( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

94: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:34:32.29 ID:pd2Of4e00
川#゚ -゚)「はぁぁっ!!」

その中で落ちてきたのはクーだ。
大鎌を目一杯振りかぶり、着地のインパクトと同じくして振るう。
走る刃は斜めの軌道で、ロマネスクの首を引っ掛けるようにヒット。

川#゚ -゚)「これで――どうだ!!」

速度はゼロにならなかった。
引っ掛けた刃を中心に、落下の勢いを利用して半回転。
つまりロマネスクの背後へ着地したクーは、握った柄を思い切り引き込んだ。

〈/i(iφ-゚ノii「……ッ!?」

当然、ロマネスクは後ろへ引っ張られるようにバランスを崩す。
そしてまたもや当然、倒れないように足を引こうとするが

*(‘‘)*「残念無念。 また来週〜」

既に剣先で足を引っ掛けていたヘリカルが、笑っていた。

川#゚ -゚)「ヘリカル! 一気にいくぞ!」

*(#‘‘)*「へいへい!!」

クーは更に鎌を引き、ヘリカルは引っ掛けていた剣を思い切り叩き上げる。



96: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:36:13.38 ID:pd2Of4e00
完成した結果は単純なものだ。
身体の端々を別方向へ引っ張られたロマネスクは、力任せの勢いにその場で半回転することとなる。
それはまさしく足は天に、頭は地に向く形だった。

〈/i(iφ-゚ノii「――――」

いきなり天地を逆さにされたにも関わらず、ロマネスクの表情に驚きは見られない。
その目は、己へと向かってくる敵意だけに向けられていた。

(#^ω^)「既視感あるけど気にせず元気良く!
      OVER ZENITH――!!」

本日二度目の限界突破を発動させるブーンだ。

一層強い白光を両手に携え、先ほどと同じように突進してくる。
今のブーンの狙いはロマネスクの撃破ではなく、その胸部だった。

この行動の真意は、一度目の攻撃が防がれたことで生まれた疑問を解消するためである。

一度目の激突の時、ロマネスクはブーンの攻撃を右腕で防いだ。
ニダー達の射撃を物ともしない防御力を誇っていながら、何故かブーンの攻撃だけを防いだのだ。



98: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:38:00.81 ID:pd2Of4e00
ブーンの限界突破の攻撃力を脅威を見ているのか。
それとも大技に対して、カウンターを狙ってきたのか。
もしくはブーン達には及びつかない思考が、その結果を生んだのか。

違う。
もっと単純だ。

防御するということは、敵の攻撃力を削減する、ということ。
つまりロマネスクはあの時、咄嗟にガントレットで何かを守ったのだ。

――ブーンが狙っていた胸部を。

(#^ω^)(まだ100%とは言えないけど……そこが奴の急所かもしれないお!
      だから、この攻撃で見極める!!)

もし、またロマネスクが同じように防げば確定だ。
もしくは回避でもいいし、何でもいい。
とにかく胸部への被弾を嫌がるのならば、高確率で弱点発覚である。

(#^ω^)(だから、打ち抜く――!!)

止められるものなら止めてみろ。
思い、ブーンは限界突破を作動させる。

(#^ω^)「おぉ……!!」

出現した拳の数は以前と同じで二つだ。
それらを右腕に纏わせ、一撃必殺のエネルギーを編み上げる。
限界突破の負担が身体を軋ませるが、そんなことは知ったことではなかった。



100: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:39:48.07 ID:pd2Of4e00
(#^ω^)「喰らええぇぇぇえ!!」

完全に回避運動を封じられたロマネスク目掛け、拳を突き出す。
踏み込み、腰の捻り、そして打突。
三段階のプロセスを経て放たれる拳は、他のものとは異なる点があった。

少林寺拳法は親指が上になるような突き方――つまり縦拳を主流としている。
これは『肘が外側に出ないように』という理屈もあるのだが、実はもう一つ意味があった。

速度である。

構えにもよるが、横拳に比べて縦拳の発生の方が早いのだ。
説明するより実際にやってみた方が理解しやすいかもしれない。

空手等の横拳は確かに威力、貫通力などに利がある。
だが少林寺拳法が選んでいる縦拳は、攻撃から命中までが段違いに速い。
『急所を狙い打つ』という前提が生み出した効率重視の技術なのである。

本来ならば威力を求めるべき場面だ。
しかし、そこはクレティウスが補助してくれている。
故にブーンは、何も考えることなく最速の拳を放つことだけを目指した。

〈/i(iφ-゚ノii「――ッ!!」

(#^ω^)「おぉぉぉぉ!!」

拳と腕、グローブとガントレットが激突する。
硬い音を立て、一瞬だけ両者の動きが止まった。
風船のように広がった衝撃波が、周囲の小石や砂を吹き飛ばす。



103: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:42:03.82 ID:pd2Of4e00
(#^ω^)「だりゃぁぁっ!!」

だが、それで終わりではなかった。
ブーンの腰が捻じ切れておらず、腕がまだ完全に伸びていないことからも明らかだ。
まだブーンは打撃の途中なのである。

だから、押す。

更に腰をひねり、右半身を捻り込み、腕を伸ばした。
クレティウスの攻撃補助が加わり、その打撃力が格段に上がる。
それは、初撃を受け止めたロマネスクにとって予想外の力場と化し、

〈/i(iφ-゚ノii「――――」

耐える間もなく、吹っ飛んだ。

川 ゚ -゚)「よし……!!」

<ヽ`∀´>「これが限界突破……いや、クレティウスの――」

*(;‘‘)*「べ、べべ別に驚いたわけじゃないんだからね!!」

ニダーとヘリカルの驚きと戸惑いは当然だ。
あれだけ堅牢を誇っていたロマネスクが、まだ若いブーンによって殴り飛ばされたのだ。
彼の何倍もの時間を戦いに当てている彼女達からすれば、驚嘆の感情はごく自然と言える。

(;^ω^)「げほっ、げほっ! なんか喉に入ったお……!」

当の本人はのん気なものだった。
しかし、流石に限界突破の連続使用が堪えたのか、全身で息をするように喘いでいる。



108: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:43:54.84 ID:pd2Of4e00
川 ゚ -゚)「大丈夫か?」

(;^ω^)「何とか……ちょっと身体の節々が痛むけど、大丈夫だお。
     それよりもロマネスクはどうなったお?」

ブーンの一撃を受け止めきれなかったロマネスクは
初期位置から数十メートルも先に倒れている。
何度か地面で跳ねたのか、道標のように、断続的に煙が上がっていた。

川 ゚ -゚)「かなり飛んだな。 先ほどと同じ攻撃に見えたが」

( ^ω^)「クー達が浮かせてくれたからだお。
     人間って足が地面についてないと、どうやっても踏ん張れないから」

そうか、と呟きながら、だが、とクーは思う。
それを差し引いても、ブーンの攻撃力は目を見張るものがあったからだ。

川 ゚ -゚)(あれが本来のクレティウスの力ということか……?)

( ^ω^)「……でも、変だったお」

川 ゚ -゚)「変?」

(;^ω^)「よく解らないんだけど、殴った時の感触がおかしかったお。
     皮膚とか筋肉じゃなくて……もっと石みたいな硬さだったお」



109: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:45:21.31 ID:pd2Of4e00
川 ゚ -゚)「鎧か、それとも何か仕込んでいたのではないか?」

( ^ω^)「それだと右腕で頑なに防御しようとする意味が解らないお。
      もしかしたら、あの感触は――」

ブーンが何かを言いかけた時、動きがあった。
味方であり、その色は強い警戒と驚きである。

〈/i(iφ-゚ノii「…………」

視線の集中した先にはロマネスクが立っていた。
あれだけの衝撃を受け、既に体勢を立て直している。
かなり容赦のない一撃を見舞ったつもりだったが、あまりダメージを受けている様子はなかった。

(;^ω^)「やっぱりあれくらいじゃ駄目かお……!」

川;゚ -゚)「いや、待て。 見ろ」

クーが何かに気付いたようだ。
その視線を追ったブーンも、先ほどまでとは異なる点を見つける。

(;^ω^)「……?」

薄く砂埃を被ったロマネスクの身体を凝視する。
殴った部分、つまり胸部の服や装甲が破れ、その中身が見えてしまっていた。

ブーンが驚きの声を挙げたのは、直後だった。



110: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:46:52.36 ID:pd2Of4e00
(;^ω^)「あ、あれって!?」

川;゚ -゚)「あぁ……信じ難いことだが、もしかして――」

見れば、ニダーやヘリカルも絶句していた。
歴戦の戦士である彼らですら、ロマネスクの胸部にある物体から目を逸らせないでいる。


……ロマネスクの胸部に、黒い宝石のような物体が埋め込まれている。


ただの宝石ではない。
胸部の大部分を占める大きな石は、ただの物質にしては異常だ。
鼓動に対応しているのか一定のリズムで薄い光を発しており、むしろ内臓の一部にも見える。

それは、ブーン達の知るモノによく似ていた。

*(;‘‘)*「ルイル……ですか……!?」

(;^ω^)「!!」



114: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:47:53.34 ID:pd2Of4e00
ルイルとは、魔力の結晶体とも言える魔法石である。
魔粒子を生み出す根源であり、文化の種とすら言われる影響力の強い物質のことだ。
ブーン達も持つ武器にも使用されており、その威力の程は今までの通りだ。

それが、ロマネスクの胸部に埋め込まれていたのだ。

(;^ω^)「ど、どうやって……!
     いや、それよりもあんなことして大丈夫なのかお!?」

川;゚ -゚)「あまりポジティブなイメージは湧かんな」

*(;‘‘)*「馬鹿言ってんじゃねーですよ……!
     遺伝子レベルから組み込まれてる英雄ならいざ知らず、
     あんなもんをいきなり人体に埋め込んで、何もないわけがないです!」

あの虚ろな表情は。
光の見えない目は。
死人のような覇気の無さは。

〈/i(iφ-゚ノii「――――」

全てそういうことなのだろうか。

いや、あんなものを見せられては、そうとしか思えなかった。



120: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:49:36.33 ID:pd2Of4e00
<;ヽ`∀´>「異獣はどこまで……どこまで人間を……!!」

ニダーが歯噛みする気持ちは全員が同じだった。
かつての彼らにとっては味方で、ブーン達にとっては敵だった男だが
それでもあんな姿にさせられたとなれば、同じ人間として憤懣がこみ上げて当然である。

( ^ω^)「――許せないお」

川 ゚ -゚)「あぁ」

(#^ω^)「あんなことを平気でするなんて……人は、玩具じゃないお!!」

川 ゚ -゚)「……そうだな」

怒りに燃えるブーンだったが、対するクーの表情は暗かった。
人の手によって作り出された彼女にとって、
ブーンの『許せない』という言葉が、クルト博士にも向けられているように思えたからだ。

彼の性格を鑑みれば、それはない、と信じることが出来る。
だが、この心に生まれる痛みは否定しようがない。
たとえ被害妄想だと言われようとも、仕方ないものは仕方ないのだ。

川 ゚ -゚)(――いや、今はそんな馬鹿なことを考えている場合ではない、か。
     私はもう生まれ落ち、ここまで来た。 今考えるべきは未来だ)

クルト博士だって、いつまでも自分の出自について気にしてほしくないはずだ。
もしかしたらリトガーや渡辺も、そう思ってくれているかもしれない。
今、後ろを見るのは絶対に間違っている。

だから、クーは未来を望むために前へと意識を向けた。



123: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:50:56.09 ID:pd2Of4e00
川 ゚ -゚)「確認するが、あれを元に戻す方法は本当にないのか?」

*(‘‘)*「…………」

<ヽ`∀´>「……不可能ニダ。
      あるかもしれないが、ウリ達はそんな技術を持ってないニダ。
      そういう意味で不可能ニダ」

(;^ω^)「……!」

川 ゚ -゚)「異獣と長年戦い続けてきたお前達でも無理なのか?」

<ヽ`∀´>「今まで異獣と戦えば、生きて帰るか死んで食われるかのどちらかだったニダ。
      あんな風に、死体を傀儡として操る術を見たのは初めてニダ」

渡辺達の言が正しければ、ニダー達は異獣と数百年も戦いを続けていたはず。
だというのに、ロマネスクを操っているような事象が一度も起きなかったのだろうか。
敵兵を吸収することの出来る技術があるのならば、使わない手はないはずなのだが。

川 ゚ -゚)(ここ最近で異獣が編み出した技術なのか……?
     確か軍神やヒートは身体の一部を異獣に奪われた、と言っていた。
     もしその目的が、今のロマネスクのための布石だとすれば……)

一応、頷ける。
だが確信は出来ない。

奴らがどれほどの時間を生きたのかは知らないが、
その中で敵兵を戦力として操る術を会得していないとは言い難いからだ。



125: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:52:45.23 ID:pd2Of4e00
他に考え得る要素と言えば、何があるだろうか。

川 ゚ -゚)(今日、この時のため……か?)

もし仮に操る術を持っていたとしても、
それを見せなければ、敵は対抗技術を得るのは不可能だ。
誰もかかったことのない病気に対する薬を作ることが出来ないのと同じである。

川 ゚ -゚)(あるいは、両方……)

技術として育んでいたが、それを機械世界相手には使わなかった。
もしくは敵兵を捕らえて実験していたが、それを戦力として使うことはしなかった。

川 ゚ -゚)「…………」

どれも頷ける考えだった。
だが何にせよ、異獣の残虐さは今に始まったことではない。
ロマネスクを解放することが出来ないと解った今、すべきことは――

<ヽ`∀´>「――アイツを殺してやることしか、ウリ達には出来んニダ」

(;^ω^)「それしか、本当にそれしかないのかお……?」

*(‘‘)*「あんまり面識ないくせに、助けたいんですか?」

(;^ω^)「だ、だって……ロマネスクとは一度戦ったことがあるんだお。
      あの時、彼が負けてなければ……」

川 ゚ -゚)「馬鹿なことを言うな、内藤。
     もしそうなっていたら、今の君は向こう側にいたのかもしれないんだ」



128: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:54:36.49 ID:pd2Of4e00
視線の先には空ろな表情で立つロマネスク。
かつての面影はほとんどないが、右目に残された縦傷が彼のことを証明している。
今の彼はゾンビのような雰囲気を持っているが、しかしまさにそれなのだろう。

川 ゚ -゚)「私は君を殺すなんて絶対にイヤだ。
     だから、冗談でもそういうことは言わないでくれ」

(;^ω^)「……クー」

川 ゚ -゚)「君は勝ち、生きている。 ロマネスクは負け、ああなった。
     これは絶対に変えられない現実だ。
     だから、今は後悔するんじゃなくて、前だけを見ていてくれ」

(;^ω^)「…………」

それでもブーンは俯いたままだった。
若いからだろうか、全てを救いたい、という気持ちが表情に表れている。

解らないでもないが、どうにもならないこともあるのが現実だ。
それをおぼろげながら知っているクーは、更にブーンへ言葉を投げかけようとして、


「――迷うなよ、ガキ。 躊躇は――度し難い隙を生むぜ」


新たに割って入った声に、驚いて目を見開いた。



131: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:56:30.35 ID:pd2Of4e00
川;゚ -゚)「ッ!?」

ここに来て新たな敵か。
それとも味方か。

周囲を見渡し、次にニダー達を見て、彼らの視線を辿り、
ようやくクーは、正体不明の声の出所を見つけることが出来た。


〈/i(iφ-゚ノii「よぉ――久々だな」


その予想すらしていなかった光景に、背筋が凍るのを感じながら。

川;゚ -゚)「貴様……ッ!?」

*(;‘‘)*「喋った!? どうして……!?」

更に薄ら寒いものが神経を撫でる。
確かに声を出しているのはロマネスクだが、その口も、目も、表情すらも動いていないのだ。
腹話術を連想する光景は、どこか出来の悪い冗談のようであった。

〈/i(iφ-゚ノii「驚くこたぁ――ねぇだろ。
       この身体は元々――俺のモンだぜ?
       ただまぁ――今使えるのは――発声器官くらい――だけだがな」

はぁ、と溜息のようなものを吐き

〈/i(iφ-゚ノii「ま、呼吸すら――制御出来ねぇから――変な喋り方になるけど――許せや」



134: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 21:58:24.00 ID:pd2Of4e00
川;゚ -゚)「一体何のつもりだ……! まさか異獣についたと言うのか!?」

〈/i(iφ-゚ノii「馬鹿言う――んじゃねぇ。
       俺ァ機械――世界側の人間だぜ?」

<;ヽ`∀´>「……説明が欲しいニダ」

〈/i(iφ-゚ノii「だろうな。 じゃあ――よーく聞けよ?」

途端、動きが起きた。
こちらに歩んでいたロマネスクの身体が弾けるように稼働し
先ほどとは段違いの速度で向かってきたのだ。

*(;‘‘)*「ッ!?」

川;゚ -゚)「危ない!!」

すっかり油断していたヘリカルの身体が強張り
それを見てとったクーが、間髪入れずに割って入った。

川;゚ -゚)「貴様……何を!?」

〈/i(iφ-゚ノii「気ィつけろ。 
       この身体は――もはや俺の意思では――どうにもならねぇ」

川;゚ -゚)「っぐぅぅぅ!!」

咄嗟に出現させたジゴミルに、ロマネスクの拳が当たる。
黒い霧のようなものを噴出させながらの打撃は、
防御姿勢のクーを軽々と仰け反らせるほどのパワーを持っていた。



137: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:00:15.44 ID:pd2Of4e00
(;^ω^)「クー!?」

川;゚ -゚)「ッ……! 私は大丈夫だ!」

<;ヽ`∀´>「ロマネスク! どういうことニカ!?」

〈/i(iφ-゚ノii「言った通りだが。 今の俺に出来ることは――声を出すことだけ――でな。
       なんだか――他人という着ぐるみを――被ってる気分だぜ」

川;゚ -゚)「それが本当だという証拠は……!?
     だとするなら、そもそも何故最初から声を出さなかった!?」

〈/i(iφ-゚ノii「出さなかった――じゃねぇ――出せなかった、だ。
       少しの自由を得たのは――あのガキが俺を――ブン殴ったからだだろう」

(;^ω^)「僕が……?」

〈/i(iφ-゚ノii「俺の胸を――見ろ」

そこには先ほど発見した通り、黒色の魔法石が埋め込まれている。
先ほどは遠目で解らなかったが、その表面が少しだけ欠けているのが見えた。

〈/i(iφ-゚ノii「これが――俺の身体を――変容させた仕掛けだ。
       奴らが俺に――行なったのはおそらく――魔法的な人体改造だろう」

(;^ω^)「人体改造……!? っく!」

言っている間にも追撃が来る。
一瞬でも気を抜けばやられてしまいそうな攻撃の中、
ブーン達は連携を崩さぬよう尽力しながら、ロマネスクの言葉に耳を傾ける。



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