从 ゚∀从高岡は科学者のようです

  
1: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 22:52:54.77 ID:hUORYN3X0
  
第四話「敵討ち」

(;´ー`)「これはひどいヨー……」

(;=゚ω゚)ノ「これはいったい何があったんでしょう………」

( ´ー`)「シラネーヨ」

(=゚ω゚)ノ「…………………………」

(;´ー`)「てか俺達の出番ってこれだけカーヨ」

(;=゚ω゚)ノ「そのようですね…………」

( ´ー`)「あんまりダーヨ」

フォックス警察から逃げるように去ったヴィップレンジャー達。
いくら相手が銀行強盗もとい組織の戦闘員とはいえ、クーのガトリング砲は銃刀法違反で捕まってしまう。
捕まってしまえばたちまち監獄行き、そしてその間に社会に悪がはびこってしまう。



  
2: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 22:55:19.68 ID:hUORYN3X0
  
(;'A`) 「なんでヒーローがこんなこそこそしながら戻らなきゃなんねーんだよ。マンドクセ……」

( ,,゚Д゚)「博士が考えもなしにガトリング砲を使うからこんな目にあうんだよ……ゴルァ」

川 ゚ -゚)「だってしょうがないだろう。ネタバレというゲーマーに対し最大の罪を犯したんだ。
     死刑にして当然だろう?」

ξ;゚听)ξ「ゲームのネタバレしただけで死刑ってあんた………」

( ゚∀゚)「まぁともかく、任務も終えたし見つからないうちにさっさと基地に戻ろうぜ」

(*゚−゚)「早く家に帰りたい…………」

人気の少ないビルの裏地を逃げるように進むヴィップレンジャー。
傍から見たらヒーローとは思えない光景だ。
そのヴィップレンジャーを望遠鏡で覗き込むものがいる。



  
4: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 22:57:40.68 ID:hUORYN3X0
  
从 ゚∀从「裏地を逃げるように抜けて行く。ヒーローとは思えない姿だな」

ようやく見つけた。事情聴取どころかそれすら避けて逃げるってか。
ほんとこいつらヒーローって資格を与えたバカの面が見てぇもんだな。
探すのにちょっとてこずったが、見つければこっちのものだ。

今からぶっ殺しに行くぜ?
小便すませたか?
神様にお祈りは?
裏地の隅でガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?




さぁ殺し合おうか



  
5: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:02:31.37 ID:hUORYN3X0
  
( ,,゚Д゚)「何だ?!」

('A`) 「皆避けろ!」



ドオオオオオオオオオオオオオオオオオン




( ,,゚Д゚)「っと、皆大丈夫か?!」

( ゚∀゚)「あぶねぇ……何なんだ?」

川 ゚ -゚)「!」

丁度あいつらがいた場所に着弾。
だが気づかれないうちに殺るってのはダメだ。
親父にした事と同じように、いやそれ以上に苦痛を与えてからぶっ殺してやる。
そう



  
6: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:04:27.32 ID:hUORYN3X0
  

               从゚∀从「よう、てめえら」
              ¶ノ ¶ノ |
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
          ./  (,)   (,)  ヽ
         |     | ̄|     |
         ヽ     ̄ ̄    /
          |  |   |  |   |
         .ノ .ノ ヽ ノ .ノ   .|
         (_ノ  (_ノ    .|
            / /  ̄/ /
           < <   .< <
            ヽ ヽ   ヽ ヽ



親父が残したコッチミルナ号と一緒にな!



  
8: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:07:27.59 ID:hUORYN3X0
  
( ,,゚Д゚)「誰だてめえ……」

( ゚∀゚)「冗談にしちゃ性質の悪い悪戯だぜ」

川 ゚ -゚)「そのロボット、まさかお前は……」

从 ゚∀从「そっちの女は気づいたみたいだな。
      言わねえとわかんねーバカ共にわかりやすく説明してやるよ
      私の名前はハインリッヒ高岡、ミルナの娘だよ」

('A`)「あの時の科学者か……」

( ,,゚Д゚)「その娘が今更何のようだゴルァ!」

从 ゚∀从「あれれ〜?てめえら自分達が仕出かした事を忘れた上に
     推測力も皆無なミジンコ君か?」

(#,,゚Д゚)「あぁ?!」

ξ゚听)ξ「敵討ちってわけね……」

从 ゚∀从「はいピンポーン、そこの巻き髪正解ー」

('A`) 「そんなことのためにそんなでかいの引き連れてやってきたってわけだ……」



  
9: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:09:42.75 ID:hUORYN3X0
  
从 ゚∀从「そんなことか。やっぱりてめえら最悪なチンカス野郎だな」

(#,,゚Д゚)「んだとゴルァ!!」

(*゚ー゚)「ギコ君、落ち着いて!」

从 ゚∀从「親父はな、戦闘員共みたいな改造人間じゃなかった
      ただ私と母を養うために戦った普通の人間だよ」

そうだ、親父は大学時代から培ってきたロボット工学の力を買われ、今の組織に拾われたんだ。
だが企業と違って、組織で貰える給料などたかが知れていた。
だから親父は必死で私たちのために働いた。戦った。
それなのに……それなのに………!

从#゚∀从「てめえらは自分達には当然の権利があるがごとく、親父を殺したんだよ!!」



  
11: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:11:44.64 ID:hUORYN3X0
  
ミルナ号の右腕を奴らにめがけて振り下ろす。
当然避けられるだろう。

ズゥシャアアア!

(;'A`)「ぐわぁ!」

(;,,゚Д゚)「がっ!」

(;゚∀゚)「な、何だ今の電流は!」」

だから腕に取り付けておいたんだ。
回避不可能の電流放射器、通称『ユミール』ををな。

从 ゚∀从「避けようってんなら電流が襲ってくるぜ。おらよ!!」

レバーを前に倒し、今度は左腕を繰り出して攻撃。
それももちろん避けられるが

ズゥシャアアアン!

(;゚∀゚)「ぐぉああ!」

ξ;゚听)ξ「きゃあ!」

両腕にユミールを取り付けているんだ。ミルナ号のパンチを避けても、電流が飛んでくる。



  
13: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:15:14.97 ID:hUORYN3X0
  
从 ゚∀从「さぁ今すぐミンチになるか、じっくり焼き焦げるか、選びやがれクソ共が!」

川 ゚ -゚)「ふんっ!」

从 ゚∀从「おっとそうはいかねぇよ!」

ばかでかいガトリングを構えた女がこっちに銃口を向けてきた。

川 ゚ -゚)「ちぃ!」

だがガトリングとはいえ、銃弾を高速に撃ち出す重火器。
頑丈なミルナ号の腕で素早くガードさえできればなんてこたぁない。

川 ゚ -゚)「傷一つつかないとは厄介だな、それに操縦者の反射神経もなかなかだな」

从 ゚∀从「あぁ、そうかい。じゃぁ今度はこっちの番だぜ」



  
15: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:17:53.62 ID:hUORYN3X0
  
ミルナ号の両手を前に突き出し、指先から銃弾を撃ち出す。

それに反応するかのように全員ビルの陰に隠れやがる。ゴキブリ共がうろちょろしやがって。
今ここで逃げられたらまた奴らを探しなおさないといけない。
それに

/ ,' 3「……………」

(´・ω・`)「……………」

じいさんとショボンが見てるんだ。情けない姿だけは見られたくねえな。


      「「「「「チェンジ!クオリティうp!!」」」」」


変身しやがったな。ついに本気で殺りあうようになったみたいだ。
……手に汗が滲んできてる、死なんて怖くないのに不安で押し潰されそうだ。
今日のために地の滲むような努力をしてきたってのに………。

だが負けるわけにはいかない。

从 ゚∀从「さぁ……来るなら来い…………1対6だろうがぶっ殺してやるよ!!」



  
17: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:21:25.03 ID:hUORYN3X0
  
どこから出てくる、右か?左か?それとも後ろ?上?下?
どこだ、どこからきやがる。

从 ゚∀从「……………」

ドォン!

('A`)「うおおお!!」

(*゚ー゚)「やあああ!!」

右斜め前方、両手に手を光らせながら向かってくる青い服の男。
左方、こいつも剣みたいなのを光らせながら向かってくる緑の服のガキ。

从 ゚∀从「そこだ!」

すかさず両腕の指から銃弾を撃ち出す。
だが

ガギン!
ゴシカァン!

ミルナ号が大きく揺れる、足を攻撃されたようだ。



  
18: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:24:45.74 ID:hUORYN3X0
  
从;゚∀从「ちぃ!」

(;'A`)「いてぇ、なんて硬さだ……」

(;゚ー゚)「剣が通らない……」

( ゚∀゚)「だが……これならいけるぜ!」

更に前方から光った棒を持ってピンクの男が飛び交ってきた。
銃弾を繰り出すもすさまじいスピードで避け、反撃してきやがる。

( ゚∀゚)「おー、ほんとかてーなこれ」

从;゚∀从「くそが!」

( ゚∀゚)「おっと!」

ミルナ号のパンチを軽々しく避ける。
だが避けてもユミールがお待ちかねだ。
食らいやがれ!



  
19: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:28:47.38 ID:hUORYN3X0
  
( ゚∀゚)「ところがどっこい、もう当たんないんだよなこれが」

从;゚∀从「なっ?!」

( ゚∀゚)「あらよっと!」

いつの間にかコックピットに乗っている私の目の前に突っ立ってやがる。
手に持っている棒で私を攻撃しようというのだろう。すさまじい速度が襲ってくるが
ミルナ号のスピードに勝てるやつなんていないんだよ。

从#゚∀从「調子に乗ってんじゃねーよ、くそが!!」

(;゚∀゚)「うおっやべえ」

レバーを後ろに引き、ミルナ号を仰け反るように動かした。
予想もしてなかったのか、体勢を崩し地面に倒れこむピンク男。
無防備に転がるやつに拳を叩き込む。

ξ;゚听)ξ「ジョルジュ!」



  
20: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:31:03.59 ID:hUORYN3X0
  
裏地から巻き髪女が飛び出し、ピンク男を突き飛ばす。
もう少しで潰せたってのになんて反応速度だ………

( ゚∀゚)「ツン、サンクスだぜ」

ξ////)ξ「べ、別にあんたが危ないから助けたんじゃないわよ!
       あそこにいたら邪魔だから突き飛ばしただけなんだから勘違いしないでよ!11」

( ゚∀゚)「へえへえ、っておっと」

ξ;゚听)ξ「きゃぁ?!」

ピンク男が巻き髪女を抱えてミルナ号のパンチを避ける、ユミールすらあたらないほどのスピードで。

おいおい、さっきまで避けるのが必死な顔をしていたノロマだったんだぞ。
たかがセンスのねぇ服を着ただけでこんなに変わるものなのか………
くそ、だめだ!心でやつらに負けてしまったら、それこそ本当に負けてしまう!
まだ力が及ばないか、まだ覚悟を決めてないか、まだあいつらに対する憎しみが足りないか。

从#゚∀从「そうか……………足りないんだな………!」

なら憎んでやるよ……
もっとだ、もっともっともっともっともっともっともっともっともっと!!!

从#゚∀从「死ねぇ、死ね死ね死ね死ね死ねええええええええ!!!」



  
22: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:34:04.45 ID:hUORYN3X0
  
半狂乱になりながら、私は次々と攻撃を仕掛けてくるヴィップレンジャー共を
ミルナ号に搭載されているありとあらゆる武器、そしてやつらに対する憎しみで対抗した。
……だがどれを使ってもダメージを負わすことすら叶わない。
どれほど憎しみをこめてこいつらを攻撃しても、どれ一つとしてこいつらに当たらなかった。
そして嘲笑うかのように、異常なスピードで襲ってきやがる。
どんな構造か知らないが、光った武器でミルナ号を徐々に傷つけていった。
長引けば負けてしまう。

( ,,゚Д゚)「おらぁ!!」

ξ゚听)ξ「はぁ!」

从#゚∀从「ちょこまか動いてんじゃねーよゴキブリ共があ!!!」

両手を重ね、地面に思いっきりたたきつける。
地面が砕け散るほどの威力だがこれも簡単に避けられ、それに続いてカウンターが飛んできた。

从#゚∀从「ああああああああ!!!!」

なんでだ、なんで当たらない、なんで死なない、なんで抵抗する
なんで仇を討たせてくれないんだ。
なんでだ、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!!

从#゚∀从「何でだよぉおおお!!!!」



  
24: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:37:24.08 ID:hUORYN3X0
  
戦闘開始してから1時間は経っただろうか………
ついに腕の銃弾、背中のミサイルは尽き、ユミールを撃つ電力すら失ってしまい
ミルナ号はただのエネルギーが尽きるまで動き続ける鉄屑になった。
まだ両腕は残ってるが、当たらないことはもうわかっている。

从;゚∀从「くそったれ………」

もう勝てないことはわかってる、私は負けたんだ。

( ,,゚Д゚)「やっと出すもんは出尽くしたって感じだなゴルァ!」

从#゚∀从「黙れ……黙れ黙れ黙れ!まだだ……まだミルナ号と、てめえらに対する憎しみが残ってる……!
      てめえらを殺るなら充分なんだよ!!」

川 ゚ -゚)「………おい」

从#゚∀从「あぁ?!」

川 ゚ -゚)「それだけしか残ってないなら……もうこれで終わらせよう、憎しみというは何も生まない
     例えそれで何が生まれたとしても、それはどんなに小さくても憎しみだけだ
     もう……こんな悲しいことはやめよう……」

从 ゚∀从「………………」



  
25: ◆itxLAKN81Y :2006/11/13(月) 23:38:25.12 ID:hUORYN3X0
  
心の奥でどこかで理解していた。
ずっと昔親父に言われたことあったな。
憎しみで憎しみを生み続け、最終的に滅んだ生き物がいるんだって。
そうなったらダメだって。そうならないよ!って子供の頃に言ってたな……………………
今じゃ憎しみと親父の残した弾切れのロボットしか残ってない哀れな生き物だ。
組織だって任務失敗で解雇、そしてルールに従って殺られるだろうな。
以前住んでいた親父の家、そして墓だって、こいつらを倒さない限り行かないって決めた。
なら私はどこへ行けばいい。
帰る場所も行く場所も失った私はどこへ行けばいい…………


从 -∀从「私は………どこへ行けば………」


第四話 終



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