( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

12: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:00:51.34 ID:CXrAVO2E0
活動グループ別現状一覧

( ・∀・) (,,^Д^)
所属:不滅世界
位置:FC十四階・社長室
状況:過去の因縁

(#゚;;-゚) / ゚、。 /
所属:機械世界&秩序守護者
位置:FC三階
状況:戦闘中

( ^ω^) 川 ゚ -゚) 从 ゚∀从 ('A`) (´・ω・`) 从'ー'从 ('、`*川 爪゚ -゚)
所属:不滅世界
位置:不明
状況:不明

( ФωФ) (´・_ゝ・`) ( ・ω・)=つ  <ヽ`∀´> *(‘‘)*
川 -川 ξ゚听)ξ (゜3゜) ,(・)(・),
所属:機械世界・アギルト連合軍
位置:連合軍アジト
状況:不明

メ(リ゚ ー゚ノリ ル(i|゚ ー゚ノリ
所属:不明
位置:不明
状況:FCへ接近中



14: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:02:27.65 ID:CXrAVO2E0
第二十三話 『因縁指し示す仮面』

彼女は勝者だった。

あの日、人間をやめた瞬間から無敗。

幾多の戦場を蹂躙し、幾度の困難を砕いてきた。

全ては軍のため。
決して人のためではない。

戦場の象徴となり、いつしか彼女は『神』と呼ばれるまでになった。

もはや本来の色を失った黒色の機械肌。
身を守る存在は、羽織った茶色の布一枚。

武器など不要。
兵器など不要。
仲間など不要。

目の前に敵が在れば、それだけで良かった。

眼前の敵を殺す。
阻む障害を砕く。

それらが彼女の仕事であり、存在の意味だった。



15: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:04:35.67 ID:CXrAVO2E0
(#゚;;-゚)「死ねッ!」

轟、と風を撒き散らしながら走る。
右腕を振りかぶり、前方にいるダイオード目掛けて拳を放った。
技術などない、ただ相手を砕くための単純高速な一撃だ。

/ ゚、。 /「そんなもので――」

呟き、体重を右へと傾ける。
白い衝撃波に片目を瞑りつつ回避し

/ ゚、。 /「貴様は死ねるか、軍神?」

振った黒剣の刃が軍神の腹を捉えた。
ガ、という硬い音が響き

/ ゚、。 /「ふッ!」

そのまま力任せに叩き飛ばした。
軍神の身体が、まるで中身の無いマネキンのように軽々と飛ぶ。
しかし数十メートル先で、軍神は難なく姿勢を整えて着地した。

周囲に障害物はない。
二人が暴れた結果、この四階部で原形を保っている物体はほとんど無かった。
デスクも壁もロッカーも全て、巨剣と拳が破壊してしまったのだ。

戦い始めて数分でこの有様だ。
どのような戦闘が行われたかを想像するのは、常人では難しいだろう。



18: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:06:24.74 ID:CXrAVO2E0
(#゚;;-゚)「ようやく戦い易くなったねぇ」

/ ゚、。 /「ふン」

既にぶつかること二十七回。
最初の五回でタイミングを見極め、次の十回で速度を見極め、更なる十回でパターンを見極め
残る二回では、遂に互いの身体に触れるまでになっていた。

あとはダメージの大きさの問題だ。
防御技能を超える一撃を相手よりも多く与え、戦意を削ぎ折る。

どちらが先に相手を折るか。
駆け引きなどない。
ただ、敵を力で打ち倒すためだけに全神経を注ぐのみ。

そして二十八回目の直前、ダイオードが声を発した。

/ ゚、。 /「……面白いな、軍神。
      流石はこの私の見込んだ強者だと言えよう」

(#゚;;-゚)「はぁ?」

/ ゚、。 /「軍神よ、私はお前が好きだ」

(#゚;;-゚)「アンタ女……うわ、勘弁して欲しいわぁ」

/ ゚、。 /「そう言ってくれるな、構いたくなるではないか。
      まぁ、そのために因縁付けに来たわけだが……」

(#゚;;-゚)「?」



20: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:08:07.34 ID:CXrAVO2E0
/ ゚、。 /「見ろ」

ギコのグラニードよりも長く黒い剣を掲げる。

/ ゚、。 /「これが私の剣だ」

(#゚;;-゚)「……もう知っとるわ」

ハ、と吐き捨てるように答える。
しかしその心中は穏やかではなかった。

あの巨剣は危険だと、軍神の本能が警鐘を鳴らしている。

内在する魔力量が半端ではないのだ。
単純計算するに、おそらくは指輪五つ分以上の容量を持つだろう。

あんな量の魔力を持つなどありえない。
そもそもそれほどの力を内包し、尚も形を保っているのは異常だ。

本来ならば、その圧倒的な力によって周囲空間が歪められていてもおかしくはない。



22: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:10:12.38 ID:CXrAVO2E0
/ ゚、。 /「名は『ブロスティーク=E=ミゾーク』……ブロスティークで充分だな。
      で、この剣は特殊な能力を搭載している」

微かな笑み。
それに呼応するように、黒剣の腹に赤い何かが走った。

文字だ。
黒を背景として、その赤色は鮮烈な不気味さを醸し出している。
描かれた意味は

【氷柱串刺】

展開される。
異常な魔力量を誇る巨剣から、物理法則を歪める不可視の力が発生した。

まず発生したのは冷気。
軍神の周囲の温度が急激に下がり

(#゚;;-゚)「何……?」

圧倒的な悪寒が背筋を這い登った。
何かが起こる、起こらなければおかしいと確信出来る違和感を得る。
思わず本能に従って飛び退いた。

(#゚;;-゚)「ッ!」

その直感を証明するように、軍神の足元から氷の柱が出現する。
一瞬でも遅れていれば串刺しだったかもしれない。



25: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:11:47.76 ID:CXrAVO2E0
しかし軍神の晴れない表情は、そんな過去など考えてはいない色だった。

(#゚;;-゚)「んなアホな……」

ありえない。
魔力とは、そもそも七種しか存在しないのだ。
そのどれもが物理法則に干渉するもので、それを操る術を魔粒子制御法――『魔法』という。

つまり、決して氷の柱を瞬時に作ったりは出来ないはずである。

(#゚;;-゚)(いや……)

出来るのかもしれない。
物理法則や、そういった自然分野の知識に乏しい自分には解らないが
もしかしたら七種の魔力の運用次第では、今のような現象を起こすことも不可能ではないのかもしれない。

ただ出来たとしても、莫大な魔力を必要とするはずだが。



28: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:13:23.35 ID:CXrAVO2E0
(#゚;;-゚)「はン、なるほど……。
    そういう手品をするために、そないな妙な剣を持っとる言うわけやな?」

/ ゚、。 /「違う、まだ解らないのか」

言葉と同時、更なる赤文字を走らせる。

『GU−EX/Lo 【砕】』

(#゚;;-゚)「なっ……!」

/ ゚、。 /「砕きの究極を食らうがいい」

剣先が展開する。
意思を持ったかのように自動的に形を作り出した。
それは大口径の銃口に等しい。

射撃。

白色の光が拳大の弾となって発射された。
高速で飛んだ後、構えられた軍神の右腕によって阻まれる。
衝撃音を残し、白の残滓を撒き散らしながら魔力の弾は空中に霧散した。

(#゚;;-゚)「これは……」

だが無為に消えたわけではない。
あっさり消えた魔力は、しかし自身に命じられた効果を残していた。



30: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:14:57.10 ID:CXrAVO2E0
唖然と自分の右腕を見つめる。
弾が当たった部分の機械肌が粉砕されていた。
幸い、機械肌は二重構造になっているので肉や神経に損害はない。

しかし、馬鹿な、と思う。

この機械肌には魔力が塗りこまれている。
魔力攻撃に対して、かなりの防御力を誇っているはずなのだ。
この防御を打ち崩すには、塗り込んだ以上の量の魔力をぶつけなければならない。

つまりそういうことだ。
ダイオードの持つ巨剣は、やはり普通の武器ではない。

/ ゚、。 /「悪いな、こと攻撃に関しては負けるつもりは無いんだ」

(#゚;;-゚)「しかも今のは……」

/ ゚、。 /「これがどういうことか解るか?」

(#゚;;-゚)「今のは魔法世界にあるEW(Enchant Weapon)の原型……?
    いや、でもEXってことは……」



32: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:17:12.02 ID:CXrAVO2E0
覚えがある。

確か、魔法世界のEWは型番によって威力や装弾数が変わっていた。
例えば銃器タイプのシリーズならば、『GU−○○/××』という風に表記されたはず。

この『○○』には数字が、『××』には銃身の長さを示すLoかShが入る。
数字が若ければ若いほど古い型となり、軍神が知っている限りで12番まで開発されていた。

ダイオードの剣が示した『EX』とは例外を意味する。
試作品などに付けられる一時的な名称だ。

しかし、そのEXシリーズを使って戦っていた男が一人いた。


一度だけ手合わせした記憶がある。
あれは魔法世界に初めてアクセスし、互いの戦闘力を示すために模擬戦を行った時だ。

機構的・技術的な問題なのか、魔法世界の銃器はどれも巨大である。
魔法世界の住人は、7th−W『ガロン』のような巨銃を脇に抱えたり、肩に担いだりして戦っていた。

その中でも一際大きなEWを持っていた男。
彼は魔法世界の『オークス』とかいう軍隊の隊長を任されていた。
なかなかの戦闘力と大胆さを持ち合わせており、二度ほど追い詰められたこともあった。

ダイオードが発した魔力弾。
その感触や威力は、どう勘案しても彼のものだった。



35: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:19:54.32 ID:CXrAVO2E0
(#゚;;-゚)「何でそれを……!?」

/ ゚、。 /「この剣は呪われていてな。
      英雄世界の古代から残る本物の魔剣だ」

(#゚;;-゚)「そんなこと聞いとらん! 何であのEWを使えるんや!」

/ ゚、。 /「呪われている、と言っただろう。
      この剣は霊的な意思を持っていてな」

不敵に笑い

/ ゚、。 /「殺した人間の力を強奪する、という能力を有している」

(#゚;;-゚)「……それ何て厨仕様?」

/ ゚、。 /「そう言ってくれるな。
      この剣に取り付く存在は別世界の霊体でな……まぁ、今は関係ない話か」

殺した相手の力を奪いとる。
つまり勝てば勝つほど、剣に蓄積される魔力が高まっていく仕掛けというわけだ。



37: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:21:41.77 ID:CXrAVO2E0
ただしここにルールが存在する。
強奪した魔力はあくまで強奪された人間のモノ、という制限だ。

例えばこの剣に80の魔力があり、20の魔力と10消費の技を強奪したとする。
総合すれば100の魔力で、手に入れた10消費の技を10回撃てるように見えるだろう。

しかし、あくまで20の魔力と10消費の技は強奪された人間のモノだ。
結果、10消費の技は2回しか撃てないことになる。
つまり相手の力を吸い取るのではなく、そのまま移植するような感覚に近い。

(#゚;;-゚)「ちょい待ち……ってことは」

/ ゚、。 /「あぁ、お前の言う男は私の手で殺めた」

事も無げに、平然と言った。
軍神の目が少しだけ見開かれるが、見ていないのかダイオードは続ける。

/ ゚、。 /「そういえば彼には一人娘がいたな。 今頃どうなっているのやら。
      確か名はレモ――」

音が途切れる。
瞬間的な沈黙が訪れ、続いて激音が響いた。



39: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:23:14.80 ID:CXrAVO2E0
見れば、放たれた軍神の右拳が巨剣によって遮られている。

/ ゚、。 /「突然どうした、お前らしくもない」

(#゚;;-゚)「知人を殺されたんや……そら怒りも湧いてくるわ」

/ ゚、。 /「知人とはいえ、他人のために怒るというのか軍神。
      やはり人間の残滓が残っているのだな」

クク、と喉を振るわせて笑う。
見下されているような感覚に、軍神は眉を吊り上げ

(#゚;;-゚)「一つ聞く。 彼を殺したんはアンタやって、その娘は知っとるんか?」

/ ゚、。 /「いいや、言っていないし証拠も残してはいない。
      おそらくは部下が誰かに殺された……ということになっているだろうな」

(#゚;;-゚)「なら、あの子は――」

/ ゚、。 /「面白いことになっていてもおかしくはない」

(#゚;;-゚)「……!」

明らかに殺気を膨らませる軍神。
それを笑いながら見つめるダイオード。
軍神らしくない軍神を、心底楽しんでいる様子だ。



43: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:24:53.48 ID:CXrAVO2E0
/ ゚、。 /「そう睨むな……それに一人くらいの死、私達には何の関係もあるまい。
      お前は勝者の代表者であり、私は敗者の代表者なのだから」

(#゚;;-゚)「何を……」

/ ゚、。 /「そうだろう?
      お前は軍神となり、勝利せねばならなくなった存在だ。
      対して私は敗者の要素を汲み取って生きている、敗北の集合体のような存在」

弾かれる。
その重量から繰り出される一撃は重い。
一歩、二歩と後退し

(#゚;;-゚)「下らん、何が代表者や
    ウチらは、少なくともウチはそんな大層なモンやない……ただの殺戮者や」

/ ゚、。 /「傲慢だな軍神。
      人々のために、世界のためにと戦いに身を染めつつ、その台詞か」

まぁいい、と呟き

/ ゚、。 /「だがこれでお前との因縁が出来上がった。
      お前と私、どちらかが死ぬまで続くことだろう……これからが楽しみになってきたぞ」



44: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:26:20.21 ID:CXrAVO2E0
ダイオードが構える。
今までの隙だらけだった棒立ちとは違い、両手で巨剣を握り込む形。

/ ゚、。 /「私にとってこの世界は退屈でな。
      お前以外に手応えがあったのは、貞子とかいう人形くらいだった」

そのまま両腕を上げ、顔の真横まで持ってくる。
剣の切っ先が、まるで今にも飛び掛ってきそうな格好だ。

(#゚;;-゚)「……アンタ、秩序なんかどうでもええ、みたいな顔しとるな」

/ ゚、。 /「さぁ、どうだか。
      しかし一つ言えるのは、秩序守護者に協力しておけば各世界の強者と戦えるのは事実。
      それが私の目的だとは明言出来んがな」

悪寒がする。
ただの寒気ではない。
死の臭いから来る、圧倒的な殺気。

/ ゚、。 /「さて、お前のセンスは悪くはない……これまで会ってきた敵の中でも光るモノがある。
      しかし一対一で私と戦うには――」

前屈姿勢。
来る。

/ ゚、。 /「微かに足りん」

足元の床を蹴り飛ばす。
轟音と共に砕かれたコンクリートが、まるで地雷爆破を受けたかのように撒き散らされた。
それを背景とし、高速で迫る。



48: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:28:27.19 ID:CXrAVO2E0
そして消える。
いや、消えた。

鈴の音のような甲高い音を残し、ダイオードが左右に割れ消えたのだ。

(#゚;;-゚)「……っ」

嫌な予感が頭を過ぎる。

ここから退け、逃げろ、と本能が警鐘をかき鳴らす。

だが、退いてはならない。
止まっていてもならない。
軍神にあるのは、ただ『前進』の一言。

たった一つの宿命を忠実に守り、敢えて身を前に投げ出した。
何処から来るのかと両拳を握り込む。

――愚問だ、何処からでも来い。

/ ゚、。 /「ふっ!」

五時方向、下から薙ぎ上げるような右切上の軌道。
高速、回避不可能。



50: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:30:13.89 ID:CXrAVO2E0
判断は一瞬だ。
背後から迫る刃に対して、右足を上げることで対処する。

鼓膜を震わせる金属音が響いた。
軍神の足首に巨剣がぶつかった音だ。

引っ掛けたまま右回転し、ダイオードの姿勢を瓦解させる。
低姿勢からの一撃なので、横方向へ引っ張ってやれば容易くバランスを崩す。

空いている両腕で仕掛けた。
まず右、そして顔面狙い。

/ ゚、。 /「!」

身を逸らされ、狙いがズレた拳は右肩にヒット。
しかし甲冑が思った以上に硬く、叩き飛ばすくらいしか出来ない。

対して、ダイオードの行動は意外なものだった。
殴られた右肩を放置し、その勢いを利用しての反撃に転じたのだ。
右腕を振り上げ、その手に持った巨大な刃を振るう。

(#゚;;-゚)「っ」

上半身狙いのそれを回避し、軍神はバックステップで距離を稼ぐ。

しかし攻撃は終わらない。
最初から避けられることが予想済みだったのか、ダイオードが地を蹴り飛ばして追従してきたのだ。



52: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:32:02.16 ID:CXrAVO2E0
/ ゚、。 /「詰めが甘い」

(#゚;;-゚)「ちィっ!」

苦し紛れの足蹴は、しかし軽く弾かれ足首を掴まれる。
そのまま一気に振り回し始めた。

/ ゚、。 /「やはりというか重いな」

(#゚;;-゚)「ぉ……!」

/ ゚、。 /「はは、このまま投げ飛ばしてしまうのも面白そうd――」

その時だった。

/ ゚、。 /「ん?」

まず聞こえたのは地響きのような轟音。
そして呼応するように、FCビル全体が激震する。

(#゚;;-゚)「っと!」

生じた隙を好機と見たか、軍神は身を折り曲げて脱出した。
対するダイオードは追うことさえしない。

/ ゚、。 /「ふむ、外要素に助けられるとは……まだ秩序が残っている証拠だな」

何やら納得したかのような口調だ。
そして逆に、『秩序など無くなってしまえ』といった感情が籠められているような色でもあった。
そんな得体の知れないダイオードから距離をとった軍神は、そのままの姿勢で彼女を睨む。



53: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:33:34.04 ID:CXrAVO2E0
(#゚;;-゚)「…………」

/ ゚、。 /「警戒しているな?
      私の真意が解らないからか、それとも私の力が思った以上に高かったからか」

(#゚;;-゚)「異質や」

静かに呟く。

(#゚;;-゚)「今、この世界には他世界の人間も混じってる。
    でも彼らは……己が目的のために突っ走っとる」

しかし

(#゚;;-゚)「アンタは違う……まるでこの一連の戦いを、心の底から楽しもうとしとる」

/ ゚、。 /「ふむ」

(#゚;;-゚)「異質なんや。
    皆が頑張っとる中で一人別のことをしとる……いや、別のことを楽しんどる」

/ ゚、。 /「私が何をしようが関係あるまい?」

(#゚;;-゚)「それが単なる遊びで済むなら目瞑ったるわ。
    しかしなぁ、その遊びが誰かに多大な影響を与えるのなら――」

/ ゚、。 /「面白いことを言う」



57: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:34:40.23 ID:CXrAVO2E0
言いながら背を向ける。
巨剣を肩に担い

/ ゚、。 /「その『多大な影響』も歴史の一つなのだよ」

(#゚;;-゚)「ここに来て結果論――」

/ ゚、。 /「飽きたな」

(#゚;;-゚)「は?」

/ ゚、。 /「興が削がれた。 次こそは本気で殺し合おう。
      何も疑問を持たず、何も考えず……そのままの心身でぶつかり合おう」

歩き出す。
もはや軍神への興味が失せたのか、一度も振り返ることなく歩き出し

/ ゚、。 /「軍神、お前は生き残れ。 生き残る価値がある。
      そして次までに死んでくれるなよ。 その次こそがお前の終わりなのだから」

自分が引導を渡す、と言いたいのだろうか。

戦闘の証拠としての黒煙が舞う。
それはダイオードの巨躯さえも軽く包み込み、そして彼女の姿を消した。
一人取り残された軍神はそのまま動くことなく

(#゚;;-゚)「……ワケが解らんわ」

と、悪態を吐いた。



61: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:36:14.84 ID:CXrAVO2E0
FCの外の空気は異常だった。

( ゚д゚ )「人が、いない」

周囲を見渡しつつ、ミルナは誰に言うでもなく呟く。

時刻的に、まだ夜中という時間ではないはず。
しかし都市の中央部に位置するこの場所で、風と自分以外の音が響かないのは異常といえた。

人はおろか車やビルの明かりさえも見受けられない。
まるで、世界に一人だけ取り残されたかのような光景だった。

( ゚д゚ )「ふむ……やはりFCで起こっている情報は外に漏れているようだな」

普段から騒がしいFCの周囲の人間達は、おそらくいくらか『耐性』のようなものを得ているはずだ。
爆発騒ぎや銃撃騒ぎがあろうとも、彼らはきっと逃げ出すことはしない。
『いつものことだ』と思い、それぞれが抱える仕事を優先するだろう。

そんな彼らでさえも逃げ出すということは、それほど大きな存在が影響しているのだと思われた



65: ◆BYUt189CYA :2007/06/16(土) 17:37:49.32 ID:CXrAVO2E0
前方二十メートルほど先に、明かりのない道路が見える。
そこまではFCの敷地内だ。
白を基調とした床に細々と立つ木が、静寂さを更に醸し出していた。

( ゚д゚ )「さて」

自分を誘った存在がいるはずだ。
『遊ぼう』などという言葉や調子から、相手はふざけた人物なのだろう。

問題はそれが『余裕』か『自信』か、だ。
解らないが、英雄である自分を知っていて呼び出したとなれば、警戒を怠ることは出来ないだろう。
迎撃や守護に自信を持つミルナは、拳を軽く握って周囲へ視線を走らせる。

その時。
すぐ目の前に、いきなり人影が現われる。

メ(リ゚ ー゚ノリ「嬉しいねぇ、わざわざ誘いに乗ってくれるたぁ」

( ゚д゚ )「お前らは……!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「別に危害を加えるつもりはない。 安心しろ」

( ゚д゚ )「……俺に気配を感づかれないレベルの人間が言っても説得力はないぞ」



戻る次のページ