( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

140: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:01:40.16 ID:pd2Of4e00
〈/i(iφ-゚ノii「これにガキが――少し衝撃を与えたおかげで――
       システムに不調が――出たらしいな」

*(;‘‘)*「つまり、その胸にあるルイルがアンタを縛ってるわけですか……?」

〈/i(iφ-゚ノii「少し違う――な。
       縛るンじゃねぇ――これは――合成剤だ。
       俺の身体と――異獣の要素を混ぜ――魔法で――強引に――!」

(;^ω^)「うわっと!?
     じゃ、じゃあ……それを破壊すれば!」

〈/i(iφ-゚ノii「言っただろうが――合成だ、と。
       混ぜられた二つの――要素は、もう――二度と元には戻らねぇ。
       今の俺を――生かしているのは――このクソ憎たらしい――石だ」

もし破壊すれば、という仮定に答えは一つだけだった。

破壊すれば、ロマネスクは今度こそ本当に死ぬ。
壊さなければ、ロマネスクは傀儡として操られ続ける。

どちらにしても人として生きていくのは不可能であった。

〈/i(iφ-゚ノii「だから――殺せ。
       お前らの邪魔に――なるくらいなら――死んだ方がマシだ」



143: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:03:46.00 ID:pd2Of4e00
(;^ω^)「ロマネスク……!」

川 ゚ -゚)「……それしかないな」

(;^ω^)「っ! でも! あのロマネスクの言葉が本当だとは――」

<ヽ`∀´>「確かにウリ達には真実は解らんニダ。
      しかしもう戻すことが出来ないと解っていて、更に敵対している以上……。
      もう、倒すしかないニダ」

*(‘‘)*「……理不尽なもんですよ、世の中って」

クー達は覚悟を決めたようだ。
特にニダーとヘリカルにとって、ロマネスクとは同じ組織に所属していた者同士だ。
詳しい実情は解らないが、相応の仲間意識があってもおかしくないはず。
だが彼らは、その感情を殺してまでロマネスクを消しさるつもりのようだ。

(;^ω^)「くっ……! こんなの酷いお! おかしいお!」

<ヽ`∀´>「戦いの前から解っていたはずニダ。
      これが異獣と戦うことだ、と」

*(‘‘)*「そもそも何もかもを、誰も彼もを助けるなんて無理なんですよ。
     こんな現実における当たり前の経験を、私とニダーは機械世界で学びました」

(;^ω^)「だからって! 確かめてもいないのにロマネスクの命を諦めるのかお!?
     もしかしたら合成だとか何とかは、異獣に言わされてるだけかもしれないお!
     助けられるかもしれないのに最初から諦めるなんて……!
     それに貴方達は、アイツの仲間だったんじゃないのかお!?」



144: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:05:53.24 ID:pd2Of4e00
*(#‘‘)*「仲間だったから、ですよ……!!」

平静を保っていたヘリカルが、厳しい視線をブーンに向けた。
今にも掴みかかろうとするような表情は、怒りに染まっている。

*(#‘‘)「仲間だから! あんな姿になったアイツを、これ以上生かしておくがツラいんです!
     それにアイツだって、異獣を倒すのを邪魔してまで生きていたいとは思ってねぇですよ!
     あんな言動で、あんな事をやった奴ですけど……意思は私達と同じなんだから……!!」

(;^ω^)「ッ……!!」

<ヽ`∀´>「……内藤。 その『救いたい』という気持ちだけでいいニダ。
     そしてアイツにとっての『救い』は、今の内に殺してやることニダ。
     なら、あとは何をすべきか解るニカ?」

解るとも。
そのくらい言われれば解る。

自分は所詮、彼らを深く知らない蚊帳の外の人間だ。
しかもロマネスクに対して友好的な感情は持っていないし、元は敵同士の関係だ。
フサギコに重傷を負わせ、ツンを拉致し、戦いを望まない人達まで巻き込もうとした男だ。

(;^ω^)(でも……!!)

ヘリカルが言ったではないか。
『彼の意思は自分達と同じなのだ』と。
しかし、だとするならば――


……果たしてこの戦場の何処に、自分達の敵がいるのだろうか?



147: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:07:32.31 ID:pd2Of4e00
〈/i(iφ-゚ノii「おい――動くぜ」

状況はどこまでも勝手に動こうとしていた。
己の異変をキャッチしたのか、ロマネスクが自身の攻撃を予知し、警告してきたのだ。
そしてそれは、憎たらしいほど忠実に実行へと移される。

川 ゚ -゚)「私が前へ出る! ニダーとヘリカルは隙を作ってくれ!」

(;^ω^)「ク、クー……!」

川#゚ -゚)「邪魔だ!! 下がっていろ!」

がん、と頭を硬い物で殴られた気がした。
自分がわがままを言っているのが解っていても、その言葉は大きく突き刺さる。

一瞬で思考を真っ白に染められたブーンは、よろけるように数歩後ろへ下がってしまった。

それをクーが見ることはない。
ただ足音で確認した彼女は、振り返ることなく前へ走った。

川 ゚ -゚)「…………」

*(‘‘)*「あの夢見がちなワンダーボーイには、ちょいとキツいんじゃねーですか」

いつの間にか横に飛んできたヘリカルが言う。
先ほどから話しかけてくるのは、クーに少なからず興味を持っているからだろうか。



151: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:09:34.49 ID:pd2Of4e00
だが、問い掛けにクーはかぶりを振った。

川 ゚ -゚)「事実だ。 戦う意思のない者が戦場に立っていても役に立たない。
     それがたとえ自分にとっての支柱になる男だとしても、な。
     逆を言えば戦う意思さえあれば、私は――」

*(‘‘)*「はいはいワロスワロス。
     つまり信じてるわけですかい……御熱いことで」

川 ゚ -゚)「それよりも、人の心配をするほど余裕があるとは思えんが」

*(‘‘)*「はン。 弱音を見せれば慰めてくれるタチですか、アンタ?」

川 ゚ -゚)「……成程な」

若いくせに随分と強いな、とクーは思った。
おそらく機械世界で数々の地獄を見てきたのだろう。
言葉遣いはともかく、言動が多少大人びているのは、そういうことかもしれない。

川 ゚ -゚)「! 来るぞ!」

風が不規則に揺らいだ。
前方から、強い力を纏う敵が来たのだ。

〈/i(iφ-゚ノii「右腕に注意――しろ! この黒い――粒子は――変幻自在だ!」

川#゚ -゚)「身を以って知っているさ!」



153: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:11:08.06 ID:pd2Of4e00
14th−W『ハンレ』と黒色のガントレットが正面から激突した。
一度弾かれ、体勢を立て直した両者が再び武器を振るい、ぶつける。

奇妙な感覚だった。
敵と戦いながら、まさか敵の口からアドバイスを受けるとは。
だが、その情報に偽りは混ざっていなかった。

川#゚ -゚)「はぁぁッ!!」

〈/i(iφ-゚ノii「そうだ――それでいい!」

体格や力関係で言えば、ロマネスクが圧倒的に勝っている。
当然、ぶつかる毎に押されるのはクーであり、しかし互いの位置はほとんど変わっていなかった。

川#゚ -゚)(もう昔の私じゃない……!
     多くの戦闘を通じて、戦い方に種類があるのだと知った!)

重い攻撃を正面から受けるのは馬鹿がすることだ。
特にこれほどまでパワーの差があると、防御するだけで体力を大きく消耗する。
衝撃は筋肉を傷つけ、震動が骨を蝕み、感覚を削っていく。

だから、クーは戦い方を考えた。

下半身に力を入れ、腰を深く落として構えるのではなく
重心を出来るだけ上へ引き上げ、フットワーク重視の体勢で挑んだのだ。
つまり攻撃を防ぐのではなく、捌いていく構えである。



155: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:12:25.40 ID:pd2Of4e00
川#゚ -゚)「ッ! っ! はぁっ!」

刀身を上手く使い、鋭く穿たれる拳の軌道を逸らす。
決して身体の前面を相手に晒さず、常に左半身を前にする格好だ。
回避は主に左方向へ、ロマネスクを中心に旋回するように心がける。

絶対に押されてはならない。
相手の勢いをまともに受けてしまえば、体勢を立て直すまでに潰されてしまう。

川#゚ -゚)「そこだッ!!」

そして大振りの攻撃を見定めては、それを捌いてカウンターを仕掛けていった。
もちろん狙いはロマネスクの胸部にある黒色の石だ。

〈/i(iφ-゚ノii「遅ぇ――!」

だが、それが当たることはない。
これでも出来る限りの全力反撃なのだが、それを上回る反応速度でロマネスクが対応した。
今まで使用してこなかった左腕――ガントレットは装着されていない――を巧みに操り
クーと同じように、その剣線を絶妙に逸らしていく。

〈/i(iφ-゚ノii「もっと――更に早く!
       俺を倒すなら――速度を求めろ!
       それが出来ない――のであれば――!」

解っている、とクーは呟いた。
そして、言う。

川#゚ -゚)「速度が足りないのならば! 単純に手数を増やすだけだ!」



157: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:14:38.03 ID:pd2Of4e00
同時、求める要素が来た。
斜め後ろ方向からニダーの射撃が。
そして真上からはヘリカルの対地砲撃が。

ロマネスクを中心として、交差するように威力のラインが突っ切っていく。

〈/i(iφ-゚ノii「――!」

動きが微かに止まった。
瞬間的に判断したクーは一抹の迷いすら呑み、踏み込んだ。

川#゚ -゚)「シュード・ロステック!!」

隙が生まれた胸部に、クリアカラーの槌頭が叩き込まれた。

アッパー気味の軌道だ。
肋骨の隙間を縫うどころか、粉砕してまで肺にダメージを与えるための一撃。
不意を突かれたロマネスクに防御の猶予は少なく、深い衝撃が彼を襲う。

〈/i(iφ-゚ノii「ぐごっ……!!」

嫌な音が聞こえ、嫌な声が続いた。

川;゚ -゚)(なっ……! 痛みが伝わるというのか!?)

僅かに本能的な逡巡が生まれる。
いくら非情に徹する心で構えていても、
無いと思っていた他人の痛みを眼前にして、不動でいられるほどクーは強くなかった。



158: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:15:51.48 ID:pd2Of4e00
川;゚ -゚)「しまっ――」

状況が逆転した。
今度はクーが隙を見せ、ロマネスクが腐った目でそれを捉えたのだ。
死を予感させる不可視の針が、身を貫いてしまったような感覚が走る。

〈/i(iφ-゚ノii「馬鹿野郎――!!」

川; - )「ッ!?」

警告の声が来た時には、既にロマネスクの拳がクーの腹部を突いていた。

インパクトの瞬間、全ての音が消える。
続いて肉を抉られる感触が続き、衝撃に身が浮いた。

川; - )「か」

痛みが来るよりもまず、奇妙な吐息が吐き出される。
続いて我慢出来ない不快感が脳を侵し、ようやく激痛が腹を中心に爆発した。
下半身が消えてなくなったかのような感覚に、クーは思わず顔を歪める。

川; - )「ぁ――がっ!?」

涙が出るよりも早く、次の攻撃が襲い掛かる。

今度は右肩だ。
骨の芯まで響くような、むしろ砕かれたような、そんな的確な打突だ。

短い間に、そんな多量の外的情報を叩き込まれたクーの脳は混乱を極め
各部位に適切な命令を出すことが出来なくなっていた。



159: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:17:35.53 ID:pd2Of4e00
*(#‘‘)*「こんにゃろ!!」

クーが三撃目を覚悟した時、ヘリカルが真上から落ちてきた。
両手で抱えるエネルギーブレードがロマネスクを上から切り裂く。

一刀轟音。

それは落雷に等しい威力を持っていた。
ロマネスクごと大地を断つブレードは、その刀身を砕くように爆発させた。

〈/i(iφ-゚ノii「――!」

稲妻とも呼べる光の粒子が四方八方へ撒き散らされる。
無差別攻撃と同時に、目晦ましの意味を持つ二重の追加効果だ。
その間に逃げろ、というクーに宛てたメッセージも込められており、それは確かに届いたはずなのだが

*(;‘‘)*「やっば……!」

川 - )

肝心のクーが動けていない。
いや、動くことが出来ずにいるのだ。

意識すらハッキリしているか疑わしい状態だった。



161: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:18:59.26 ID:pd2Of4e00
しかし他人の心配ばかりしている場合でも無い。
今、ロマネスクに一番近い位置にいるのはヘリカルだ。
離脱するために体重を後ろへ傾けてはいるが、安心出来ないのが怖いところだ。

一瞬の迷いが生じる。
無理にでもクーを助けるか、自分の命を優先するか。

クーではなくニダーならば迷わず助けようとしたかもしれない。
各々仲間と謳ってはいるが、付き合ってきた期間の差を埋めることは不可能だった。
微妙な心境が、ヘリカルの判断を僅かに遅らせる。

そして最悪なことに、ロマネスクがヘリカルを見た。

クーは後で好きに出来るだろう、という判断からか
彼から見てヘリカルはまさに『飛んで火に入る夏の虫』状態であった。

*(;‘‘)*「ちィっ」

もはやこうなってはクーを助けることなど出来ない。
自分の命を保持するだけで精一杯だ。

ステッキを構え直す動作と、視線がロマネスクの右腕に集中するのは同時。
謎のガントレットに包まれた右腕の攻撃力は計り知れない。
兎にも角にも、あの一撃をかわせるかどうかが勝負の分かれ目――

*(;‘‘)*「……え?」

ロマネスクの半身が翻った。
追従するように走る右腕が、気付けば溜め動作無しにヘリカルの顔面へ向かっていた。



163: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:20:50.42 ID:pd2Of4e00
*(;‘‘)*(裏拳!?)

攻撃の正体を見破った時には遅い。
不意打ちに似たタイミングで放たれた拳が、ヘリカルの眼前まで迫る。

その時だった。

(#゚ω゚)「このやろぉぉぉぉぉッ!!!」

〈/i(iφ-゚ノii「――!?」

*(;‘‘)*「ひっ!?」

華奢な顔面を跡形もなく砕くかと思われた一撃は、しかし直前、僅かに軌道を変えた。

いきなり飛び込んできたブーンが、ロマネスクを殴り飛ばしたのだ。

結果、高速で走る黒い拳がヘリカルの頬を掠めていき
殺人的な不意打ちは、彼女の頬を切り裂くのみに終わった。

*(;‘‘)*「ってててていうか何その豹変っぷり!?」

(#^ω^)「大切な人を傷つけられて、黙っていられるほど御人好しじゃないお!!」

*(;‘‘)*「何つーご都合幸せ思考回路……!」

あまりに稚拙過ぎる行動理由だが、助けられたのは事実だ。
礼の言葉を口にするのも悔しいので心の中で済ませたヘリカルは、すぐさま思考を切り替える。



164: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:22:26.29 ID:pd2Of4e00
<#ヽ`∀´>「逃げるニダ!!」

ニダーがこちらに走ってきながら叫んだ。
適度な距離を詰めると、脇に抱えたライフルの銃口をロマネスクに向ける。

同時、ライフルが形を変えた。
バレル部分が花のように展開し、アンテナに似た形を作り上げたのだ。
ドクオの7th−W『ガロン』の限界突破をコンパクトにしたような変形だった。

ばち、と電流の火花が散り、何かを充填するような音が響き、

<#ヽ`∀´>「……ッ!!」

そのまま引き金を引けば、銃口から突風が吹き荒れた。
砂と埃を掻き分けながら走った風はロマネスクに直撃する。
突風程度の力で揺らぐ敵ではないと解っているはずなのだが、これは一体――

*(;‘‘)*「――まさか」

この攻撃方法は初見だったが、感じる空気に覚えがあった。
そして何故か、眼前にいるロマネスクの目はヘリカルを見ていないことに気付く。
見えていない、というよりも、見失った、という印象だった。

〈/i(iφ-゚ノii「――成程、考えたな。
        それは――渡辺の――」

<#ヽ`∀´>「ゲシュタルトブラスト……!」



170: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:24:15.04 ID:pd2Of4e00
答えを導き出す前に身体が動いていた。

クーを抱き上げて退避しようとしているブーンと同じように、その場から離れる。
認識力低下を引き起こす波動をまともに受けたロマネスクに、逃げる敵を追う余力は残されていなかった。

<;ヽ`∀´>「流石兄弟の兄が、(勝手に)ウリのライフルに組み込んだみたいだが
       ……後で不本意ながらも感謝せねばならんらしいニダ」

*(;‘‘)*「なんか普通に感謝するのもムカつくから、拳の一発でいいんじゃねーですか?」

(;^ω^)「クー! 大丈夫かお!?」

川;゚ -゚)「っ……あ、あぁ。 すまない、油断した……」

ブーンの肩を借り、ゆっくりとクーが立ち上がる。

本来ならば内臓破裂に複雑骨折となっていてもおかしくなかったが
人に似て異なる彼女は、何とかギリギリのところで重傷を免れていた。

苦しそうに眉を歪める程度のダメージは残っていたが、行動には支障ないようだった。



174: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:25:32.57 ID:pd2Of4e00
川 ゚ -゚)「……ともあれありがとう、内藤。 惚れ直したぞ」

(*^ω^)「え? あ、いや……えへへ」

川 ゚ -゚)「しかし、いきなり激昂して割り込んでくるとは驚いた。
     もう覚悟は決まったのか……?」

(;^ω^)「ん……ごめん。 まだ解らないお。
     でもクーが殴られたのを見た時、どうしても黙ってることが出来なかったお」

川 ゚ -゚)「そうか……だがそれは、少し嬉しいかもしr――」

*(#‘‘)*「おいテメェら氏ねよバカップル!!」

<#ヽ`∀´>「回復したなら、今の内に攻撃するニダ!」

ニダーとヘリカルの焦りは当然だった。
魔力耐性の高い異獣に、いつまでもゲシュタルトブラストが効き続けるとは思えない。

まだまともに認識することが出来ずにいる今が、数少ないチャンスなのである。



177: ◆BYUt189CYA :2008/04/21(月) 22:27:44.48 ID:pd2Of4e00
川 ゚ -゚)「やれるか、内藤?」

( ^ω^)「……僕は――」

ブーンが何かを言おうとした時だった。
それに被さるように、鋭い声が来る。

〈/i(iφ-゚ノii「離れろ――!!」

どう足掻いても状況は止まってくれない。
警告の声は的確であったが、残念ながら一瞬だけ遅かった。
弾かれるように身を背後へ飛ばそうとした時には、
既にガントレットから噴出された黒い粒子が、クー達を霧のように包み込んでしまっていた。

<;ヽ`∀´>「何……!?」

(;^ω^)「さっきのことを考えると……ば、爆発するのかお!?」

もし本当に爆発が起きるとするならば、かなり危険だ。
広範囲にばら撒かれた粒子の規模からして死は免れないだろう。

出来るだけ、遠くへ。

無駄かもしれないが、だからと言って諦めるわけにはいかない。
そう判断したクーは、

川;゚ -゚)「ッ……っぐ!?」

しかし、いきなり揺らいだ視界に面食らった。



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