( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

4: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:05:31.39 ID:vB90+Vhe0
活動グループ別現状一覧

( ^ω^) 川 ゚ -゚) ( ・∀・) (,,゚Д゚) (*゚ー゚) ミ,,"Д゚彡 ( ´_ゝ`) (´<_` )
('A`) (´・ω・`) ( ゚∀゚) (`・ω・´) <_プー゚)フ (#゚;;-゚) [゚д゚]
( ゚д゚ ) ノハ#゚  ゚) ('、`*川 从・∀・ノ!リ ( ><) (*‘ω‘ *) |゚ノ ^∀^)
lw´‐ _‐ノv ( ´∀`) 川 -川 <ヽ`∀´> *(‘‘)*
所属:四世界
位置:古城アジト
状況:休息中

ル(i|゚ ー゚ノリ メ(リ゚ ー゚ノリ 从ξ゚ -゚ノリ 〈/i(iφ-゚ノii
所属:異獣
位置:世界政府本部
状況:???

从 ゚∀从
所属:不滅世界
位置:???
状況:???



5: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:09:33.72 ID:vB90+Vhe0
異獣編
第四十二話 『鬼哭啾啾』

( ・∀・)「さて、どうしたものか……」

人の気配が少ない会議室。
開口一番、モララーはそんなことを呟く。

世界政府本部での戦闘から丸二日。
何とか離脱したモララー達は、アジトである古城に戻って休憩を取っていた。

怪我をした者がおり、死んだ者もいる。
未だ行方不明な者もいれば、大破してしまった物も在る。

しかし、まず必要なのは休むことだと言っておいたのだが――

( ・∀・)「で、君らはわざわざ労働志願を?」

[゚д゚]「っつーか、俺ら本陣待機だったしなぁ……」

ミ,,"Д゚彡「動ける人は動いた方がいいと思います。
      GIFやEMAの修理なんかは、時間が必要ですしね」

というように、全体の三割ほどは活動を続けているのが現状だった。
戦闘に参加しなかったデフラグやフサギコも、その一部である。



7: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:11:37.95 ID:vB90+Vhe0
[゚д゚]「んでよ、今世界はどうなってんだ?」

( ・∀・)「ポリフェノール君が情報を集めている。
     あと二時間もすれば皆が揃うだろうから、そこで報告分析するよ。
     それまでは自由だから、君達も休んだ方がいいのでは?」

[゚д゚]「いーや、俺は軍神を看なきゃならねぇからな。
    時間が来たら勝手に集合するぜ」

軽い欠伸をしつつ、デフラグは部屋を出て行った。
それに倣うように、まだ元気が余っている部下達もそれぞれの仕事に出る。

会議室には、モララーとフサギコが残されることとなった。

ミ,,"Д゚彡「では、私も――」

( ・∀・)「待ちたまえ」

ミ,,"Д゚彡「はい?」

( ・∀・)「……少し話をしよう。 そこの椅子を使ってくれ」

有無を言わさぬ空気に、フサギコは疑問を浮かべつつも椅子に座る。
会議室用の長机を隔てて正面にモララーが座った。



9: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:13:28.18 ID:vB90+Vhe0
しばらくの沈黙。
耐え切れないないのか、フサギコが身を擦り

ミ,,"Д゚彡「あの、話とは?」

( ・∀・)「む、いや、そのだね……非常にあれなのだが、うむ……」

これは珍しい、と失礼ながらもフサギコは思ってしまった。

あのモララーが言い淀んでいる。
言うべきことは堂々と言う彼が、言い難そうに視線を部屋中に這わせる光景は不可思議だ。

ミ,,"Д゚彡(それほど、私に伝え難いことということですか)

自分に関係することで、口にすることがはばかられる話題など数える程しかない。
やがて意を決したようにモララーは頷き

( ・∀・)「……ツン君のことだ」

ミ,,"Д゚彡「…………」

予想内であり予想外だった。
あり得なくはないが、あり得てほしくなかった話題。

自然と身が固まるのを自覚する。



11: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:15:34.97 ID:vB90+Vhe0
ミ,,"Д゚彡「まさか、死亡を撤回するということですか?」

( ・∀・)「その判断は君に委ねたいと思っている。
     ともかく、これを見てほしい」

懐から取り出されたのは一枚の写真だった。

ミ,,"Д゚彡「これは――」

映っているのは女と思わしき人影。
無理な状況で撮ったのか、ブレている上にピントもいまいち合っていない。
ただ解るのは、その女の髪の色と持っている武器だけだった。

銀髪の中に、一筋の金色。
そして黒色の大鎌。

ミ,,"Д゚彡「…………」

( ・∀・)「色々と見難いのは、兄者君が盗撮したからだ」

ミ,,"Д゚彡「は?」

放たれた言葉の意味を理解するのに数秒。
そしてもう一度、

ミ;,,"Д゚彡「……は?」



14: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:17:25.86 ID:vB90+Vhe0
( ・∀・)「ダイオードと彼女の戦闘中にね。
     私も後でそれを知ったわけだが、流石に背筋を冷たいモノが走ったよ。
     もし彼女に気付かれていたら私を含めて何人かは、ここに帰ってきていなかったかもしれない」

ミ;,,"Д゚彡「流石兄者さん……あ、何か本名になっちゃいました」

( ・∀・)「名に違わないから性質が悪い。
     それで、だ」

一息。

( ・∀・)「……その写真に写っているものについて、君の見解を聞かせてほしい」

ある程度の予想がついていての要望なのだろう。
でなければフサギコに問う意味がない。

それを踏まえて、フサギコは写真を再度凝視した。

ミ,,"Д゚彡「二つほど確実に言える点があります」

( ・∀・)「言ってくれ」

ミ,,"Д゚彡「まずはこの武器……形こそ歪になっていますが、これは確かにウィレフェルです」

3rd−W『ウィレフェル』。
元々はフサギコが所持者だった大鎌型のウェポンだ。

それは渡辺達アギルト連合軍が分裂した直後、ツンと共にロマネスクに奪われたはずだった。



16: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:19:09.98 ID:vB90+Vhe0
( ・∀・)「都市ニューソクの一件後、我々は地下アジトを調査した。
     しかし3rd−Wもツン君も見つかることはなかった」

故にモララー達はツンを死亡、3rd−Wは消滅したものだと判断した。
あのロマネスクが、3rd−Wを用いなかったのは合点がいかなかったが、

ミ,,"Д゚彡「……おそらく、騒ぎに乗じた異獣によって回収されていたのでしょうね」

( ・∀・)「では、二つ目とやらはやはり――」

ミ,,"Д゚彡「はい。 この女性はツン=アストクフル様です」

響いた言葉に震えはなかった。
覚悟していたのか、はたまた彼の心が何よりも堅いのか。

( ・∀・)「やはりか。
     私のロステックに反応があった辺り、そうではないかと思っていたのだよ」

ミ,,"Д゚彡「…………」

( ・∀・)「ならば話は早いと言うべきか。
     私達よりも異獣に詳しい者達に話を聞かねばなるまい」



19: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:21:48.50 ID:vB90+Vhe0
と、その時、会議室のドアがノックされた。
モララーが返事をし、そして中へと入ってきたのは男と女。

ミ,,"Д゚彡「貴方達は、ニダーさんとヘリカルさん……でしたっけ?」

<ヽ`∀´>「…………」

*(‘‘)*「まさかアンタらに協力することになるとは、です。
    世の中何が起こるか解んないですね」

( ・∀・)「まぁまぁ、私が最も優秀だったということで一つ。
     椅子に座りたまえ」

半目で睨むヘリカルとニダーは、しかし素直に腰を下ろす。
どうやら、既に協力者としての話はついているらしい。

( ・∀・)「君達を呼んだのは他でもない。
     我々の中で、最も異獣に関しての知識があるのは君達だろう?
     是非とも意見を聞かせて欲しい」

*(‘‘)*「……へぇ、随分と殊勝な態度ですね」

( ・∀・)「なりふり構っている状況でもないのでね。
     手に入る情報なら、余すことなく全て手に入れる所存だよ」

ニヤリと笑うモララーに対し、ヘリカルは歪んだ笑みで返す。
何だかんだ言って、この二人は意外と相性が良いような気がしたフサギコであった。



21: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:24:41.39 ID:vB90+Vhe0
( ・∀・)「さて、まずは確認された人型の異獣に関してだが」

モララー達が確認したのは三体。
ミルナが見たと言っていた青髪の女を合わせれば、最低でも四体いることになる。

( ・∀・)「異獣の形状は白狼だと聞いていたのだが……では、アレは何なのかね?」

*(‘‘)*「さぁ」

( ・∀・)「……まさか、知らないのかね?」

*(‘‘)*「機械世界で相手をしていたのは全て白狼だったです。
    ハッキリ言わせてもらえば、人型タイプを見るのはあれが初めてですよ」

ちなみに、と付け足し

*(‘‘)*「一応、護国院に残ってた昔の資料に、それらしき記述を見たことがあるです。
    影を視認した、という眉唾ものの情報でしたけど」

( ・∀・)「成程……逆を言えば、それほどの存在が出るくらい事態は悪い方に向かっているわけか」

何やら考え込むモララーに対し、黙っていたニダーが口を開いた。

<ヽ`∀´>「本当のところは何を知りたいニカ?
      今の情報は、他の者が揃ってから吟味すべき情報ニダ」

( ・∀・)「ん? あぁ、そうだね……」

言いつつ、モララーはフサギコを見る。
視線は『許可の有無』を求めていたため、フサギコはしっかりと頷いて見せた。



25: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:27:14.12 ID:vB90+Vhe0
( ・∀・)「ならば単刀直入にいこうか。
     私達の知り合いが行方不明になっていたのだがね。
     何がどうなったのかという経緯は想像出来ないが、異獣として現れたのだよ」

<ヽ`∀´>「――!」

言葉に大きな反応があった。
ニダーはその細い目を片方だけ見開き、ヘリカルは居心地悪そうに視線を逸らす。

( ・∀・)「……何やら心当たりがあるようだが?」

<ヽ`∀´>「ロマネスクという男を知っているニカ?」

ミ,,"Д゚彡「機械世界のアギルト連合軍に所属していた軍人、ですよね。
      この世界に来て、渡辺さんから指揮権を奪った強行派だと聞いています。
      そして都市ニューソクでの一件で死亡した、と」

*(‘‘)*「実を言えば、死亡したかどうかは解らなかったのですよ。
    何せ死体が消えたんですから」

( ・∀・)「死体が、消えた……?」

<ヽ`∀´>「そして世界政府本部での戦いの時、奴は別人となって現れたニダ。
      異獣の一員として」

ミ,,"Д゚彡「!」

似ている。
ツンとロマネスクの経緯が非常に似通っている。
両者とも死体が確認されず、後に異獣として現れた、という点が。



29: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:29:13.24 ID:vB90+Vhe0
( ・∀・)「同じ手口と見て良いようだ。
     で、それは助かるのかね?」

<ヽ`∀´>「……確実なことは知識が無いウリには言えんニダ。
      しかしウリが見たロマネスクは、もうロマネスクじゃなかったニダ。
      あれはロマネスクに異獣を混ぜ、要らぬ部分を除けて出来た存在だと思うニダ」

つまり

<ヽ`∀´>「奇跡でも起きて彼らをこちらの手に落とせても
      もう元に戻すことは出来ないと……そう、ウリは判断したニダ」



しばらくの時が経ち、会議室が静けさを取り戻す。
既にニダーとヘリカルは退室し、与えられた部屋へと戻っただろう。
残っているのは窓の外を見ているモララーと、俯くようにして座っているフサギコだ。

( ・∀・)「……どうするかね?」

ミ,,"Д゚彡「…………」

( ・∀・)「いや、それは君が決めるべきことか。
     ならばもう一つ問おう」

こちらを見もしないフサギコに

( ・∀・)「この件を皆に公表するかね?」



31: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:30:38.08 ID:vB90+Vhe0
ミ,,"Д゚彡「…………」

( ・∀・)「ちなみに私はどちらでも構わないと思っている。
     何にせよ、ニダー君の言ったことが本当ならば倒すしかないのだからね」

ミ,,"Д゚彡「……少し、考えさせて下さい」

( ・∀・)「解った。 ただ、この後の会議には出席してくれたまえよ。
     答えを出すのは、その後でも構わないから」

ミ,,"Д゚彡「ありがとうございます」

力無く席を立ち、そのまま危ない足取りで会議室を出る。
その気配を背中で感じ取りつつ、モララーは人知れず吐息した。

深く、そして長い息。

( ・∀・)「……厄介なものだな。 まったく苛々させてくれる」



35: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:32:39.99 ID:vB90+Vhe0
それから更に二時間の時が経った。

泥のように眠っていた仲間達が目を覚まし、会議室へと集まってくる。
スッキリしたような顔をしている者がいれば、まだ眠そうに目を擦る者もいた。

( -∀゚)「……眠いぞ。
     俺様は育つ子だからまだ寝たいんだぜ」

(´・ω・`)「どうせ会議中は役立たないんだから寝てればいいと思うよ」

( ´_ゝ`)「だが我慢s……Zzz」

( ゚д゚ )「ヒート、身体は問題ないか? 無理はしてないな?」

ノハ#゚  ゚)「うん、大丈夫だよ」

lw´‐ _‐ノv「米」

( ´∀`)「はいモナ」

先ほどとは打って変わって、談笑の声が重なっている。

比較的広めな室内には三十近くもの人影。
四世界の主戦力メンバーであり、そしてまた代表者も混じっていた。



39: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:35:15.97 ID:vB90+Vhe0
( ・∀・)「全員集まったかね」

鶴の一声とはこのことか。
会議室は、一瞬で水を打ったように静寂を生む。

皆が、これからの事柄に関して関心を寄せている証拠だ。

その全ての視線を受けつつ、モララーは平然と言い放つ。
もはや慣れたもので、だからこそ皆もある程度安心して任せられるというものだ。

( ・∀・)「さて、皆に集まってもらったのは言うまでもない。
     総括と今後について話をしよう」

( ^ω^)「そういえば皆で集まって話すって展開多いよNE――へぷぁ!?」

強烈な勢いで飛んだマジックペンが、ブーンの額を直撃する。
『GYAAAAA!』と転げ回る彼を、皆は半目で溜息を吐きつつもスルー。

川;゚ -゚)「……大丈夫か?」

(;^ω^)(あれ、僕ってこんなポジションだったっけ……?)

( ・∀・)「まず……世界政府での戦いにて色々あったわけだが。
     人によっては、思い出したくもない話があるかもしれない。
     だが今後のためにも必要な情報は全て引き出して、整理しておきたい」

(´<_` )(言うなぁ……自分もかなり辛いくせに)



44: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:37:04.78 ID:vB90+Vhe0
川 ゚ -゚)(やはりジェイルが破壊されたという話は本当だったのか)

('、`*川(あの子、良い子だったんだけどねぇ……。
     機械だからこその最期というか、せめて戦いの最中で果てたかったろうに)

(´・ω・`)(あれ? でもモララーさんが帰って来た時――)

( ・∀・)「そこ、御喋り時間は後で作ってあげるから、今は聞くことに集中したまえ」

む、とバツの悪そうな表情を作って沈黙する数名。
ヘリカル、エクスト辺りが嫌らしい笑みを浮かべ、ニダーとシャキンに睨まれる。

(,,゚Д゚)「……しかし、何から話せばいいのかイマイチ解らんな。
    とりあえず現状が知りたい、というのが皆の総意だろうか」

( ・∀・)「というわけで、ちょっと頭の可哀想なギコ君のためにも現状説明かな」

真顔のギコが椅子を蹴飛ばして立ち上がり、傍にいたミルナとしぃが慌てて止めに入る。
それをケラケラと笑うジョルジュ、そして傍観に徹しているレモナと軍神が露骨な溜息を吐いた。

次々に連鎖していく感情を見て、モララーは心の中で安堵する。

( ・∀・)(……思ったよりもダメージは少ないようだね。
     あれだけ騒げれば問題あるまい)

この会議は最悪、通夜のような雰囲気になるだろうと予想していた。
世界が交わり、空が真っ赤に染まった今、異常を感じ取れないわけがない。
加えて異獣の強さを目の当たりにした彼らが、意気消沈してしまっても仕方ないと思っていたのだが――



47: ◆BYUt189CYA :2007/10/20(土) 20:39:09.65 ID:vB90+Vhe0
( ・∀・)「ふむ」

ギャーギャーと騒ぐ仲間を見て、杞憂だったか、とモララーは聞こえないよう呟く。

しかし、何かが違った。

それぞれ騒ぐ皆を見れば解るのだが、僅かな軋みが見て取れる。
高度から客観視することが出来るモララーでなければ解らない程の、小さな小さな軋みだ。

歪んでいる。
地中の断層のように。
何かが決定的にズレている。

( ・∀・)(皆、戦いが終わってすぐに就寝……そして先ほど起きたばかり)

となれば

( ・∀・)(この後か。 感情が激化するのは)

今起きている騒ぎなど、いわゆる嵐の前の静けさのようなものだろう。
ならば早めに終わらせなければな、とモララーは心に決めた。
そして軽く手を叩き

( ・∀・)「注目したまえ。
     これから、あの後で何が起きたのかを説明する……ポリフェノール君」

|;;;|:: (へ) ,(へ)|シ「はい、社長」

モララーと入れ替わるように、大柄な中年の男が前へ出る。
傍にあったPCを操作し、正面のボードに映像を映した。



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