( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

432: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:02:13.63 ID:fmjQj92D0
ル(i|゚ ー゚ノリ「ッちぃ!」

流石に形勢不利だと悟ったのか、
ミリアは鍔迫り合いをしていたブロスティークを弾き飛ばし、そのままの勢いで後退して刀を構えた。
周囲空間が僅かに歪んでいることから、どうやらカウンターを狙う方針に変えたようだ。

――あのミリアが受け身に回った。

そんな事実に軍神は、思っている以上に状況が好転していることを知る。
あとは射出される刀さえ掻い潜れば、痛恨の一撃を狙えるかもしれない。

(#゚;;-゚)「これがホントの千載一遇のチャンスってわけかい」

(メ゚д゚ )「一気に畳みかけるぞ! ……ところでヒートはどこだ?」

(#゚;;-゚)「んー……あそこ」

少し言い淀んだ軍神の指先。
ヒートが俯いて座っているのを見たミルナは、逡巡するように表情を歪めた。
しかし、それも僅かな時間で元の引き締めた顔に戻ってしまう。

(#゚;;-゚)「いいのん?」

(メ゚д゚ )「俺は待つだけさ。 いつものことだが」

(#゚;;-゚)「思ってたよりもドライやねぇ」

(メ゚д゚ )「……まぁ、そう見えても仕方ないが――ッ!? 来るぞ!」



435: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:04:10.62 ID:fmjQj92D0
鋭い声に、二人は一瞬で身を翻した。
刀が四本ほど地面に突き刺さったのは直後だ。

ル(i|゚ ー゚ノリ「私を前にして雑談とは……愚弄するつもりか」

(#゚;;-゚)「アンタに許可もらわんと話しちゃあかんって決まりは聞いたことないけどなぁ」

ル(i|゚ ー゚ノリ「本能で知っておくべきだと思うがね。
      獣ですら、己より強い者に対しては腹を見せるというのに」

(#゚;;-゚)「じゃあ、さっさと腹見せンかい」

ル(i|゚ ー゚ノリ「……活きが良くて結構だ」

歪む。
ミリアの周囲空間が歪曲する。
水面を割って出てくるような静けさと共に、数多くの刃が頭を出した。
見えるだけで三十や四十は軽く超えるだろうか。

ル(i|゚ ー゚ノリ「もう容赦はしない。 這いつくばって命乞いするなら今の内だ。
       もっとも、生かすつもりはないが」

(#゚;;-゚)「そのナチュラル上から目線――叩き潰す!!」

戦闘再開は突然だった。
ミルナへの合図もなく地を蹴った軍神は、真っ直ぐにミリアの下へ走った。



440: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:05:21.03 ID:fmjQj92D0
応じる迎撃がある。
こちらを見据えたミリアが腕を振った瞬間、
彼女の周囲に浮いていた刀が一斉に迸った。

一瞬だけ広がるようにして展開し、そのまま獲物目掛けて殺到する光景は
どこかピラニアに似た容赦の無さを髣髴とさせる。

(#゚;;-゚)「そんな解り易い軌道でウチが食えるとでも思っとるンかぁぁl!?」

しかし軍神は一度たりとも立ち止まりはしなかった。
むしろ前屈姿勢を深めて速度を上げていく。
無謀にも思える突撃だったが、次々と襲い掛かる刀に対し、最小限の動きだけで切り抜けていくことに成功していた。

(#゚;;-゚)「もう何度目やろなぁ!?
    どんな奇術でも手品でも、何回も見りゃ飽きるもんや!」

戦闘に対し、ある意味で達観している軍神は『攻撃の観察』に秀でている部分がある。
いくら理由が解らない攻撃だろうが、五感のいずれかで感知出来るのであれば
いずれ必ず捉えることが可能というのが彼女の持論だ。

確かに、刀の操作や防御は奇抜なものがある。

だが、性質的な面で言えば前者は『猛禽』であり、後者は『結界』である。

こちらに確実に向かってくる攻撃であれば見切りに易く、
防御が硬いのならば、それを貫く攻撃力をぶつければ良いだけ。



442: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:06:33.93 ID:fmjQj92D0
(#゚;;-゚)「驚くのは最初だけってな!
    初手で仕留められんかったことを、今からたっぷりと後悔させるよ!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「威勢の良いことだ……! まだ力の差が解っていないと見える!」

ミリアが見せ付けるように白刀を構える。
いくら刀の群れを回避しても、最終的にはこれ一本で充分だ、と言わんばかりに。
切り裂きの突風から抜けだした軍神へ、その刃を――

(#゚д゚ )「ぬんッ!!」

しかし、直前に割り込んできたミルナによって妨げられる。

(#゚д゚ )「軍神! こいつの能力の源は、この刀だ! これさえ何とかすれば――!」

(#゚;;-゚)「へぇ〜。 じゃ、お任せするわ」

(#゚д゚ )「なんとも気が抜ける……ッ!!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「あわよくば破壊するつもりか! やってみるがいい!
      不可能だからこそ私はここにいるという事実を痛感しろ!」

更に加重されていく刃の交わり。

ちりちりと擦れ合う金属。
圧し合いする魔力の奔流。

それらの現象が稲妻のような音を奏で
白刀と黒剣から発せられる光は火花の如くバラ撒かれる。
チェーンソー同士がぶつかると、これに似た光景が繰り出されるのかもしれない。



446: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:07:52.23 ID:fmjQj92D0
(#゚д゚ )「ブロスティーク! あの刀を砕いてみせろ……!!」

『うーん、出来ないことはないけど骨が折れるからパスの方向で』

(;゚д゚ )「は!?」

ル(i|゚ ー゚ノリ「ははは! 己の武器すら従えることが出来ぬか!」

『うるさいよ小娘。 あたしはこんな形だけど武器じゃあない。
 望むは対等の関係で、いいように使われるなんてごめんだね。
 だからさ――』

(;゚д゚ )「うぉ!?」

『――アンタの、その刀の扱い方が苛つくんだよ!!』

付き合いは極めて短いものの、彼女が怒りの感情を示すのはこれが初めてだった。
迸る魔力の量を増大させた衝撃が、ミリアだけでなく持ち主のミルナにすら襲い掛かる。

『どこで手に入れたかは知らないけど!
 そいつは、アンタなんかに使われるような安い子じゃないのさ!!』

「ふン、よく知っているようだな」

『当然! その子と戦い、最期を看取ったのはあたしだからねぇ!』



449: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:09:27.47 ID:fmjQj92D0
理解不能な言葉の応酬を前にして
しかしミルナは敵の攻撃に神経を集中させる。
説明が必要な会話に気をとられ、防御を疎かにしては意味が無い。

話ならば後でいくらでも出来る。
今は、どうやって奴を倒すかを考えなければ。

『ミルナ。 さっきも言ったけど、この刀は破壊しないよ』

(;゚д゚ )「だが、だとするならばどうやって……!?」

『簡単さね。 あの小娘を直接倒せばいい。
 使い手がいない刃は、もはや武器じゃないからねぇ』

ル(i|゚ ー゚ノリ「となると私は、ただ使われる刀以下の存在ということか……随分と無礼な発言だな?」

『異獣本体のデッドコピー――いや、それ以下のカス人形に無礼も何もないだろう?』

ル(i|゚ ー゚ノリ「ッ、老いぼれが……!」

(;゚д゚ )「ちょ、ちょっと待て! その方法が解らんからこうして戦っているというのに!」

『なぁに、駒は揃ってるんだ。 あとは歯車が噛み合うのを待てばいい』

(メ゚д゚ )「何を――」

『それまでの辛抱! さぁ、それまで存分に抗ってやろうじゃないのさ!』



452: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:10:52.04 ID:fmjQj92D0
どうやらブロスティークは希望を持っているらしい。
それも、この戦況を覆すほどの希望を。

(メ゚д゚ )「……解った! 信じるぞ!」

自分の武器がポジティヴに戦おうとしているのだ。
持ち主として、それに倣うのも悪くない。
覚悟を決めたミルナは、今度こそ全身全霊を以って敵の攻撃に集中を始めた。

だが、一抹の不安が拭えずにいる。

戦力としてブロスティークが加わったことにより
確かに状況は好転したと言えるが、それでも何かが足りないように思えた。
あの強力な白刀は自分が受け止め、軍神が隙を突いて――

(メ゚д゚ )(あぁ……そういうことか)

程なくして、ミルナは納得した。


――決定的に一要素が足りない、と。


防御、初撃と来て、最後の決定打狙い担当の攻撃手が足りないのだ。
軍神とのコンビネーションで仕掛ければ、もっと隙を突き易くなるかもしれないのに。



455: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:11:59.14 ID:fmjQj92D0
ミリアの最大の懸念はブロスティークを持つ自分である。

ならば、常に最大限の攻撃意思を表示しておくべきで
生まれる僅かな隙を軍神が広げ、そして最後の一人が決定打を叩き込めば良い。
今出来るであろう完璧な戦術は、おそらくこれ以外にありはしないだろう。

(メ゚д゚ )(何をしているんだ、アイツは――!)

攻撃と言えば、お前の出番だろう?

立ちはだかる障害は自分が全て取り除く。
だから、この戦いを終わらせるためにも、お前の力が必要なんだ。

……なのに、どうして。

未だ駆けつけて来ない戦友を思う。
合流した時から様子がおかしかったのは知っているが
果たして、そこまで深刻なダメージを心に負ってしまったのだろうか?

(メ゚д゚ )(ヒート、俺は……いや、俺が一番知っている。
     お前は強いように見えて脆く、しかしやはり強靭だということを。
     だから俺は、ずっと――!)



459: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:13:15.82 ID:fmjQj92D0
白熱し始めた戦いの場を、少し離れた位置にいるヒートはぼんやりと見ていた。

ノハ#゚  ゚)「…………」

ミリアが数多くの刀を飛ばす。
それを軍神は掻い潜り、ミルナは防御して叩き落とす。
反撃としてブロスティークを振るい、隙を見つけた軍神が一撃を入れるために疾駆する。
だが見越していたかのように、瞬間的に出現した刀が防壁を作る。
耐え切れなくなったミルナ、そして隙を見失った軍神が下がる。

多少の差異はあれど、この繰り返しだった。

先ほどから、ずっとだ。
この攻勢が最後のチャンスとばかりに、二人は休まず攻撃を仕掛ける。

しかし、効果は薄い。

確かにブロスティークは高性能だとは思えるが
ミリアの持つ切り札――テセラ、とかいう白刀の方が秀でている部分が僅かに多い。
ただ、当初に比べれば随分と余裕があるように見えた。

それを、何もせずに見ている自分は何なのだろうか。

駆けつけたい。
あのムカつく笑みに一撃入れてやりたい。
自分の大事なモノを奪った奴らへ、少しでもいいから復讐したい。

そんな願望が連鎖的に発生するも
ヒートは未だに立ち上がることすら出来ずにいた。



463: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:14:47.18 ID:fmjQj92D0
ノハ#゚  ゚)「……ッ」

どうして彼は言葉を掛けてくれないのか。

一言、『一緒に戦おう』とだけでも言ってくれれば良いのに。
肩を並べて戦っても良いのだと教えてくれれば良いのに。

とにかく不安だった。
もう自分は彼の興味の範疇から外されているのではないのか、
という終わりの見えない自問が、何度潰しても湧き上がってくる。

今まで平気だった自分が信じられない。

一年も離れていて、顔を奪われてしまって、取り巻く環境も変わっていて、
それでどうして不変だと思い込むことが出来たのだろう。

変わらない方がおかしいのだというのに、
そして自分が一番変わってしまったのは解っていたのに、
どうして疑問にすら思わなかったのだろう。



471: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:17:01.04 ID:fmjQj92D0
悔しいのは、それに気付かせた奴がミリアだという点だった。

仕組まれていたらしい。
自分が顔を奪われ、異獣を一心不乱に追い、そしてミルナと鉢合わせたことが。

顔を失くしたまま彼と会うのは嫌だったが、それでも目が覚めた時にミルナの顔が見えた時
ヒートという女性は、悲しむよりも何よりも『嬉しい』と思ってしまっていた。

なんと無様だろう。

あれだけ顔を取り戻すことに執着していた自分が
予期せず愛する男と再開しただけで、すぐに心変わりしてしまった。
顔に対して何も言ってこない彼を見て、甘えが出たのだろう。

どんなことにもポーカーフェイスで応えるからミルナだからこそ
内心は強いショックを受け、それをひたすら隠し続けていたに違いない。
それに気付かず、彼の傍にいることが出来るのは幸せだ、とのん気に思っていた自分が憎い。

ノハ#゚  ゚)(……怖いよ、ミルナ)

どうすれば良いのか解らない。
駆けつけて、それで何か得られるのだろうか。

螺旋状の階段を転がり落ちていくような、もう二度と出られない迷宮に迷い込んだような。

考えれば考えるほど、答えが遠くなっていく。



480: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:20:27.12 ID:fmjQj92D0
ぼぅ、と霞んだ視界で戦いを見る。

軍神が跳び、ミルナが防ぎ、ミリアが笑う。
ブロスティークが黒い衝撃波を生み、テセラが白い剣線を描く。

どうして、自分は向こうにいないのだろう。

ノハ#゚  ゚)「…………」

もう、駄目かもしれない。
心が折れそうだった。

……この戦いが終わっても、ミルナと共にいることが出来ない。

そう思ってしまう自分がいる。
共にいることが、どうしても情けなく思ってしまう自分がいる。
ならばいっそ、もう――



その時、ヒートは気付いた。

凍っていた思考の中、まだ活動を続ける戦闘本能が、ある光景を捉えたのだ。



484: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:22:25.65 ID:fmjQj92D0
それはミルナの動きだった。
いつも傍で見ているばかりで、こんな遠くからじっくり見るのは初めてだった部分もある。
しかしそれ以上に、彼の効率の悪さが目にとまった。


(;゚д゚ )「っと! 今のは危なかった……!」

あのままじゃ駄目だ。
防御ばかりでは道を開くことなど出来ない。
反撃して初めて、活路というものが見出せるはず。


(メ゚д゚ )「ッ――!」

違う。
そこは右に避けるのが一番良いはずなのに。
わざわざ左に向かうのは、ミルナの回避センスが悪いからだろうか。


(メ゚д゚ )「そこだ――!!」

あぁ、そうじゃない。
今のは後方へ下がるべきだった。
前へ出ても、後ろに誰かいないと援護を受けられないのだから――



487: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:24:03.48 ID:fmjQj92D0
ノハ#゚  ゚)「……え?」

そこで、ふと気付いた。

ミルナの動きが傍から見ていて歯痒い理由。
それは、決して彼の状況判断能力が劣っているからではない。
もっと別の、根本的な何かを求めているからだ。


――果たして、何を?


何故、特に戦術的な意味もないのに防御するのだろうか。
まるで他の誰かが攻撃を担当するのを知っているかのように。


何故、あの時に左ではなく右へ避けたのか。
まるで誰かのために囮となるかのように。


何故、危険を承知で前へ出たのか。
まるで背後を誰かが護っていると確信しているかのように。



問い掛けた時、どくん、と心臓が高鳴った。



491: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:25:57.83 ID:fmjQj92D0
ノハ#゚  ゚)「あ……」



まさか、



ノハ#゚  ;)「ぁあ……」



全て、



ノハ#;  ;)「あぁぁ……!」



自分のために――?



501: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:27:34.31 ID:fmjQj92D0
ヒートは、震える声で確信した。

彼は待っている。
ずっと待っていた。

戦いが始まってから、ひたすら待っていたんだ。

敢えて不利な方向へ行くのは、有利な位置をヒートに譲るため。
もう既に身体の動きとして染み付いてしまっているのか、
ヒートが傍にいなくとも、自然とそういう行動を選択してしまうらしい。

見れば見るほど解ってしまった。
彼の戦いの一部は、ヒートと共にあることを前提に行なわれている。
それが一人の場合だと不利に追い込まれるというのに、ミルナはヒートと共に戦うことを望んでいたのだ。

言葉なんか要らない、と。
一緒に戦うのが当然なのだ、と。

近過ぎて見えなかった彼の一面が、見せてほしかった本心が
今、ヒートの目の前で展開されている。

確かめる必要など、最初から無かったのだ。

ノハ#;  ;)「ミルナ……!」

伝う涙が止まらない。
仮面の中にまで流れてしまい、どうしようもなく居ても立ってもいられなくなった。



516: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:31:33.81 ID:fmjQj92D0
駆けつけなければ。
もう、何も迷う必要はないんだ。

そう確信したヒートは仮面を薄く顔から剥ぎ、中の涙を拭う。

手に持つ武器を確認し、そこでようやく立ち上がった。

ノハ#゚  ゚)「ごめん、ミルナ。 すぐに行くよ」

震える膝を叩き、軽く頭を振った。

馬鹿らしい。
自分は何を悩んでいたんだ。
信じていなかったのは、自分だったんだ。

でも、気付けた。
だから、信じよう。


向こうが信じてくれているなら、こちらも遠慮なく信じるよ。


ノハ#゚  ゚)「――ッ!!」

左手に飛燕、右手に夜鴉。

本気の構えを見せたヒートは、今までのどの疾駆よりも力強く、地を蹴り飛ばした。



531: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:34:16.77 ID:fmjQj92D0
ノハ#゚  ゚)「――ミルナッ!」

(メ゚д゚ )「ようやく来たか! 遅いぞ!」

ノハ#゚  ゚)「ごめん……! でも、きっと大丈夫だから!
     もう私は迷わない!」

(メ゚д゚ )「よく解らんが了解した……! 万軍よりも心強い援護を期待している!」

ノハ#゚  ゚)「――任せて!!」

一気にギアを上げる。
隙を心配する必要はない。
ミルナが護ってくれるのだから。

紅蓮色の姫は、黒と化した騎士と合流する。
混ざり合り、それは獄炎と成って敵を絶やす。

ノハ#゚  ゚)「おぉぉぉぉぉ!!」

ル(i|゚ ー゚ノリ「その目……! 開き直ったか!?」

ノハ#゚  ゚)「違う! ただ、本当のことに気付いただけだ!!」

右手の包丁刀を振りかぶり

ノハ#゚  ゚)「――もう、惑わされない!!」

渾身の力を以って叩きつけた。



542: ◆BYUt189CYA :2008/03/28(金) 21:35:58.97 ID:fmjQj92D0
ル(i|゚ ー゚ノリ「口では何とでも言えるだろう! だが、心の底では未だ疑っているはずだ!
      あの男は本当にお前のことを大切に見ていると言えるか!? 確信があるか!?
      他人の中の自分が、どう確定しているのか――」

ノハ#゚  ゚)「違う! そんな考え方は違うんだ!」

力と力が弾け、押し負けたヒートが後方へ飛ぶ。
そのままステップを二歩刻み、背後から来るミルナの気配を感じとった彼女は


ノハ#゚  ゚)「ミルナァァァァ! 私はお前が大好きだぁぁぁぁぁあああ!!」


(;゚д゚ )「応っ――って、なんだと!?」

てっきり追撃の指示が来ると思っていたミルナは
あまりに場違いで予想外な告白に度肝を抜かれてしまう。
そんな彼の反応を嬉しそうに眺め、ヒートは更に言葉を続けた。


ノハ#゚  ゚)「だから! 一緒にいていいかなんていちいち聞かない!
      一緒にいようと! そう決めた!!」


ル(i|゚ ー゚ノリ「なっ……!?」

(#゚;;-゚)「くっ、く……若いってえぇなぁ」



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