( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 6: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 18:52:10.28 ID:xv3lMgtl0
- 活動グループ別現状一覧
( ・∀・) (,,゚Д゚) (*゚ー゚) ミ,,"Д゚彡 ( ´_ゝ`) (´<_` )
(`・ω・´) <_プー゚)フ (#゚;;-゚) [゚д゚] ( ゚д゚ ) ノハ#゚ ゚)
从・∀・ノ!リ ( ><) (*‘ω‘ *) |゚ノ ^∀^) lw´‐ _‐ノv ハ(リメ -゚ノリ
所属:四世界
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:強襲中
( <●><●>) |(●), 、(●)、| / ゚、。 /
( ̄ー ̄) ( ^Д^) (゜3゜) ,(・)(・), ┗(^o^ )┓ \(^o^)/ | ^o^ |
( ^ω^) 川 ゚ -゚) ('A`) (´・ω・`) ( ゚∀゚) ('、`*川 从'ー'从 川д川 ( ´∀`)
所属:世界運営政府
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:迎撃中
(メ _) キオル
所属:魔法世界
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:ミツキ捜索中
メ(リ゚ ー゚ノリ ル(i|゚ ー゚ノリ
所属:???
位置:???
状況:???
- 10: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 18:53:58.73 ID:xv3lMgtl0
- 第三十六話 『8th』
「侵入者め!」
叫ばれた言葉は、しかしそれで終わりを告げる。
抱えた銃を向けようとした時には既に、レモナの接近を許していた。
|゚ノ ^∀^)「どきなさい!」
「ぐぁ!」
薙ぐような軌道の巨剣が、三人の男を一撃で吹き飛ばす。
そのまま壁に激突。
項垂れるように頭を落とした兵は、そのまま意識を剥ぎ取られる。
ここは世界政府本部の内部だ。
正面入口とは別の場所から侵入したのはレイン達。
迎撃する兵を、持ち得る力で弾き飛ばしながら歩を進める。
从・∀・ノ!リ「ううむ、流石というべきか……」
ハ(リメ -゚ノリ「元々レモナは戦士としての素質は持っていた。
もしかしたらシューよりも強くなるかもしれないね」
この場にシュー本人がいたら、きっと軽く頬を膨らませていただろう。
しかし彼女はジョルジュ達と戦闘を行っており、だからこそレイン達はここまで進むことが出来ていた。
- 12: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 18:55:38.93 ID:xv3lMgtl0
- 目指すはEMA。
故に格納庫、もしくはそれに準ずる場所。
ハ(リメ -゚ノリ「この建物は縦に長い。
EMAのような機動兵器を置くなら、きっと地下だ」
从・∀・ノ!リ「ならばミツキ、お前は階下への階段か何かを探せ。
我らは世界交差装置を止めるために上を目指す」
ハ(リメ -゚ノリ「レモナは?」
|゚ノ ^∀^)「レインさんには悪いけど、私はミツキについて行きます」
从・∀・ノ!リ「ほぅ……どういった心境の変化だ?
まぁ、そちらを選んだのならそちらに行くがいい」
|゚ノ ^∀^)「はい」
頷いたミツキが駆け出し、レモナが追従する。
それを見送ったレインは
从・∀・ノ!リ「ならば、そろそろ我も戦うとするか。
ビロード、チン、アレを出せ」
( ><)「把握なんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽ!」
- 15: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 18:58:12.80 ID:xv3lMgtl0
- チンが背負っていたリュックサックから、次々と金属パーツを取り出した。
それらを床に並べ、二人は仲良く座って組み立てていく。
完成されたのは、この世界では銃器と呼ばれるものだ。
( ><)「GU−12/Lo『イスカ』なんです!
ロングバレルの大型EWタイプで云々――に小型のショックアブソーバー云々――
キャリングバンド型サイト上に21mm云々――なんです!!」
(*‘ω‘ *)「ぽぽぽ! ぽぽぽっぽぽぽっぽ!」
从・∀・ノ!リ「うむ」
それは巨大な銃だった。
ライフルというよりもバズーカと言った方がしっくりくる大きさは、しかし魔法世界では常識的なサイズである。
小柄――むしろ幼女的体型であるレインは、その巨大な銃を肩に軽々と乗せ
从・∀・ノ!リ「さぁて、行くか。
もう侵入は知られておるだろうからな……ビロードとチンにも働いてもらうぞ」
( ><)「了解なんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽぽ?」
从・∀・ノ!リ「ははは、そうじゃなぁ。 チンは偉いぞ」
残念ながら、ツッコんでくれる人間はこの場にいない。
- 16: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:00:07.32 ID:xv3lMgtl0
- 从・∀・ノ!リ「上階を目指すとなると、敵は英雄と秩序守護者か。
下手すると死ぬと思うがどうかのぅ?」
(;><)「死ぬのは嫌なんです!」
从・∀・ノ!リ「うむ、正直でよろしい。
我らは世界交差に関しては、どちらかと言えば反対派だからのぅ……。
無理して世界政府を止めることもあるまい」
世界政府の目的は『世界交差の阻止』である。
秩序守護者と手を組んでいる時点で、それは明らかだ。
前提だけで言えば、魔法世界と世界政府の目的は同じようなものなのである。
从・∀・ノ!リ(我らの中で世界交差推進派は、英雄世界と機械世界の連中。
そしてモララー辺りも、世界政府に任せることを不服としておるだろうなぁ……)
そして、もう一つの懸念。
四世界の内、三世界が抱える大きな問題だ。
それは
从・∀・ノ!リ「……どうやって、元の世界に帰還するか」
- 18: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:02:07.46 ID:xv3lMgtl0
- 問いに対する答えはハッキリとしない。
ただ、指標はある。
世界交差によって放り込まれたのならば、やはり世界交差によって帰ることが出来ると考えるのが普通だ。
その方法を模索するためにも、世界交差装置の制圧と、渡辺の救助は必要不可欠である。
从・∀・ノ!リ(結局はそこなんじゃなぁ)
やれやれ、と肩をすくめて走り出す。
リュックサックの中身を片付けていたビロードとチンが、それを慌てて追っていった。
結局、彼女達は気付かないまま走り去っていく。
『それ』を見逃したのは、状況的に考えて最悪だった。
しかし、不幸ではない。
メ(リ゚ ー゚ノリ「…………」
背後に人ではない何かがいたという事実に気付かなかったこと。
それは、他の何より幸運なことなのである。
- 22: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:04:40.04 ID:xv3lMgtl0
- (#^ω^)「ってぃりゃ!!」
(,,゚Д゚)「遅い!」
森の中で激音が響く。
魔力を籠めた攻撃は物理法則を歪めようとし、しかし互いの魔力によって相殺。
その消滅音が、凄まじい勢いで周囲空間を震わせた。
先に着地したのはギコ。
すぐさまグラニードを隙無く構える。
(,,゚Д゚)「成程、速度よりも力の方が上がっているようだな」
(;^ω^)「っていうかギコさん、アンタえらい攻撃的になりましたお……!?」
今までのギコだと思って挑んでいたブーンは、彼の変わり様に心底驚いていた。
まず気迫からして違う。
そして戦闘への意気込みが違う。
ブーンの知るギコは、己のペースを大事にする男であった。
攻めるべき時は攻め、守るべき時は守る。
相手が退けば追わず、相手が攻めてくれば退かず。
受動的に自分の間合いを図るタイプだったはず。
大地に根を張ったかのような戦い方は、その巨剣の様から大樹のようだった。
- 23: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:06:46.92 ID:xv3lMgtl0
- (;^ω^)「でも、これは……!」
(,,゚Д゚)「っつぁぁぁ!!」
違う。
何もかもが違う。
ブーンの記憶にあるギコは、これほどまでに――
(;^ω^)「うわぁっと!?」
振り上げられたグラニードが落ちる。
たったそれだけのことなのだが、ブーンにとっては何よりも恐ろしい光景であった。
地面が叩き割られる。
土色の破片が、ブーンの視界を覆っていく。
段々と狭められるそれに比例するように、嫌な悪寒がジリジリと増していった。
『内藤ホライゾン! 背後へ!』
(;^ω^)「ッ!!」
声に反応――いや、反射するように足を動かす。
遠ざかる景色の中、青い斬閃が真一文字に刻まれたのを見る。
(;^ω^)(何つー速さだお……クレティウスが言ってくれなきゃ、まずかったお)
動体視力には多少の自信がある。
しかしギコは、それを読んだ上で視界外からの攻撃を仕掛けてきていた。
- 26: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:09:06.36 ID:xv3lMgtl0
- 懸念は止まらない。
今までのギコならば、この時点で相手の出方を見るために足を止めただろう。
しかし今の彼は違った。
(,,゚Д゚)「次だ……!!」
(;^ω^)(もう、追撃の姿勢――!?)
振り抜いたグラニードを背後に持っていき、自身は深い前屈姿勢を作り出している。
巨剣の重さと、前屈分の荷重が釣り合っていた。
完璧といえるバランスから生まれるのは
(;^ω^)「!! やばっ!?」
爆発的な初速。
そこから派生する突撃は高速の一言。
構えられた巨剣の重量は、引力操作によって何倍にも膨れ上がっており
ギコ自身の迫力も比例するように巨大になっていた。
(;^ω^)「――クレティウス! OVER ZENITHだお!!」
そしてそれが、ブーンにとって最善策の限界突破を誘発させる結果となる。
- 27: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:11:19.42 ID:xv3lMgtl0
- 一瞬の発光。
現れたのは
(,,゚Д゚)「腕か……!」
ブーンの周囲に、合計二つの白い手甲が浮遊していた。
ロマネスクと戦っていた時よりも数が増え、そして拳自身も強化されている。
(,,゚Д゚)「それがお前の新しい限界突破だな!
ならば、その性能を俺が推し量ってやろう!」
身体ごと投げ出すような横薙ぎ。
ブーンから見て右から、迫る巨剣は死神の鎌に等しい。
(;^ω^)「くっ――おっ!」
腰を落として迎撃姿勢を作り出す。
同時、彼の意思通りに二つの手甲が前方へ出て盾となった。
激突する。
青い閃光が、白い衝撃波を打ち破らんと輝きを増す。
白い衝撃波が、青い閃光を押さえ込むために吼える。
二人は青と白の火花を散らせ、周囲を二色に染め上げた。
- 29: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:14:12.25 ID:xv3lMgtl0
- その膠着は数秒。
結局、勝負がつかなかった巨剣と両拳は、力を出し切った後に沈黙する。
(;^ω^)「ぶはっ!」
力を溜め込むために呼吸を止めていた結果、そのツケが回ってくる。
軽い酸欠を自覚しつつも、ブーンは肺を一生懸命脈動させて酸素を吸った。
(,,゚Д゚)「ふむ……面白い限界突破だな、内藤。
防御にも攻撃にも使え、遠近構わず効果を発揮するのか。
以前のような一点突破ではなく、万能さを優先させた……というわけだな?」
(;^ω^)「……!」
たった一手で、ギコはブーンの切り札の全容を言い当てた。
ブーンが選んだ限界突破コンセプトは、いわば『柔軟性』である。
それまで設定していた限界突破『強化符』は、爆発的な攻撃性を発揮する代わりに
ベクトルが単一に限られていた。
一撃必殺、一撃必倒を前提とした攻撃は確かに強い。
しかし、見極められればそれで終わりという危険性も秘めていた。
戦いの素人であるブーンの動きなど、生死を生業としている者から見れば児戯に等しい。
前回よりも敵が格段に強くなっている現状、『強化符』では深さがあっても幅が足りないのだ。
そして編み出されたのが自動攻防機能を持つ手甲。
ブーンの意思通りに動き、しかし主の危機には自動的に対処する。
敵を倒すことよりも生き残る方に天秤を傾ける今のブーンにとって、これほど相性の良い形態はなかなか無いだろう。
- 33: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:18:13.21 ID:xv3lMgtl0
- (,,゚Д゚)(だが、何か違うな……)
そう、違うのだ。
思い出すのは、会議室でのしぃの言葉。
――私、8th−Wだけは何か違うなって感じる時があって。
今なら彼女の言葉の意味が解る。
クレティウスは、ウェポンと同一にして何かが異なっていた。
あくまで感覚から得たものなので、確かである、とは言えないが。
(,,゚Д゚)(モララーも言っていたが、8thは十五の指輪の内の中間数字。
そしてその能力も――……どうにもキナ臭いな)
疑念を向けられているとは露知らず。
酸素を求めて呼吸するブーンに、クレティウスが話しかけてくる。
『しかし……君も強くなったが、彼も強くなっているようだ』
( ^ω^)「強くなってるっていうより、強くあろうとしてる感じがするお」
(,,゚Д゚)「……?」
( ^ω^)「多分、一ヶ月間にギコさんの内面に何か変化があったんだお。
そうでなければ、あそこまで戦闘スタイルを変えるわけないお」
『成程』
クレティウスが頷いたのを感じる。
- 34: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:21:11.28 ID:xv3lMgtl0
- ギコは変わった。
先ほど述べた通り、従来の彼の戦闘スタイルは受動的だった。
相手の出方を伺い、それに応じて手を変えるといった戦い方である。
しかし今のギコはまったくの逆。
つまり、能動的な戦い方を実践していた。
相手に合わせるのではなく、自ら飛び込み相手を合わせる戦闘スタイル――いわゆる攻め系なのである。
基本は先手必勝で、それから追撃と迫撃が並ぶ形。
身の危険よりも、敵が存在するという危険を排除する戦い方だ。
( ^ω^)「……でも」
『ん?』
( ^ω^)「でも、それこそがギコさんらしい戦い方だと僕は思うお」
『ふむ……内藤ホライゾンが言うのならばそうなのだろう』
(;^ω^)「あの、前から思ってたんだけど、あんまり僕を買い被らないでほしいお。
時折、何か凄いプレッシャー感じるんだお……」
『そうか。 ならば良し』
(;^ω^)「酷いお」
一連の会話を見ていたギコは、何故か首を傾げていた。
- 35: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:23:38.03 ID:xv3lMgtl0
- (,,゚Д゚)「……なぁ、内藤」
( ^ω^)「はい?」
(,,゚Д゚)「お前、一体誰と話してるんだ?」
( ^ω^)「え……」
(,,゚Д゚)「さっきから独り言をブツブツと言っているのが気になってな。
耳に小型通信機でも装着させられているのか?」
本当に何も知らない表情をしている。
というか、むしろブーンを不審者扱いしている目だった。
(;^ω^)「えっと、クレティウスさんと話してるんですお」
(,,゚Д゚)「何だと? お前まさか、いつでも8th−Wと会話出来る状態なのか?」
(;^ω^)「は、はいですお……」
戸惑いの色が混じった答えに、ギコは何かを考える素振りを見せた。
グラニードを掲げ、少しの間だけ目を瞑る。
しかし首を振ったギコは、どうやら何かが納得出来ていないらしい。
- 36: ◆BYUt189CYA :2007/09/30(日) 19:26:11.32 ID:xv3lMgtl0
- (,,゚Д゚)「内藤、お前今……クレティウス『さん』と呼んだな?」
( ^ω^)「その通りですお」
(,,゚Д゚)「つまりそれは8th−Wに人格があるということか?」
( ^ω^)「……そうですけど」
何を言いたいのだろう、と思う。
ウェポンには、術者とシンクロするために擬似精神が組み込まれている。
それは前回の戦いで知ったことだし、むしろギコの方が詳しいはずだ。
(;^ω^)「何かおかしいんですかお?」
(,,゚Д゚)「いや、おかしいというか何というか」
未だ煮え切れない様子のギコ。
グラニードとクレティウスを交互に見やり、やはり納得出来ないのか深い唸り声を上げた。
(;^ω^)「あの、ハッキリ言ってほしいですお……怖いですお」
(;,,゚Д゚)「あ、あぁ、すまんな。
これは俺だけかもしれんのだが――」
言い淀み、そして言った。
(,,゚Д゚)「グラニードには、人格なんて無いんだ」
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