( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 756: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 21:25:17.47 ID:8H9+v4j70
- (メ,,゚Д゚)「ちィ……レモナ! 間に合わんか!?」
『あとちょっとなのに……!!』
メ(リ#゚∀゚ノリ「まずはテメェから殺してやるよギコォォォォ!!」
(;,,゚Д゚)「ここまで来て――!!」
もはや目前まで迫る異獣に、思わず目を瞑りそうになった時、
メ(リ;゚∀゚ノリ「――っがぁ!?」
その全身に、合計十本もの鎖が絡みついたのを見る。
四肢はおろか腰や首に至るまで縛り付けられたキリバは、完全に身動きを封じられた。
それぞれの鎖の出所は、やはり空間を割いているようだった。
(#゚∀゚)「諦めンのがちょっと早くねぇかぁ!?」
(;,,゚Д゚)「ジョルジュか!!」
(#゚∀゚)「最後の最後まで役に立ちませんでした、じゃアイツに顔向け出来ねぇしな!
だったら意地ってもんを見せてやろうじゃねぇかぁぁああ!!」
刀身と化したリベリオンの切っ先に、いつの間にか立っていたジョルジュ。
五指を広げ、束縛する鎖に魔力を注ぎ込み続ける。
先ほどまでのものとは比較にならないほどの力強さだ。
- 770: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 21:27:11.80 ID:8H9+v4j70
- メ(リ#゚∀゚ノリ「テメェ、まだこんな力を隠し持っていたってのか!?」
(#゚∀゚)「自分でも知らなかったんだがな!
んでもって、わざわざ引っ張り出してくれたのはテメェだ!!」
メ(リ#゚∀゚ノリ「余計なモンまで目覚めさせちまったかよ……!
だが、こんなものぉぉぉお!!」
己の身体すら省みずに脱出を図ろうとするキリバ。
彼の持つ狂気じみた力と、限界を超えたユストーンが、全力を以ってぶつかり合った。
しかし、
(;゚∀゚)「ってぇぇぇ!?」
信じられぬことに、この状況下においても尚、上回っていたのはキリバだった。
ばき、と一本一本千切れていく鎖。
その度に同じ音を立て、力を込めている指が折れ砕ける。
(# ∀ )「……ッ、けど、けどよぉ――」
しかし、ジョルジュは諦めない。
むしろ追い詰められていくと同時に、歯を剥いて唸り声を上げる。
それは心の底からの抗いを表現していた。
(#゚∀゚)「帰るって決めたんだ……やっと居場所が掴めそうなんだ……!
だから俺は絶対に勝つんだよ!!」
- 783: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 21:28:39.06 ID:8H9+v4j70
- メ(リ#゚∀゚ノリ「望みだけで勝てると思えるんならテメェは欠陥品だぜ――!!」
(#゚∀゚)「ッ……」
メ(リ#゚∀゚ノリ「今もこうして、テメェの望みとやらは一本ずつ引き千切られてらぁ!
全ては力の前に平伏すだけの夢想だ! クソの役にも立ちはしねぇ!」
思うだけなら誰にだって出来る。
願うだけなら誰にだって出来る。
望むだけなら誰にだって出来る。
容易く出来るからこそ、それは脆く、儚いもの。
しかも現実とは残酷なもので、実際に叶えられる者など稀有に等しい。
叶わぬ理想なんか無駄だと、初めから希望を持たない者すらいる。
(#゚∀゚)「けど――!」
だからと言って諦めるのが正しいとは思えない。
それを追い掛け求めた過程が、無駄だとは言われたくない。
望む結果が来ないのならば――
(#゚∀゚)「思うだけじゃねぇ……!
望んだ結果なんか、ちゃんと自力で引き寄せてやる!
それが、それが人間として生きるってことなんだよ……!!」
メ(リ#゚∀゚ノリ「っは――つまらねぇな!!」
悲痛とも言える叫びに、キリバは更に笑みを歪めた。
敵の能力を封じるのならば心を折る方が早い。
このまま反論していけば、全ての鎖を千切るまでもなく――
- 790: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 21:30:11.62 ID:8H9+v4j70
- (メ,,゚Д゚)「――よく言った、ジョルジュ」
(#゚∀゚)「え……」
メ(リ#゚∀゚ノリ「なっ……」
しかしその前に、キリバは己の背筋が冷えるのを自覚してしまった。
(メ,,゚Д゚)「これで終わりにするぞ……!」
そこにそびえているのは巨大な剣。
青色の機械刀身が魔力の渦を掻き集め、切っ先を天へ向けて立っている。
メ(リ ゚∀゚ノリ「こりゃあ――」
駄目だ、と本能的に思う。
受け止められるレベルではないし、逃げられる余地も残されていない。
全力でガードすることにより即死か苦死かだけを選べそうな、そんな威圧感を得てしまった。
この時点で状況は敗北。
精神の方などは完敗を喫している。
恐ろしくて恐ろしくて、逆に笑い転げてしまいそうだった。
- 799: ◆BYUt189CYA :2007/12/29(土) 21:31:44.80 ID:8H9+v4j70
- (メ,,゚Д゚)「貴様は確かに強い」
圧倒的な力を持つ剣を右手で支えていたギコは、静かに言い放ち
(メ,,゚Д゚)「だが、それだけだったんだ」
無情にも、その巨大な刃を振り下ろした。
メ(リ ゚∀゚ノリ「は、はは、ははははははは」
迫る。
切断するためだけの武装が、もはや逃げられぬタイミングで。
メ(リ;゚∀゚ノリ「ははははははははははははははははははははははははは――」
全てが終わると悟ったキリバは、今までの中で一番嬉しそうな笑みを浮かべ
メ(リ゚ ー゚ノリ「――最ッ高だわ、テメェら」
その顔面ごと、真っ二つに断ち切られた。
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