( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

692: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:02:21.16 ID:wcoHHkfi0
从・∀・ノ!リ「ほぅ……?」

(;><)「す、すごいんです!!」

(*‘ω‘ *)「ぽぽっ!!」

降り落ちるパーツは当然、その直下にある『龍砲』へ接触する。
そして硬い音を連続で立てて跳ね――ることはなかった。

まるで吸い寄せられるように接着したのだ。

分解したアゲンストガード各部分が、文字通り『龍砲』を包み込んでいく。
例えるならばアゲンストガードという装甲を追加されたに等しい姿は、一回り大きな形で完成を為した。

砲身の左側に設けられた専用の射席にハインが座る。
すると、ガントリガーとコンソールが彼女の目の前に横から迫り出してきた。

そんな様子を下から見上げていたレインは、納得したかのように頷き

从・∀・ノ!リ「成程。
       その巨人の正体は汎用型可変万能兵器、といったところか。
       まさか大砲とまでも合体するとは思わなんだが……」

从 ゚∀从「これはここに至るまでに命を落としてしまった、僕の親のような人達が作ってくれた武器です。
      如何なる幻想であろうと現実にしてしまう究極のウェポン。
      この15th−W『アゲンストガード』に不可能なことはありません」



694: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:04:02.83 ID:wcoHHkfi0
从・∀・ノ!リ「だが、合体したところで何をするつもりじゃ?
      おぬしの持つ機械世界の純正ルイルを用いても、
      総合出力は一・五倍程度にしかならぬが……」

从 ゚∀从「大丈夫です」

言い切ったハインは、コンソールを叩く。
命令を受けた『龍砲』型アゲンストガードに変化が生じた。

砲身の上部装甲が開いたのだ。
観音開きによる両扉展開は、内部にあった一つの機構を外界へ露出する。
機構とは、何かをハメ込むようなソケットで、その数は四つだ。

内の一つは、青白い光を発する結晶体が既にセットされていた。

从・∀・ノ!リ「まさか――」

从 ゚∀从「レインさん、大至急で御願いがあります。
      この本陣に残る魔法世界と不滅世界の純正ルイル、その核を僕に貸して下さい」



701: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:06:06.90 ID:wcoHHkfi0
ハインの言葉に、レインは渋い表情を返した。

この『龍砲』型アゲンストガードの機構と純正ルイルという要素から、
ハインがやろうとしていることは自ずと理解出来るだろう。
しかし、レインはそれが不可能だと悟ってしまっていた。

从・∀・ノ!リ「……おぬしの企みは解った。
      だが、既に魔法世界と不滅世界の純正ルイルは使用済みじゃ。
      たとえ魔力を生み出す核といえど、このような短い時間では大した量の魔力は生み出せぬぞ」

从 ゚∀从「それも、大丈夫です」

从・∀・ノ!リ「何を根拠に――」

从 ゚∀从「――言ったはずです」

一息。

从 ゚∀从「この15th−W『アゲンストガード』に不可能は無い、と。
      だから御願いします。 僕を信じてください。
      その分だけ、僕も相応の感情を以って応えますから」

从・∀・ノ!リ「…………」



705: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:08:17.08 ID:wcoHHkfi0
その強い光を放つ瞳に、何を言い返せようか。
元より藁であろうとも掴みたい戦況なのだ。
ここで最もやってはいけないことは、自分が渋って時間を浪費することではないのか。

他、様々な思考が一瞬で巡ったレインは、しかし大きな溜息を吐きながら

从・∀・ノ!リ「……やれやれ、どうにもこの世界の人間は押しが強いのぅ。
      不確定要素が多いように見えるが仕方あるまい。
      そこまで言われたのなら、我もおぬしを信じるとしようか」

从 ゚∀从「ありがとうございます……!」

从・∀・ノ!リ「礼なら成功してから言ってくれ。
       ビロード、チン。 すぐに作業に入るぞ」

( ><)「はいなんです!!」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽぽぃや!!」

傍に控えていたビロードとチンが、目を輝かせながら返事をする。
良かったね、とハインへ嬉しそうな視線を送った二人は、先を行くレインを追いかけていった。

从 ゚∀从「…………」

ありがとう、と心の中で呟く。
『信じる』という気持ちの良い感覚を胸に秘めながら、ハインは前方を睨んだ。



710: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:09:59.04 ID:wcoHHkfi0
と、そこで異変を察知する。

从;゚∀从「!」

疑問を得る前に答えが目に入った。
ハインの傍を、拳大の光石が柔らかく浮遊しているのだ。
いきなりの光景に驚きながらも、ハインはそれを注意深く見つめる。

从;゚∀从「こ、これって……」

わざわざ問うまでもない。
これほどの存在感、そして輝きを見ているだけで理解出来る。
ハインは、確かめるようにアゲンストガードへセットされた一つの結晶を見て

从 ゚∀从「四世界の内の一つ、英雄世界の純正ルイル核……ですか」

どういうことだろうか。
何故、行方知れずになっていた核がここに。
話によれば英雄神なる者を内包していたはずなのだが、見る限りではその存在は感じられない。
淡い赤色を放つ光石は、何も語らずハインの周囲を浮くだけだ。

从 ゚∀从「でも、どうやってここへ……?」

いくら核とはいえ、自律して動けるほどの機能はない。
淡々と魔粒子を生み出すだけの物質だ。

つまりここに在るということは、誰かが持ってきた、と判断する他ない。



714: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:11:54.06 ID:wcoHHkfi0
一体誰が。
何故。

そして最大の疑問は、

从;゚∀从「どうして持ってきてくれた人の姿が見えないのでしょうか……」

核をハインへ渡したということは、少なくとも敵ではないはず。
思い、周囲を見渡した。
しかしそれらしき人影は確認出来ない。

从 ゚∀从「…………」

考えられる原因は、そう多くなかった。

从 -∀从「……ありがとうございます」

核が浮いていた方角へ頭を下げる。
きっと、これを持ってきてくれた人はこの先にいるだろう。
それが生きているのか死んでいるのかは、今の彼女には解らない。


でも、姿を見せないということは――



717: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:13:53.25 ID:wcoHHkfi0
そこで無理矢理に思考を打ち切った。
ハインは首を振り、受け取った二つ目の核をアゲンストガードにセット。
稼働を開始する赤い光石を、眉をハの字に曲げながら見つめる。

从 -∀从「――――」

そして、心に浮かぶ感情を押し殺した。

この戦いの間だけ『兵器に徹する』と決めたのは自分だ。
だから、ここで余計な感情に時間をとられるわけにはいかない。

何より英雄世界の純正ルイル核を持ってきてくれた者も、きっとハイン達の勝利を願っているはずだ。

遺された思いに報いるためにも集中しなければ。
戦いに慣れていないハインにとって非常に難しいことだったが、
持ち前の責任感の強さもあってか、なんとか頭をゆっくりと冷やしていく。

その目で、改めて前を見た。



719: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:15:02.75 ID:wcoHHkfi0
从 ゚∀从「…………」

戦いの音が聞こえてくる。
抗いの声が聞こえてくる。
誰もが護れと叫んでいる。

戦塵が舞い、中央を掻き分けるようにして巨大な獣が歩いてきているのが見えていた。

ケーニッヒ・フェンリルはこちらを見ながら、大きな身体をゆっくり動かしている。
周囲、魔力や火薬の破裂が花火のように発生しているが、意にも介していないようだ。

歩調はひどく鈍い。
しかし、巨体な分だけ一歩の距離は大きいだろう。
鈍重な見た目よりも、よほど早く移動しているはずだった。

そしておそらく、その足下ではクー達が戦っている。
ハインが信じた仲間が、信じるハインを護るために抗っているのだ。
そう思うだけで、ハインの心には激痛とも言える痛みが突き刺さってくる。

从 -∀从「どうか、どうかもうこれ以上、誰も死なないで下さい……」

思わず口をついて出た言葉は、素直な感情にまみれており

从 -∀从「御願いします……!!」

難しいことだと解っていながらも、そう望まずにいられなかった。



723: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:16:17.95 ID:wcoHHkfi0
ケーニッヒ・フェンリルが移動を開始した瞬間。
クー達、四世界混合軍は一斉に三手へと分かれていた。


装甲車に乗って先回りし、必殺の一撃を準備する者達。

巨大な獣の足下で、追いすがりながら足止めを続ける者達。

そんな彼らを妨害しようとする獣を撃退する者達。


言葉の類は一切なかった。
ただ、全員が同じことを同じタイミングで悟ったのだ。
彼らの胸中には、以心伝心などという生易しい言葉では表現出来ない何かがあった。
これは仲間という絆が生み出した、一種の奇跡と言えよう。

本陣まで一キロメートルを切る。

世界の命運を決める距離としては心許ないものがある。
しかも、ハインの用意する切り札が必ず通用するとは誰にも言えないのだ。

だが、彼らに一切の迷い無し。

心に刻むは『最強』であるハインリッヒへの信頼。
そのために為すべきことを、誰もが理解し、そして身体を張って実行しようとしていた。



729: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:18:32.13 ID:wcoHHkfi0
「何がなんでも止めるぞ――!!」

一歩一歩、鈍重ながらも確実に歩を進めるケーニッヒ・フェンリルの足下で
混合軍の一部が追いすがりながらも追撃を行なっていた。

残す距離九五〇メートル。

ハインの準備が整うまで、その数字を決してゼロにしてはならない。
それ即ち敗北の時であるからだ。

だから誰もが必死の形相で走り、攻撃を重ねている。

既に体力の限界は超えていた。
しかし脱落者は少ない。
精神が肉体を凌駕しているのだ。

「あぁぁ畜生……! ハァ、ハァ……こりゃ世界一キツいマラソンだぜ……!
 走りながら攻撃なんぞ、タイミングもへったくれもあるかっつーの!」

「だが俺達の誰かがここで脱落したら、ケーニッヒ・フェンリルは数センチの距離を得ることとなる……!
 その数センチが致命的だったとしたら……っはぁ、負けられんな……!!」

「っへ……そんなことになる前に、仕留めてやんよ……っ!!」

気力だけは充実しているのが解る。
身体の疲労を偽りながら、兵達は執拗に攻撃を続けていた。



732: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:20:13.84 ID:wcoHHkfi0
《――……!》

四本足から来る微かな痛み。
これを生み出す足下の兵を、頭上のケーニッヒ・フェンリルは苛立ちの目で睨んでいた。
あまりにしつこい追撃に、怒りを抑えられなくなってきたのだ。


――小さき存在が、ここまで追いすがるか。


何に因り。
何のために。
何を思って。


疑問は尽きない。
そして一つも答えを見出せない。
いくつもの世界を滅ぼしてきた異獣にとって、この人間達の行動は理解出来るものではなかった。


生命の、
覚悟の、
希望の、
意志の、
信頼の、


その全ての貴い輝きを知らぬ獣は、果たして哀れと言えるだろうか。



738: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:21:48.45 ID:wcoHHkfi0
元より誰にも解らぬ問いかけだ。
何故なら、勝ち残った方の理屈のみが適用されるのだから。
唯一の生存戦争規則に則り、これまでもこれからも、幾重幾多の生物は戦い続けるだろう。
この戦いもまた、そんな一つの解答を生むための歴史の一部に過ぎない。

だが、

「負けてたまるか……! たとえ足が折れようとも、這ってでも貴様を追うぞ……!!」
「護るんだ! 希望を! 俺達の――ッ、世界を!!」

それでも人は、本気になれる。

多種の感情を持つが故に、死に対する恐怖と畏怖を感じ、抗おうとする。
それは泥や血にまみれ、汚く、一見すれば野蛮の極みにも見受けられるかもしれない。
元よりこれは、歴史に残るかも解らぬ戦いなのだ。

しかし、もう一度言おう。


それでも人は本気になれるのだ、と。



740: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:23:27.62 ID:wcoHHkfi0
その瞬間、ケーニッヒ・フェンリルに更なる異変が起きた。

《――――……!!!》

巨躯を大きく震わせ、毛を逆立てて威嚇するように構えたのだ。
こちらの追撃などまったく意に介していなかった獣の突然の行動に、皆は戦いながらも緊張に身を固める。
正体は『異獣製造機』だと兄者が言っていたが、果たしてこの行為は――

「! なんだ!?」
「何を……いや待て、あれは――」

誰もが見る。
見上げるほど巨大な獣の胴体部分が、まるで皮膚下に虫がいるかのように蠢動し始めたのを。

誰もがその光景に覚えがあった。
確か先ほどの異獣を生み出す時も、同じような動きをしたのではなかったのか。
あれは身体の一部を分離させるようにして生んでいったが、今度は蠢動範囲は身体全体に及んでいる。

指し示す事実はつまり、

《グ》

合図はケーニッヒ・フェンリルの呻き声で、


《ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥァァァァァァァァアアアアアアアアアアア――――!!!》


しかし、とても声として聞いてはいられない音が、戦場を貫いた。



744: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:25:01.79 ID:wcoHHkfi0
巨大な発声器官から発せられる咆哮に、疾駆の最中にいる者達も思わず顔をしかめる。
衝撃波に備えて慌てて防御姿勢をとる者もいたが、果たしてぶつかってきたのは音だけだった。

だが、変化は当然のように現実として刻まれる。

「っ!?」

不気味としか言えない、肉と骨が擦れるような音。
聞こえてきた時、地上にいた者達は弾けるように顔を上げた。

「っ……!」

そして現れた光景に戦慄する。

皆が見る先、巨大な獣の身体各部から生えてくる群がある。
白い植物の芽に見える存在の正体は、先ほどギコ達が見た上半身だけの獣だ。
しかし今度はそれで留まることなく、身体全てを、のるり、と染み出そうとしている。

それが無数といえる数で、更に背に翼を生みながら、今にもケーニッヒ・フェンリルの背から飛び立とうとしていた。

「くそっ! またかよ!」
「やべぇな……」

ここから見えるだけでもかなりの数だ。
周囲はケーニッヒ・フェンリルを守らんと暴れる獣の群で、上からは今しがた生まれてきた翼持ちの獣の群。
攻略すべき獣の王は、今も多量の子を生み落としながら一歩一歩、確実に本陣へと足を進ませていた。

ここで獣の包囲が完成してしまえば、追いすがることすら出来なくなってしまう。



748: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:26:40.28 ID:wcoHHkfi0
「……くっ、やることは変わらねぇよ!」

考えている時間などなかった。
刻一刻と本陣との距離は縮まり、そして自分達も獣に埋もれていく。
ならば、たとえここで終わろうとも――

「周囲は既に逃げ場もねぇし、しゃーねぇか……あとは先回りした奴らに任せるとすっかねぇ。
 アイツらおっちょこちょいで心配だが、やる時はやってくれると信じよう……!」

絶望的な戦況の中、隊長格の男が強く言う。
彼についてきた部下達は、応、と己の武器を掲げて返答した。

退路はない。
進路もない。
あるのは戦場のみで、それも獣という絶望に覆われようとしている。

しかし、それでも彼らの顔に諦めはない。

……さぁ、これこそ最期の戦いだ。

たとえ先に待つのが陰惨な死に様だろうが、まだ今の彼らは生きている。
ならば、身体が動く限りは刻んでやろうではないか。

この現実というクソみたいな壁に、力が足りずに壊せずとも、せめて自分達が生きた証を。



753: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:28:47.61 ID:wcoHHkfi0
瞬間、音が響いた。

獣の咆哮に囲まれる中、それは上から落ちてくる。
ひ、という甲高い音は、どこか鳥の嘶きに似ていて――

「な、んだ……?」

騒がしい戦闘音を叩き伏せる高音は、クレッシェンドの勢いを以って落下してきた。
音に釣られるように、手の空いた者が絶望を示す表情で空を見上げる。

ここにきて新たな敵か、と思うのも当然で、しかしすぐに引き締まった表情へ戻した。

いいだろう。
駄目押しの敵増量だというのなら、相応の覚悟で抵抗してやる。
死を覚悟した人間のしつこさを思い知るがいい。

皆で頷き合い、歯を食いしばった時。

『知ってるかテメェらァァ!?
 そうやってすぐ死を覚悟する奴のことをなんて言うか――!?』

現れた影が言葉を発した。
スピーカー越しなのか多少のノイズを混ぜた音声は、
絶望に染まろうとしていた者達へ、こんな言葉を送った。


<_#プー゚)フ『――小物っつーんだよッ!!』



756: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:29:49.19 ID:wcoHHkfi0
<_#プー゚)フ『いくぜ……!!』

二つの内の一つ――灰色の戦闘機が、遥か上空に姿を見せた。

速度を落としたかと思えば、それは機首を下にして落下を開始。
回転を交えた軌道は、渦巻く空気の白尾を纏いながら直下を目指していた。

本陣までの距離が九〇〇メートルを切る。
次の瞬間、男の声が高らかに響いた。

<_#プー゚)フ『――必中爆砕! プラズマン・ミサァァァァイルっ!!』

言葉と同時、白の尾が一気に数を増した。
それぞれの先端には鋼鉄で構築された爆撃兵器、マイクロミサイルがある。

僅かに螺旋を描いたミサイルの群は、しかし一定の速度を得た瞬間に軌道を変えた。

曲線から直線へ。
追うようになびく煙を置いていきかねない速度で。
重力加速をも味方に得たミサイルは、狙い通りの場所へ殺到し、

爆発する。

ただの運動エネルギーでさえ破壊的でありながら、そこに爆炎が加わった。
爆撃を受けたケーニッヒ・フェンリルの背中から黒煙が上がる。



758: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 18:31:09.86 ID:wcoHHkfi0
<_#プー゚)フ『はっはー! どうだ、ざまぁ見やがれ!』

(;`・ω・´)『お前は……まだ戦いは続くというのに、もう少し兵装は節約して使え』

<_プー゚)フ『残念無念! プラズマン・弾切れ!!』

(;`-ω-´)『…………』

【もうどうしようもありませんね、この人は】

エクストの奇抜発言に、シャキンとキオルの冷静で呆れ気味なコメントが続く。
しかし言われた彼はへこたれることなく、

<_#プー゚)フ『どうせ戻って補給する時間も余裕もねぇ!
         それに節約したって、最終的には全て敵にぶつけンだ!
         なら、今やったって後でやったって結果的には同じだろうよ!?』

(;`・ω・´)『まったく……この単細胞が』

安易に頷けないが、彼らしい理屈だった。
そして今という状況において、不思議と『馬鹿』の一言で切り捨てることは出来なかった。
むしろ、この胸に湧き上がる感情は――

(`・ω・´)『だが、応じよう』

え、とキオルが疑問を発するよりも早く指が動いていた。



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