( ^ω^)ブーンと川 ゚ -゚)クーは抗い護るようです

70: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:00:06.74 ID:wcoHHkfi0
残り六〇〇メートル。

激闘を前方に見る本陣では、着々と準備が進んでいた。

今行なわれているのは、
先にハインが注文した魔法世界と不滅世界の純正ルイル核の運搬である。

あまりに強い力を発揮しているため、特殊なクレーンのような機械に釣られての登場だ。
その機械に乗るデフラグが、慎重な操作で純正ルイルを『龍砲』の上に持っていき、

[゚д゚]「あとはこれを接続させるだけで良いんだな?」

从 ゚∀从「はい! 手伝ってくれてありがとうございます!
      あとは僕が何とかしますので!」

从・∀・ノ!リ「…………」

しかし、それを見るレインは疑問を思っていた。



79: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:01:34.21 ID:wcoHHkfi0
『核』という名を冠してはいるが、その正体は魔力を生み出すためだけの物質である。
単体のみでは大した力は得られないのだが、ハインには何か考えがあるようだ。
『龍砲』の内部機構に核がセットされるのを見上げながら、呟く。

从・∀・ノ!リ「しかし本当にどうするつもりじゃ?
      これで二つの世界と、おぬしの持つ機械世界、先ほど届いた英雄世界の純正ルイル核が揃った。
      そして我らが用意した魔力を合わせれば、威力はざっと五倍ほどにはなるが……」

从 ゚∀从「いえ……おそらく足りないと思うので、もっと増やします」

从・∀・ノ!リ「何……?」

从 ゚∀从「アゲンストガード、御願いします!」

ハインの命令が実行される。
『龍砲』を包みこむアゲンストガードの装甲に光の筋が走った。
それはハインを中心として広がっていき、遂には全体に刻まれることとなる。
明滅する光の線は、まるで生き物の鼓動のようだ。

从 ゚∀从「確かに、このままでは魔力の量が足りません!
      だから僕はこうします――!」

き、という甲高い音が響いた。
それはジェネレータを動かす――充填の――音に近い。

音源は『龍砲』上部の機構からで、そこは今、純正ルイル核がセットされたばかりなのだが。



86: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:02:44.44 ID:wcoHHkfi0
从・∀・ノ!リ「この音、もしや――」

ここでようやく、レインはハインの行おうとしていることに気付いた。
それは、

从・∀・ノ!リ「まさかおぬし、核の活性化を……!?」

从 ゚∀从「はい!」

アゲンストガードに不可能はない。
言葉通り、彼女は前代未聞な行為を成そうとしていた。

純正ルイルの核に、アゲンストガードを通じて外部から接触し、その設定を書き換えようとしているのだ。

これにより核の生み出す魔力量が格段に上がる。
一気に光を増した四つの核を、更に更にと活性させていく。

从;・∀・ノ!リ「…………」

まさか『世界の核』とも呼べる物質に手を加えるとは。
そんなこと、それこそ世界を創造した神にしか出来ないだろう。
しかし呆気なく為したハインリッヒと15th-W『アゲンストガード』に、レインは感嘆の息を漏らす。

流石は対異獣用の決戦兵器というべきか。
こちらの想像をはるかに超えるポテンシャルを秘めているらしい。



95: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:06:43.91 ID:wcoHHkfi0
从・∀・ノ!リ(しかし――)

レインは弱点を見抜いた。
残念ながら万能ではない、と。

確かに魔力さえあれば何でも出来るかもしれないが、しかしハインリッヒという存在は一人である。

作業に集中しなければならない以上、
これでは、戦闘という面が完全に封じられてしまうのではないか。
戦闘どころか、その作業以外の行動は全て不可となるだろう。

強力な力を持っているが、そのベクトルには限りがあるようだ。

从・∀・ノ!リ(これは上手く誰かが支えてやらねばのぅ)

兵器は人の手によって円滑に働く。
もしかすれば、ハインリッヒも同じようなものなのかもしれない。



102: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:09:08.89 ID:wcoHHkfi0
从;゚∀从「!!」

そのハインが視界に何かを捉えた。
南を向く視線は、危機を察知したものだ。

《……ウゥ》

獣がいる。
一頭ではなく、複数だ。
おそらくケーニッヒ・フェンリルの命令を受け、先行してきたのだろう。
いくらクー達でも、網の目から抜け出せる獣を止めることは出来なかったらしい。

从;゚∀从(まずい、ですよね……本陣には戦える人が少ないと聞いています。
      このまま何もせずに侵攻を許せば、大変なことに……)

それだけは許せない。
作業が中断されようとも、目の前の死を見ぬフリなど彼女には出来なかった。

思い、腰を上げようとした時。

《――ッ!!?》

その胸部に光の線がブチ込まれるのを、ハインはしっかりと見た。
砲撃、と理解する前に、

从・∀・ノ!リ「まさか、何もせずに見守るほど他人任せではあるまいよ」

レインが、こちらを見上げて笑みを浮かべていた。



107: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:10:13.76 ID:wcoHHkfi0
砲撃を入れたのはレインだ。
身の丈に合わない巨大な銃型EWを担いでいる。

砲熱の湯気を背に浴びながら、威風堂々と両足を地につけている。

从 ゚∀从「レインさん……!」

从・∀・ノ!リ「おぬしは我らの希望……そうじゃろう?
       ならば希望として集中しておけ。 邪魔する者は我らが防ごう」

声に応じる動きが二つ。
武器を持って走って来たのは、ビロードとチンだった。
レインと同じく戦闘面では頼りなさそうな二人ではあるが

(#><)「ここは僕達に任せるんです!!」

(#*‘ω‘ *)「ぽぽってぽいやぁ!!」

気合は十分のようだ。
鼻息荒く構える二人は、纏う空気だけで言えば異獣にも引けをとっていない。



110: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:11:23.60 ID:wcoHHkfi0
从;゚∀从「でも……!」

いくらレインのEWが強力であろうとも相手が悪い。
全長三メートルは優に超える異獣の巨体は、その体躯に似合わず俊敏である。
たった一足で間合いを詰めることの出来る敵に、EWのような隙の多い武器は相性が悪い。

そこで足止めや囮になる近接攻撃役がいればいいのだが
ビロードやチンでは力不足であり、そもそも二人はレインの傍を離れずに構えている。

この状態では一匹なら対処出来るだろうが、複数に囲まれたら終わりだ。

从;゚∀从(くっ……もう目の前で人が死ぬのは……!)

絶対に嫌だ。
新たに姿を見せる異獣を睨みながら、ハインは強く思う。

从;゚∀从(人が死ぬのは辛いことなんです……!
      大事な人が、大切なことを全て伝えられずに死ぬなんて――)

痛みは解っている。
だから、させるわけにはいかない。

たとえ誰かに怒鳴られようとも、それとこれとは別問題だ。



119: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:12:56.74 ID:wcoHHkfi0
思い、ほとんど反射的に助けに入ろうとした時。

《――ッギュァァ!?》

レイン達に襲い掛かろうとしていた異獣の胴体が切断された。
真一文字にスライスされた肉片が吹き飛び、生々しい音を立てて地面に落ちる。

残った下胴体部分の傍らに立っているのは、


lw´‐ _‐ノv「……私、参上」


从;・∀・ノ!リ「シューか!?」

(;><)「で、でもシューさん、確か肋骨を折っていたんじゃ……?」

先の異獣と化したロマネスクとの戦闘。
戦っていたブーン達の危機を救ったシューは、そのままロマネスクと戦い傷を負った。
彼女は戦闘続行を不可能と判断し、本陣に退避して応急処置を受けていたはずなのだが。

lw´‐ _‐ノv「この身体に響く痛みより、大切な人を失う痛みの方が耐えられそうにないから」

大した精神力である。
痛みによるものか額に汗を浮かせながらも、その姿勢に隙は無かった。



126: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:15:04.01 ID:wcoHHkfi0
左手で脇腹を押える彼女は、周囲にいる敵を見渡しながら

lw´‐ _‐ノv「掛かってきたまえ獣諸君。
      我が主に牙を剥いた罪、その身に受けてもらう」

言い終わると同時に動く。
ハインから見て左へステップを刻み、高速で異獣へ接近。

『掛かってこい』って言ったの貴女じゃなかったっけ、などと言う暇などない。
その時には既に異獣の首が刎ねられていた。
怪我をしているとは、とても思えないような美しい剣線であった。

lw´‐ _‐ノv「……っ」

从;・∀・ノ!リ「シュー、おぬしは重傷なのじゃ! 無茶はするでないぞ!」

lw´‐ _‐ノv「ううん、無茶しなきゃ駄目だよ」

きっぱりと否定。
剣と戦に励んできた彼女は、身を以って知っている。

lw´‐ _‐ノv「……この地獄とも言える戦い。
      自分の安全を確認しながらでは生き延びることなど出来はしない。
      大切なモノのために、躊躇なく自分を投げ捨てることの出来る者のみ、生きられるんだ」



131: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:16:03.66 ID:wcoHHkfi0
隙を見た獣が襲い掛かる。
素早く反応したシューは背後へ跳び、苦痛に眉を歪め、しかし腕を振る。
五指でホールドされた刀が閃き、異獣の前足を切り落とした。

lw´‐ _‐ノv「これは矛盾じゃない」

返す刃で胸部を裂き、

lw´‐ _‐ノv「どうしようもない、この世の真理」

更に回転を重ね、

lw´‐ _‐ノv「そのために」

応じて剣線は数を増やし、

lw´‐ _‐ノv「私は――」

まさに斬撃の繚乱。
目にも止まらぬ速さで刀が振るわれた結果、
刃が反射する光だけが残存し、シューを中心とした檻のような空間が完成する。
しかし、それも一瞬の幻想で、

lw´‐ _‐ノv「――異獣の消滅を望む」

《《ギュガッ!?》》

瞬間、血潮がブチ撒かれる。
身体中に裂傷を刻まれた獣が、一斉というタイミングで崩れ落ちていった。



143: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:19:07.22 ID:wcoHHkfi0
从;゚∀从「す、凄い……!」

怪我を負っておきながら、あの斬撃である。

実は彼女を見るのは今日が初めてなのだが、だからこその驚きがあった。
あまり歳も違わないように見えるのに、という驚きだ。

从 ゚∀从「でも、彼女がいればこっち側は大丈夫ですね……!」

問題は逆方向。
シュー達が陣取る左ではなく、つまりハインから見て右側だ。
そちらにも異獣が攻め寄っていたはずなのだが、

从;゚∀从「――って、あれ?」

いない。
生きている異獣が、いない。
向かって右方向からも攻め寄っていた群れが、全て死骸と化して倒れている。

何が、と思う前に答えが見えた。
本陣の危機を救ったのは、

爪゚ -゚)「設定した『Killing Zone(殺戮地帯)』内の敵殲滅、完了致しました」

竜騎士のような物々しい武装を装着しているジェイルと、

( ・∀・)「はっはっは、相変わらず容赦が無いね」

彼女に肩を預けて支えられているモララーだった。



152: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:21:55.39 ID:wcoHHkfi0
从;゚∀从「モ、モララーさん!?」

( ・∀・)「久々だね、ハイン君……だが丁寧な挨拶は後にしよう。
     そしてこちら側は任せてくれたまえ。
     今の君は、為すべきことに集中するんだ」

从;゚∀从「ですが、その怪我は……?」

流暢な言葉とは裏腹に、モララーの顔色は良いとは思えない。
胸部と腹部に巻かれている包帯と、それを染める赤の色が彼の状態を示していた。
その上から律儀にスーツの上着を羽織っているのは彼なりの拘りだろうか。

( ・∀・)「あぁ、これか。 少々油断してしまってね……名誉の負傷というやつだよ。
     だが決して戦えないわけではない」

2nd−W『ロステック』を右手に解放しながら、自信満々に言う。
視線は既にハインから外れており、続々とやって来る異獣の群へ向けられていた。

( ・∀・)「それに私は思う……戦えるか否かではなく、戦いたい、と。
     こんな戦いの美味しい最終局面、ただ見ているだけでは後悔しそうだ」

从;゚∀从「……!」

( ・∀・)「故にこちら側は私達が担当しよう。
     なに、心配は要らない。 ここに私を殺してくれない人がいるのでね」

爪゚ -゚)「当然です。 自分を誰だと御思いですか」

( ・∀・)「君の主だ。 では、行こうか」



168: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:24:40.13 ID:wcoHHkfi0
格好自体は二人三脚そのものだが、不思議と不安には思えなかった。
遠くの敵はジェイルの砲撃で、接近してきた敵はモララーのロステックが。

二人はそれぞれの領域で、それぞれが完璧なタイミングを連続させて戦い始める。

まるで舞踏だ。
完璧に二人の息は合っていた。
そして、負傷しているモララーをジェイルが気遣っているのが解る。

从 ゚∀从(互いが互いを大切に思っているから……)

羨ましい限りだ。
大切に思える人がいて、その人からも大切に思われているなんて。
自分はクーやブーンを大切に思っているが、向こうはどうなのだろうか。

从 ゚∀从(いえ……愚問ですね)

信じられているに決まっている。
何故なら、自分がこんなにも信じているのだから。

ともあれ、こちら側も問題は無いようだ。
戦力が戦力だけに、これならば集中して準備を進め――

《グァァァァ!!》

从;゚∀从「うぇ?!」

今度は前でも左でも右でもない。
上から、牙を剥いた異獣がハインを狙って飛びかかっていた。



179: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:26:22.58 ID:wcoHHkfi0
しかしその牙がハインへ届くことはなかった。

直前、割り込む人影があったからだ。

まさに一瞬の出来事。
いきなり予期せぬ方向から飛び掛かってきた人影は、異獣の首を掴んで一回転。
真上を位置取り、いつの間にか手に持っていた刃物を突き刺した。

苦痛の声をあげて落ちる異獣。
同時、跨っていた人影も同じように着地し、

「さようなら」

氷のような冷たい声と、銃声が重なって響いた。
着地した人影が異獣の頭を踏み、またいつの間にか持っていた拳銃で頭を撃ち抜いたのだ。
断末魔の叫びすら挙げる暇もなかった獣は、おそらく自分が死んだことにすら気付いていないだろう。

从;゚∀从「……!!」

冷静かつ、容赦のない殺し方。
こんなことが出来る者は、本陣において一人しか存在しない。

川 -川「――――」

貞子。
渡辺が作り出した戦闘用機械人形だ。
右手にナイフを、左手に拳銃を持つ姿はまさしく殺戮マシンだ。



195: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:30:21.67 ID:wcoHHkfi0
今まで何度も圧倒的な戦闘力を見せ付けてきた彼女は、ハインに背を向ける形で静かに立ち上がる。

从;゚∀从「貞子さん……!?」

川 -川「……ハイン、リッヒ」

振り向いた彼女の目は垂れ下がる長髪で窺うことが出来ないが、少なくとも敵意は感じない。
しかも今の今まで積極的に戦闘への参加をしていなかった彼女が何故、今になって手を出したのだろうか。

从;゚∀从「って、危ないです! 後ろ!!」

貞子の背後に異獣が迫っていた。
爪で地を砕きながら走る姿は、獰猛そのもの。

しかし、気付いているはずの貞子は振り返らない。
ハインが慌てて立ち上がろうとした時。

《ッ!?》

その腹を貫く光があった。
合計三発分の光弾は、異獣の身体を的確に穿って消滅させる。

从;゚∀从(い、今のって――!?)

確かに見た。
光弾の色。

それが、かつても見たことのある茶色だということを。



230: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:34:27.98 ID:wcoHHkfi0
瞬間的な動きで、光弾が来た方を見る。
しかしそこは戦塵に包まれ、まったく奥を確認することが出来なくなっていた。

( ・∀・)「今の光は……」

モララーも気付いたようだ。
確信は更に深まる。

从;゚∀从「えぇ、あれは――!」

川 -川「――まだ戦える者、そして戦おうとする者。
     枯れた本陣だろうとも……貴方達が思っている以上に存在するものです」

貞子は正体を知っているようだ。
そして、『彼』の狙撃を完全に信じている節もある。

果たして一体何があったのか。

从 ゚∀从「…………」

解らないが、貞子がそれに関して口を割るとは思えない。
彼女自ら話さないということは、こちらが介入する話ではないのだろう。

だから、ハインは今ある疑問へと意識を定める。



240: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:36:10.31 ID:wcoHHkfi0
从;゚∀从「あ、あの――」

[゚д゚]「――まぁ、ちょいと待とうや」

从;゚∀从「え? いつの間に……?」

[゚д゚]「問い掛けるのはアイツに任せてみろよ」

デフラグの言葉に、ハインは改めて貞子を見る。
すると彼女へ鋭い視線を向けている存在があることに気付いた。
それはハインから見て右方に位置し、見るも美しい金の髪を持つ女性で、

爪゚ -゚)「――何のおつもりでしょうか」

対する貞子はハインを見据えたまま

川 -川「私はマスターの言葉を実行するのみ。
     そして、それは貴女方と共に為すことで果たせる率が上がる、と判断したまで」

爪゚ -゚)「……貴女は」

川 -川「こちらの敗北は即ちマスターの言葉を叶えられなかったということ。
     ならば私は、それをさせないための有効な手段をとるまで。
     別に馴れ合う気も他意もありません」

ですが、と言い

川 -川「……ハインリッヒは、私が護ります」



253: ◆BYUt189CYA :2008/07/22(火) 21:37:48.95 ID:wcoHHkfi0
静かに放たれる言葉の一つ一つに力があった。
あのジェイルすら、貞子の声に何も言えなくなっている。

そんな彼女の状態を、ハインは知っていた。

从 ゚∀从(おそらく、あれが貞子さんの本気の……)

思い、そこで貞子が自分を見ていることに気付き、

从;゚∀从「あ、あのぅ……貞子さんの熱烈な視線が僕から離れないのですが?」

[゚д゚]「俺に問われてもなぁ。
    結局、アイツに渡した音声データは俺聞いてねぇし」

从 ゚∀从「……音声?」

[゚д゚]「お前が気にすることじゃねぇよ、ハインリッヒ。
    ただ一つ言えるのは――」

満足気な笑みを浮かべ

[゚д゚]「貞子がお前を護ると言った以上、それは必ず成し遂げられる」

从 ゚∀从「……!」

よほど自信があるのだろう。
デフラグの笑みは、確実に何かを誇っていた。



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