( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

384: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:01:18.78 ID:8H9+v4j70
(メ,,゚Д゚)「……っ」

まどろみにも似た暗闇の沈殿から、己の意思を引き上げた。
示すように瞼が開き、霞んだ光景が目に入ってくる。


――ずきずきと痛む頭。


どうやら仰向けに倒れているらしい。
忌々しい赤い空が見え、しかし地平も見えることから、
どうやら誰かが頭を支えてくれているようだった。


――ふつふつと煮滾る血液。


その視界で見る。
あり得ぬ方向に捻じ曲がってしまっている両足を。


――ちりちりと焼けつく神経。


認識した瞬間、燃えるような熱と激痛が上半身へ這い登ってきた。
己の身に何が起きたのかを思い出し、

(メ,,゚Д゚)「くそっ……何だ、この有様は……」

と、強く呟いた。



389: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:02:52.88 ID:8H9+v4j70
(*;ー;)「ギ、ギコ君!? 大丈夫!?」

意識の覚醒に気付いたか、ギコの頭を膝に乗せていたしぃが安否を問う。

(メ,,゚Д゚)「……すまない、しぃ。 やられてしまった」

(*;ー;)「そんな……! ギコ君が無事だっただけでも!」


――あぁ、だから俺はお前が好きなんだ。


声には出さず、ギコは小さく笑みを浮かべた。

周囲には音と人の気配がある。
あまりの激痛に意識を失い、そのまま退避させられたらしい。
てっきり殺されるとばかり思っていたが、
おそらくジョルジュ辺りが何とかしてくれたのだろう。

だが、長くは保つまい。

キリバと直接切り結んだギコは、敵の実力を嫌というほど感じ取った。
アレにまともに対抗出来る者など軍神くらいではなかろうか。
そんな結論を嫌々ながらも認め、現状を確認するために身体を動かそうとして、

(;,,゚Д゚)「――っぐあぁ!」

しかし、脳髄へ直撃した激痛に身を強張らせた。



400: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:05:40.53 ID:8H9+v4j70
その無謀な行為に、少し離れていた医療兵の女性が慌てた。

「動かないで下さい! 誰か痛み止めと鎮静剤を早く持ってきて!」

どうやら、気を失ってから未だそれほどの時間は経っていないらしい。
まだ騒がしいことから、担ぎ込まれた直後のようだ。

(メ,,゚Д゚)「だったら僥倖だ……」

(*;ー;)「え――」

(メ,,゚Д゚)「この痛みがある内にヤツを倒す……!」

心が壊れそうだった。

いや、既にかなり削られている。
破片と化した何かが、音を立てて跳ね回っているのが解る。
その度、意識にノイズのような亀裂が入っていた。

もう自分は自由に歩けない身体になってしまった。
もうしぃを護ることすら出来ない身体になってしまった。

ならばせめて、この灼熱の激痛が存在する内にキリバを倒す。
そうでもしなければ、心が発する痛みに耐えられそうになかった。

(;,,゚Д゚)「ぐっ……おぉ……!」

矛盾しているのがギコ自身、果たして解っているかどうか。
頭が熱と痛みに侵され、正常な判断を下せなくなってしまっているのだ。



407: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:07:30.83 ID:8H9+v4j70
(;*゚ー゚)「駄目だよギコ君! 絶対に駄目……!!」

(;,,゚Д゚)「大丈夫、だ……!! すぐに、すぐに終わらせて――!」

鬼の形相とはこのことを言うのだろう。
何かにとり憑かれたかのように、動かせる部分と動かせない部分を確認しながら

(;,, Д )「――っあぁあぁあぁぁぁ!!!」

「そ、そんな……!?」

上半身を、自力で起こした。

それだけの動作でも気が狂うほどの激痛が走るはず。
脳内麻薬などで軽減されるだろうが、だとしても強烈だ。
そもそも己の両足が砕かれている光景を見て、衝撃を受けない人間はいない。

しかしギコは動こうとする。

それがどうした、と言わんばかりに右腕に力を籠める。

(;,,゚Д゚)「……グラニード?」

そこでようやく、今まで在ったはずの感触がないことに気付いた。
震える首を動かし、右手指に何もはめられていないのを確認する。

いつもは見える青の色が、そこには無かった。



413: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:09:26.75 ID:8H9+v4j70
不思議そうに視線が泳いだと思った次の瞬間、その目が軽く見開かれた。

(,, Д )「あぁ――そうか。
     俺は、もう何も……」

深く息を吐き

(#,,゚Д゚)「だが、それでも――!!」

諦めでも悲しみでもない、闘気の篭もった溜息が吐き出された。

キリバの標的はギコである。
ジョルジュ達がどれだけ奮闘出来るか解らないが
その後、確実にギコの命を狙いに来るだろう。

だとすれば――

(;*゚ー゚)「ギ、ギコ君……?」

そう、しぃが一人ぼっちになってしまう。
ギコが殺されてしまえば、彼女は一人残される。
家族を失くし、雨の中で泣いていたしぃに戻ってしまう。



416: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:10:39.92 ID:8H9+v4j70
(#,,゚Д゚)「――ッぐおおぉぉぉ!!」

それだけは許容出来なかった。

もう二度と離れるわけにはいかない。
離別だろうが死別だろうが、しぃと離れることが許せない。

(メ,, Д )(だが、だが……俺には……)

左腕がない。
両足がない。
武器がない。

残るは右腕のみだが、それを司る身体は熱と激痛によって動くことをしてくれない。


何も、出来ない。


ぎり、と音を立てて歯を噛んだ。
口の端から血が流れ出ようとも、ギコは怒りに身を震わせる。

何も出来なかった己が許せないのか、何も出来なくなった己が許せないのか。



420: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:12:24.36 ID:8H9+v4j70
(*゚ー゚)「…………」

誰もが悲痛とも思える姿に、しぃは一つの考えを生んでいた。
それは昔に思った誓いで、今までロクに表現出来ていなかった言葉。

(*゚ー゚)「――ギコ君」

(メ,,゚Д゚)「…………」

(*゚ー゚)「ギコ君は、どうしたいの?」

「あ、貴女何を――」

嫌な予感を受けたのか、医療兵が間に割って入ろうとする。
だが、しぃはそれを右手で制した。

(*゚ー゚)「…………」

(メ,,゚Д゚)「俺は……」

呟かれるように、しかし力強く

(メ,,゚Д゚)「――俺は、戦いたい。
     出来るならばアイツを倒して、勝ちたい」



430: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:14:16.90 ID:8H9+v4j70
そっか、としぃは頷き

(*゚ー゚)「だったら私がギコ君を助けるよ。
     助けるから――」

立ち上がる。
その手をギコに差し出して、言った。

(*゚ー゚)「行こう? ギコ君が求める結果を得に――」

(メ,,゚Д゚)「しぃ……それは」

聖母と言える優しい笑みに、ギコは複雑な表情を返した。

それは、ギコが待ち望んでいたかもしれない言葉だったから。
しかし逆に、最も聞きたくなかったかもしれない言葉だったから。

――戦いたい。

だが、それはしぃの手を借りるということ。
危険だらけの戦場に、むざむざ連れて行くことになる。
大切だからこそ安全でいてほしい気持ちは万人共通だろう。

そんな意図を表情から読み取ったのか、しぃは俯いて首を振った。

(*゚ー゚)「今度は私が助ける番だから。
     ううん、それを抜きにしても私はギコ君の力になりたい。
     だって……だって私は――」

その言葉を聞いた時、心に再度、真っ赤な炎が宿るをのギコは自覚した。



433: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:15:18.23 ID:8H9+v4j70
メ(リ゚ ー゚ノリ「やれやれ……どーっすっかなぁ」

軽く欠伸をしつつ、キリバは身を伸ばす。
が、その表情は未だに晴れない。

先ほどまでの攻防で、ほとんどの障害を片付け終わってしまったわけだが、
胸にこびり付く物足りなさを拭い切れないでいるのだ。

殺すべき敵を殺していないのだから当然である。

メ(リ゚ ー゚ノリ「さて、愛しのギコに会いに行くとすっか」

これが本当に最後の仕事となるだろう。
とはいえ、もっといたぶって、もっと苦しませてから殺すつもりだ。
時間はあればあるほど良い。

周囲を見渡す。

ジョルジュ達に邪魔をされてしまい、有耶無耶の内にギコを見失ってしまった。

おそらく味方陣へと救出されたのだろう、と思い
ならば片っ端から蹂躙すれば行き当たるだろう、と結論付ける。

メ(リ゚ ー゚ノリ「ははっ、いわゆる宝探しってわけだ。
       この場合、砕くのは地面やモンスターじゃなくて人の壁だろうがね」

もはや自分を邪魔が出来る者は存在しない。
故に一歩を踏み出したキリバの気配は、余裕と油断に満ちていた。

それを砕かんとする復讐者――リヴェンジャーが狙っているとも知らずに。



438: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:16:29.76 ID:8H9+v4j70
異変は次の瞬間だ。

キリバの足元にある塵が、何処からか吹いてくる風によって散らされる。
その軌道は単純で、キリバを中心に外へ向かって螺旋を描くように。

メ(リ゚ ー゚ノリ「んだ、こりゃあ――」

声を阻む風切音。
直後、光が場を包んだ。

爆発。

天から光柱が伸びたと思えば、その先が地に落ちた途端に大衝撃を引き起こしたのだ。

『砕く』という力を刻まれた光。
それが、範囲内の全てを砕き尽くすため身を躍らせる。
反応するように次々と石が砂と化し、砂が塵と還っていく。

揺さぶる衝撃は十秒も続かない。

にも関わらず、キリバのいた地点には小型のクレーターが出来上がってしまっていた。



445: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:17:46.40 ID:8H9+v4j70
その結果を、レモナはコクピットの中で見る。

|゚ノ#^∀^)「…………」

狙いは完璧だった。
相手が油断したところを容赦なく撃った。
最大のチャンスを、最大限に活かせた自信がある。

だが、彼女の硬い表情は解けることがない。

本能が警告している。
まだ油断してはならない、と。

|゚ノ#^∀^)「……っ」

メインウインドウに取得した情報が流れた。
そのどれもが、『命中』という結果を示している。

しかしそれらを見ても、レモナは緊張を解くことはしない。

|゚ノ#^∀^)「何処に……」

代わりに命中地点をズームアップし、食い入るように睨む。
死体を確認しなければ決して安心など出来ない相手だからだ。



453: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:19:16.49 ID:8H9+v4j70
魔力の残滓はある。

砲撃した分。
キリバが発していた分。

だが肝心の、キリバ自身がそこにはいなかった。

ちり、と何かがレモナの神経を焼いた。
生まれた焦燥に心が駆られ、反応した身体が汗を吹く。
嫌な予感が止まらず、そして嫌な空気が機体を包ん赤だと直感した。

|゚ノ;^∀^)「ッ!?」

瞬刻に見た。
右サブウインドウ、つまり機体の右方を映し出す画面に


――赤色が見えた!?


まるで蛇が岩陰に逃げ込むような一瞬だ。

気のせいではない。
あの尻尾のような赤に近いものを、キリバは後頭部から髪として垂らしていた。

直感が言っている。
すぐさま警戒しろ、と。



457: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:21:15.37 ID:8H9+v4j70
|゚ノ;^∀^)「いる……奴は既にこの機体に――!?」

直後、激震。
背中に砲撃を受けたかのような衝撃に、レモナの身体が揺さぶられる。

危険を示すアラート。

見れば、機体を浮かせているスラスターの一部が破壊されていた。

|゚ノ;^∀^)「くっ! 姿を見せなさい!!」

慌てて背後へ振り向くも、既に敵の姿はない。
実は長距離からの砲撃だったのか、と頭が都合の良い解釈を生むのを
レモナは首を振って阻止した。
だが、

|゚ノ;^∀^)「うぁっ!?」

今度は真上からの一撃。
おそらくリベリオンの首に入ったと思われる攻撃は
警戒音を誘発させ、シートに座るレモナの身体と脳をシェイクする。

メ(リ゚ ー゚ノリ『はっは! 空からの狙撃なんぞ卑怯じゃねぇかぁ!?』

メインウインドウに顔が映った。
それはキリバの笑みで、メインカメラの鼻の先にいることを示している。



463: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:23:21.55 ID:8H9+v4j70
|゚ノ;^∀^)「このっ!」

メ(リ゚ ー゚ノリ『そんな奴には御仕置きをしてやらねぇとならんね!』

左腕の薙刀を振るう前に機体が、がくん、と固く揺れる。
何をするつもりかと問いかける暇さえなく視界がブレた。

|゚ノ;^∀^)「ゃ……っ」

気持ち悪い浮遊感が身を包んだかと思えば

メ(リ゚ ー゚ノリ『まずは引き摺り落としてからだけどなぁ――!!』

一気に、機体ごと真下へ『投げ』られた。

|゚ノ;^∀^)「――ッきゃあああああああぁぁぁぁ!!?」

速度にして時速三百キロメートル超過。
キリバに悟られぬための高度が逆に仇となった。
通常よりも遥かに速く鋭い落下は、纏う魔力の恩威さえも無効化してしまう。

巨大な振動。

抵抗する暇もなく、リベリオンは東の大地へと叩き付けられた。

|゚ノ; ∀ )「ううぁッッ!!?」

金属の拉げる音が轟くと同時
骨の芯まで響く衝撃に、レモナは易々と意識を手放してしまった。



466: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:24:54.28 ID:8H9+v4j70


――何も、出来なかった。


あの時。

ミカヅキとミツキが殺された瞬間、彼女はただ泣き叫ぶことしか出来なかった。
赤い髪の男がこれ見よがしに笑っているのを、ただ下から睨むことしか出来なかったのだ。


だからなのか、彼女は力を求めた。


元々から剣術に秀でてはいたが、その程度で異獣を倒せるとは思っていない。
故にリベリオンを復讐するための材料に選んだ。
つまりあの決戦準備の時から、彼女は既に復讐鬼と化していたのだ。

しかし、それを見逃してしまったレインやシューに罪はない。
極力悟られぬよう振舞っていたのだから。


唯一、気付いていたのはモナー。


以前からの彼女をさほど知らぬが故に、
そして教師としての天性の資質が、彼女の本心の糸端を掴んでいた。

結果、モナーはその糸を手繰り寄せることが出来なかったものの
レモナ自身は心の中で彼に感謝していた。



473: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:26:36.52 ID:8H9+v4j70
だが、どういう感謝しているのか、という問い掛けには答えられない。

何かが嬉しかった。
確固たる根拠なんかなかった。
ただ何かが満たされた気がしただけ。

それでも、微かな救いとなったのだ。

復讐というドス黒い絵画に一点だけ染み渡る白色のような。
塗り潰すにはまったく足りぬ量ではあるが、『在る』という事実こそが大切だった。


復讐は止めない。


けれど、為すために自分を捨てようなどと思うのは止めよう。

復讐が終わり、黒色が全て除かれた時。
隅に残った白色を手に、先を得たいと思えたから。

過去は捨てない。
けれど未来も捨てない。

だから、生きる今に全力を尽くす。


彼女を置いて逝った彼らだって、それを望んでいるはずだから。



477: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:28:23.52 ID:8H9+v4j70
ぎぎ、という不快な音が鼓膜を叩く。
がが、という不吉な音が意識を叩く。

|゚ノ -∀-)「……ん」

朦朧とする視界が、段々と現実味を帯びてきた。
未だ覚醒直後特有の生温さが精神を包んでいる。
だが、元いた世界での訓練の賜物なのか、レモナは意識的にその靄を払った。

ぎぎ、という不快な音が鼓膜を叩く。
がが、という不吉な音が意識を叩く。

|゚ノ;^∀^)「何の音……?」

ふと動いた手はコンソールを叩き、システムチェックを起動させる。

ぎぎ、という不快な音が鼓膜を叩く。
がが、という不吉な音が意識を叩く。

各関節部に少し異常が見られた。
だが、内蔵魔力で充分に補えるレベル。
中枢機器類も大きなエラーは起こしていないようだ。

ぎぎ、という不快な音が鼓膜を叩く。
がが、という不吉な音が意識を叩く。

では、先ほどから響くこの音は何なのだろうか。



480: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:29:30.06 ID:8H9+v4j70
では、先ほどから響く音は何なのだろうか。

|゚ノ;^∀^)「――!!」

見る。
機体ステータスを映すサブウインドウ。
胸部装甲板に深刻なダメージが発生している、と示されているのを。

冷たい悪寒。

機体を覆う装甲板の損傷など日常茶飯事であるはず。
まずこれが壊れてから、各部に異常が見られることがほとんどだ。
本来ならば『いつものこと』だとして、あまり気にしない項目である。

だが、覚えがあったのだ。
ミカヅキとミツキが殺された時、アイツは何をしていたか。

目を見開き考えるレモナの頭上から、一際大きな金属が拉げる音が響く。

……やはりか!

徐々に大きくなる異音に、レモナは確信を得た。
すぐさま機体を動かすためレバーを――

|゚ノ;^∀^)(――でも)



484: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:31:17.15 ID:8H9+v4j70
過去を思い出す。
同じように取り付かれた彼らも、機体を動かして対処しようとした。

|゚ノ ^∀^)(でもそれは通じなかった……!)

抵抗虚しく中身を露出させられた彼らは、
そのまま身動きをとれずに砲撃を受けて死んでいる。
ならば、ここで機体を動かすという選択を選ぶのは間違いではないか。

|゚ノ#^∀^)(――だったら!!)

身体をシートに固定するためのベルトを外し、腰元に備えていた剣を手に取る。
空いた手はコンソールを叩き、ある動作を行なうよう命令した。

空気が抜けるような音。
同時、正面の四隅から光が漏れ入り、それが徐々に拡大されていく。
自分からコクピットハッチを開いたのだ。
しかも

メ(リ゚ ー゚ノリ「うぉ!?」

勢いよく放たれるハッチは緊急離脱指定のためだ。
外部から引き剥がそうとしていたキリバの腕がすっぽ抜け、素っ頓狂な声を上げる。

|゚ノ#^∀^)「そこぉぉぉぉ!!」

既にシートから身を剥がしていたレモナは、剣の切っ先をキリバ目掛けて放った。
受け身で好き勝手やられるのならば、己から向かっていく方がマシだという判断からだ。



488: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 20:32:40.76 ID:8H9+v4j70
果たして、その目論見は

メ(リ゚ ー゚ノリ「っとぉ!」

容易い回避によって潰れることになる。

|゚ノ;^∀^)「くっ……!!」

メ(リ゚ ー゚ノリ「俺がわざわざ装甲を剥がす理由の一つがこれだ。
      内部の人間はこうやって攻撃するくらいしか残されてねぇからな。
      奇襲を受けずに簡単に殺せるって寸法さ」

突き出された剣の刀身を掴んで引く。
当然、それを握っていたレモナの身体も持ち上げられることとなる。

|゚ノ;^∀^)「離しなさい!!」

メ(リ゚ ー゚ノリ「やなこった。
      しっかしまぁ、割と期待してたんだが……とんだ外れを引いたもんだぜ」

|゚ノ;^∀^)「何ですって……!?」



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