( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 139: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:45:08.84 ID:8H9+v4j70
- メ(リ#゚ ー゚ノリ「不死女からヒントを得て作った多目的戦闘用機械腕――『エリュカレイド』!
さぁ、何が飛び出すかお楽しみってなぁ!!」
無くなった腕の先をギコへ向ける。
空いた穴は、吸い込まれそうな錯覚を受ける程の漆黒だ。
だが、次の瞬間、
(;,,゚Д゚)「ちィィッ!!」
危険を察したギコが飛び退くと同じく、足場が砕かれる。
飛び道具――しかも高速。
突然のことに視認出来なかったが、『何かが来る』と事前に解っただけマシだった。
メ(リ#゚ ー゚ノリ「おらおらおらおらおらおらァァァァ!!」
追うように、銃口と化した腕から光が生まれた。
射撃音一つにつき、一つの破砕。
奏でられる破壊の旋律が、ギコの周囲で踊り狂う。
(;*゚ー゚)「ギコ君!」
( ゚∀゚)「ったく、仕方ねぇ奴だ!!」
流石に見かねたか、空からしぃが、陸からはジョルジュが援護に入った。
羽片がギコを護るように降り注ぎ、灰色の鎖がキリバの動きを阻害するために地を這い
続いてキリバの頑丈な身体にショボンの放つ魔力弾が多段ヒット、攻撃の邪魔をする。
- 143: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:46:42.28 ID:8H9+v4j70
- (;,,゚Д゚)「駄目だ……! 危険だから下がっていろ!」
(#゚∀゚)「何言ってんだよ馬鹿が! 危険なのは最初からだろーが!
だったら敢えて飛び込むのも一つってもんだ!」
(´・ω・`)「今回ばかりはジョルジュに同意するよ」
メ(リ#゚ ー゚ノリ「んだ、テメェら……!?」
(メ,,゚Д゚)「お前達――」
(*゚ー゚)「ギコ君は倒すことだけに集中して!
他の障害は、必ず私達が何とかするから!」
最愛の人の言葉が、仲間達の言葉がギコの耳に染み渡った。
意味を理解した彼は自然とこう思う。
――あぁ、だったら大丈夫だ。
(メ,,゚Д゚)「……!」
周囲、羽片と光弾がぶつかり合う最中。
ギコはグラニードを構え、敵のみに視線を集中した。
- 148: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:47:48.01 ID:8H9+v4j70
- メ(リ#゚ ー゚ノリ「!?」
殺気とも闘気ともいえる気配を読み取ったか。
結果、キリバの攻撃に小さな間が生まれる。
それは、本当に小さな穴。
針さえも通らぬ、紙一重以下の寸隙。
その絶望的なまでに小さな間は――
(#゚∀゚)「――もらいッ!!」
しかし、身体が戦闘特化したジョルジュが抉じ開けることとなった。
地を叩き、空気を切り裂き唸る鎖が、キリバの右足に絡みついたのだ。
メ(リ#゚ ー゚ノリ「この……っ程度!」
ばつん、という限界超えの音。
右足を作り上げる機械足の機構が、巻き付いたユストーンを捻じ切った。
分解させられた鎖の欠片は、勢い余って周囲の地面に突き刺さる。
まったくを以って無意味な行為。
そう思えたのはこの場にいる者の中で、キリバただ一人だった。
- 154: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:49:55.70 ID:8H9+v4j70
- (#,,゚Д゚)「――おぉぉッ!」
メ(リ#゚ ー゚ノリ「なっ、テメェ――!?」
仲間が作ってくれた、攻撃の好機。
その小さ過ぎる利をほんの少しも無駄に出来ぬと、ギコは迷いも無く走った。
柄を握る手の指を引き、カートリッジを起動。
充填された魔力が、グラニードに纏わりついて濃密な青色を成す。
それは異獣に傷を負わせるに充分過ぎる程の魔力量だった。
吼え、同時に身を前へと投げ出した。
一瞬遅れ、振りかぶったグラニードが身先を天へ向ける。
メ(リ#゚ ー゚ノリ「クソったれがぁぁ!!」
(#,,゚Д゚)「喰らえぇぇぇッ!!」
そうしてギコは、敵の脳天目掛けて刃を振り下ろした。
この速度ならば。
この機会ならば。
この威力ならば。
(*゚ー゚)(いける――!)
( ゚∀゚)(勝った!!)
――全ての『人』の期待を背負った一撃が、キリバの身を直撃した。
- 160: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:51:34.70 ID:8H9+v4j70
- 響くは轟音。
多量の魔力が役目を果たそうと、標的の防御を食い破った証明だ。
続いて衝撃、そして掻き乱された大気が音を立てて散らされる。
「どう、なった……?」
誰もが結果を知ることを望む。
だが、
「――くそっ、見えねぇ」
攻撃の祭に巻き上げられた砂煙が、彼らの視線を拒んでしまっていた。
(´・ω・`)「…………」
( ゚∀゚)「完ッ璧なタイミングだったぜ、おい」
それは、砂煙の中にいるジョルジュ達も同様だった。
荒れる砂粒から目を守るように腕を上げ、警戒するように視線を巡らせる。
五秒、十秒――
破壊の音が止んでから秒を刻む度、彼らの中での不安が大きくなっていく。
(*゚ー゚)「…………」
それは、ギコに絶対の信頼を置くしぃでさえも――いや、だからこそ例外でなかった。
- 164: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:53:08.97 ID:8H9+v4j70
- (;*゚ー゚)「ギコ君……」
消え入りそうな呟きが響いた時。
「「!?」」
ぼ、という音を立てて砂煙が弾けた。
内側からの力によって散り、薄くなっていくブラウンのカーテン。
その先に在ったのは、
(メ,,゚Д゚)「……っ」
メ(リ゚ ー゚ノリ「…………へっへっへっ」
誰もが望んでいなかった、『死闘続行』という結果だった。
(;゚∀゚)「んな馬鹿な――!?」
思わぬ光景に呆けていたジョルジュが、慌てて自身の疑念を口にする。
だが、残念ながら明白だった。
見える光景は一つの事実を示している。
グラニードの刃を、キリバの左腕が防いでいるのだ。
- 167: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:54:25.15 ID:8H9+v4j70
- 盾のようにして構えられたそれは、当然のように盾としての役割を果たしていたのだ。
流石に無傷というわけにはいかなかったようで、その腕に深々と刃が食い込んでいる。
しかし、
メ(リ゚ ー゚ノリ「やるじゃねぇか……これで左腕の機能は大幅低下だぜ」
(;,,゚Д゚)「貴様は……!!」
何という怪物か。
四人掛かりでようやく生み出した攻撃が、左腕一本の中破と等価値だとは。
これまで相対したことのない敵の姿に、ギコの背中を冷たい汗が這っていく。
頭では解っていた。
異獣という存在は人の常識を超えている、と。
――だが、それに何の意味があったのだろう。
そう思えるほどの何かを、ギコは全身で感じ取ってしまった。
メ(リ゚ ー゚ノリ「あー……おかげで頭ァ冷えたぜ。サンキュー。
次は俺の番ってところか?」
動き出す怪物の目は既に獲物を捉えている。
そのあまりの死気に、咄嗟の判断が鈍ってしまうのは当然だった。
- 171: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:55:49.11 ID:8H9+v4j70
- (;,,゚Д゚)「ッッ……!!」
思わず後退してしまう。
震え掛けた足を動かせたのは僥倖か、ギコ自身の気概のおかげと言えよう。
しかし、通常ならば反撃すら考えるはずの彼が、ここまで恐怖するのは極めて稀有であった。
ここにいてはいけない。
ここにいれば殺される。
本能が鳴らす警鐘に従い、逃亡すら考えてしまう。
逃げる場所など、この戦いを決意した時から無くなっているというのに。
いや――
メ(リ゚ ー゚ノリ「さぁ、絶望の御時間だぜ……!?」
その気後れを逃すキリバではなかった。
蹴立てた地面を破砕し、逃げるギコを追う。
(;,,゚Д゚)「くそっ、何故、何故――!」
メ(リ゚ ー゚ノリ「はははははははははははっ!
滑稽だなギコ! その顔が見たかった!!」
無事な方の右腕が変形する。
生み出された形は、いわゆる『ドリル』という武装。
闘気は完全に失っていないのか、身体をこちらに向け、グラニードを盾にするギコ目掛け
メ(リ#゚ ー゚ノリ「エリュカドリルブレイカァァァァァ!!!」
まさに、必殺の技名を叫んだ。
- 177: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:57:23.54 ID:8H9+v4j70
- (;,,゚Д゚)「ッ……うぁぁ!!?」
無限に螺旋を描く円錐形金属が、青色の刀身に激突する。
甲高い削撃音を響かせるドリル。
ただ『削る』ためのそれは、多大な魔力と共に役目を果たし始めた。
即ち、ウェポンの破壊。
本来、キリバの持つ魔力とグラニードの持つ魔力には大きな差がある。
それに対しギコは、マジックカートリッジを併用することで戦っていた。
だが、今のグラニードにはマジックカートリッジが使用されていない。
久しく忘れていた恐怖心からか、使用する隙すら与えられなかったか、
どちらにせよ、ギコはグラニードをまったく強化せずに盾とした。
もはや結果など語るまでもない。
(;,,゚Д゚)「グラ、ニード……!!」
裏から見ていても解ってしまう。
傷一つ無かったはずの刀身に、歪なヒビが入っていくのを。
ドリルが一回転する毎に増えていくそれは、やがてグラニードの全てを覆っていく。
最後にギコは、1st−Wの声を心に聞いた。
――すまない、と。
その意味を悟った時。
今まで彼の剣、そして盾となっていた青色の刀身が、無惨にも砕けることとなった。
- 183: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 18:59:08.99 ID:8H9+v4j70
- (;,,゚Д゚)「あ、……――」
言った時には何もかもが遅かった。
バラバラになった刃の欠片が、引力に逆らうことなく散っていく。
もう抗えない、と言っているかのように。
軽率すぎたのだ。
勝てると思ってしまった自分が、状況が。
(;,,゚Д゚)「グ――」
名を呼ぼうとして、しかし声を収める。
既にそこまでの気力、そして意味を見失っていた。
メ(リ゚ ー゚ノリ「無様だなギコォ……さっきまでの威勢はどうした? あぁ?」
武器を砕かれた衝撃に、尻餅をつくギコを見下ろし
メ(リ゚ ー゚ノリ「だが、これで終わりと思うな。
むしろこれからが地獄の始まりだ――ぜッ!!」
語尾が強められた証拠として、キリバの巨腕が落ちる。
堅いモノが折れる音。
同時、ひゅ、という細い声を喉から出しつつ、ギコは見る。
己の両足――その膝が、キリバの拳によって逆方向に折れ曲がったのを。
- 188: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:00:22.84 ID:8H9+v4j70
- (;,,゚Д゚)「ぐ――ッッ」
メ(リ゚ ー゚ノリ「俺の死に様はよぉ、ギコ」
(;,, Д )「あああああああああああああああああああああああああああっ!!!??」
メ(リ゚ ー゚ノリ「テメェの『技』による両足切断だったんだわ――って、聞こえねぇか」
まぁいい、とキリバは笑った。
復讐の時間はまだまだ残されている、と。
そして
(*;ー:)「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
しぃの悲痛な叫び声が聞こえたのは、直後だった。
- 191: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:01:27.31 ID:8H9+v4j70
- (;´・ω・`)「そんな――!?」
ありえない。
この中で最大戦力ともいえるギコが呆気なく、文字通り潰された。
現状を生み出したのはキリバ自身の力だろう。
敢えて力を絶妙に隠しておくことで、調子に乗った敵を誘き寄せる。
容易に逃げられぬ範囲に入った時、ようやくその牙を剥くのだ。
まさに必中滅敵。
言動から、それほど知能は高くないと思われていたのだが
実のところまったくの逆であった。
しかし異獣にしてみれば、あれで低い方なのかもしれない。
連中は生物の中での最強を目指し、そして常に最強を名乗る怪物。
この世界の、いや、人の知で計れる存在ではない可能性の方が高い。
とにかく、ただ一つだけ言えるのは、
こちらがキリバを倒せる確率が極端に低くなった、という冷徹な事実だけだった。
- 194: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:02:41.14 ID:8H9+v4j70
- 戦慄するショボンの隣で、ジョルジュが歯を噛む。
彼もまた、ギコが倒されたことに少なからず恐怖しているのだろう。
全滅。
そんな言葉が脳裏に浮かぶ。
やはり、人は異獣に勝てないのか。
戦う前よりも濃厚な絶望が、東軍全体を覆い始めていた。
(;´・ω・`)(でも――!)
それでは駄目だ、とショボンは強く思う。
元より敗北する確率の方が高い戦闘。
例えそうであっても皆、震える身体を抑え付けて戦い始めた。
故にここで諦めるくらいならば、もっと遠い過去に諦めているはず。
まだ抗わなくてはならない。
手段は無いが、意思が有る。
力は無いが、心が有る。
だから、きっと、
( ゚∀゚)「――ショボン」
- 202: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:04:24.88 ID:8H9+v4j70
- (´・ω・`)「……ジョルジュ?」
( ゚∀゚)「俺がアイツを何とかして止める……だから、お前が何とかしてくれ」
(´・ω・`)「今までの光景を忘れたとでも言うのかい?
君がやろうとしていることは自殺行為だ」
冷静だからこその意見。
このまま無為に抗えば、無駄に戦力を削られるだけだ。
何か決定的な手段が用意出来るまで防戦に徹するべき――
(#゚∀゚)「死ぬのを恐れちゃ倒せねぇだろ……!
俺達は、そういう敵と戦おうとしてんだろう!?」
(´・ω・`)「……それは」
(#゚∀゚)「だったらやるしかねぇ。
モタモタしてたら、あのデケー鏡までやられちまう」
(´・ω・`)「……正論だね」
確かにジョルジュの言う通りである。
しかしそれでも彼を止めたいショボンに、残念ながら有効な理屈は存在していなかった。
( ゚∀゚)「いいか? 俺が奴の足を何が何でも止める。
お前は、奴が俺だけに集中した瞬間を狙って――」
言いながら、ショボンの左手指にはめられた指輪を見る。
(´・ω・`)「――奴の頭をミストランの刺突で打ち抜く、だね?」
- 207: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:06:10.71 ID:8H9+v4j70
- 異獣とて生物。
心臓や脳髄も持っているはずだ。
ならばそこを破壊すれば、致命的なダメージを与えられるかもしれない。
幸いにも、ミストランは接近する手間を省くことが出来る武装。
『不意打ち』であるならばヒットする確率も普段より高くなる。
半ば希望的観測ではあるが、現状で出来ることを考えれば――
(´・ω・`)「…………」
( ゚∀゚)「いいな?」
(´・ω・`)「……理性では『それが上策』と言ってる。 でも感情は真逆だ。
僕は君を死なせるような策に手を貸したくない」
(;゚∀゚)「うぇ!?」
本当に驚いたのか、軽く目を見開くジョルジュだが、
(;゚∀゚)「まぁ、冗談だろうけど嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。
でもだったら――だからこそ、ここで死ぬわけにはいかねぇだろ?」
- 208: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:07:32.39 ID:8H9+v4j70
- 正論だ。
正論過ぎて悲しくなってくる。
いつも変なことしか言わないくせして。
いつも楽しそうな顔で嫌味を言うくせして。
(´・ω・`)(なのに、どうして――)
どうして、こういう時だけ正しいことを言う。
反論したくても出来ないではないか。
( ゚∀゚)「なぁに、気にすンなよ! 俺様の強さはお前も解ってるはずだ!」
充分過ぎるほど解っている。
あのキリバ相手に、太刀打ちすら出来ないということくらい。
そしてジョルジュ自身も同じように思っているはず。
しかし、ショボンは言うしかなかった。
(´・ω・`)「……解った」
と。
- 211: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:08:40.52 ID:8H9+v4j70
- ( ゚∀゚)「頼むぜ。 もし倒せたらお前がヒーローだ」
ふざけるな、という言葉を無理矢理に呑み込む。
ヒーローという称号なんか要らない。
柄ではないし、既にバーボンハウスの店長という肩書を背負っているのだから。
代わりにミストランを開放し、手にとって掲げて見せる。
満足げに頷いたジョルジュは、まだ修復途中のユストーンを握り
( ゚∀゚)「行ってくンぜ」
一度も振り向くことなく、駆けて行った。
(´・ω・`)「…………」
- 214: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:09:46.37 ID:8H9+v4j70
- (;,, Д )「――ぐぁぁぁああ!! あ、あああぁぁぁ!!!」
メ(リ゚ ー゚ノリ「うぇっへっへ」
さてどうしてくれようか。
痛みにもがくギコを前に、キリバは貪欲な――もはや変質者レベルの――笑みを浮かべる。
これだ。
世界を渡り、数々の生物を食らうだけの生の中。
キリバにとって、この瞬間こそが唯一の楽しみであった。
自分を殺したギコの同一存在を殺す。
無限に繰り返される復讐は、いつしか多大な快感を生み出すようになっていた。
輪廻転生など絵空事であるこの世の中、己の仇を好きなだけ討てる自分は幸いだろう。
メ(リ゚ ー゚ノリ「へへ、へへへへへへへ」
次は何をしてやろうか。
もはやギコには右腕しか残っていない。
軽く千切ってやるもの容易だが、それでは『抵抗』という手段を奪い取ることに等しい。
それでは勿体なさすぎる。
- 218: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:11:30.18 ID:8H9+v4j70
- 無抵抗にするのは殺す直前。
それも遊び飽きた時にすることだと決めているキリバは、
メ(リ゚ ー゚ノリ「んん〜成程、たまらんね」
(*;ー;)「ギコ君! ギコ君!?」
こちらに向かってくるしぃを、ターゲットと見定めようとしていた。
バレないように右腕を操作する。
別に攻撃されると解っていても彼女は向かって来そうなものだが、念には念を入れて損はない。
ここでしぃの頭でも胴でもブチ抜けば、ギコは更に絶望へ堕ちていくことだろう。
メ(リ゚ ー゚ノリ(それって最高じゃねぇか……!)
楽しみで仕方がない。
思う心は偽りなく興奮している。
ならばやることは一つのみ――
(;,, Д゚)「――っあああぁぁぁ!!!」
メ(リ゚ ー゚ノリ「!?」
身の毛も弥立つ獣のような叫びと同時、ギコが動いた。
跳ねるように上半身を起こした彼は、そのままキリバに殴りかかろうとするが
(;,, Д )「っがぁぁ!? ううおおおぁあああ……!!」
メ(リ;゚ ー゚ノリ「お前、馬ッ鹿じゃねーの?」
- 221: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 19:12:40.45 ID:8H9+v4j70
- 何せ両足が折られているのだ。
ほんの少しの振動でも激痛が走るというのに、
あんな勢いで起き上がったりすれば、発狂するほどの痛みが走って当然である。
(;,, Д゚)「しぃには、しぃには……ぐぅぅうう!!」
絞り出されるような声を聞き、成程、とキリバは手を打つ。
どうやらこの男、最愛の人を護るためならば自身さえも省みるつもりはないらしい。
そこまでする価値があるのかは理解出来ないが、だとすれば利用しない手はない。
メ(リ゚ ー゚ノリ「よーし、だったらあの女からヤってやるよ」
(;,, Д゚)「き、さまぁぁああああ!!!」
最初からそのつもりだったけど、と心の中で付け加える。
それにしても面白い。
そして愉快だ。
激痛に狂っているかと思えば、しぃを殺す旨を伝えると怒り狂う。
どちらにしろ狂っているわけだが、どちらかと言えば後者の方が見る分に飽きない。
戻る/次のページ