( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです
- 106: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 19:52:05.08 ID:NP7tvWF90
- ( ´_ゝ`)「そして弟者は……」
(´<_` )「あぁ、任せてくれ。
どれだけ持つか解らないが全力を尽くそう。
どんな数でも攻撃でも皆を護り通す」
弟者の視線に、兄者は強く頷いた。
この二人に限っては多くの確認など要らない。
言葉を少し交わすだけで弟の覚悟を感じ取り、そして大丈夫だと確信する。
( ´_ゝ`)「んじゃあ、いっちょ行くかね。
準備と覚悟はOK?」
<ヽ`∀´>「……いつでも」
d(´<_` )「どこでも」
*(‘‘)*「……誰とでも?」
( ´_ゝ`)「良い返事だ。 流石だな。
そしてそこに俺達兄弟の流石分も含めば、それこそ最強の流石が完成する。
故に――」
無事な方の腕を上げ、その指先をケーニッヒ・フェンリルへ向け、
(#´_ゝ`)「――何も恐怖することはないっ! 突撃だ!!」
- 112: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 19:53:12.17 ID:NP7tvWF90
- 促されるように、桃色の竜が『発進』した。
大きな翼を一つ羽ばたかせば、その大質量が強く前へと押し出される。
上に乗る兄者達三人は身を押さえつけるようにして衝撃に耐え、それを一拍遅れてヘリカルが追った。
初速は上々だ。
ぶつかってくる風も、上手く羽で制御出来ている。
一気に距離を稼ぐ形となった竜は、文字通り敵陣の中へと突っ込んでいった。
《……!!》
そして当然、追い抜いた群れと迎え撃つ群れに挟まれる結果となる。
いきなり飛び込んできた桃色の竜に、異獣達が最大の警戒を見せ、牙を剥いた。
今にも群がられようとする中で、
(#´_ゝ`)「ヘリカル!」
*(#‘‘)*「貫け根性――ッ!!」
瞬間、光が降り注いだ。
土砂降りに近い光景は、数多の光線が竜の周囲に落ちるもので。
それは見事に、兄者達を避けての砲撃連射として完遂された。
- 115: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 19:54:22.38 ID:NP7tvWF90
- 射撃を受けた異獣が、翼や力を失い、身を焦がしながら落ちていく。
*(#‘‘)*「はっはぁー! ざまぁみろです!!」
(#´_ゝ`)「今の内だ!!」
羽ばたきを重ね、身を捻り、ひたすらに前を目指す。
竜の突撃に危機を感じ取ったか、展開している異獣が本格的にターゲットをこちらに定め始めた。
状況は良いとは言えない。
上下左右全方位に異獣がいる。
少しでも進路を間違えれば、一斉に飛びかかられて地面に落ちるだろう。
(#´_ゝ`)「だが――!」
<ヽ`∀´>「上ニダ!!」
声に、竜が応じた。
跳ねるような動きだ。
今までの前への動きから、いきなり上方向へ。
羽ばたきによる突風と大気の破裂が重なり、ひ、という細い音を生んだ。
- 122: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 19:55:49.66 ID:NP7tvWF90
- 当然、異獣は追いつけない。
上へ飛んだ竜を、少し遅れて追おうとしたところで
*(#‘‘)*「色々ブチ撒けながら死ね!!」
《!?》
いきなり前から来た多数の光によって、全身を貫かれ消滅する。
だが、それだけで終わらない。
更にロールを加えた彼女は、全方位へ向けてビーム砲を発射した。
回転しながらの砲撃を名付けるならば、
*(#‘‘)*「ローリングガトリングレーザー……!!」
引き金を引き続けることで、スタッカートな連射音がバラ撒かれる。
その連音に対応する数の光線が八方へ飛んだ。
一つ一つが魔力の塊であるそれらは、必殺の勢いを以って敵群を砕いていく。
- 128: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 19:56:57.96 ID:NP7tvWF90
- 半径五十ヤード範囲の獣全てを焼き尽くしたヘリカルは、回転の勢いを止めながらステッキを構えた。
宝石のような装飾が施されている杖頭がケーニッヒ・フェンリルの方を向く。
*(#‘‘)*「さぁ、私達の最大の恨みと怒り……その全てを貴様に受けてもらいますよ!」
機械音。
杖頭が展開した。
*(#‘‘)*「貴様を倒すために死んでいった馬鹿共の!
今も貴様を倒すため戦っている阿呆共の!」
ステッキの先端が大きく広がり、派手な様相となる。
更に核の役割と担っている宝石部分を強調させ、
*(#‘‘)*「その全てを、勝利という一つの結果に繋げるため――」
魔力が集中する。
カートリッジ内の全エネルギーを核へ集め、莫大な力場を編み上げた。
それは彼女が会得しているステッキの使い方の中でも、最も強力な一撃を放つ形態だった。
放たれる音階が最大へ移行。
鼓膜を強く震わせる音の中、ヘリカルはステッキを身体で押さえつけながら
*(#‘‘)*「――派手に死ねッ!!!」
溜まりに溜まった魔力の奔流を、一気に解放した。
- 145: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 19:59:14.74 ID:NP7tvWF90
- 桃色の光と大音が走る。
ステッキから放たれた力は、一本の極太線という形を持って大気を焼いた。
熱線とも光線とも言えるレーザーは、途中にいた異獣の悉くを消し飛ばしていく。
強烈な光。
一瞬遅れて、轟音。
次に見た光景は凄まじいものである。
ヘリカルの位置を起点、ケーニッヒ・フェンリルの額を終点として、その間にある全ての物質が消滅していた。
阻んでいた獣はもちろん、空気や音さえも呑み込むような一撃だった。
(#´_ゝ`)「――!!」
そんな無に近い空間へ、飛び込む動きがあった。
先ほど上昇の軌道を選んだ桃色の竜だ。
一度舞い上がり、放物線を描くように降りてきたのだろう。
その頭に立つ兄者が僅かに、背後のヘリカルの方へ顔を向け、
( ´_ゝ`)「お前の覚悟は見届けたぞヘリカル! 流石だな!!」
*(‘‘)*「御世辞はいいから、さっさとブチ込んできなさい!
もしこの一撃を無為にするようなことになったら、今度はアンタを蜂の巣にしますよ!」
( ´_ゝ`)b「OK任せろ! アンタの怒りと恨みは俺が繋げてみせる!」
- 151: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:00:30.00 ID:NP7tvWF90
- 同時、竜が吼えた。
翼を大きく、鋭く動かし、身を伸ばすようにして飛ぶ。
ただ速く走ることのみを考えた運動だ。
ヘリカルが貫いた空間を、兄者達は最大戦速で行く。
既に穴は閉じられようとしていた。
いきなりの砲撃に状況を見失っていた異獣達が、桃色ドラゴンの進撃を防ぐために集まり始める。
(#´_ゝ`)「だが甘い、甘いぞ獣ども!!」
それまでの僅かな空白。
今の竜にとっては、充分過ぎるほどの時間であった。
加速に加速を重ね、助走は既に充分。
あとはケーニッヒ・フェンリルの鼻先に、口内のEWから放たれる魔力弾をぶつけるだけだ。
これほどまでの速度を加えた一撃は、おそらくかなりの衝撃とダメージを与えることだろう。
しかし、その前に妨害があった。
ケーニッヒ・フェンリルを護るために集まってきた獣の口に光が灯る。
先の戦いでシャキン達を狙い撃ちした魔力砲撃だ。
爪や牙が届かないのであれば撃ち落としてしまえ、という魂胆がありありと解った。
- 156: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:01:58.68 ID:NP7tvWF90
- (#´_ゝ`)「あと少し……っ!」
<ヽ`∀´>「このタイミングでは間に合わんニダ!!」
ニダーの声に、しかし兄者は前だけを見ることで応える。
その表情には緊張が張り付いていたが、しかし微かに別の色も見え隠れしていた。
《グギュァァァァァァァァァ!!》
砲撃が来る。
三百六十度全方位からの攻撃だ。
獣の口から漏れる光は、限界だと言わんばかりに膨れ上がり、
「――おぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
しかし直前、獣とは違う咆哮と光が放たれた。
獣の口から出る赤色と異なり、竜を丸々包み込む光の色は黄金だ。
それはケーニッヒ・フェンリルの衝撃波を全て受け止めた光と同じ力強さを放っている。
この現象を兄者達が認識するよりも早く、獣の光が弾けた。
( ´_ゝ`)「弟者か!!」
(´<_`#)「もう一仕事頼むぞジゴミル! お前はやれば出来る奴だ!!」
- 163: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:04:16.72 ID:NP7tvWF90
- 周囲が赤に染まった。
空よりも深く、血よりも激しい彩りの光。
愚かにも母なる巨獣へ向かう敵を穿つべく、全ての光が竜を一点として集中する。
「「――ッ!!!」」
大きな音が響いた。
ガラスを砕くような高い音――しかも連打だ。
連続で叩かれ生まれた音は、纏う大気を震わせて己を表現する。
同時に光が視界を覆い、竜に乗るニダー達を不可視の世界へと叩き落とした。
<;ヽ`∀´>「な、にが……?」
そんな言葉が出たのは、果たしてどれだけの時間が経った頃か。
数秒とも、数分とも思える空白の感覚。
視覚と聴覚を麻痺させられた状態では、上手く現状を把握出来るわけもなく。
その中で、ニダーの頭が徐々に正常を取り戻す。
あまりの大音に耳を痛めたニダーが、周りを見渡した。
自分達と竜の無事を確認し、信じられない、といった表情で兄者を見ると、
(;´_ゝ`)b「ふ、ふふ……我が弟は流石だろう?」
ニダーと同じように耳を押さえた兄者が、堂々と言い放った。
- 178: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:08:03.67 ID:NP7tvWF90
- その背後には、膝をついて今にも倒れそうな弟者がいる。
(´<_`;)「役に立てたのは良かったが……すまん、マジで限界だ」
( ´_ゝ`)「よし、寝ておけ。 あとは俺とニダーがケリをつけてやる!」
羽ばたきを再開。
戦塵を突っ切り、行く。
《!!》
いきなり煙を裂いて現れた竜に、異獣が驚愕の感情を得た。
しかしそれも一瞬のことで、もはや防御能力がないと見るや否や
再び口に砲撃の準備を灯し始める。
<#ヽ`∀´>「兄者!!」
(#´_ゝ`)「だが、止まらんッ!!」
否定するように叫ぶと、しかしニダーは頷き、
<#ヽ`∀´>「正解ニダ! 今の内に飛ぶニダ!!」
- 185: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:09:53.88 ID:NP7tvWF90
- 先ほどの砲撃を見る限り、次まで間があまりない。
(#´_ゝ`)「しかぁぁぁぁしッ!!」
間に合う。
いや、間に合わせてみせる。
ここまで来て終わるわけにはいかない。
加速を念じて竜へ通ず。
思考の共有を経て、一人と一頭は更に等しく。
(#´_ゝ`)「限界を超えてみせろ……! お前は、そのために生まれてきたはずだ!!」
- 196: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:12:46.85 ID:NP7tvWF90
- 轟、という風の音。
それを最後に、全ての音が消えた。
視界が飛ぶ。
目にも止まらぬ早さ。
周りを囲う異獣の口に光が灯る。
全天に輝く星々のような光景だ。
あれらが一斉に放たれれば、瞬きする暇もなく竜は朽ちるだろう。
一瞬先の濃厚な死香に、しかし兄者達は吼えることで抵抗する。
<#ヽ`∀´>「ケーニッヒ・フェンリル!!」
(#´_ゝ`)「俺達の受け継いできた全てを、喰らいやがれぇぇぇぇ!!」
同時、加速に加速を重ねたドラゴンも吠える。
流石の意志を籠められた竜に、如何なる恐れも無い。
速度の援護を受けながら、必中必殺の砲が大音と共に光を放った。
- 201: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:14:46.61 ID:NP7tvWF90
- 三〇〇。
本陣までのメートルだ。
一〇〇〇もあった数字は三分の一となり、もはや頼りないものとなっている。
《――――…………》
数々の防護に耐え、全身に傷を負いながらもケーニッヒ・フェンリルは前進していた。
まるで何かにとり憑かれてしまったかのような無機質さを持ちながら。
いや、初めからだったのかもしれない。
たった一言すら理解の言葉を放たない口は、今や血と涎が混じった液体を垂らすのみ。
は、という熱い吐息は、明らかに疲労や痛みから出るものだ。
しかし尚も身体を引き摺ってでも進む挙動は、線路を上を行く列車に似ている。
ただひたすら前へ歩くことしか出来ないように。
その進軍を待つ一団がいる。
装甲服を身に纏った男女が数十名。
誰もが厳しい表情で、各々の武器を握って構えていた。
('、`*川「んー……」
竜の咆哮と、大気を爆焼する音が響く。
一拍遅れて獣の叫び声が聞こえ、大質量が地面を揺らす響きが続いた。
- 208: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:16:15.45 ID:NP7tvWF90
- ('、`*川「何故でしょーねぇ」
震えを足に感じながら、リラックスした状態のペニサスが呟く。
少し後ろで腕を組んでいるミルナが問い掛ける。
( -д- )「何がだ」
('、`*川「いや、ああやって必死になってるのはどーしてかな、って思って」
ノハ#゚ ゚)「……自分のことでもあるのに」
半目で突っ込まれ、しかしペニサスは首を横に振った。
('、`*川「私達じゃなくて異獣の方よ。
あそこまで抵抗されて、痛めつけられて、尚も前に進もうとしている。
『我らに撤退の二文字はない!』みたいな感じでね」
( -д゚ )「俺達と同様に、奴らにも貫くべき覚悟と意志があるのだろう。
そしてぶつかった時……より強く、硬い方が打ち勝つ」
('、`*川「それ矛盾してない?」
問いに、ミルナは首を傾げる。
突拍子もないことを言うのはいつものことで、少しは慣れてきたと自負しているミルナだが
流石に今の言葉の意味は解らなかった。
- 216: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:18:00.95 ID:NP7tvWF90
- ('、`*川「だって流石兄者が言ってたじゃない。
あのデカいのは『異獣製造機』の可能性が高いって。
そういう表現をしたってことは、自分の意思なんかまともに持たないツールみたいな見解なんでしょ?」
( ゚д゚ )「ツール……成程、確かに」
('、`*川「そんな存在が覚悟とか意志に拘るかしら?」
ノハ#゚ ゚)「…………」
何が言いたい、と訴える視線にペニサスは頷き、
('、`*川「個人的に、異獣は狂った機械に見えるわ。
どんな障害があろうとも関係ない……ただ、プラグラムされた命令を実行するだけの存在。
魔力という呼び水に集まるだけの、ね」
ミルナは組んでいた腕を腰に当て、沈黙した。
魔力に固執しているのか、それとも固執させられているのか。
ただ闘争本能を剥き出しに襲い掛かってくる獣を見るだけでは、判断するのは難しい。
( ゚д゚ )「……俺にはよく解らないが、仮にそうだとして……どうなる?」
('、`*川「ん? 何もないけど?」
(;゚д゚ )「は?」
- 220: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:19:16.23 ID:NP7tvWF90
- 思いきり半目で睨んでくるミルナに、ペニサスは『あー』と呆けるように呟いた。
手を頭へやり、ポリポリと掻きながら
('、`*川「ごめんごめん、ただ普通に思ったことを口に出してみただけ。
別に答えが出たって私達のやることは変わらないわ」
ただ、と付け加え
('、`*川「一言で『異獣』とは言うけど、ちょっと気になるのよね。
奴らの過去に何があったのか……そして何故、魔力を求めて戦力を増強するのか」
( ゚д゚ )「もう今はいないブロスティーク。
そして内藤の持つクレティウスが何かを知ってそうだがな。
聞いても喋ってくれないだろうが……間違いなく無関係ではないだろう」
('、`*川「……案外、中核に位置してたりして、ね」
( ゚д゚ )「ん?」
('、`*川「ごめん、何でもないわ」
さっぱりと会話を打ち切るペニサス。
一体何を言ったのか気にはなったが、彼女相手に食い下がる度胸もない。
結局、ミルナもこれから始まる最後の戦いに備え、呼吸を整えていく。
- 224: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:21:09.88 ID:NP7tvWF90
- ノハ#゚ ゚)「…………」
視界の端にはヒートがいる。
彼女は緊張もリラックスもしていない状態で、ただケーニッヒ・フェンリルを見ていた。
( ゚д゚ )「どうした? 何か気になるのか?」
ノハ#゚ ゚)「……ううん、ちょっと考え事。
もし天災で世界が滅ぶ直前っていう時も、こんな気持ちなのかな?」
( ゚д゚ )「また後ろ向きな想像だな。 お前らしくもない」
ノハ#゚ ゚)「自分でもそう思う。
けど、これが最後『かも』しれないんだよね。
そう思うと……どうしても何もかもが切なく見えちゃってさ」
寂しげな言葉に、ふむ、とミルナは吟味の息を吐く。
これまでの行いから勝利を疑わないミルナだが、考え方を少し変えればヒートの言うことも理解出来る。
同時に、ネガティブだと言われても仕方ないだろう、とも思う。
しかし、駄目だと思いながらも想像してしまうのが人間だ。
知能が高い故に余計なことまで考えて、悩むのも人間だ。
だから今のヒートの瞳に浮かぶ感情は、非常に『らしい』ものだと言えるだろう。
- 232: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:22:15.74 ID:NP7tvWF90
- ( ゚д゚ )「……結果をいくらか左右出来る状況だが、失敗すれば滅びだからな。
絶対ではないだけマシとはいえ――」
ノハ#゚ ゚)「――私は勝つつもりだよ。 絶対にね」
( ゚д゚ )「……む」
ノハ#゚ ゚)「そしてミルナと離れていた一年間の分を取り戻すんだ。
色んなことを話して、色んなことをして、色んな感情を共有したい」
それはミルナも同じ気持ちだった。
相思相愛と解っている二人は、しかし一時期離れ離れになっていたことがあり、
だからこそ、その空白を未来で埋めたいと思っている。
ノハ#゚ ゚)「でも……もし何かの間違いで異獣に負けてしまったら、って思うとね。
どうしても後悔が残りそうで怖いんだ」
( ゚д゚ )「ふむ、成程な。
だったら今の内に何かしておくか?」
ノハ#゚ ゚)「例えば?」
( ゚д゚ )「む……」
- 239: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:23:59.75 ID:NP7tvWF90
- 問い返され、ミルナはしばし考えた。
この戦いが終わってからヒートとしたいことを想像し、その中で今出来そうなのを検索。
アレは無理、コレも無理、ソレは微妙、などと考えていき、
( ゚д゚ )「……キスくらいなら出来るぞ」
ノハ#゚ ゚)「うわ、ミルナって私とそんなことしたいと思って……意外とえっちぃんだ」
(;゚д゚ )「ぐはっ! い、いや、それは、その――!」
ノハ#゚ ゚)「あはは、冗談だよ。 それに私も似たようなこと考えてたしね。
でも今は無理でしょ?」
( ゚д゚ )「! ぁ……す、すまん」
言われてようやく気付いた。
彼女の顔には、表情を覆い隠すような仮面が在ることを。
- 245: ◆BYUt189CYA :2008/07/23(水) 20:25:46.56 ID:NP7tvWF90
- 暗い顔をするミルナに、しかしヒートは強気な笑みを浮かべた。
ノハ#゚ ゚)「大丈夫だよ。
異獣を倒して、顔を取り返して、ちゃんと私の顔でミルナを見て……それからだよ。
色んなことをするのも、出来るのも」
( ゚д゚ )「……あぁ、そうだな。
そしてそう思うと、絶対に勝とうという気概も湧いてきたぞ。
未来でお前と一緒に生きるための、な」
ノハ#゚ ゚)「ミルナ……」
( ゚д゚ )「ヒート……」
('、`*川「…………」
ノハ#;゚ ゚)「「っ!!?」」(;゚д゚ )
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