( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

372: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:25:23.44 ID:fmjQj92D0
ル(i|゚ ー゚ノリ「――残念ながら、我らは最初から地獄に生きていると自覚していてね。
      それは褒め言葉として受け取っておくよ」

ノハ#   )(あぁ――)

死を運ぶ音が傍まで来たのを鼓膜が感じ取った。
未だ立ち上がることすら出来ない自分は、きっと惨めに見えるだろう。
あの刀で切り裂かれれば、ヒートという存在はリタイアすることとなる。

まだ、何も為していないのに。
まだ、何も確かめていないのに。

心は一年前で止まったまま。
身体だけが未来を求めて動いていた。
故に離れた時から何も変わらず、ヒートは過去から一歩も進んでいない状態だった。

……取り戻すまでは、と願っていた。

顔を、誇りを、友を、信を、義を、自分を。



だから、ここまで、無心で、何もかもを、それが、どうして――



――音が、消え



374: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:27:39.86 ID:fmjQj92D0
「おぉぉォォォォ!!!」


――声が、聞こえた。


ル(i|゚ ー゚ノリ「――ぬ!?」

ノハ#゚  ゚)「え――」


瞬間、二人は見る。
互いの間が染まるのを。

真上から降ってきた『黒』という色によって。

莫大な力同士がぶつかった音は、爆弾が爆発したかのような大音だった。
続いて大きな衝撃が生まれ、波動となって円状拡散していく。

ル(i|゚ ー゚ノリ「これは……!」

ノハ#;゚  ゚)「っ……うぁぁ!」

死を半分受け入れようとしていたヒートにとって、その衝撃はあまりに予想外であった。
結果、受身も何も取れずに吹っ飛んでしまう。



376: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:29:56.85 ID:fmjQj92D0
大地に叩きつけられる、女性らしい華奢な矮躯。
どこか頭の中で、情けない、と自嘲気味に呟きながら。

ノハ#;゚  ゚)「……っ」

転がる身体が止まったのは勢いのままに数回転ほどした後だった。
全身に鈍い痛みが響くものの、行動には支障のない軽傷ばかりだと経験が言う。
そして上げた視線の先、あるものが見えたことによって原因を確信した。


見覚えのある背中。
見覚えのある鍛え上げられた肉体。
見覚えのある頑丈そうな装甲服。


そして、微かに覚えのある、巨大な黒剣。


吹っ飛んだ結果として十メートルほどの距離を置きながらも、
ヒートはそれが誰なのかを即座に理解した。

(メ゚д゚ )「…………」

ノハ#゚  ゚)「ミ……ルナ……」



378: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:31:13.42 ID:fmjQj92D0
彼がこの場からいなくなったのが、もう随分と昔のように思えた。

それほど彼が戻ってくるのが待ち遠しかったのだろうか。
この胸に湧き上がる明るい色の感情は、やはりそういうことなのだろうか。
だが、

(メ゚д゚ )「異獣。 ここからは俺が相手だ」

ノハ#゚  ゚)(え……)

彼は振り向いてくれなかった。
『大丈夫か』『貸しにしておく』等の言葉もない。
まるで最初からヒートのことが見えていないかのような――

(#゚;;-゚)「だいじょぶ?」

ノハ#゚  ゚)「あ……軍、神……」

(#゚;;-゚)「ギリギリやったね。 あの子がウチを助けた後で向かったから。
     もしウチがヘマしとらんかったら、もっと余裕持って参上出来たんやろぅけど」

ノハ#;゚  ゚)「え、っと……それは違う。 私が最初に……」

(#゚;;-゚)「ええんよ。 誰だって感情のトリガーくらいは持っとるもんや」

そう言いながら軍神は俯くヒートの頭を撫でた。
感触こそ硬かったが、とても優しい撫で方であった。



381: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:32:39.55 ID:fmjQj92D0
ノハ#゚  ゚)(…………)

しかしその内、ヒートの心に暗い影が差し始める。
自分の危機よりも軍神を優先したことが、どうしても気になってしまった。

単純に進路上の関係だったのかもしれない。
加えてミルナの性格を鑑みれば、この結果は当然という可能性のほうが高い。
決してヒートを蔑ろにしているだとか、そんな馬鹿げた背景はない。

そう、思いたい自分がいた。

ノハ#゚  ゚)(ミルナ……私は、私はどうすればいいの……?)

(メ゚д゚ )「…………」

ル(i|゚ ー゚ノリ「ふむ? 少し見ぬ間に奇妙なモノを手に入れたようだが……」

(メ゚д゚ )「これがお前を倒す鍵となるだろう。
     覚悟しろ。 これより俺達の反撃が始まるぞ」

ル(i|゚ ー゚ノリ「くっ、くく……それはそれは。
      確かに面白いモノを持ってきたようではあるが、な」

戻ってきたミルナの右手には大きな剣が一つ。
ブロスティークという魔剣だ。

経緯を詳しく知る軍神にとって、それはとても予想外のものであり
経緯を詳しく知らないヒートにとっては、それはとても懐かしいものである。



384: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:33:59.62 ID:fmjQj92D0
(メ゚д゚ )「いくぞ」

『おうともさ』

独り言だと思えたミルナの声に答える音があった。
それは彼と同じ位置から発せられながらも、まったく――性別すら違う声だ。
軍神達に何も反応がないところを見るに、どうやらミリアにしか聞こえないらしい。

ル(i|゚ ー゚ノリ「その声、封印が解けたか……?」

『おかげ様でねぇ』

ル(i|゚ ー゚ノリ「ふ、ン……やはり奴をダイオードに当てたのは失敗だった。
      実験データをとる意味では成功したが、やはり憂いが残ったか」

『いいのかい? そんな弱音を見せても。
 この子らはもはや意志の塊だ。 隙を見せれば一気に喰らいつかれるよ』

ル(i|゚ ー゚ノリ「老いぼれが……それよりも自分の心配をしたらどうだ?
      そちら側についたということが、どういうことか解っていないわけがあるまい?
      せっかく自己を取り戻したというのに――」

『黙れ、小娘。
 アンタこそ誰を敵に回したか解って――いや、知っていないわけじゃないだろう?』

(;゚д゚ )(相変わらず誰も彼もを年下扱いするな……)



386: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:35:42.14 ID:fmjQj92D0
自分はともかくミリアは外見以上の年齢のはずだ。
確かに二十代と見えるかもしれないが、それは単に肉体が老朽化していないだけである。

言うことが本当ならば何百年も生きていることになるのだが
ブロスティークは、それを『小娘』の一言で切って捨ててしまった。
一体、彼女はどれほどの過去から来たのだろうか。

(メ゚д゚ )「いや……今の俺達には関係ない、か」

『ま、損はさせないさ。 理由もあるしね』

黒剣を構える。
思っていた以上に軽いのは作為的なものなのだろうか。
何にせよ、手によく馴染むような感覚なのは幸いだ。

(メ゚д゚ )「その刀こそがお前の真の武器だな?」

確かめるような問いかけ。
その視線は、先ほどヒートを切り裂こうとした長刀に向けられている。

ル(i|゚ ー゚ノリ「……老いぼれに聞いたか。
      確かにこの白刃こそが正真正銘、私の武器だ。
      そして――」

見下すような表情へ変わり

ル(i|゚ ー゚ノリ「そこまで知っているのならば解っているのだろう?
      私の能力を止めることは、もはや不可能なのだと」



388: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:37:16.91 ID:fmjQj92D0
ノハ#゚  ゚)「……?」

どういうことだ。
完全無欠な能力だとでも言うつもりか。

(メ゚д゚ )「なんとかなるさ。 それに、見てみろ」

ル(i|゚ ー゚ノリ「?」

空いている方の手が、人差し指を突き出すような形をとる。
それをミリアの足下へ向け

(メ゚д゚ )「動いたな?」

ル(i|゚ ー゚ノリ「……ほぅ」

戦闘が始まってから一歩すら動いていなかった彼女が、
自分の意思以外の理由で移動してしまっていた。

理由は明白で簡潔だ。
先ほどのミルナの奇襲である。
そして、その根拠こそに真の意味があった。

(メ゚д゚ )「それだけ多大な力と奇怪な能力を持っているのならば、相当な自信があるだろう。
     俺がお前とヒートの間に割って入った時も、お前は冷静さを失っていなかったはずだ。
     やろうと思えば、飛び込もうとしている俺に刀を投げることは出来たんだ」

ル(i|゚ ー゚ノリ「…………」



391: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:38:37.12 ID:fmjQj92D0
(メ゚д゚ )「だが、お前はそれをしなかった。 何故か?」

一息。

(メ゚д゚ )「通じないと知っていたからだろう?
     お前はこの剣の脅威を知っているからこそ割り込みを許し、
     そして防御出来ないと判断したからこそ退いた。 違うか」

構える。
柄を両手で握り込み、その切っ先をミリアへ向けた。

(メ゚д゚ )「言おう。 この剣こそがお前を倒し得る要素の一つなのだ、と」

ル(i|゚ ー゚ノリ「……成程」

宣言を真正面から受けたミリアの表情は、しかし微塵も崩れなかった。
変わらぬ不動の姿勢のままで、くつくつ、と笑う。
そして頷き、皮肉げに片方の口端を吊り上げた。

ル(i|゚ ー゚ノリ「認めよう。 確かにその剣は私に対抗することが出来る武器だ。
      使い方次第では、確かに私の能力を打破することも可能かもしれん」

柔らかい言葉とは裏腹に空気が冷えていくのを、ミルナは肌で感じ取っていた。

現象の根源は、おそらくあの長白刀。
射出してきた刀とは明らかに異なる魔力量を備えている。
獲物を前にした獣のように、抜き身の刃が周囲空間を震わせているようにも見えた。



393: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:39:54.21 ID:fmjQj92D0
ル(i|゚ ー゚ノリ「だが、返しとしてこちらも言わせてもらおうか」

構える。
柄を両手で握り込み、その切っ先を背後で向けた。

ル(i|゚ ー゚ノリ「――それはつまり、今その剣を破壊すれば為し得ぬ未来になるということだ!!」

ど、という音は地面を蹴り飛ばしたことによる破壊音だ。
そう感じ取ったミルナは、咄嗟にブロスティークで防御するように構え直した。

撃音。

(#゚д゚ )「ぬ、ぉぉ……!!」

とんでもない威力の一撃が刀身にぶつかる。
芯まで響く衝撃が襲い掛かるが、ミルナはそれでも歯を噛んで耐えた。
足が浮きそうになるのを堪え、破裂しそうになる筋肉を無理矢理抑えつける。

何より恐ろしいのは、ミリアの動きが察知出来ないほど速いことだ。
あの刀を射出する能力など必要ないように思えるほど、その剣捌きは神速の域に達していた。

ル(i|゚ ー゚ノリ「失策と言わざるを得ん!
      それを持って私の前に現れた時点で間違いだったのだよ!」

(#゚д゚ )「だが!!」

がむしゃらに弾いた。
回転するように返す刃が迫るが、それもギリギリというタイミングで合わせて防いだ。
今のミルナに、ミリアの斬撃は見えていないはずなのだが――



397: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:41:05.08 ID:fmjQj92D0
『補助はあたしに任せな!』

しかし、ブロスティークが位置を教えてくれている。
比べれば明らかに鈍重な動きではあったが、それでも剣の軽さもあって防御が間に合っている。

ル(i|゚ ー゚ノリ「その魔剣の力が無ければ何も出来ずに死ぬだけの人間が!
      私などと刃を交えられるなど至福の極みだと思えよ――!」

(#゚д゚ )「誰が、思うか……!
     勝手な都合で命を奪った汚い刃に触れて、誰が喜ぶか!
     英雄の誇りは、決して貴様らのように安くはない!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「はッ! 同じだろう! 魔剣の所業を知らぬわけではあるまい!?
      そのような剣を振りかざして何を得ようとする!」

(#゚д゚ )「違う! 断ち切るんだ!
     お前達が何を知っていようとも、やっていることは絶対に間違っている!
     だからここで止める! こんなふざけた蹂躙が許されるわけがない!」

毒を以って毒を制す。
血塗られた刃同士がぶつかりあう様は、まさに悪鬼のせめぎ合いと言えよう。

(#゚д゚ )「今、再び認識した……!
     お前は、お前達はここで滅ぶべきだ!!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「吠えるだけなら誰でも出来るさ――!」



402: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:42:50.33 ID:fmjQj92D0
ミリアが一歩退いた。
追撃のチャンスとばかりに踏み込みかけたミルナだが、

『駄目だ!』

ブロスティークの警告に身を固める。
いや、それよりも早くに目で察していた。

(;゚д゚ )(あれ、は……)

視界の中、ミリアの構えを見てミルナは総毛立つ感覚に見舞われた。

刀を腰元に当てた形。
膝を折り、重心を思い切り低くした姿勢。
身体は前へ傾き、上目遣いとなった視線は深く鋭い。


その構えは、数ある剣技の中で最速と謳われる――抜刀術。


(;゚д゚ )「しまっ――」

ル(i|゚ ー゚ノリ「手に余る力を持った愚者は身の程を弁えることを忘れる――真理だよ」

言葉と共に刃が煌めくのを、ミルナははっきりと見た。



405: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:44:21.59 ID:fmjQj92D0
まんまと誘い込まれたのだ。
伊達に長く生きていないということか。
人間の心理流動を知り尽くしている。

ル(i|゚ ー゚ノリ「――さらばだ」

(;゚д゚ )「くっ――!?」


……そう、人間の。


『やれやれ、どちらが忘れん坊なのかねぇ!?』

そんな呆れたような呟きが聞こえた直後だ。
ミルナの腕が意志に反して動き、その手が握っていた黒剣が翻る。
結果、間に合うはずのないタイミングの中へ刀身を割り込ませることに成功した。

大衝撃。

そして、強烈な光。

今までの剣撃など比較にならない程の震動が、ミルナの骨格の隅から隅まで響き渡る。
痺れる神経が指から力を奪ってしまうが、それでも全身で抑えつけるようにして耐えた。



409: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:45:39.49 ID:fmjQj92D0
(;゚д゚ )「すまん……油断した!」

『言ったろ。 アンタのミスはこっちで補完するさ』

そんな言葉を聞き、ミルナはどこか直観的に確信した。

即興のコンビにしては相性が良い。
いや、向こうがこちらに合わせようとしているのか。
何にせよ、防御を得意とする自分の穴を埋めてくれるのであれば、これ以上望むこともない。

(#゚д゚ )(そうさ……! それに、俺の代わりに攻撃を司ってくれる奴がいる!
     俺はそいつが来るの待つだけだ!)

ル(i|゚ ー゚ノリ(この男……)

この半端ない威力の攻撃は自分が受け止める。

どんな軌道であろうが、どんなタイミングであろうが関係ない。
ただ、自分は身体を張ってまで防ぐのみだ。

その先にある、――を期待するために。



411: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:46:55.69 ID:fmjQj92D0
勢いを増したミルナの気迫。
その後ろ姿を見ながら、軍神は目を軽く開いて笑みを作った。

(#゚;;-゚)「伊達に魔剣を名乗っとらんってことかい。
     なら、今がチャンス……!」

あの厄介な刀を封じてもらえるならば、こんな僥倖はない。
かつてダイオードが使用していた武器ということもあって心配だったが
どうやら戦況はこちらに良い方向へ転んでくれたようだ。

あとは射出される刀群を警戒すれば良いだけだが、
現在もミルナと刃を交えるミリアが、他の武器までも操る余裕があるとは思い難い。

何せ相手は、あの魔剣だ。
いくら異獣といえども無視出来る存在ではあるまい。

(#゚;;-゚)「んじゃあ、一気に詰めようかね……ヒート、準備はええか?」

ノハ#゚  ゚)「…………」

(#゚;;-゚)「? どした?」



419: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:52:54.52 ID:fmjQj92D0
意気揚揚と立ち上がった軍神と違い、ヒートは腰を地面につけたまま動こうとしない。
俯き、右手を胸元に当てて握り締めている。

ノハ#゚  ゚)「私は……」

どうすれば良いのか。
共に戦えば良いのか。

――いや、彼と肩を並べて戦っても良いのだろうか。

終わりのない自問自答が己を締め付ける。

もし、他人の心が読めたならば。
せめてミルナの心だけでも。
そう願ったことは何度もあった。

しかし、こうも思う。

読めないからこそ、信じていられる。

本心が解らなければ解らないで良いのかもしれない。
偽りの、上辺だけの感情で、いつまでも『良好』な関係を保てるのかもしれない。

……それで良いのか。

首を振りたい気持ちに駆られるも、出来なかった。
そう願える資格がないと痛感する部分がある。
自分は異獣に汚された穢れの女なのだから、現状でも充分に満足すべきだ。



422: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 20:54:43.38 ID:fmjQj92D0
(#゚;;-゚)「ふぅむ」

どんな悩みを抱えているのか、軍神にはまったく想像が出来なかったが
それでも何を迷っているくらいは空気を読んで理解していた。
優しくヒートの肩を叩き

(#゚;;-゚)「じゃ、ウチは先に行っとくよ」

ノハ#゚  ゚)「私は――」

(#゚;;-゚)「……ま、ミルナが一番待っとる人はウチやないやろうけどなぁ」

苦笑した軍神は身を翻し、戦場へ身体を向けた。

(#゚;;-゚)「待っとるよ。 誰も彼もが。 何もかもを。 もちろんアンタも。
    だから、アンタが思う通りにすればええんや」

ノハ#゚  ゚)「…………」

(#゚;;-゚)「ただし早く結論しといた方がいい。
    この広い世の中には、多くを伝えられずに死別してまう人もいる。
    だから、な?」

そう言い残して駆け出した軍神の背中を目で追いつつ、ヒートは拳を震わせた。

解っている。
解っているんだ。
だけど、どうしても――!

ノハ#゚  ゚)「……ミルナ」



429: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:00:04.35 ID:fmjQj92D0
ミリアが白刀を振りかざした時、猛スピードで乱入してきた影があった。

(#゚;;-゚)「へいお待ち!!」

(メ゚д゚ )「!!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「我らの戦いに手を出すか、軍神!」

(#゚;;-゚)「いくらでも出したるわ……! 今回は勝ちに執着してんからね!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「貴様――それでも軍の神か!? この高揚が解らぬこともなかろう!」

(#゚;;-゚)「勝手なイメージの押し付けは御断りしてます、っよ!!」

鍔迫り合いをするミリアへ容赦ない一撃が飛ぶ。
当たるかと思われた拳は、しかし既のところで急停止してしまう。
新たに出現した刀二本が攻撃を防いだのだ。
だが、

(メ゚д゚ )(防いだ位置が――)

(#゚;;-゚)(――近い!!)

反応が遅れたか、出力不足か。
軍神の拳は先ほどまでに比べて、よりミリアに近付いた位置で止められていた。
しかも盾として使用された刀の数は二に減っている。

確実に、そして間接的にブロスティークの効果は現れていた。



戻る次のページ