( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

5: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:14:59.23 ID:ffp2WNFi0
活動グループ別現状一覧

( ・∀・) (,,゚Д゚) (*゚ー゚) ミ,,"Д゚彡 ( ´_ゝ`) (´<_` )
(`・ω・´) <_プー゚)フ (#゚;;-゚) [゚д゚] ( ゚д゚ ) ノハ#゚  ゚) 
从・∀・ノ!リ ( ><) (*‘ω‘ *) |゚ノ ^∀^) lw´‐ _‐ノv
所属:四世界
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:強襲中

( <●><●>) |(●),  、(●)、| / ゚、。 /
( ̄ー ̄) ( ^Д^) (゜3゜) ,(・)(・), ┗(^o^ )┓ \(^o^)/ |  ^o^ |  ( ´∀`)
( ^ω^) 川 ゚ -゚) ('A`) (´・ω・`) ( ゚∀゚) ('、`*川 从'ー'从 川д川 <ヽ`∀´>
所属:世界運営政府
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:迎撃中

メ(リ゚ ー゚ノリ
所属:???
位置:オーストラリア・世界政府本部
状況:二機のEMAを素手で撃墜

ル(i|゚ ー゚ノリ
所属:???
位置:???
状況:???



8: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:17:21.71 ID:ffp2WNFi0
第三十八話 『這い寄る  』

情報は迅速に全員へと伝わった。
その内容は簡潔である。

二機のEMAが赤髪の男によって墜とされた、と。

本陣の指揮を執っているフサギコから順々と伝わっていく、俄かには信じられない情報。

ある者は驚き、ある者は悲しみ、ある者は引き攣った笑みを浮かべた。
新たな敵と思われる存在――いや、本来の敵の強さに、思わず戦慄する者がほとんどである。

無論、それはいの一番にレインへと知らされることとなっていた。

从・∀・ノ!リ「……そうか」

EMA撃墜の情報を聞いたレインは、ただ小さくそう呟く。
レイン達は丁度、世界政府本部八階の制圧を終わらせたところだった。
チンとビロードに警戒を任せ、白い通路の壁際でフサギコの声を聞く。

从・∀・ノ!リ「機体は?」

『今、回収作業を行ってます。
 機体の外観にはあまり損傷は見えないのですが、その……胸部、つまりコックピットは酷い有様です。
 再度使うとなれば、胸部パーツは全換装しなければならないかと』

言い淀む言葉は一つの事実を示唆する。
搭乗者の生存は絶望的――いや、ありえないのだ、と。



13: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:19:44.28 ID:ffp2WNFi0
从・∀・ノ!リ「フサギコ殿。 回収出来るモノは全て回収しておいてほしい。
      損傷から、その赤髪の男とやらの性能が少しでも割り出せるかも知れんからのぅ」

『はい、解りました』

从・∀・ノ!リ「……それと、レモナはどうなっておる?」

『先ほど、モナーさんと共に救助隊によって保護……えっと、今こちらに向かっているそうで。
 ……酷く取り乱していたようです』

从・∀・ノ!リ「だろうな。 無茶なことをせんように縄で縛っておいてくれ」

『縄ですか……まぁ、ともかくしっかりと見張っておきますね。
 では、御気を付けて。 何かあれば連絡を下さい』

从・∀・ノ!リ(あながち冗談でもないんじゃがのぅ)

(;><)「な、何があったんですか?」

从・∀・ノ!リ「気にするな……と言いたいところじゃが言わんと駄目じゃな。
       端的に言えば、ミツキとミカヅキが死んだ」

(;><)「!!」

(*‘ω‘ *)「!!」

二人の反応も無理はない。
彼らもまた、ミツキには良くしてもらった頃があるのだ。



15: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:22:04.34 ID:ffp2WNFi0
( ><)「……誰がやったんですか?」

(*‘ω‘ *)「ぽぽ」

( ><)「ミツキさんとミカヅキさんの両方が死んだということは
     相討ち、もしくは第三者の介入があったんですよね? ね?」

从・∀・ノ!リ「……異獣じゃよ」

(;><)「!!」

从・∀・ノ!リ「話は終わりじゃ。 後は無事に帰還してからにしよう」

( ><)「解ったんです……」

とりあえず、といった響きの声だ。
下手をすれば自分勝手な行動に出かねないだろう。

从・∀・ノ!リ(チン、ビロードが突っ走らないように見ておけ)

(*‘ω‘ *)(ぽっぽぉ……)

ともあれ、いつまでもここに留まっているわけにはいかない。
確かにミツキとミカヅキの死は衝撃的であるが、それが足を止める理由にはならないのだ。



16: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:24:03.27 ID:ffp2WNFi0
出来ることと言えば、速やかに世界交差装置を制することだけ。

それさえ出来れば後はどうにでもなる。
元の世界に帰るのも良し、渡辺達に協力するのも良し。
イクヨリや秩序守護者が何を考えているのか解らない現状、眼前の目的を達するしか道はない。

从・∀・ノ!リ(目的、か)

ともかく、事情が事情だ。
目的がバラバラな現状、話し合いで解決することが一番だとは解っている。

しかし、それが出来る現状ではないのも確かだ。

秩序守護者から見れば、異世界の人間など病原菌に等しい。
イクヨリ達から見れば、自分達の行動はこの世界を混沌に染めようとしているようにも見えるだろう。
ならば

从・∀・ノ!リ「行くぞ。 主導権をとり返さねば何もならぬ。
      兎にも角にも我らの主張を通すには、まずは権利が必要じゃからのぅ」

(*‘ω‘ *)「ぽぽ!」

走り出す。
現在、最上階に一番近いのは自分達だ。

と、意気込んだその時だった。



18: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:26:30.65 ID:ffp2WNFi0
从・∀・ノ!リ「む?」

通路の先、T字路の左方から人影が飛び出したのを見る。
応じるように警戒心が動き、レイン達は各々の武器を構えた。
しかし

从'ー'从「……どうも」

(*‘ω‘ *)「ぽ?」

姿を見せた人物は、ある意味レイン達の予想とは真逆の存在であった。

ボロボロの白衣を着た女性が、髪の長い女と無愛想な男を引き連れて現れたのだ。
身体的特徴から、レインはそれが誰であるかを瞬時に判断する。

从・∀・ノ!リ「ほぅ、おぬしが渡辺じゃな?」

从'ー'从「そういう貴女は?」

从・∀・ノ!リ「うむ、魔法世界のある国の長をしておるレイン=フルフィールという。
      この度はモララー殿に世話になってな。
      元の世界に帰るためにも、彼らに加担しておるわけだが――」

从'ー'从「魔法世界の人……独自にEMAを開発した世界だったね。
      モララーさんを知ってるんだったら、私達は仲間同士だってことになるけど」

从・∀・ノ!リ「あぁ、その辺りの事情はモララー殿から聞いておる。
      よろしく頼むぞ」



21: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:29:22.70 ID:ffp2WNFi0
両者は頷き、両陣営にいるメンバーの簡単な紹介を済ませた。

レイン側はレイン本人、ビロード、チン。
渡辺側は渡辺本人、貞子、ニダーという構成だ。

从・∀・ノ!リ「今は時間が惜しい故、恭しく手を握っておる暇もない……さっさと最上階へ行こう」

从'ー'从「あ、ちょっと待って」

从・∀・ノ!リ「何か?」

从'ー'从「最上階へ行く前に、ハインちゃんを確実に救助しておきたいの」

( ><)「ハインって……」

从・∀・ノ!リ「うむ、小耳に挟んだことがある。
      不滅と機械が合同開発した対異獣用の兵装核――通称『最強』だったか」

レインの言葉に渡辺が眉を僅かに動かした。
それは明らかに不快を示すもので、しかしすぐに元の表情へと戻る。
幸い、気付いたのは貞子とニダーだけであった。

从・∀・ノ!リ「確かに世界政府によって捕らわれておるとは聞いたが、先に中枢を制圧してからの方が良いのではないか?
      今下手に助けて、戦いに巻き込むこともないのでは?」

从'ー'从「確かにそうだけど、切り札は早めに確保しておきたいの。
     理由は詳しく言えないんだけど……たぶん、これからにとって絶対に重要になるから」

从・∀・ノ!リ「ふむ……まぁ、開発に関わっておったおぬしが言うならば従うしかない、か」



25: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:32:52.21 ID:ffp2WNFi0
一気に二倍の六名に戦力を増やし、一団は先を目指すために通路を見る。

「「!?」」

そこに、人影があった。


〈/i(iφ-゚ノii「――――」


レイン達から見て右側に壁に背を預け、腕を組んで俯いている姿。
多少逆光気味で見え難いが

<ヽ`∀´>「……あれは」

真っ先に気付いたのがニダーであれば、正体を嗅ぎとったのもニダーであった。
しかし確証が持てない現状、迂闊に口に出すことはしない。
見れば、渡辺もまた正体に気付いているような――眉を歪めた――表情をしていた。

从'ー'从「貴方は?」

しかし、警戒と牽制の意味も含めて問う。

〈/i(iφ-゚ノii「…………」

答えは無言だが、代わりとしての動きがあった。

壁から身を剥がす。
ゆったりとした動作には微塵の戸惑いもない。
逆に、それが明らかな異常としてレイン達に映る結果となる。



28: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:34:31.01 ID:ffp2WNFi0
从・∀・ノ!リ「……何じゃ、アイツは」

只ならぬ気配を読み取ったのか、レインが警戒心を露わにして言う。
両脇にビロードとチンが、やはり警戒して武器を構えた。

この建物にいる時点で、敵であることは明白。
しかし、その気配はとてもではないが人間に思えない。

〈/i(iφ-゚ノii「…………」

沈黙を発する男。
しかし態度が言っている。

ここから先は通さない、と。

从・∀・ノ!リ(まさかとは思うが、奴も――)

<ヽ`∀´>「……お前達は別の道から行くニダ。 あの男はウリが止めておいてやるニダ」

沈黙を破るようにニダーが言い、一歩踏み出した。
黙っている男を除いた全員が、彼の言葉に目を見開く。

从'ー'从「正気? だって彼は――」

<ヽ`∀´>「だからと言って足を止める理由にはならんニダ」

川д川「ならば、ここは私が出るべきかと思いますが」

<ヽ`∀´>「いや、アレはウリの相手……ウリが相手をしてやらんとならんニダ。
      アンタは大事な主人を護ることに専念してればいいニダ」



31: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:36:25.13 ID:ffp2WNFi0
あのニダーが執着するということは、やはり

从'ー'从「……解った。
     でも、ここで永遠の御別れなんて展開は嫌だよ。 だから――」

手渡されたのは一つの銃器。
白色に染められたそれの名は『ゲシュタルトブラスト』。
遠近両用で、更には特殊な能力を備えた渡辺愛用の武器だった。

从'ー'从「これを使って、ニダー君には生きて残ってほしい。
     私には貞子や仲間がいるから君に預けるよ。 でもちゃんと返してね?」

<ヽ`∀´>「……御人好しにも程があるニダ」

吐き捨てるように言い

<ヽ`∀´>「でも、別に嫌いじゃないニダよ。
      『上司』に言われたからには、信用を取り戻すためにも果たしてみせるニダ。
      だから、お前達はさっさと行くニダ」

从'ー'从「うん、ありがとう」

从・∀・ノ!リ「良いのか?」

从'ー'从「…………」

答えず、白衣を翻して走り出す渡辺。
その背が如実に語っていた。

――もう二度とニダーには会えないのだ、と。



33: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:38:38.80 ID:ffp2WNFi0
レインが言葉を止めた意味を、ビロードとチンも悟ったのだろう。
彼らもまた、レインと渡辺を追って走り出す。
最後に残った貞子が、一瞬だけニダーの背を見つめ

川 -川「――御武運を」

せめて、満足の往くまで。
意味を理解したニダーが振り返らずも頷き、それを見た貞子はすぐさま走り去っていった。



音が段々と消えていき、そして完全に沈黙した頃。
ニダーは目の前で微動だにしない男を睨みつつ



<ヽ`∀´>「久しぶりニダね――ロマネスク」


〈/i(iφ-゚ノii「…………」



と、『元上司』の名を放った。



39: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:40:23.52 ID:ffp2WNFi0
世界政府本部の入口では、戦闘の音が止みかけていた。

(#゚;;-゚)「ハァッ……ハァッ……!」

聞こえるのは荒い息。
軍神が身を折り、苦しそうに喘いでいる。

身体――つまり機械皮膚を巡っていた光の線は消えていた。
その代わりとして、彼女の身体各部からは白い湯気のようなモノが立っている。

機械皮膚の機能を全て解放、と彼女は言った。
あれだけのスピードとパワーを出せる機能に、反動が出ないわけがない。
おそらく、普段の数倍もの負荷を受けた神経が悲鳴を挙げているのだろう。

身体の内からの激痛はどうしようもない。
今の軍神は、それにひたすら耐えているのだ。

(;´_ゝ`)「や、やったのか……?」

(´<_`;)「確かに軍神の一撃は彼女を捉えたが――」

( ゚д゚ )「…………」

パラパラ、と崩れ落ちる瓦礫の音だけが響く。

壁に背中からぶち当たって倒れたダイオードは、そのまま動くことは無い。
うつ伏せのまま、その漆黒の長髪を無様に投げ出している。



41: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:42:58.66 ID:ffp2WNFi0
( ・∀・)「…………」

沈黙――それも、疑惑の沈黙だ。

『果たして、あんな簡単にダイオードが潰れるものなのだろうか?』
という疑問が、ミルナや兄者達の身体と表情を硬直させている。

強力な一撃であったはずだ。
軍神の持ち得る最高速度から生み出される攻撃は、数分前にダイオードを捉えたばかり。
あれをまともに喰らって立てるなど、もはや超人の為せる行為であろう。

だからこそ、疑念が生まれる。

ダイオードは充分に超人と言えるのではないか、と。
あの一撃を受け、しかし耐えられる数少ない人間ではないのか、と。
しかし現状を見るに――

(;´_ゝ`)「……どうにも、これは」

倒せたのではないか。
そういった希望的観測が生まれ掛けた時だった。

/ 、 /「――ッ」

息を詰めるかのような声が、一瞬だけ見えた光明を塗り潰す。
全員の表情が焦りに変わると同時、瓦礫を崩す音が連鎖を始めた。



44: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:44:46.47 ID:ffp2WNFi0
/ ゚、。 /「……はは」

笑み。
砂埃に塗れたダイオードがゆらりと立ち上がる。
美しかった黒髪は半分以上を灰色に染められ、漆黒の甲冑も傷だらけになっていた。

しかし、笑う。

/ ゚、。 /「ふふ、はははは――」

(#゚;;-゚)「やっぱあれくらいじゃ倒せんみたいやな……?」

/ ゚、。 /「……お前達は愚かだ。
      千載一遇のチャンスを失うとは、滑稽としか言い様がない。
      逆に問いたいくらいだよ。 何故、私が倒れている間にトドメを刺さなかったのか、と」

(#゚;;-゚)「アンタ、ホントに意識失っとったん?」

/ ゚、。 /「意識は奪われるからこそなかなか戻ってこないものでね。
      ならば、と。 奪われる前に手放したのだ。
      奪われてないのならば傍に落ちている……それをさっさと回収したまでさ」

(;´_ゝ`)「……何つーデタラメだよ、おい」

言葉では説明出来ないはずの感覚を、それこそ明確に伝えてくるダイオード。
逆にそれが、意識云々という理屈の正しさを証明しているようなものだった。



46: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:46:40.36 ID:ffp2WNFi0
/ ゚、。 /「根本的に甘いのだよ、お前達は。
      私の死を確認したければ、それこそ存在自体を消滅させてもらわねばな。
      ふむ、例えば……死体がある内は安心しない方がいいかもしれんぞ?」

(´<_`;)「まさか不死身とでも言いたいのか!?」

/ ゚、。 /「さぁ? 死んだことがないから解らんな」

埃をかぶった黒髪を掻き上げて笑う。
その目は既に光など無く、ただの闇――いや、黒色に塗り潰されていた。

(;´_ゝ`)「あんな奴、どうやって……軍神が駄目だったらアウトじゃないか!」

兄者が悲痛な声を挙げる。
無理もない。
眼前で笑う騎士は、これまで見たことも無いほどに強大なのだから。

しかし、そこに疑問を浮かべた男がいた。

(;゚д゚ )「…………」

名はミルナ。
かつてはダイオードを尊敬していた英雄だ。

だからこそ、今起きている事象に違和を感じ取れたのかもしれない。



48: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:48:58.42 ID:ffp2WNFi0
(;゚д゚ )(何だ……何かが違う……)

先ほどまでと異なる感触があった。
言葉にすることは出来ないが、そこには確かな違和が在ることだけは解る。
しかし湧き上がるのは焦燥だけで、真実は一向に姿を見せない。

(;゚д゚ )(思い出せ、以前と何が違う……!?)

記憶が脈動する。
脳内に蓄積されていた情報が動き出した。
どくん、どくん、と、溜め込んでいた記憶が血液のように噴出。
バラバラに散らばったそれらを、ミルナは片っ端から整理分析していく。

違和の正体は何だ、と。

こうしている間にも何かが動いている。
もし誤れば、そして遅ければ、取り返しのつかないことになる可能性が非常に高い。

(;゚д゚ )(焦るな、焦るな、焦るな――)

言い聞かせ、情報整理の速度を徐々にアップしていく。
かつてペニサスに『数学者になればいい』とまで言われた、高速の情報解析力が唸りを挙げた。
漠然としていた記憶が形を定め、ジグソーパズルの如く完成されていき

( ゚д゚ )「!!」

そして、違和の正体を遂に確信へと持っていく。



52: ◆BYUt189CYA :2007/10/06(土) 20:51:58.42 ID:ffp2WNFi0
(;゚д゚ )「違う……! 今の奴は偽者だ!!」

「「!?」」

言葉に流石兄弟が目を見開き、軍神がすぐさま周囲へと視線を向ける。
時を同じくして、先ほどまで瓦礫の中に立っていたはずのダイオードが消滅した。
ミルナの言動の正しさを証明するように、だ。

(´<_`;)「消えた! 本体は!?」

(#゚;;-゚)「――上や!」

/ ゚、。 /「ようやく見破ったか」

ダイオードがもう一人。
赤黒い魔方陣を地面とし、彼女は空に浮いている。
その口元には笑みが浮かび、視線はこちらを睥睨するように見下していた。

(#゚;;-゚)「んなアホな……!」

軍神が、信じられない、と言いたげに大きな舌打ちをする。
あれほど濃密な気配を漂わせていたはずだというのに
ミルナは愚か、軍神さえも気付けなかったことが衝撃なのだろう。

そしてダイオードの笑みは、それを見越して浮かべられていた。

/ ゚、。 /「流石はミルナか。 しかし、気付くのが遅かったな。
      そもそも私が攻撃を受けて吹き飛ぶ、という時点で疑念を持たねばならなかったのだ。
      まさか何もせずに吹き飛んだと思っていたか?」



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