うのならマシだな、と思う。
自分はどうなのやら。
( ,,゚Д゚)(やれやれ……戦いなど、面倒なだけだというのだが)
休憩室を出て、廊下を歩く。
背後から誰かが倒れる音が聞こえたが無視をした。
馬鹿ばかりだ。
自分も含めて。
- 80: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:55:41.35 ID:1huiboN40
- <_プー゚)フ「いや、ホント馬鹿だな」
(`・ω・´)「突然どうした? やっと自分のことが馬鹿だと解ったのか?」
<_プー゚)フ「違ぇよ馬鹿」
二人はトイレにいた。
小用を足しながら、虚ろな目で白い壁を見つめる。
(`・ω・´)「……何やら大変な話になったな」
<_プー゚)フ「異世界に跳んだ時点で大変だっつの」
それもそうか、と納得した様子でシャキンが頷く。
先に用が終わったエクストは、手を洗いに洗面台へ。
<_プー゚)フ「どうするよ、実際?
ロマネスクって奴を倒さなきゃならねぇんだろ?」
(`・ω・´)「仮にそいつらにやられたとしても、結局は世界交差は進む。
要はやり方の違いだろう」
強行的か。
それとも協力的にか、である。
- 83: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:57:02.59 ID:1huiboN40
- エクストは手を洗いながら
<_プー゚)フ「俺はこっちの方が好きだなぁ。
飯も給料もちゃんと出るし、何より仕事を強制されることもねぇ……パラダイスだぜ?」
(`・ω・´)「俺達がいなくても会社は回るからな。
そもそも一時兵である俺達に出来ることなど少ないさ」
<_プー゚)フ「っつか、空を飛ぶことしか能がねぇし」
(`・ω・´)「とりあえずはやれることをやるか。
拾ってもらった恩もあるだろうし、放っておくことも出来んだろう」
<_プー゚)フ「そんなこと言いつつ、実はラミュタス隊長の言うことが気になるんだろ?
隊長が何を見ていたかってのが気になるんだろ?」
(`・ω・´)「……別に」
はいはい、と言い、エクストは鏡の前で髪型のチェックを終わらせる。
そしてシャキンの方を見て
<_;プー゚)フ「……お前、何でそんな長ぇんだ?」
(;`・ω・´)「……うるさい」
- 86: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:58:16.35 ID:1huiboN40
- ('、`*川「フンフフーン、フフーン、うるせぇ〜んだよクソガキがぁ〜♪」
( ゚д゚ )「何処の歌だ、それは」
('、`*川「『見んなの歌』っていう番組で歌われてた。
今時のマセガキに現実を突きつけるための歌らしいよ」
( ゚д゚ )「絶対に見たくない番組だな」
周囲は白い廊下だ。
設置されているベンチに座り、時折目の前を歩く人間を観察する二人。
のん気な会話を続け
('、`*川「で、君は何でこっちにいるのかな?」
( ^ω^)「頼みがあるんですお」
ブーンがいた。
同じようにベンチに座り、ペニサス達の方を見る。
('、`*川「あれかな? 鍛えてほしいってやつ?」
( ^ω^)「ロマネクスを倒す力が欲しいんですお」
('、`*川「ソイツを倒す力を私達が授けてくれるだろう、と?」
- 87: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 15:59:31.72 ID:1huiboN40
- ( ^ω^)「アイツは言ってたお。
『技術と経験に圧倒的な差がある』って。
だから、英雄である貴方達に技術を教えてほしいんだお」
( ゚д゚ )「……何故、倒そうとする?」
( ^ω^)「悔しいから……なのかお?
よく解らないけど、見返したいんだお」
('、`*川「あれだね? のん気なノンちゃんだと思ってたけど、意外と負けず嫌いなんだ?」
うんうん、と頷いたペニサスは
('、`*川「でも、良いこと教えてあげようか?」
(;^ω^)「お?」
('、`*川「他人の作ったマニュアルに従うのは愚行……そんなんじゃ、いつまで経っても勝てやしないよ」
わざとらしく溜息を吐き
('、`*川「君は根本的なことが解っていない。
技術なんてーのは、結局は装飾品に過ぎないんだ」
( ゚д゚ )「……経験という土台があるからこそ技術が活きる。
どんなに凄い技を得ようとも、それを活かせる場面で発動出来なければ意味がない」
- 89: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 16:01:00.99 ID:1huiboN40
- (;^ω^)「お……」
まったく言う通りだ。
いくら最強の拳を得ても、撃つべき時に撃てなければ意味が無い。
('、`*川「でも、その心意気は嫌いじゃないねぃ」
笑みを見せ
('、`*川「技術は教えることなんて出来ないけど、経験なら積ませることが出来るよ。
うーん、パシリになってくれるなら考えても良いけど?」
(;^ω^)「な、何でもしますお! だから御願いしますお!」
('、`*川「おっけぇーい。 じゃ、ジュース買ってきてー」
一目散に駆けて行くブーン。
その後姿を見つめながら
( ゚д゚ )「おい……良いのか?」
('、`*川「最近、トレーニングする時間が無くて身体がなまってたしね」
悪意満点の笑みを浮かべる。
('、`*川「せいぜいサンドバッグになってもらおうかしら。
それでも見所があるなら、それはそれで楽しみだけどねー」
- 91: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 16:02:21.04 ID:1huiboN40
- 从;゚∀从「あ、あの……これを見てほしいんですが」
人の気配が極端に減った会議室。
後に残るは両手を拘束されて椅子に座る渡辺達と、それを警備するFC兵。
そしてハインリッヒ。
恐る恐る彼女に近付き、ポケットから二枚の紙を取り出す。
クルト博士の研究所から発見された読めぬ資料だ。
まず見せたのは
――――
【ハ■■リッヒ■対■■運用計画■】
――――
从;゚∀从「この最初のは僕の名前ですよね?
で、気になっていたのが『対■■』のところなんですが
これは――」
从'ー'从「うん、『ハインリッヒ対異獣運用計画書』だね」
从;゚∀从「やっぱり……」
ハインリッヒは納得したように吐息し、今度はもう一枚の紙を見せる。
- 92: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 16:03:59.54 ID:1huiboN40
- ――――
『■世■の■■ある『フェ■■■』。
私は機■世■から■■■で■在■■り、戦■■■ての完■■■■り、■■こと■■た』
――――
从 ゚∀从「これは今も全然解りません。
読めますか?」
从'ー'从「これはクルト博士が書いたんだね?
内容は想像するしかないけど……うん、読めるよ」
ふむ、と頷き
从'ー'从「全世界の天敵である『フェンリル』。
私は機械世界からの警告で存在を知り、戦力としての完成品を送り、願うことにした……かな?」
やっぱりだ。
こんなにも簡単に読めるということは、彼女は確かにクルトと近しかったのだ。
過去の話や、今言っていることは嘘ではない。
少なくともハインリッヒにはそう感じられた。
- 94: トンネルマン(大分県) :2007/04/08(日) 16:05:09.22 ID:1huiboN40
- 从 ゚∀从「ところで、フェンリルとは?」
从'ー'从「異獣の他称だね。
狼に似てるから、クルト博士はフェンリルって呼んでたんだよ。
私達の間ではまったく定着しなかったけど」
( ・∀・)「では、異獣という呼称は言い難いから
我々はフェンリルと呼ぼうと思うのだがどうかね?」
从;゚∀从「うわっ!?」
いつの間にかモララーが背後にいた。
資料を脇に抱えたジェイルと、そしてクーがその隣にいる。
( ・∀・)「そろそろ集合時間だからね。
私とジェイル君、クー君と一緒に吟味してみた」
从'ー'从「何をかな?」
( ・∀・)「『これから』のことを、ね」
一枚の紙を手に持ち
( ・∀・)「それに際して君に一つだけ頼みがある。
出来れば、君の持つ情報と頭脳で――私達を導いてほしい」
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