( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 5: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:07:46.04 ID:M+g40HNH0
- 活動グループ別現状一覧
( ・∀・) (,,゚Д゚) (*゚ー゚) ミ,,"Д゚彡 ( ´_ゝ`) (´<_` )
(`・ω・´) <_プー゚)フ (#゚;;-゚) [゚д゚] ( ゚д゚ ) ノハ#゚ ゚)
从・∀・ノ!リ ( ><) (*‘ω‘ *) |゚ノ ^∀^) lw´‐ _‐ノv ハ(リメ -゚ノリ
所属:四世界
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:強襲開始
( <●><●>) |(●), 、(●)、| / ゚、。 /
( ̄ー ̄) ( ^Д^) (゜3゜) ,(・)(・), ┗(^o^ )┓ \(^o^)/ | ^o^ |
( ^ω^) 川 ゚ -゚) ('A`) (´・ω・`) ( ゚∀゚) ('、`*川 爪゚ -゚) 从'ー'从 川д川 ( ´∀`)
所属:世界運営政府
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:迎撃開始
(メ _) キオル
所属:魔法世界
位置:不明
状況:???
メ(リ゚ ー゚ノリ ル(i|゚ ー゚ノリ
所属:???
位置:???
状況:???
- 7: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:10:05.30 ID:M+g40HNH0
- 第三十四話 『不協和音』
景色が高速で流れ、光が目前を掠めていく。
今いる場所が戦場であることを忘れさせるかのような、そんな美しささえ見出せる光景が次々に展開された。
それは大空を飛ぶ中での、戦闘という生死を彷徨う行為の副産物に等しい。
しかし、一撃だ。
ただの一撃でも喰らってしまえば、おそらく己の命は断たれてしまうだろう。
死人に口無し。
戦場を支配する唯一のルールから逃れる術はなく。
だからこそ、戦う兵達は本気を以って敵と相対する。
(`・ω・´)「邪魔だ……!」
歯噛みし、両サイドのスロットルレバーを突き出す。
見える景色が角度を変え、急展開したことを示した。
親指に引っかけられたスイッチを押し、翼に付けられた機関銃を咆哮させる。
下部に展開されているのは魔力を用いた砲台の群。
それらに囲われ、守られているのは教会のような形をした巨大建造物――世界政府本部。
山岳から森へと入り、本部の背後から襲撃するのはモララー達だ。
その進撃を阻むかのように構えている砲台を破壊するため、シャキンは単独での突撃を買って出たのである。
- 9: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:12:47.92 ID:M+g40HNH0
- 光が飛び交う。
シャキンの駈る漆黒のGIFを落さんとするため、数々の砲台が火を噴いているのだ。
しかし無駄だと判断する。
何故ならば、この機体は重力からの解放を命ぜられた戦闘機であり――
(`・ω・´)「不墜の存在だ……!」
何せ、風鷲との戦闘に打ち勝った機体と自分だ。
半端な魔力知識で作った砲台に負けることなどありえない。
このような状況で敗北してしまえば、逝った兄に笑われてしまうだろう。
だから、負けない。
再度の決意に視線を鋭くした時、通信が入ったことに気付く。
それはフサギコの声で
『世界政府の航空戦力が接近中です――その数、三十五』
(`・ω・´)「やはりそれなりの戦力は保有していたか」
『一人で大丈夫ですか?』
(`・ω・´)「問題ない……それに、援軍が来る」
『援軍? そんな話は――』
(`・ω・´)「厳密に言えば敵だが、どちらせによ必ず来る存在があるから問題はない」
- 12: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:15:29.10 ID:M+g40HNH0
- レーダーに反応。
南東の方角から、魔力を持った何かが高速で接近してくる。
それは躊躇することなく、砲撃の嵐となっている空域へと飛び込んできた。
当然のように通信が入る。
『――お久しぶりですね』
(`・ω・´)「キオル、だったか」
『「Kill Alternative System」――殺しの代替です』
憶えているのはミカヅキの部下だということ。
そして、おそらくは人間ではないこと。
しかし
(`・ω・´)「そういうふざけた名乗りをする理由など、今は興味が無い。
ただ聞きたいのは何をしに来たのか、だ」
『ミカヅキ様の目的を果たすための御手伝いを。
そのためにも、この眼下に居座る世界政府とやらが邪魔なのです』
(`・ω・´)「そのミカヅキは高見の見物か?」
『我々が駈るEMAは人を殺すための兵器ではありません。
が、しかし……時として人を殺さなければならない時もありましょう。
そのためのシステムが私なのです』
- 13: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:17:26.32 ID:M+g40HNH0
- 音が聞こえる。
飛翔音に被さる爆音は、眼下の砲台を破壊する音で
『争いましょう』
凛とした声が響いた。
(`・ω・´)「俺とお前でか?」
『はい。 ただし直接の戦闘は避けたいと思っております。
目的同一という要素から、敵機を墜とした数で競いましょう』
生意気だな、と思う。
しかし悪くはない、とも思えた。
(`・ω・´)「……良い度胸だな」
『では――』
(`・ω・´)「勝負……!」
- 16: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:19:04.41 ID:M+g40HNH0
- lw´‐ _‐ノv「あれは――」
ざざ、と草木を掻き分けながら進軍している最中、シューが空を見上げて呟いた。
ハ(リメ -゚ノリ「あぁ、キオルだ。 ということはミカヅキも近くにいるだろうな」
lw´‐ _‐ノv「大丈夫?」
ハ(リメ -゚ノリ「何とも。 EMAを奪還出来るか否かで決まるよ」
|゚ノ ^∀^)「…………」
魔法世界部隊は疾走していた。
最もこの世界に遅れてやって来た彼らは、まだ十分な数を揃えていない。
他部隊が四百名前後を誇っているのに対し、魔法世界の部隊は二百名いるかいないかだ。
しかし、その身軽さを以って戦場へと切り込んでいる。
前方からは銃声が響いていた。
世界政府本部から出てきた兵が、防衛線を敷いているのだろう。
それを砕くため、レインが前線へと飛び出して吠えた。
从・∀・ノ!リ「行けぃ!!」
号令と共に、トリガーの付属した武器を持った兵が走る。
同時に引き込み、青白い光を纏わせながら突撃。
鉄の打楽器を打ち鳴らすような、甲高い音が連鎖した。
- 19: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:20:43.88 ID:M+g40HNH0
- ぶつかっている。
飛び交う銃弾を掻い潜り、その持ち得る最高の攻撃力をぶつけている。
( ><)「最前線、突破成功なんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽぽぽっぽ!」
从・∀・ノ!リ「油断はするな! まだ半分も行っとらんぞ!」
lw´‐ _‐ノv「……でも敵の数が、思ったよりも少ない?」
静かな呟きに対し
ハ(リメ -゚ノリ「世界政府は、表向きには政治的に世界をまとめる組織だと聞いている。
そこに圧倒的な武力を持ってしまっては、他国にとってはただの脅しにしか見えないだろう。
だからこそ、『ラウンジ』などという裏で暗躍する部隊を抱えてるんだと思う」
lw´‐ _‐ノv「つまり、世界政府自体はそれほど強くない……?」
ハ(リメ -゚ノリ「あぁ。 彼らは武力ではなく権力で統治することを主眼に置いているからね。
ただし数が少ないからと言っても、厄介な奴は必ずいるから注意して――」
lw´‐ _‐ノv「?」
悲鳴。
先を走っていた兵の何人かが、その足を止めた。
- 21: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:22:17.63 ID:M+g40HNH0
- 音が聞こえる。
軽い小さな金属を擦り合わせる音だ。
それは連鎖し、不断の音色で戦場を疾っている。
从・∀・ノ!リ「アレが、お前の言う厄介な奴かの?」
その音と気配は速い。
危険を感じ取ったのか、レインも腰に吊ってある魔法銃器に手を伸ばしていた。
ハ(リメ -゚ノリ「厄介は厄介だが……!」
ミツキが身を引いた。
直後、戦場を走っていた金属音が飛び込んでくる。
地面を抉り、尚も頭をうねらせるそれは、身を灰色に染めた鎖だった。
从・∀・ノ!リ「鎖? いや、これはただの鎖では――」
(;><)「ほ、報告するんです!」
状況を把握したビロードが慌てた声で
(;><)「鎖と、紫色の槍を持った二人の少年が行く手を阻んでるらしいんです!」
- 24: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:23:54.21 ID:M+g40HNH0
- <_;プー゚)フ「えぇぇぇ……!?」
機械世界部隊も、同じく足を止めていた。
軍神を先頭にアッサリと敵の前線を崩した彼らは、しかし少し進んだ場所で停止してしまう。
進めない理由が出来てしまったからだ。
緑色のトマホークである13th−W『ラクハーツ』を片手に、エクストは目の前で展開される光景に絶句する。
(#゚;;-゚)「ッ!」
纏った布をはためかせ、軍神が森の中を走る。
その後を、一つの影が追っていた。
時折ぶつかり合い、木々に足を引っかけて跳躍。
その隙に他の兵が進もうとすると、影はすぐさま出鼻を挫きにやってくる。
どうやら『彼女』の狙いは、機械世界部隊全体の足止めらしい。
しかし、問題はそこではない。
『彼女』が軍神と互角に戦えている、という事実こそが最大の問題だ。
(#゚;;-゚)「はン……一度手合わせしたいとは思っとったけど、こういうカタチで叶うとは」
皮肉やな、と呟いて鼻を鳴らす。
彼女の目の前に降り立った人物こそが、機械世界全体を一人で相手しようという無謀な女。
('、`*川「ま、私も意外っちゃー意外だけどね」
『二極』『竜殺し』の名を持つ、英雄のペニサスだった。
- 25: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:25:48.08 ID:M+g40HNH0
- (;゚д゚ )「馬鹿な……何故、お前が!?」
英雄世界部隊を率いて森の中を走っていたミルナは、目の前に現れた人物に驚きを隠せない。
川 ゚ -゚)「……悪いな」
立っているのはクー。
相変わらずの黒コートに、透明色の刀。
軽く掲げた切っ先を、ミルナの方へと向けている。
(;゚д゚ )「何をしている……? 俺達はお前らを助けに来たんだ!」
川 ゚ -゚)「あぁ……知っているし、ありがたいとも思っている。
しかし駄目なんだ」
(;゚д゚ )「駄目、とは? どういうことだ!?」
問い掛けに対し、クーは顔を俯かせ
川 ゚ -゚)「……すまん」
(;゚д゚ )「くっ!」
放たれた刀身から逃れるように、身を捻る。
そのままバックステップで距離をとり、しかし反撃には移らない。
現状が不明な今、安易にクーを打ち倒すのは得策ではないからだ。
- 27: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:27:20.92 ID:M+g40HNH0
- (;゚д゚ )(どういうことだ……洗脳されているようには見えないが)
むしろ、自分の意志で動いているようにも見受けられる。
目は意識を保ちながらも、その表情は苦悩に歪んでいた。
( ゚д゚ )(これは、まさか――)
川 ゚ -゚)「ッ!」
クーの姿が掻き消える。
その場で風となったかと見間違う錯覚は、直後に背後から撃ち破られた。
( ゚д゚ )「音速の靴か!」
川 ゚ -゚)「遅い!」
(;゚д゚ )「なっ――」
背後へ振り向いた瞬間、クーは既に真上へと跳躍していた。
その両手に持っているのはクリアカラーの巨剣。
引力を操るそれは重力加速度と相成り、全てを両断する断層と化し――
激音が響いた。
- 30: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:29:35.77 ID:M+g40HNH0
- それは鼓膜を痺れさせるほどの高音。
音が場を支配し、周囲は沈黙に包まれる。
(;゚д゚ )「……?」
しかし、それだけだった。
痛みも衝撃もない事実に、ミルナは何事かと目を開く。
そして気付いた。
何かが決定的に異なる、と。
一つ知覚出来るのは、己とクーの他に気配が増えたという――
( ゚д゚ )「!?」
見る。
ミルナとクーの間に割って入った人影を。
川;゚ -゚)「お、お前は――!?」
ノハ#゚ ゚)「…………」
居たのは赤茶色の長髪を持つ女性。
仮面に遮られた表情は判別出来るわけもなく。
しかし彼女は、確かにミルナを護るようにして立ち塞がっていた。
- 31: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:31:27.99 ID:M+g40HNH0
- (;゚д゚ )「ヒ、ヒート……!?」
まず、ありえない、という答えが先に来た。
彼女は未だベッドの中で眠っているはず。
神経や骨肉に多大な負担が掛かっていたため、しばらくは目を覚まさないだろう、とまで言われていたはず。
だが、居る。
その腰には、脇差のような黒い小刀。
その背には、英雄譲りの槍に、銀の色を放つ弓。
その手には、柄尻に鎖を巻いた巨大な包丁刀。
これほどまでの重装備でありながら、しかし女性らしさを失わない存在をミルナは一人しか知らない。
(;゚д゚ )「ヒート……お前、どうして……」
ノハ#゚ ゚)「――呼んでるから」
(;゚д゚ )「え?」
ノハ#゚ ゚)「ごめん。 詳しい話は後。
今は一刻も早く、あれを押さえなきゃならない」
指差す先は、木々の挟間から見える建物。
ミルナ達も目指す世界政府本部。
- 34: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:33:07.33 ID:M+g40HNH0
- 不気味な雰囲気を醸し出すヒートに不安を覚えたが、しかし目的は同じであることに安堵する。
( ゚д゚ )「……信じていいんだな?」
ノハ#゚ ゚)「ちょっと変わったね、ミルナ」
こちらに顔だけ振り向かせ
ノハ#゚ ゚)「私は、ミルナを信じてるよ」
( ゚д゚ )「!」
そうだ。
そうだった。
自分達の関係は、その一言だけで充分だったはず。
信じて良いか、ではない。
信じている、だ。
( ゚д゚ )「……お前は変わってないんだな、ヒート」
ノハ#゚ ゚)「変わってるよ。 見て解らない?」
苦笑。
仮面に遮られて見えないが、確かに彼女は苦笑した。
それは内面的なことを言っているのか、それとも外見的なことを言っているのか。
解らないが、しかし――
( ゚д゚ )(アイツはヒートだ……間違いなく、絶対に……!)
- 37: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:34:30.35 ID:M+g40HNH0
- 確信した途端、心の奥底から懐かしさが溢れ出てくるのを自覚した。
一年前までの肩を並べて戦ってきた記憶が蘇り、それが現状と合致する。
川 ゚ -゚)「お前がミルナの言っていた『蜘蛛姫』ヒートか……。
だが、ここは通さない」
ノハ#゚ ゚)「なら力尽くで通るだけ」
ガシャ、と金属を打ち鳴らしながら装備を手に取る。
右手には巨大包丁刀『夜鴉』、左手には逆手に持った刃の無い中脇差『飛燕』。
(;゚д゚ )「待て、ヒート! アイツは俺達の味方なんだ!」
ノハ#゚ ゚)「……どういうこと? だったら何で向こうにいるの?」
( ゚д゚ )「それは俺にも解らん。
だが、心から敵対しているわけではないらしい」
ノハ#゚ ゚)「面倒だけど、まぁいいや。 とにかく通らせてもらうね」
宣言と共に腕を振るう。
放たれたのは包丁刀で、鎖をうねらせながら一直線にクーの顔面へと走った。
- 39: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:36:40.46 ID:M+g40HNH0
- 川 ゚ -゚)「ッ!」
それを間一髪で避けるも、出来あがった僅かな隙をヒートは逃さない。
ノハ#゚ ゚)「さよなら」
一陣の突風――いや、ヒートだ。
赤茶色の長髪と鎖を靡かせ、クーが避けた空間を疾走する。
つまり、戦わずに突破を試みたのだが
ノハ#゚ ゚)「!」
駆けた先に、一瞬という時を以って掻き現れるクー。
彼女の足に纏われている疑似6th−W『ギルミルキル』は
オリジナルには及ばないものの、それでも音速に近い速度で移動することが可能である。
一呼吸くらいの隙を突かれても、充分に取り戻せる速度を誇っていた。
川 ゚ -゚)「言ったはずだ。 通さない、と」
ノハ#゚ ゚)「…………」
( ゚д゚ )「……クー、そこまでする理由は何だ? この一ヶ月の間に何があった?」
問いに対し、クーは微かに顔を俯かせ
川 ゚ -゚)「それは――」
- 43: ◆BYUt189CYA :2007/09/23(日) 20:38:12.31 ID:M+g40HNH0
- ( ・∀・)「君達を制動している原因……それは何かね?」
(;^ω^)「…………」
(;'A`)「…………」
FCを中心とした部隊は、ブーンとドクオによって進軍を阻まれていた。
突如として姿を見せた二人に兵達がうろたえるものの、すぐさまモララーが対応に入ったため動揺は少ない。
そして今、ギコ達を背後に置いたモララーが情報を引き出そうと画策していた。
( ・∀・)「それにしても久々に会えたと思えば、敵対関係になっていたとは。
一ヶ月の間に何があった?」
(;^ω^)「…………」
(,,゚Д゚)「おい、返事くらい出来るだろう?」
( ・∀・)「どうやら返事が『出来ない』ではなく、『したくない』らしい」
( ´_ゝ`)「どゆこと?」
( ・∀・)「少し確認を取るから待ちたまえ」
モララーは数歩下がり、懐から優雅に通信機を取り出した。
戻る/次のページ