( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

3: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 16:56:17.94 ID:te3tLM6t0
活動グループ別現状一覧

( ´∀`) lw´‐ _‐ノv ハ(リメ -゚ノリ |゚ノ ^∀^)
所属:不滅世界&魔法世界
位置:都市ニューソク
状況:押しかけシュー房+α

( ・∀・) (,,゚Д゚) (*゚ー゚) ミ,,"Д゚彡 ( ´_ゝ`) (´<_` ) [゚д゚]
<_プー゚)フ ( ゚д゚ ) ノハ#゚  ゚) 从・∀・ノ!リ ( ><) (*‘ω‘ *)
所属:不滅世界&機械世界&英雄世界&魔法世界
位置:ロシア・古城
状況:潜伏中

(`・ω・´) VS ???&(メ _凵j
所属:機械世界VS魔法世界
位置:ロシア北部上空
状況:逃亡阻止

(#゚;;-゚)
所属:機械世界
位置:不明
状況:情報&戦力収集のため単独行動中



4: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 16:58:37.65 ID:te3tLM6t0
第三十一話 『その手に握る刃の理由』

風切音
風切音

ノイズ

『速いな……GIFと同程度か……?』

風切音

『――あ――は―――を――ますか』

『む、割り込み通信……?』

ノイズ

『――あな―はわた―をこ――と――ます―』

『何、だと?
 これは……あの正体不明機からの通信か?』

ノイズ
沈黙


『ヒトという貴方は、電子世界に生きる私を殺すことが出来ますか』



6: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:00:59.38 ID:te3tLM6t0
飛翔音

『何を言っている……お前は何者だ? あの赤いEMAの仲間か?』

『私はシステム。 貴方はヒト。
 根本から異なりながらも同じ空に何かを見出そうとする存在』

掠音
爆音爆音爆音

『くっ!』

『感情というノイズを持つヒトは、純粋なる電子世界に住まう私を殺せるのですか』

『つまらん問答など要らん……!
 お前は何者だと聞いている!』

空抜音
飛翔、掠音

『私はシステム。
 呼称するならば「Killing Alternative System」――キオルと御呼び下さい』

『人殺し……代替品……?』

『感情というノイズを持たぬがための代替です』

『何を言っているのか知らんが――』

『私は命を奪うことが出来ます』



8: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:02:47.05 ID:te3tLM6t0
ノイズ

『無感情が故に、後悔も心の裂傷も感じることなく実行することが出来ます』

ノイズ

『故に私は「Alternative(代替)」。
 故に私は――』

駆動音
鉄軋音

ノイズ

『なっ……!?』

『故に私は――あの方の業を担えるのです』

爆音

爆音爆音爆音爆音爆音爆音爆音爆音爆音爆音爆音爆音ノイズ




沈黙



9: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:04:49.35 ID:te3tLM6t0
結果から言えば、シャキンの追跡は失敗した。
乱入してきた謎の正体不明機に邪魔をされたのだ。

ならば、と、ターゲットを正体不明機へ設定するシャキン。

戦いは互角だった。
比べて解ったのだが、正体不明機の大きさはGIFの二倍近くある。
故に動きは大味となり、小回りの効くシャキンが有利かと思われた。

が、そう簡単にはいかなかった。

機体性能ではなく、単純に正体不明機のパイロットの技量が高かったのだ。

大味になる動きを敢えて制動せず、悠々と吹雪の中を舞う正体不明機。
対し、直線的な機動で攻撃しに掛かるシャキン。

次の瞬間、何が起こったのかを見たのはシャキン本人だけだ。
ただ珍しく彼が驚きの声を発したのは、通信を隔ててモララー達にも聞こえた。
そして彼は言う。

――高速で変形した、と。


<_プー゚)フ「で、天下のシャキン様は、そのビックリ戦闘機にビックリしてやられてビックリ?」

(#`・ω・´)「……うるさい」

何とか帰還したシャキンを迎えたのは、嫌な笑みを浮かべたエクストだった。



10: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:07:18.45 ID:te3tLM6t0
<_プー゚)フ「俺だったらやれてたかもなぁー」

(#`・ω・´)「『やられてた』の間違いだろう」

<_#プー゚)フ「逃げ帰ってきたヘタレに言われたくねぇな」

(#`・ω・´)「逃げ時を見失って死ぬ奴に言われたくない」

<_#プー゚)フ「んだと? テメェ、シミュレーターでの訓練は俺の――」

[#゚д゚]「テメェはガキか!?」

怒声と同時、エクストの脳天に拳が落ちた。

<_;プー゚)フ「いってぇ!?」

[#゚д゚]「ウダウダ言う暇があったら、さっさと整備に走れ!」

<_;プー゚)フ「サーイエッサー!」

大袈裟な敬礼をし、逃げるように走っていく。
その後姿をデフラグが吐息しつつ

[゚д゚]「ったく……何でアイツは執拗に突っ掛かるんだ? しかもお前限定で。
    ゲイなのか? お前限定で」

(`・ω・´)「勘弁してくれ。
     理由は何となく見当が付くが……それも、昔の話だ」

振り切るように片手を振り、シャキンは格納庫から出て行った。



12: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:09:34.39 ID:te3tLM6t0
しばらく雪の大地を飛ぶと、海が見えてきた。

しかし臆することなく飛び続ける。
自分が何処へ行けば良いのか、解っているからだ。

『……ミカヅキ様、追手は無いようです』

通信が入り、女性の声が聞こえてくる。
同時にレーダーに反応。
自機の斜め後方に、魔力を備えた機体が飛翔していることを示している。

(メ _凵j「すまないな、システム『キオル』」

『いえ、当然のことをしたまでです。
 それにこの世界の戦力というものに興味がありましたから』

(メ _凵j「……ところで、お前は今まで何を?」

『貴方を捜していました。
 そしてついでに、この世界の情報を……データは後で送っておきます』

(メ _凵j「この世界?」

『やはり存じておりませんでしたか。
 今私達がいるのは、私達のいた世界ではありません』



13: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:11:30.63 ID:te3tLM6t0
放たれた言葉。
それを頭の中で理解し

(メ _凵j「そうか……」

『驚きにならないのですか?』

(メ _凵j「レーダーに魔力反応が無かったことに納得した」

気を取り直し、目の前のウインドウへ目を移す。
目的先を示す小さな矢印が、進行方向へと頭を向けているのを確認し

(メ _凵j「この先に、奴が――」

『はい』

(メ _凵j「決着を望むか?」

『……それは、貴方が求めることかと』

(メ _凵j「そうだな」

それっきり、会話は続かなかった。



14: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:13:17.45 ID:te3tLM6t0
途中で彼女が集めたと思われるデータが届き、それを視界の端で眺める。
この世界の簡単な歴史、地理、人種、生活方法、主に食すモノ、最近のニュース。
それらを見つめ、ミカヅキは結論した。

――この世界は恵まれている、と。

思わず呟いた。

(メ _凵j「……何故、私達はこの世界へ来たのだろうか」

『それについて一つ情報があります。
 とても小さく、まだ確証を得ていないものですが』

(メ _凵j「何だ?」

『呼び出した存在がいます。
 私達の力か存在かを求め、利用、研究、もしくは破壊するために』

つまり自分達が異世界に来てしまったのは、偶然ではないということだ。



17: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:15:27.27 ID:te3tLM6t0
呼び出された、という事実を理解し

(メ _凵j「力を利用する、か。
     それは出来ない相談だな」

『えぇ、私達の機体は人との戦争に用いられるものではありません』

一息。

『……異獣との戦闘に用いるべき兵器なのですから』

(メ _凵j「しかし私は、それを個人的な理由で人に用いようとしている。
     それは罪か?」

『罪でしょう』

即答された答えに、ミカヅキは満足そうな笑みを浮かべる。

(メ _凵j「やはりお前は優秀だ。 私の代わりに殺しを担うだけある」

『いえ、だからこその欠陥品です』

(メ _凵j「そうか……なら、いい」

今度こそ会話が途切れる。

自分が向かう小さな国、JAPAN。
その中に隠れているであろう男を目指し、ミカヅキの機体は更に速度を高めた。



19: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:17:41.86 ID:te3tLM6t0
FC残党が潜伏する古城。
魔法世界の協力者を得たモララー達は、早速その技術の検証に入っていた。

人工魔力の作り方に始まり、それを用いた有用な戦法や戦術、応用。
どれもこれもが目新しいモノばかりだ。

从・∀・ノ!リ「いいか? つまりこれを『砕』の魔力に通すことで――」

( ´_ゝ`)「ほぅほぅ、ってことは――」

[゚д゚]「アレは城の中にある機材で――」

(´<_` )「しかし場所が重要――」

(-@ハ@)「いや、格納庫の隅に放り捨てとったアレで――」

と、技術者四人が特に首を突っ込んで話し合っている。

何やら色々なアイデアが出ているらしい。

例えばGIFの強化装備案に始まり、ジェイルの新型特殊兵装、兵器の魔力付加による強力化。
加えて対魔力装備の高速量産案や、実現不可能とされていた設備の開発、etc――

そういった知識に乏しいシャキンやエクスト、ギコなどは完全に蚊帳の外だ。
会議室の隅で、レインがまとめた『魔力を用いた戦い方:初心者編』というテキストに目を通している。

<_プー゚)フ「アイツら馬鹿のくせに、こういう話になったら変貌するよな」

(`・ω・´)「お前はいつまで経っても馬鹿から変わらんのは何故だろうな」



20: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:20:20.29 ID:te3tLM6t0
(,,゚Д゚)「本職だから、こちらが本来の姿だろう。
    それに好奇心という意味では、俺達も似たようなものだ」

と、ギコがテキストをひらひらと揺らした。

ミ,,"Д゚彡「戦術の幅が広がる――というか、様変わりしますね」

そのテキストから目を離さず、フサギコが吐息混じりに言う。

ミ,,"Д゚彡「いやぁ、この調子だと射撃訓練してた甲斐がありそうです」

読んでいるページが記しているのは、銃器関係の内容だ。
カタログのように、様々な形状の魔力銃が掲載されている。

しかし、この世界にある銃器とは決定的に異なる点があった。

大きさだ。

どれもこれもが大砲レベルの巨大さを誇っている。
戦闘時だけでなく担いで走るだけでも、かなり体力を消費しそうだった。

( ・∀・)「機構上、仕方のない話らしい」

と、会議に参加していたはずのモララーが歩いてくるのが見えた。



22: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:23:10.51 ID:te3tLM6t0
(,,゚Д゚)「会議、いいのか?」

( ・∀・)「私には半分ほどしか理解出来ん話だよ。
     ならば彼らに任せておいた方が、結果的には良いだろう。

(`・ω・´)「こうやってのんびり会議しているのが良いが……逃げた赤いEMAは?」

( ・∀・)「珍しく軍神君が追跡志願してね、彼女に任せることにした。
     で、話を戻すが――」

テキストを数枚めくり

( ・∀・)「本来、魔力というモノは物質に依存するらしい。
     簡単に言えば、物質を通してしか効果を発揮しない特性を持つということだ」

言われ、ギコは自身の指にはめた指輪を見た。
確かにどのウェポンも武器という形を持って力を発揮する。
剣であったり、槍であったり、鎌であったり、身体であったり――

(,,゚Д゚)「そういえば、ドクオの持つ6th−Wも巨大だったな」

( ・∀・)「魔力を形にして維持する機構が、どうしても大きくなってしまうらしい。
     まぁ、そもそも魔力銃自体が破砕砲――『デモリッションガン』のようなものだ。
     携行しても用途には限りがあるだろうから、問題ないかもしれない」

デモリッションガンとは、邪魔な構造物などを文字通り破砕する砲のことだ。
人に用いるような力を軽々と超えている点は、魔力と通じるものがある。



23: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:24:53.57 ID:te3tLM6t0
(*゚ー゚)「大きさ……」

ふと、ギコの隣にいたしぃが呟いた。

(,,゚Д゚)「どうした?」

(*゚ー゚)「うん、私達のウェポンも大きいよね。
    でもその中に小さなモノがあるなぁって」

ミ,,"Д゚彡「……8th−W『クレティウス』ですか」

1stは大剣、2ndは大鎚、3rdは大鎌――
などと、ウェポンの形状はどれも普通のそれよりも、多少なりとも大きめになっている。
しかしブーンの持つ8th−Wだけは、別に大きいというわけではない。

(`・ω・´)「ただの偶然かもしれん」

(*゚ー゚)「その可能性もあるけど……私、8th−Wだけは何か違うなって感じる時があって」

( ・∀・)「確かに十五ある内で、八といえば中間点に位置する数字だが……ふむ」

モララーは少し考える素振りを見せる。
しかし首を振り

( ・∀・)「まぁ、本人がいない現状で語っても答えは出るまい。
 それよりも、このテキストを熟読することが先決だね」

<_プー゚)フ「やっぱ動き始める日は近いってことか?」

( ・∀・)「彼ら次第だよ」



25: ◆BYUt189CYA :2007/07/26(木) 17:26:39.34 ID:te3tLM6t0
振り返った先には、熱弁を振るう技術者達――であるはずなのだが
『スリーサイズ』やら『撮影会』などという単語が混じっているのは気のせいだろうか。

(;,,゚Д゚)「嫌な予感が拭えん……そもそもあのメンバー内の誰を撮影するというのだ」

<_プー゚)フ「あのレインっていう嬢ちゃんじゃね?」

(,,゚Д゚)「つまりはロリコン集団か」

(*゚ー゚)「ギコ君?」

(;,,゚Д゚)「……単語で反応するのは止めてくれ。
    俺はそんなモノに興味はないし、奴らの輪の中に入りたいなど思わん」

<_プー゚)フ「いわゆるペチャパイには興味ない、と」

半目のエクストが呟き、しぃが自分の胸元へ視線を落とす。
直後、何とも微妙な沈黙が流れた。
誰もが『アレは属するのだろうか』という疑問を思い、しかし口には出さない。

(;,,゚Д゚)「……と、ところで」

珍しくギコが狼狽した様子で、話を無理矢理に切り替えた。

(,,゚Д゚)「あのレインという少女なのだが……やけに口が軽くないか?」

( ・∀・)「技術提供の話かな?
     確かに、まるで我々に協力するのが義務かのような様子だがね」



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