( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 6: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:25:31.98 ID:pd2Of4e00
- (#^ω^)「ッ!!」
『敵』が地面に降り立つと同時、ブーンは地面を蹴って走り出していた。
――初撃はもらうお!
相手が相手だ。
ダメージは与えられる時に与えておかねば、後で必ず差が出る。
そしてあの着地直後の隙こそ、最初で最大の好機であろう。
〈/i(iφ-゚ノii「…………」
敵はこちらを見ておらず、未だ地面を見ている。
高所から着地したせいで膝を深く折り曲げてしまっているのだ。
拳を握り込む。
グローブの甲の一部が開き、単一弾装からマジックカートリッジが吐き出された。
途端、カートリッジ内部にあった魔力が拳に纏わり、力の濃度が爆発的に高められる。
視界の中、『敵』が腰を上げたのを確認した。
しかし遅い。
既にこちらは一足の間合いに入っているのだ。
今更顔を上げてこちらを見ても、挙動に入る前に拳をぶちこめる――!
第五十二話 『四方決戦 Ver/North 【In the Battlefield Where the Enemy Doesn't Exist】』
- 11: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:27:40.91 ID:pd2Of4e00
- 実のところ、『敵』の正体はロマネスクだと知らされていた。
だがそんなことは関係ない。
アレはロマネスクの皮を借りた、敵だ。
(#^ω^)「おぉぉっ!!」
振りかぶっていた右拳が放たれた。
腰をバネ、肩を主軸、腕を杭に見立てての直線射出だ。
白い拳がロマネスクの顔面に吸い込まれ――
――重い音を響かせた。
川;゚ -゚)「え……?」
<ヽ`∀´>「……!」
(;^ω^)「なっ!?」
〈/i(iφ-゚ノii「――――」
果たして、拳は阻まれていた。
ロマネスクの眼前にある黒色の拳によって、だ。
その事実に、ブーンは目を見開いていく。
阻まれたことに対してではない。
この男は、こちらを一度たりとも見ずに攻撃を防いだのだ。
- 13: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:29:39.51 ID:pd2Of4e00
- 〈/i(iφ-゚ノii「――――」
(;^ω^)「こ、こいつ……!?」
ブーンの拳を包む白色のグローブ。
それを軽々と抑えつけた黒色のガントレット。
かつても対象となっていた二つの武装だが、これは一体どういうことだろうか。
川 ゚ -゚)「内藤! 離れろ!!」
背後から声と攻撃の気配が来る。
反応というよりも反射の勢いで、ブーンはその場を離れようと、
(;^ω^)「うぉわ!?」
背後へと跳ぶ力は、しかし前方から来た力で相殺されてしまう。
〈/i(iφ-゚ノii「――――」
跳躍をする場合、どうしても足が最後に残ってしまうのが人間の機構だ。
その残った片足を、ロマネスクが逆の手で掴み取ったのだ。
そのまま、逃げようとするブーンの身体を引き寄せて持ち上げ――いや、それを更に越え、真上へと投げ飛ばす。
- 16: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:31:28.94 ID:pd2Of4e00
- 川;゚ -゚)「内藤!?」
(;^ω^)「ぬぉわぁぁぁぁぁ!?」
*(‘‘)*「今なら当たることはないです!」
ヘリカルのステッキと、ニダーのライフルが光を噴いた。
幾筋もの光条が、一直線最短距離をなぞってロマネスクへと殺到する。
〈/i(iφ-゚ノii「――――」
しかし彼は、秒以下の速度で飛来した光を一瞥さえもしなかった。
こちらの身を食わんとする力を無視。
その視線の先は、頭上でもがいているブーンから離れることはなかった。
構える。
タイミングを計り、今も身体にぶつかる光を無視し、その黒い拳を握り締める。
川;゚ -゚)「まさか――!?」
思うが同時、クーの足下に光が集い、透明色のブーツが作り上げられた。
姿が消えたのは直後。
音速に近い速度で、クーは無謀にもニダー達の射線上に飛び出した。
- 21: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:33:18.99 ID:pd2Of4e00
- その時だった。
ロマネスクの目が生々しく動き、姿さえ見えぬほどの速度で走るクーを捉えたのは。
続いての変化は口元で、
〈/i(iφー゚ノii
冷たい何かが背筋を撫でる。
近付いてはいけない、と頭の中で警鐘がけたたましく鳴り響いた。
川;゚ -゚)(だが――!!)
それよりも護りたいものがある。
恐怖を払い除けてまで、危険を冒してまで駆けつけたい存在がある。
クーは、もはや己の身さえ顧みずに疾駆した。
ブーンの身体が落ちていく。
中空では何も出来ない彼は、手足をバタつかせながら何とかしようともがいている。
その直下にはロマネスク。
未だニダー達の攻撃を食らいながらも、一歩たりとも動いていない。
拳は既に握られ、後は落ちてくる獲物を待つだけとなっていた。
川;゚ -゚)「間に合え……!」
しかし、現実とは残酷なもので。
(;^ω^)「ぐぁ!?」
落ちてきた無防備な背中に、ロマネスクの拳が突き刺さる結果に終わってしまった。
- 23: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:34:33.69 ID:pd2Of4e00
- 時間が停止したかのような光景は一瞬。
直後、まるで矢のようにブーンの身が吹き飛ばされる。
川;゚ -゚)「くっ!」
それを見たクーの判断は、高速かつ的確であった。
まず6th−W『ギルミルキル』を消滅させ、次の瞬間には背中に10th−W『レードラーク』の機械翼を出現させる。
超高速疾走によって発生した慣性を殺す間もなく、正面から飛んでくるブーンを身体ごとキャッチ。
(;^ω^)「ク、クー!?」
川;゚ -゚)「少し我慢してろ……ッ!」
(;^ω^)「ぐぇぇぇ」
ブーンごと背後へと吹っ飛ぶ身体を、背中の翼を全開にすることで抑えつけた。
風圧が翼を叩き、光の羽が次々と削られるように舞うが、その速度は確実に殺されていく。
地面につけた踵が荒れ地を抉り、ロマネスクから実に五十メートルほどの距離でようやく止まることとなった。
川;゚ -゚)「……ふぅ、大丈夫か?」
(;^ω^)「あ、ありがとうだお。 油断しちゃったお」
川 ゚ -゚)「いや、君の初撃の判断は正しかった。 戦いのセオリーだ。
……だが奴はその常識すら超える化物らしい」
- 28: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:37:56.43 ID:pd2Of4e00
- 最初から解っていたはずなのだ。
しかし、だからと言って、みすみす隙を逃せば勝てるものも勝てない。
攻撃とは、『当たる』というイメージを以って放たれる。
もちろん同時に、『当たらないかもしれない』という結果も想定しなければならない。
そうでなければカウンターの餌食になるかもしれないし、無駄な動きも多くなってしまうだろう。
ただ、相手が異獣の場合は違う。
川 ゚ -゚)「話の通りだな……随分と戦い難い敵だ」
〈/i(iφ-゚ノii「…………」
突き出した右拳を収める。
黒い霧のような何かを纏っているそれは、かつてのロマネスクを彷彿とさせる。
両手を下げ、仁王立つような姿勢は、こちらを完全に嘗めた格好だ。
やはりあの男は――
*(‘‘)*「ふン、随分と余裕ですね……ムカつくんですよ、アンタのそういうところが」
( ^ω^)「?」
*(;‘‘)*「アンタ会議の時、何を聞いてたんですか……。
ニダーが言ってたでしょ? アイツはロマネスクの成れの果てですよ」
(;^ω^)「あ」
*(;‘‘)*(コイツ、健忘症なんじゃ……?)
- 30: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:39:26.63 ID:pd2Of4e00
- <ヽ`∀´>「勝算はあるニカ?」
*(‘‘)*「あるならこんな減らず口叩かずに、速攻で仕掛けてます。
魔力の塊を受けて微動だにしない奴に通用する手なんかあるのか知りませんが」
( ^ω^)「じゃあ、まずはあの防御力を何とかしないといけないのかお」
川 ゚ -゚)「もしくはそれを超える攻撃を与える、だな……」
装甲服を着ているブーン達と同じく、ロマネスクもその身に魔力を纏っている。
その濃度以下の攻撃は全て打ち消される仕組みだ。
威力を削る防御力ではなく、無効化する防御力。
ならば、敵の纏っている魔力濃度を超える攻撃ならば通用する、ということである。
もちろん攻撃が無効化されても消費されるのは確かなので
長期戦覚悟で魔力を削っていってもいいが、それでは時間が足りなくなるだろう。
やはり、ここは一撃一撃に比重を置いた作戦の方が良い。
川 ゚ -゚)「それ程の威力を持つ攻撃と言えば――」
クーがブーンを見る。
おそらく限界突破のことを言っているのだろう。
更にマジックカートリッジと併せて使えば、その力は飛躍的に上昇する。
今のブーン達が持ち得る最高の攻撃は、まさしくそれであった。
- 31: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:41:04.35 ID:pd2Of4e00
- *(‘‘)*「なら、やるこたぁ決まりですね」
ステッキを構え、ヘリカルが言った。
<ヽ`∀´>「ウリ達が隙を作るニダ。 内藤はその間に接近して、確実な一撃を当てるニダ」
ライフルを構え、ニダーも言った。
( ^ω^)「ヘリカルさん、ニダーさん……」
川 ゚ -゚)「幸運なことに、二人は対魔力戦闘のプロフェッショナルだったな。
正面から奴を相手するわけだが……出来るか?」
*(‘‘)*「出来ないなら言わねぇですよ」
<ヽ`∀´>「こっちにはこっちの戦い方があるニダ。 だから、後は任せるニダ」
( ^ω^)「……解りましたお。
でも、無茶はしないでほしいですお」
<ヽ`∀´>「元より死ぬ気はこれっぽっちもないニダ」
そう言って、ニダーとヘリカルが背を向ける。
かつては敵だった二人だが、今のブーンには何よりも頼れるものに思えた。
- 32: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:42:35.03 ID:pd2Of4e00
- *(‘‘)*「んじゃあ、化物退治といきますか」
<ヽ`∀´>「ヘリカルは空から重点的に、出来るだけダメージ狙いで頼むニダ。
ウリは地上から奴の気を引くニダ」
*(‘‘)*「まーたそうやって自分から危険なポジションを……」
<ヽ`∀´>「じゃあ、ウリがヘリカルのステッキで空から攻撃するニカ?」
問われ、ヘリカルはニダーがステッキに跨って戦う姿を想像した。
それは思った以上に心を抉るもので、彼女は不満そうに眉をひそめる。
*(;‘‘)*「……戦う前に気持ち悪い想像させないでください」
<;ヽ`∀´>「……ちょっと傷ついたニダ」
一瞬だけ暗い顔をするも、二人はすぐに笑みを浮かべた。
*(‘‘)*「ラミュタスや渡辺ちゃんが死んで、ロマネスクの馬鹿があんなになって。
ここらでそろそろ機械世界の名誉挽回を目指さなきゃ、ですね」
<ヽ`∀´>「ウリ達が培ってきた異獣との戦い方を見せてやるニダ」
ヘリカルが水平に構えたステッキに腰を乗せ、
ニダーが長年戦いを共にした相棒とも言えるライフルを構える。
- 34: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:43:57.96 ID:pd2Of4e00
- 合図は無かった。
にもかかわらず、二人は同時というタイミングで動いた。
それぞれが最も得意とし、そして互いがサポートし合える最高の位置を目指す。
〈/i(iφ-゚ノii「――――」
向かう先はかつての仲間であり、同郷だ。
しかし、その変わり果てた姿に目を逸らすことなく、ヘリカルとニダーは銃口を向け
*(#‘‘)*「死にさらせ――!!」
<#ヽ`∀´>「覚悟……!」
迷うことなく、引き金を引いた。
- 37: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:45:37.37 ID:pd2Of4e00
- 川 ゚ -゚)「――ところで内藤」
ヘリカルとニダーが戦闘を開始したのを見届けたクーは、傍にいるブーンへ伺うような視線を向ける。
変わり果てたロマネスクと戦う上で問わねばならないことがあった。
川 ゚ -゚)「君の限界突破で、奴を倒せると思うか?」
その質問は適切である。
だから、ブーンは素直に答えた。
( ^ω^)「……はっきり言って難しいお。
僕の今の限界突破は、バランス重視の安定型だから」
それは過去、ロマネスクを倒すためにブーンが出した答えだった。
クレティウスが操作する二つの拳を出現させ
自由自在に飛び回れるそれが、ブーンの攻撃と防御の穴を埋めてくれる、というものだ。
その恩威か解らないが、通常状態においてもクレティウスは一瞬だけその機能を発揮することが出来る。
つまり、以前までの強化符による瞬間最大風速を叩き出す形態に比べ
今の設定している形態は攻防力の安定化――つまり平均風速の高次元維持を目指しているのだ。
もちろん欠点はある。
何かを求めれば、代償として何かを失うのは道理だ。
ブーンは安定性を求めたが故に、最大攻撃力を減少させてしまったのだ。
- 39: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:47:35.80 ID:pd2Of4e00
- ( ^ω^)「でもだからと言って強化符に戻すのは駄目だお。
最初に会った時、ロマネスクは強化符を使う僕を完全に見切ってたお。
今いるアイツがロマネスクだって言うんなら、また返り討ちにあってしまうお」
川 ゚ -゚)「……だろうな」
強化符の方にも弱点はあった。
手や足に強化用の符を纏わせ、その速度と力を爆発的に高めるわけだが
そのあまりの速さのため、攻撃の線が直線的なものに限定されてしまうのだ。
おそらく過去のロマネスクは、そんな『見切り易さ』に着眼してブーンを叩きのめしたのだろう。
故に、ここで強化符という選択肢はありえない。
川 ゚ -゚)「また新たな形を生み出す、というのはどうだろうか」
(;^ω^)「直線的な攻撃にならないような速度で、しかもロマネスクを倒せる攻撃力を持った形かお?
ちょっといきなり考え出すのは難しいと思うお」
川 ゚ -゚)「む……そうか。 時間もあまり掛けられないしな」
そう、時間的余裕はないのだ。
ブーン達の目的はロマネスクを倒すことではなく、異獣をこの世界から排除すること。
眼前の敵を倒し終えれば、次は異獣の発生地点を破壊しなければならない。
そのための準備が先ほどから本陣で続いており、予定時刻まで残すところ三十分ほどしかない。
( ^ω^)「僕に出来ることは、今やれること、
そして今まで得てきた経験を総動員して……アイツを倒すことだお」
- 40: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:49:03.44 ID:pd2Of4e00
- 川 ゚ -゚)「…………」
ぐ、と拳を握るブーンを、クーは無表情に見つめる。
その意図を察したブーンは敢えて強気な笑みを浮かべた。
( ^ω^)「大丈夫。 何も考えてないわけじゃないお。
だから、クーは僕のサポートを任せたいお」
川 ゚ -゚)「……解った。 ただし私が君の傍にいる以上、絶対に死なせはしない。
もしもの時は自分の身よりも君を優先するつもりだということを憶えておいてくれ」
( ^ω^)「じゃあ、その時になったら僕は自分の身よりもクーを優先するお。
それでおあいこだお」
川 ゚ -゚)「それでは意味がない。 困る」
(;^ω^)「いや、困るって……僕だってクーが何より大事なんだお」
ふと飛び出た言葉に、クーは傍から見ていても解るほど大きく肩を竦ませた。
続いて軽く俯き、更に左右を確認し、ブーンを見つめたかと思えば、また俯く。
そんなことを数度繰り返した後、
川 ゚ -゚)b「把握した」
(;^ω^)(一体どんな思考が展開されたんだお……ってか、今のは考え中の行動だったのかお)
- 43: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:50:39.87 ID:pd2Of4e00
- あまり表情を表に出さないが故に、クーは普通の人と比べて少々異なる表現をすることがある。
特にブーンを前にした時の頻度は高い。
それでありながら、未だブーンはクーの行動に驚き、発見し、納得することが多々あった。
( ^ω^)(そうだお。 まだ僕はクーのことを完璧には知らないんだお)
だから、知りたい。
人間の知的好奇心とは、歴史が示す通り旺盛である。
特に自分にとって大切な存在であれば、飽きずに延々と探求することも可能だ。
そして関係の向上を求めるにしても、彼女を深く知るにしても、とにかく必要なのは時間だった。
それを自覚した時、ブーンはこの戦いに対する考え方に一つの視点を加えた。
これからもクーと、そして仲間達と共に歩むために
今、ここで異獣を倒して未来を確定させる。
気付けば、目の前にいるクーの表情が鋭くなっていた。
ブーンの湧き上がる気合に感化されたのだろうか、既に戦闘モードへ入っている。
だからブーンは何も確認することなく、自然にこう言った。
( ^ω^)「――行くお、クー」
川 ゚ -゚)「――あぁ、行こう」
片方は純白のグローブを。
片方は透明色をした刀を。
二人は同時に一歩踏み出し、己の戦うべき場へ飛び込んでいった。
- 45: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:52:25.35 ID:pd2Of4e00
- ニダー達が培ってきた対異獣の知識は多く、そして深い。
その中で大前提とも言える項目が一つあった。
――異獣と戦う場合、絶対に近付かせてはならない。
接近戦は避けるべきである、という意味である。
悪戯に兵を失うだけでなく、肉体や装備といった情報すら奪われてしまうからだった。
そもそも戦闘本能に特化している獣に挑める人間は少ない。
かの軍神は、その数少ない人間の内の、更に突出した存在だった。
だから機械世界は、銃や砲などといった遠距離攻撃用の武器技術に長けている。
ニダーが持つ大型のライフルは当然として
汎用型ステッキというヘリカルの持つ特殊な武装も、その産物だ。
どちらも遠距離攻撃を前提とした武器で、一撃一撃の威力は高めに設定されている。
その代わりとして連射性能などといった他の機能はイマイチだが、あまり気にすることはない。
何故なら『殺される前に殺せ』という意志の中、多人数で対抗するのが当然であったからだ。
だから、ニダーは前提を忠実に守って行動した。
<#ヽ`∀´>「ッ! ッ! ッ!!」
トリガーを引く度、強い振動が身体を貫く。
しかしそんな衝撃の何十、何百倍もの威力を持った魔力弾が、
一発一発に込められたまま敵へ殺到した。
- 46: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 20:54:35.36 ID:pd2Of4e00
- 〈/i(iφ-゚ノii「――――」
肩に当たる。
腰に当たる。
顔に当たる。
だが、異獣と化したロマネスクにダメージがあるようには見えなかった。
*(#‘‘)*「これならどうですか!!」
空中。
敵のほぼ真上に位置をとったヘリカルが、そのステッキの切っ先を真下へ向け
*(#‘‘)*「これがいわゆるビームシャワー!!」
桃色の光線が振り注いだ。
『砕く』という力を持つ光が一斉に、ロマネスクを中心とした大地に落ちる。
多段の激音が響き、一つ一つの光弾が硬い地面を砕いていく。
〈/i(iφ-゚ノii「――――」
発生した多量の煙の中、しかし無傷で現れるロマネスク。
茶色に濁った空気を掻き分けながら、ゆっくりとニダー達に近付いていく。
戻る/次のページ