( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

191: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:42:46.06 ID:6/Vur52L0
('A`)「……フサギコさん、これで納得してくれたッスか?
   だから俺は、これ以上の苦しみを続かせないためにもツンを殺すって言ったんだ」

指輪化した7th−Wを拾い、再び銃の形を復活させる。

('A`)「俺だって最初は助けたいと思った。
    けど、無理だった。
    あんなに泣いてるツンは――いや、苦しんでいる人間は初めて見た」

('、`*川「……でしょうね」

('A`)「俺はツンが好きだ。 きっと大好きだ。
   アイツが不幸になってるのを見てなんかいられない」

銃身を水平に構えてスコープを覗いた。
丸くなった視界の中、『助けられる』と思っていた最愛の人を捉える。

('A`)「だから、早く死なせられるように頭を狙った。
    でもパワーが足りない。 次は限界突破を使ってでも――殺す」

下手に生かして苦しみを長引かせ、助かるかも解らない可能性に賭けるよりも
今、この場での救済を――『死』という無に帰す方法での解放を、ドクオは選んだのだ。



198: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:44:11.85 ID:6/Vur52L0
彼の瞳に希望は無く、既にツンの生存を諦めている色だけが在った。

そのことに対する憤りは出なかった。
あの悲痛な声を聞いて、フサギコ自身も『そうすべきだ』と僅かに揺らいだからだ。
あれだけ助けると誓ったはずの心には、既に希望などという都合の良い支えは存在していない。

ミ,, Д 彡「……ッ」

やはり自分は無力なのだろうか。
幼少の頃から世話をしてきて、家族同然だと思い、そして思われてきた彼女を
『確実に助けることが出来る』と声高に断ずることは不可能なのか。

残念ながら、答えは肯定である。

解決へ導くためのテクノロジーやファクターを持っていない自分達に
異獣の呪縛に捕らわれた彼女を助けることなど出来ない。

そもそも、彼女がどういう状態にあるのかすら解っていないのだ。
ツン自身の身体が別の場所に保管されているのならまだしも
もし、異獣の遺伝子や組織と混ぜ合わせて作られているのならば、助けようがない。

仮に身体は無事だったとしても、
銀髪の女に入っているツンの精神を、どうやって元の身体に移せば良いのか。
そんな技術が四世界に存在しているのか。

从ξ゚ -゚ノリ「…………」

美しいとすら思える銀髪の中、一房だけ残る金のロールした髪。
それが、全てを物語っているようにも見えた。



203: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:45:50.30 ID:6/Vur52L0
('、`*川「仕方ないこととして諦めるのは無理だと思う。
     でも、割り切らなきゃならない時もあるわ」

ミ,, Д 彡「……それが今だと言うのですか。
      何故、今なのですか」

('、`*川「今だから、としか言いようがないわね……残念だけど」

傍で聞いているはずのドクオは会話に参加しない。
意識を集中させ、銀髪の女へ殺意を向けているだけだ。
肝心の殺意は荒削りで、まだまだ鋭いとは言えない。

だが、フサギコには解っていた。
ドクオの放つ殺気は素人のそれだが、驚くほど質が硬くなっているということを。

それだけの覚悟なのだろう。
二年前までは殺し合いなどとは無縁だった青年が、逃げ出さずに精一杯の勇気を出した答え。
たとえ誰も納得出来ないモノだとしても、その行為自体を非難することなど出来るわけがなかった。

ミ,, Д 彡(だと言うのに、私は――)

まだ迷っている。
いや、違う。
現実から目を背けているのだ。

目の前に正しい現実がありながら、『それは違う』と押し退けようとしているだけだ。
その先に何もないことを知っているというのに。



214: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:47:55.33 ID:6/Vur52L0
ミ,, Д 彡「私は……私は、どうすれば……」

('、`*川「何もしなさんな」

ミ,, Д 彡「…………」

('、`*川「それとも、あの子を自分の手で殺す?」

ミ,, Д 彡「…………」

('、`*川「……私としては、それを貴方にさせたくない。 悲しいから。
     だったら覚悟した人間と、関係が薄い私達がせめて、ね」

もはや流れは変わらない。
銀髪の女を――その中にいるツンを殺さなければ、西軍は勝利することが出来ないのだ。

忘れてはならない。
この戦いは、ツンを救出するためのものとは違う。
異獣の脅威を振り祓うための戦争だ。

一番の目的を果たすためならば、その他の問題は全て無視、及び捨て去らなければならない。
そうしなければ勝てない相手だと全員が理解しているし
だからこそペニサス達も感情を出来るだけ殺して、己のやるべきことをやろうとしている。

だが、何故――何故、運命は死すべき人にツンを選んでしまったのだろう。

何も悪いことなどしていないはずなのに。
ただ不幸が重なっただけなのに。
罰せられるべきは他にもいるだろうに。



218: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:49:41.51 ID:6/Vur52L0
ミ,, Д 彡(…………)

何故。
どうして。
何の為に。

グルグルと回る思考。
出口を見出すことの出来ない疑問。
理不尽さを訴えようにも、訴える先がない焦燥感。

熱い。
心が、身体が熱を生んでいく。

その熱によってか、フサギコの覚悟が段々と溶かしていく。



噛み合わない歯車が、諦めたかのように、その動きを、止めていく――




227: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:51:54.07 ID:6/Vur52L0
('、`*川「ここからの現場指揮はフサギコに代わって私が執る!
     異論は全て却下! 文句は勝利してから言いなさい!
     捨てなきゃいけない人のためにも、ここは絶対に勝つ!!」

一際大きな声が、戦場に響いた。

('、`*川「本格的な異獣の殲滅を開始するわ!
     前線は私が出るから、後方支援はドクオ君を中心とした射撃隊に任せる!
     他の連中は邪魔にならないよう離れて、他の雑魚を!」

普段の彼女からは考えられない程の強い声に、全員が気を引き締めた。
しかし、疑念の表情を浮かべる者もいる。
彼らの言いたいことを理解しているペニサスは、更に続けた。

('、`*川「尚、異獣の相手は――流石兄弟!
     『もし銀髪の女を倒すことになった場合、自分達が手を下す』と言ったわね!?
     だったら結果を示しなさい!!」

(#´_ゝ`)「行くぞ、弟者……!
      怒りは解るが、ここは――」

(´<_`#)「あぁ……解っている……!」

(#´_ゝ`)「OVER ZENITH――!!」

限界突破の声と同時、兄者の足下に描いていた魔法陣が大きな光を発した。
直径三メートルほどだった陣が更に拡大されていく。

どこからか風が運ばれ、渦の軌道で兄者の周囲を包む。



234: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:53:43.09 ID:6/Vur52L0
从ξ゚ -゚ノリ「――!」

この光景に、流石の銀髪の女も無視は出来なかった。
すぐさま鎌を構え直して、兄者の企みを阻止するために動く。
だが

(´<_`#)「ここは通さん……!」

立ち塞がったのは金の色。
それが、こちらに向けた盾なのだ、と気付いた時には足が地面から離れていた。

从ξ゚ -゚ノリ「!?」

(´<_`#)「斥力操作――!!」

問答無用の力が作用したのだ。
盾から発せられる引き離しの力が、女の前進を阻む。

(´<_`#)「悪いが通行止めでな! 意地でも突破はさせない!
      アンタは、アンタ自身のためにもここで倒さなければならん!」

言っている間にも、兄者の魔方陣が高らかに吼えていた。
既に陣の範囲と光が最大にまで広がり、生み出される音と風も最高潮に達している。
何が出てきてもおかしくはない光景であるが

(#´_ゝ`)「くっ……うぅ……これでもまだ足りんのか、この大食いめ!!」

歯を噛み、全身で溢れ出す何かを抑えつけるような表情で
兄者は暴れ出しそうになる魔力の奔流を制御していく。



241: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:54:59.18 ID:6/Vur52L0
从ξ゚ -゚ノリ「…………」

(´<_`;)「むぅ!!」

その前方では、人間とは掛け離れた動きで鎌を振りまわす女を防ぐ弟者の姿がある。

危なっかしい光景だった。
一閃、二閃と黒色が縦横無尽に走るのを、金の盾がワンテンポ遅れて弾いている。
戦闘技術と経験の差は、一目瞭然である。
絶妙なタイミングで放たれている斥力が無ければ瞬殺されてしまっただろう。

いや、一瞬でも気を抜けば結果は死であることに変わりはない。

(#´_ゝ`)「ぬぬぬぬぬぬ!! お前は黙って――!」

時間を掛ければ掛けるほど弟者の危険が高まっていく。
その事実に気付いた時、己の中に湧き上がる力が更に激しく噴出した。
なかなか思うように動かない4th−Wに対して、怒りと焦燥の混合物を爆発させる。


(#´_ゝ`)「黙って俺の言うことを聞きやがりゃぁぁぁぁあああ!!」


咆哮、そして桃色の書物を地面に叩きつけた瞬間だった。

き、という高い音色が起動の合図を示す。
臨界点を突破した魔力の塊が、魔法陣の中で形を確定した。



248: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:56:52.54 ID:6/Vur52L0
(´<_` )「兄者!!」

(#´_ゝ`)「ぬおおおおおお!!」

地面が盛り上がる。
いや、地面に見えたそれはまったくの別モノだ。
桃色の鱗が在り、四肢が在り、皮で出来た翼が在り、鋭利な爪が在り、射殺しかねない両眼が在り――


その姿は、不滅世界にとって伝説上でしか在り得なかったはずの生物、ドラゴン――しかもピンク色――であった。


背を山のようにして盛り上げたそれは、大きな翼を仰いで現界する。
三本爪を地に突き、それだけで威圧感を与えてくる尾を軽く振り回した。
兄者はその頭の上に立っており、そして名付けるように

(#´_ゝ`)「全身竜召喚(レヴァイアサンダウンロード)――!!」

(´<_`;)「あ、兄者ァァァ! それは無茶があるし色々とまずい!!」

弟者の悲痛な叫びは届かなかった。
周囲に轟音を撒き散らす竜のせいもあるが、それよりも大きな問題は距離であった。

(#´_ゝ`)「行けぇぇぇええ!!」

頭の上に乗って叫ぶ兄者と地面との距離は、既に三十メートルを超えていた。
その分だけの巨大さをドラゴンは持っているのだ。



255: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:58:15.08 ID:6/Vur52L0
いきなり現れたあり得ぬ生物に、周囲の味方が慌てて退避し始めた。

「退避! 全力で退避だ! 踏まれるぞー!!」
「な、何てもん生みやがる……迷惑ってレベルじゃねーぞ!?」
「冗談は存在だけにしやがれってんだ兄者氏ね! ファッキュー!!」

(;´_ゝ`)「お前らどっちの味方!?」

下から来る怒涛の文句に少しだけ涙目になるも、すぐに戦うべき敵の方を見る。
先ほどまでの嫌な気配に圧倒されていた状況と異なり、今や逆転の立場にいることを確認。

(#´_ゝ`)「悪いが、ここで一気に決着をつけてやる――!!」

人対竜。
重量に大きな差がある時点で既に戦況は傾いている。
たとえ異獣であろうとも、その多大な重さが圧し掛かればダメージを受けるはず。

だが、呆けるように見上げてくる銀髪の女へ一歩踏み出した次の瞬間、誰もが信じられぬ言葉を聞く。

从ξ゚ -゚ノリ「OVER――」

(;´_ゝ`)「え」

从ξ゚ -゚ノリ「――ZENITH」

(´<_`;)「な……っ!?」



262: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 20:59:31.89 ID:6/Vur52L0
その口を止める暇などなかった。
限界突破の命令が放たれ、銀髪の女が黒光に包まれる。

ミ;,,"Д゚彡「――ウィレフェル……!!」

一番のショックを受けたのはフサギコである。
確かにウェポンが敵の手にある以上、限界突破も使ってくると予想しておくべきであり
事実、彼はそうなる可能性を考えていた。

しかし、その予想の質を上回る結果が現れてしまっては動揺を隠すことなど出来はしない。

分解拡散した3rd−W『ウィレフェル』。
銀髪の女の周囲に舞うそれは黒雪のようで、一つ一つが鋭利に尖っている。
広がるようにして展開された黒色は、すぐさま次の形を作り上げた。

響く硬音。
噛み合う黒刃。
組み上がっていく異常。

(´<_`;)「あ、あれはまさか――」

(;´_ゝ`)「嘘だろ、おい……!」

地上にいた弟者達はおろか、竜を操る兄者でさえも驚愕する。

《――――ギ……》

黒い刃というパーツが幾重にも積み重なり、一つの巨大人工生物を完成させてしまったのだ。



269: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 21:01:25.73 ID:6/Vur52L0
その大きさの差は、元の大鎌と比較して数百倍といったところだろうか。
もはや兄者の生み出したドラゴンと同じレベルの大きさである。
質量保存法則など何の其のというような勢いだ。

形状として最も近いのは『カマキリ』だろう。
虫のようなフォルムだが、その全身から刃をギチギチ音立てて蠢かしている光景は
見る者達の背筋に冷たいものを走らせた。

兄者のドラゴン召喚によって傾いていた戦況が一気に覆される。
彼の栄光は、まさに一時という儚さであった。

――敢えて希望を見出させ、後手に軽んじながらも更なる絶望で叩き伏せる。

これが異獣の戦い方でもあることに、この時点で理解を示すことが出来る者はいない。
そんなことよりも彼らは、落ちてきた更に大きな絶望に対し、どう抗えば良いのか焦るばかりであった。

ミ;,,"Д゚彡「そんな馬鹿な……!?
       変形能力の限度を超えているはずなのに!」

(´<_`;)「相手は異獣だぞ! もうこちらの常識なんて通用しないんだ!」

ミ;,,"Д゚彡「ウィレフェル、どうして……! 所詮は疑似精神だとでも言うのですか……!?」

(;'A`)「くっ!」

皆がありえぬ光景に狼狽する中、ドクオの射撃が走る。
しかし、完成した巨大機甲虫に対して7th−Wの放つ光弾は小さ過ぎた。
装甲を兼ねる刃に光の花火が散るだけで、ダメージを与えられない。



274: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 21:02:49.43 ID:6/Vur52L0
《――――ギギ》


ぎちぎち。


射撃を合図としたかのように、カマキリの目に当たる部分が光る。
刃同士の擦れる不気味な音が響き始めた。


ぎちぎちぎち ぎちぎちぎち。


首部分から発せられた音色は、徐々に全身へ広がっていく。


ぎちぎちぎちぎち ぎちぎちぎちぎち ぎちぎちぎちぎち。


それはつまり、黒色の巨大な虫が本格的な動きを生んだことに違いなく――


《――――ギギギャギギギギギャギャァァァァァァ!!!》


吼声。
き、という音に似た甲高い声が周囲に撒き散らされる。
その両腕としている一際大きな鎌が、小さき人間を叩き斬らんと振るわれ始めた。



281: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 21:04:07.64 ID:6/Vur52L0
「のわあぁあああぁぁぁあ!!」
「どこのB級映画だコレ!? カメラは!?」

(´<_`;)「こりゃあまずいことになったぞ……!
     このまま暴れられたらミラーどころか俺達も全滅だ!」

('、`*;川「退避を!!」

言われなくとも既に離脱を開始している西軍であったが、
巨体が一歩動くだけで、逃げた分の差が無くなってしまうことに絶望している者も出てしまっていた。

「ンの野郎っ! 逃げて勝利が掴めるかよォォォ!!」

逃げることを諦めた一部の兵が射撃武器を使って迎撃するが
放たれた魔力弾は小さな火花を生むだけに終わってしまう。

「全体が刃の装甲に覆われてンのか!? 実はウニだろテメェ!!」

「駄目だ! 生半可な攻撃じゃ通じない!」

《ギギギギギギ――》

「「人生\(^o^)/オワタ」」



289: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 21:07:13.05 ID:6/Vur52L0
(#´_ゝ`)「終わらせてたまるかぁぁぁあい!!」

次の瞬間、兵達の眼前が血潮の赤ではなく、桃色に染まった。
大鎌が振るわれる前に、兄者の駆る桃色ドラゴンが割り込んで来たのだ。

(#´_ゝ`)「俺のせっかくの見せ場を横取りしやがって――!」

竜の頭に乗る兄者は、本音をぶっちゃけながら
猛スピードで揺れる中で何とかバランスをとりつつ、命令を下す。

(#´_ゝ`)「パンチだ! ドラゴン!!」

獰猛に見えながらも言うことを律義に聞き受けた桃色ドラゴンは
割り込んで来た分の勢いを利用しての右フックを放つ。
鋭利な爪でカバーされた一撃が、見事にカマキリの脇腹らしき部分を捉えた。

金属が軋む大音。
だが、折れない。

《ギャギギギギギ!!》

声というよりも異音を撒き散らすカマキリの目が、こちらを見る。
どうやらドラゴンを己の敵だと目標と定めたようだ。

(#´_ゝ`)「だったら好都合!
      お前ら、このデカブツは兄者様に任せなさーい!!」



293: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 21:08:46.42 ID:6/Vur52L0
('、`*川「やれるの!?」

(#´_ゝ`)「クソ虫を叩き潰すくらい余裕! 丸めた新聞紙くらいでも充分なくらいだ!
      だが――」

兄者の目が、強い意志を従えて見る。

(#´_ゝ`)「それもこれも自慢の弟がいればの話だがな!
      というわけで弟者は借りていくぞ!!」

(´<_`;)「兄者!」

(#´_ゝ`)「奴を倒す! 手を貸せ!」

体当たりでカマキリの動きを止め、その間に弟者の方へ向かう。
巨体を持つドラゴンが地面スレスレを飛行する姿に一瞬だけ怯むも

(´<_` )「――あぁ、解った! 兄者が求めるなら俺はいくらでも手を貸すぞ!」

弟者が手を出す。
兄者も手を出す。

(#´_ゝ`)「「ファイトォォォォ! いっぱぁぁぁぁあああつ!!」」(´<_`#)

弟者と桃色竜が擦れ違う一瞬、これ以上ないタイミングで二人は互いの手をとった。



298: ◆BYUt189CYA :2008/01/30(水) 21:10:05.61 ID:6/Vur52L0
翼を思い切り広げて舞い上がる巨体。
桃の身体が、真っ赤に染まっている空に溶けていくようだ。

敵を追おうとカマキリが刃の羽を広げた。
それは、がきん、という金属音を以って確定し、今まさに空へ――

从ξ゚ -゚ノリ「…………」

直前、音もなく銀髪の女がカマキリの足下に立った。
腕を伸ばして、装甲の役割を担っている黒い刃群に触れ
その一部を引き千切るかのようにして、二枚ほどを手に握る。

主である彼女の動きを確認したカマキリは、今度こそ硬い羽音を撒き散らしながら飛翔した。

双子の駆る桃色竜が待つ戦場へ辿り着くのに、十秒も必要としない。
光を反射するブラックボディが、赤い空をバックによく浮いて見える。

《ギギギギギギギ――!!》

( ´_ゝ`)「何言ってンのかわかんねーよ馬ァー鹿!!」

(´<_` )「日本語でおk」



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