( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

26: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 20:49:49.78 ID:fjRVA6UF0
活動グループ別現状一覧

( ・∀・) (,,゚Д゚) (*゚ー゚) ミ,,"Д゚彡 ( ´_ゝ`) (´<_` )
(`・ω・´) <_プー゚)フ (#゚;;-゚) [゚д゚] ( ゚д゚ ) ノハ#゚  ゚) 
从・∀・ノ!リ ( ><) (*‘ω‘ *) |゚ノ ^∀^) lw´‐ _‐ノv ハ(リメ -゚ノリ
所属:四世界
位置:ロシア北部・古城
状況:襲撃準備

( <●><●>) |(●),  、(●)、| / ゚、。 /
( ̄ー ̄) ( ^Д^) (゜3゜) ,(・)(・), ┗(^o^ )┓ \(^o^)/ |  ^o^ |
( ^ω^) 川 ゚ -゚) ('A`) (´・ω・`) ( ゚∀゚) ('、`*川 爪゚ -゚) 从'ー'从 川д川 ( ´∀`)
所属:世界運営政府
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:???

(メ _) キオル
所属:魔法世界
位置:不明
状況:???

メ(リ゚ ー゚ノリ ル(i|゚ ー゚ノリ
所属:???
位置:???
状況:???



28: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 20:51:35.80 ID:fjRVA6UF0
反逆編
第三十三話 『今日の戦友は明日の敵と為り得るか』

ロシア北部に位置する古城の一室に当たる大会議室。
広い空間はデスクやPCによって削られ、床は歩く間もないほどに紙やファイルが散らかっている。
その隙間を縫うようにして存在しているのは様々な人間で、目の下に隈を作りつつも作業に没頭していた。

もはや時刻的には深夜となろうとしているのだが、室内の熱気や騒がしさは昼のそれと同等である。

(´<_` )「モララーさん」

( ・∀・)「――それは第二倉庫に――くれぐれも慎重は――うむ――あぁ、しかしそこで――」

弟者が他者と同様に疲労した顔で、電話四つを同時相手しているモララーに話しかける。
早口で言葉を放つモララーは、目線だけで『話せ』と告げてきた。

(´<_` )「明日には、人工魔力を使った対魔力装甲服、そして魔力武器や兵器の数が揃うぞ。
      あと例の『仕掛け』も完成したらしい」

報告を聞いたモララーは眉を微かに動かし、口の端を吊り上げた。
返事さえも出来ない状況を見て、弟者は自分の仕事に戻ることにする。

(*゚ー゚)「お疲れ様です」

デスクに座ると同時、しぃがお茶を持ってきた。



30: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 20:53:44.57 ID:fjRVA6UF0
(´<_` )「ありがとう、しぃさん。
     あとモララーさんのお茶も淹れてやってくれ。 もう無くなってたから」

(*゚ー゚)「あ、はい」

(´<_` )「しかしすまないな……皆にも手伝ってもらうようなことになって。
     慣れない仕事、疲れるだろ?」

(*゚ー゚)「いいえ、そんなことないですよ。
    こういう時こそ皆で力を合わせないと」

(,,゚Д゚)「おい、キャンベラの市街地図はどこやった?」

会議室に入って来たギコは、開口一番そんなことを言う。
これまで単独訓練漬けであったはずの彼であるが、今は一般兵を相手に日夜訓練の相手をしていた。

(´<_` )「えーっと、ほら、あの棚にあるから勝手に取ってっていいぞ。
     っていうか今回はそっち方面とは逆から攻めるって聞いてるけど」

(,,゚Д゚)「念のためにな。 どうも嫌な予感がする」

(*゚ー゚)「ギコ君、大丈夫? 最近は色々頑張ってるみたいだけど……」

(,,゚Д゚)「自己鍛練よりも、FC残党兵の訓練の相手をしてやる方が何倍も面白い。
    元が元だけあって鍛え甲斐もあるしな」



32: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 20:55:27.45 ID:fjRVA6UF0
FCの主力を担っていた総合精鋭戦隊は、今や世界政府に捕らわれている。
いわば二軍以下の兵しか揃っていない現状、その基礎能力の底上げは不可欠だ。

その訓練教官役を買って出たのが、暇だったギコだという話である。

(,,゚Д゚)「しぃも無理はするなよ」

(*゚ー゚)「うん、ちゃんと休憩とってるから大丈夫」

(,,゚Д゚)「しかし一週間とは……モララーも無茶を言ったものだ」

一週間。
世界運営政府本部がある、オーストラリア首都キャンベラへ攻め込むまでの期間である。

そのため、モララー達は久々の忙しさに身を委ねていた。

各地に潜伏させている兵から送られてくる情報をまとめ、その真偽を確かめていく。
それだけでも大変だというのに、今のFC残党は様々な事柄を同時に進めようとしていた。



38: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 20:57:42.32 ID:fjRVA6UF0
件の各地に送った兵が見つけてくる、未だ事情を掴めていない異世界の人間。

現状を説明し、FCの戦力とするために、この古城へ送られてくるわけだが
その詳しい身元確認や役割を与えるための検査など、一人一人にしなければならない。

そして兄者達が没頭している人工魔力の生成。
レイン監督の下、それは次々と生み出されていった。
それは同時に、対魔力装備や新武器、新兵器の充実も進められる。

しかしやはりというか、かなりの人手がいるらしく、地下にある格納庫には人がほとんどいなくなってしまった。

というわけで、今までは訓練しかすることのなかった一般兵なども手伝わされるハメになっている。
今や、FC残党で暇な人材など皆無であった。

それが一週間――今日で四日目だ。
皆の疲労も限界を迎えようとしている。

(´<_` )「でも――」

しかし、それは身体的な要因だけではなかった。



40: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 20:59:14.42 ID:fjRVA6UF0
(´<_` )「モララーさんの言葉がけっこう響いてるんだろうな……」

周囲を見る。
この会議室で忙しなく働いているのは、FCに所属する兵のみだ。
他世界の人間達は、別の会議室で動いているのだろう。

(*゚ー゚)「……ギスギスしちゃってるね」

(,,゚Д゚)「あんなことを言えば当然だろう。
    ただ、事実なだけに厄介な話ではあるが――」


――話は四日前に遡る――


( ・∀・)「我々は一週間後、世界政府に喧嘩を売る」

宣言されたかのように放たれた言葉は、一瞬の静寂を生んだ。
誰もが、その意味を頭の中で反芻する。

(`・ω・´)「この時期に、か?」

シャキンが皆の言葉を代弁した。
人工魔力の生成方法を得たとはいえ、それから数日しか経っていない。
作業に移ろうと思えばすぐに出来るとはいえ、一週間で戦闘準備など不可能に近い。



43: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 21:01:20.85 ID:fjRVA6UF0
( ・∀・)「正直言えば、そろそろ時間の方も限界に近いと思うのでね。
     助けるべき人物達が、助ける準備に時間をかけたばかりに死んでしまうのは虚しいだろう?」

FCに置き去りにされた主力兵軍、そしてブーン達のことを言っているのだろう。
行方が知れないところから見て、世界政府に捕らわれているのは明白だった。

(*゚ー゚)「でももう一ヶ月以上経ってるのに……大丈夫なのかな?」

( ・∀・)「私が世界政府のトップならば、すぐに殺しはしない。
     何せ我々という存在を探さなければならないからね……情報を引き出そうとするはずだ。
     殺したら殺したで、それを公表するはずだしね」

皆の頭に、拷問や尋問という言葉が浮かぶ。

( ・∀・)「まぁ、彼らのことだからしぶとく生きているとは思う。
     しかしそれでも人間だ。
     出来るだけ早く救出するに越したことはない」

从・∀・ノ!リ「そのための一週間後襲撃、というわけじゃな」

( ・∀・)「既に世界政府の情報は集め終わっている。
     連中、どうやら魔法を用いた兵器の実用化に成功しているらしい。
     世界政府本部の周囲に見慣れぬ砲台群が確認されていてね……どうやら魔法兵器のようだ」

<_;プー゚)フ「マジか……厄介だな」



48: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 21:03:42.03 ID:fjRVA6UF0
( ・∀・)「英雄世界の連中や、秩序守護者の技術的な協力があったのだろうね。
     敵兵もそれなりの魔法装備を持っていると考えて良い。
     つまり、我々にも対魔力装備が必要だということだ」

レインを見やり

( ・∀・)「人工魔力生成と同時に対魔力装備の件……出来るかね?」

从・∀・ノ!リ「人手さえ割いてくれれば可能としてみせよう」

自信満々に無い胸を張るレイン。
その横ではビロードとチンが頬を叩いて気合を入れている。

( ´_ゝ`)「一ついいか?」

( ・∀・)「あぁ」

( ´_ゝ`)「一週間で戦力を整えて攻め込むのは解った。
     何とかなるように俺も尽力してみるが、一つ……大切なことが抜けてないか?」

(,,゚Д゚)「俺もそこが気になっていた。
    どういう理屈で攻め込むのか、だな?」

<_プー゚)フ「え? どゆこと?」



50: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 21:05:55.19 ID:fjRVA6UF0
( ´_ゝ`)「俺達はいわゆるテロリスト――悪者として認識されてる。
      そういう今の状態で世界政府に攻め込んだら、まさに悪の組織そのものじゃないか。
      どんなに正論を言っても、正当性なんて認められるわけがないだろ」

ミ,,"Д゚彡「本格的に全世界が敵に回るでしょうね。
      それを突っ撥ねる何かがあるのですか?」

( ・∀・)「それに関してはいくつか考えがある。
     まぁ最悪、私がイクヨリに代わって世界の王になっても良いかもしれんね」

(´<_`;)「おいおい……本気か?」

( ・∀・)「とりあえずそこらについては心配無用だ。
     それよりも私としては、その後について一つの懸念がある」

( ><)「その後って何なんですか?」

( ・∀・)「君達、忘れてはいないかね?
     我々は四世界の戦力を混合させた部隊だということを。
     その最終目的が、実はそれぞれ異なるのだということを」

言葉に、全員の表情が固まった。
思い出したのか、それとも気付いたのか。



52: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 21:07:41.82 ID:fjRVA6UF0
( ・∀・)「良い機会だから確認しておこうか。
     まず機械世界の代表者は……渡辺君も軍神君もいないので、今のところデフラグ君かな? どうだね?」

[゚д゚]「……異獣をぶっ殺すことが俺達の目的だ。
    そのために世界交差のメインシステムを世界政府から奪い返したい」

( ・∀・)「シャキン君達も同じかな?」

(`・ω・´)「意識に違いはあるが、概ねは同じだ」

( ・∀・)「では……英雄世界代表のミルナ君としては?」

( ゚д゚ )「俺個人としては異獣の滅びを手伝いたい。
     ただ、英雄神を始めとする主要人物はここにはいないからな……総意とは言い難いが」

( ・∀・)「魔法世界のレイン君」

从・∀・ノ!リ「先日言ったとおり、我は対異獣用EW『龍砲』の開発を望んでおる」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」

从・∀・ノ!リ「そう……チンの言う通り、だからと言って異獣との戦いを望んでおるわけではない。
       あくまで『自衛的』だということを覚えておいてほしいのぅ」

(´<_`;)(あの『ぽっぽ!』に、そこまでの意味があったのか……)



54: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 21:09:57.47 ID:fjRVA6UF0
( ・∀・)「さて残る我々だが、実を言えば異獣との激突は望んでいない者が多いだろうと思っている。
     戦いになれば身を守るために剣を持つだろうが……自ら戦おうと思っている者はあまりいないはずだ」

言葉に、FCに所属するメンバーが頷いた。

<_プー゚)フ「ん? 待てよ? ってことは……二つの意見に分かれるっつーことか?」

異獣との激突を望む機械&英雄世界。
逆に望んではいない不滅&魔法世界。

しかし現状、それぞれの世界の目的は世界政府に集約されている。
つまり逆を言えば

ミ,,"Д゚彡「目の前の問題が片付けば……今度は私達が争う可能性がある、と?」

(`・ω・´)「世界交差を進めるための勢力と、阻止せんとするための勢力か。
      まるで振り出しに戻る、だな」

<_;プー゚)フ「おいおい……話し合いで何とかならねぇのか?
         俺は嫌だぜ、お前らと戦うなんて」

( ・∀・)「だ、そうだが?」

[゚д゚]「残念だが退くわけにいかん……俺達に残されたチャンスはこれが最初で最後だろうからな。
    世界交差は、この世界で実行する」



58: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 21:12:08.20 ID:fjRVA6UF0
从・∀・ノ!リ「世界交差とやらを、別の世界で行うわけにはいかんのか?」

[゚д゚]「それが可能だとして……しかし、他世界に行くのにどれだけの準備と力が必要か理解出来るか?
    異獣が機械世界に留まってる今がチャンスなんだ。
    もしこの世界を諦められたりして、遠くの世界へ行かれたら……もう打つ手はなくなる」

言葉は一つの意味を示唆する。
機械世界のような滅びを受ける世界が更に出てしまうのだ、と。

生まれた沈黙の中、しかしそこでミルナが手を上げた。

( ゚д゚ )「……おそらくだが、異獣はこの世界を諦めるつもりはないはずだ」

(,,゚Д゚)「何故、それが言える?」

( ゚д゚ )「奴らは既にこの世界に侵入している」

(´<_`;)「なっ」

(;`・ω・´)「何だと……?」



60: ◆BYUt189CYA :2007/09/21(金) 21:13:55.73 ID:fjRVA6UF0
( ・∀・)「kwsk」

( ゚д゚ )「FC本社が強襲を受けた時の話……つまり一ヶ月も前になるが、俺はその戦闘でヒートと出会うことが出来た」

<_プー゚)フ「ヒートって確か、お前の好きな女だったよな。
        今は病室で寝てるって話は聞いてるぞ」

( ゚д゚ )「問題はそこじゃない。
     ヒートと出会った同時、二人の男女が俺の目の前に現れたんだ」

( ´_ゝ`)「二人の……?」

(`・ω・´)「あの時、お前を呼んだ声の主か」

( ゚д゚ )「そうだ。
     赤髪の男と青髪の女……ヒートはそいつらに怒りを向けていた」

( ・∀・)「聞いた話だと、そのヒートという女性は異獣に捕えられて行方不明だったらしいが……なるほど。
     それが本当ならば、異獣はこの世界に侵入している可能性があるね」

[;゚д゚]「馬鹿な!」

デフラグが、額に汗を浮かべて立ち上がる。

[;゚д゚]「奴らが秩序を超えてまでこの世界に侵入してきたのか!? ありえん!」



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