( ^ω^)ブーンがハンドボールを始めるようです
- 171: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:51:49
- 第8話 一年だらけの公式戦
でてこいや!でてこいや!でてこいや!でt・・・・バキャ!
・・こいつも目覚めが悪い。変えよう。
お盆休みも終わり、練習も順調に進んでいた。そろそろ大会も近い。
夏の大会、いわば新人戦だ。俺は自分の実力がどれだけ伸びたのか早く確かめたかった。
え〜と、今日はなんだっけ?昨日のことを良く思い出してみることにした。
・・・昨日。
確かあれは、練習終わって手を洗い終わった時だったな・・
ブーンが何か大切なことを話してたような気がするんだ。
(^ω^)「明日は・・だから、今日はしっかり寝て・・」
そんなことだった。なんだっけな・・思い出せないよ。
- 172: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:52:20
- ん〜?思い出せない・・。
考えてて、メールが入ってたのに気が付かなかった。
もう少し考えt・・・あ、メールだよ。誰からだ?
「ちょwwwなにやってんだおww早くこいお!」
ブーンからだ。ヤベッ、おくれてんのかな。
「今日はなんだっけ?」
「試合だお!昨日あんなにいったのに、忘れてたのかお?」
血の気が引いた。そうだった。今日は試合だったんだっけ!!ヤバイな!!
俺は急いで準備に取り掛かることにした。
よし、準備完了した。これは今まで最速タイムだろう。
ブーンにメールしとく。
「ごめん、先行っててくれ!」
「場所わかるのかお!?」
「多分大丈夫!なんとかなるよ!b」
今日の会場はどこだっけ・・?え〜と・・
あ、思い出した!ニュウソク高校だ。
って考え事にふけってる場合じゃない!急がないと・・
- 173: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:52:46
- 俺は急いで外にでて、重たい荷物とハンドシューズを持って走っていた。
ヤバイな・・これじゃ間に合わないよ・・。
ニュウソク高校はここらへんで一番の学力を持つ秀才高だ。
勉強だけでハンドボールの話はほとんど聞かない。
まだ出来て一年目の新設チームらしい。今日はそこが相手になる。
その前に遅れないようにしないと・・
俺は、後ろからゆっくりついてくる、赤い外車の存在に気が付いていなかった。
その車は前に出てきた。俺はようやくその存在に気が付く。
中にいた男は、その派手な外車に似合わないジャージを着ている、どことなくショボに似ている。
その男はジャージのチャックを外しながら俺にこういったのだ。
(`・ω・´)「や ら な い か」
ああ俺は走りましたよ。しゃにむに走りましたよ!!
でも車、ましてや外車から逃げ切ることはできなかった。
- 174: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:53:07
- ああああ!まさか!!童貞を男に奪われるなんて思っていなかったよ。
(`・ω・´)「お、落ち着きなさい。俺はシャキーン。ショボの兄貴さ。
君は確か・・祐くんだね?」
(;´―`)「は、はい。そうですけど・・」
(`・ω・´)「すまないね。さっきのは冗談だ。家で弟がよk・・いや、なんでもない。
それより君はニュウソク高校にいくんじゃないのかい?」
・・なんで知ってるんだろう。
(`・ω・´)「俺は今日仕事が休みでひまでひまで仕方なかったんだ。
そこで、弟が試合をすると聞いてね。今から行くとこなんだ。良かったらのりなさい」
神様ありがとう!これで遅刻しないですみそうだ!!俺はシャキーンさんに乗せてもらう事にした。
・・俺の目の前には不思議な光景が広がっていた。
警察に交通規則違反で捕まりそうになったシャキーンさん。
彼は何をしたとおもう?
(`・ω・´)「俺を誰だか知らないのか?一度だけチャンスをやろう」
警官は何かを思い出したようだった。
警察「す、すいません・・・どうぞ行ってください」
警官を黙らせたシャキーン。彼は一体何者なんだろうか・・。
そんな恐い想像はよそう!!そう思って車に乗っていた
- 175: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:53:34
- (`・ω・´)「うちのショボンはどうだい?頑張ってるかい?」
(´―`)「あ、はい。ショボンくんはかなり頑張ってますね。そろそろ主力になってもおかしくないですね」
俺は決して嘘は言っていない。皆夏休みで相当上手くなっていた。
その中でもショボンはかなりの伸び方をみせ、しぃ先生も驚いていたほどだ。
(`・ω・´)「そうか、それならいいんだ。あいつは最近楽しそうにしてて俺も嬉しいんだ」
・・弟思いなんだなぁ。いい人だな。
ようやくニュウソク高校についたみたいだ。
皆はまだ到着していないみたいだ。遅刻するはずの運命は大きくひっくり返っていた。
皆は数分後に到着した。俺が先についてるのビックリしてるみたいだ。
川 ゚ -゚)「寝坊には気をつけるんだな」
(´―`)「・・・はい。すいません」
川 ゚ -゚)「分かればよろしい」
・・俺、尻に引かれるタイプかもしれないな。
とりあえず皆揃ったので、学校の中に入ることにした。
- 176: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:54:00
- ここニュウソク高校はここ最近できた歴史の浅い高校である。
まだ綺麗な校舎が新設であることを物語っている
公立高校ではあるが、物凄い設備でいま話題になっている。
( ^ω^)「じゃ、いくお」
俺はシャキンさんにお礼を行って入っていった。
なぜかショボンはバツが悪そうな顔してた。なんでかね?
俺らがグランドに向かう途中、凄いオーラをだしてる人を見つけた。
(*`ーωー´)「・・・・」
・・やべぇ。彼、なんていうか、ドラゴンボールでいうブロリーみたいな感じだ。
軽くショボンを越える体格。風格もしっかりしてる。
まぁ、ハンド部は新設だしあんな凄い人はいないだろう。
自分にそう言い聞かせた。
- 177: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:54:28
- 通りがかりだが、その凄い設備を見ることができた。
ジムにも負けないトレーニングルーム。
温水プール。球場・・
私立にも負けない設備に全員言葉を失った
(;^ω^)「・・すごいお」
ここは将来有望な高校ですね
通路を抜けて、グランドにでてきた。
・・広い。俺らの高校の二倍近くはあるんだろう。おそらく。
( ^ω^)「じゃあアップ始めるお〜」
あいつはどこにいても脳天気だ。元気だよな・・
・・そんな事を考えていた。
でも俺は甘かった。ブーンは今日ばかりはそんなに脳天気ではない、そんなブーンの様子を後で知ることになる。
- 178: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:54:55
- 今日のブーン 朝
( ^ω^)「・・早く目が覚めちゃったお」
早く起きすぎたお。今日は僕らだけの初試合なんだお。
キャプテンである僕がしっかり皆を引っ張らなくちゃいけないお。
頑張らないといけないお。
どうやらブーンはキャプテンという立場から、凄く気負いしてるみたいだった。
それは初めて上の立場に立つようになった人なら誰にでもあること。仕方ないと言えば仕方ない。
(^ω^)「僕がしっかりしないといけないお!」
どうやらブーンは完全にキャプテンという立場で、皆の数倍、力んでるみたいだ
(^Д^)「そうだプギャー!!俺らはこんな所で負けられないぞプギャー!」
あいつもやっぱあの戦い、随分気にしてるみたいだな。
VIP二高に負けたあの日から、俺らは自分達のため、先輩の為に頑張ってきた。
準備は完璧なはず・・完璧なはずだ。でもなんなんだ?この不安・・俺は一体何を心配してるんだ?
自問自答しても、答えは帰ってくるもんじゃない。
・・・あっ、相手が練習を始めてる。少し観察してみるか・・
- 179: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:55:08
- (*`ーωー´)「ニューソクーッ!!ファイッ!!」
うわっ、あの人ハンド部だったんだ・・少しショボに似たその顔つき。
体格も似てるけど、明らかにあの人の方が凄い体格してる。
185CMはあろうかというその巨大な体を目の前にすると、俺らなんて子どもに見える。
・・一体、ポジションはどこなのか?あの身長ならキーパーが妥当だな。
(;^Д^)「・・・・!!あいつ!」
プギャーはあの人を知ってるみたいだ。
知り合いなのか?
(゚∀゚)「プギャー、知り合いなのか?」
ジョルジュが俺よりも先に話し掛けた。
(;^Д^)「あいつは・・」
プギャーは重い口を開いた。
- 180: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:55:29
- (;^Д^)「あいつは・・あいつは、昔俺が最後の大会で敗れたチームにいたやつだ。
あいつは半端ない奴だ。俺なんて目じゃない・・コテンパンにやられたよ」
なんだって?あのプギャーが歯が立たないって?嘘だろ?
プギャーは、まだ皆よりも上のレベルだ。経験があるので、目立ちはしないが、冷静なプレーも出来る。
いわば、ゲームリーダーといったところか。そのプギャーにあそこまで言わせる人間だ、要注意人物だ。
('A`)「ちなみにポジションは?」
(;^Д^)「キーパーだ。俺はあいつから前後半でたった二点しかうばえなかったんだ
シュートチャンスは幾度もあった。だけど、決める事は出来なかったんだ」
やはりキーパーなのか。今からでも遅くない。対策を考えなければ・・
( ;^ω^)「何かあいつに弱点はないのかお?」
(;^Д^)「正直・・弱点は無いに等しい。あいつは完璧なキーパーだ。
この地区ナンバー1と言っても過言じゃない。
セットからのロングで得点をとるにはよっぽど速く、正確なシュートじゃないとダメだ。
だから、出来る限り、速攻でキーパーと一対一か、ポストシュートでチャンスを作るしかない」
弱点なしってか、スゲー怪物がやってきたもんだ。俺らで勝てるだろうか・・?
まだ一回戦だ。負けるわけにはいかない・・!
- 181: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:55:50
- 他には誰かいるのかな?見てみるか・・
ん?あの小さい奴、なかなかいい動きしてる。
(・∀・)「次、次!!」
足はやや速い。身長は165cmくらいかな・・小さいな。
彼からのロングシュートは心配しなくてもよさそうだな。小さくもぐりこまれると厄介だが。
彼はサイドらしい。ブーンとの勝負だな。ブーンなら勝てる。心配いらない。
他は・・全員どこにでも居そうな選手だな。いや、むしろ普通より下手・・
高校で始めた人たちだな。ここにはコーチはいないみたいだし・・
あのキーパーさえ、崩せれば、勝機はあるさ・・
ん、前の試合がハーフタイムに入ったみたいだ。ブーンもそれに気がつき、集合する
皆「ヨロシクおながいしまーす!」
それぞれの位置に入る。今日は逆速攻ではなくポジションシュートだ。
ブーンいわく、今日はあのキーパーからゴールを奪わないといけないから、良く肩をあたためるためだお。という事だ。
サイドシュートからのスタートだ。ブーンがパスを貰いこちらにうちこんd・・
(;;´―`)「ちょ、ヤバ、アッー!!!!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!イタイって!!痛いよ!!
俺の股間にボールが直撃する。ブーンは手加減せず思い切り打ち込んできたもんだから尚更痛い。
( ;^ω^)「ごめんお、大丈夫かお?でも心頭滅却すれば火もまた凉し、っていうお」
使い方違うよ!!とにかくこの痛み何とかしろよ!!マジで!!
アッー!マネージャーまで来ちゃったよ・・恥ずかしい。
何か嫌な予感がする・・
- 182: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:56:11
- とりあえず時間がない。
俺は超回復を使い、あっという間に回復した。
周りの男は皆俺に驚愕の目を向けている。そりゃそうだ。あんなに速く回復できるのは俺だけだ。
ちょっと精神力使うけど・・
・・ん、今日は皆コントロールが悪いな。いや、悪いわけじゃない。狙いすぎってやつか・・
特にブーンとプギャーはひどかった。ブーンには何か言ってやらなきゃ、ダメかな・・
短いハーフが終わる。俺たちはそそくさと退散した。
(*゚ー゚)「は〜い、皆集まって!スタメン発表するよ〜!」
すぐに集まる。ここらへんの行動は早い。
サイド・・( ^ω^) 45・・(´・ω・`) センター・・(^Д^) 逆45・・('A`) 逆サイド・・(゚∀゚)
ポスト・・( ^∀^)
ポストの人が誰かって?今まで説明しなかったけど、彼は・・あ、いや、誰か名前決めてください・・。
いつのまにかの新入部員だ。実力はというと・・そこそこだ。
・・よし!新チーム初めての試合だ!頑張るぞ!
そうだ、ブーンに声をかけてみよう。
- 183: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:56:34
- (´―`)「今日のお前、なんか力んでないか?力抜けよ、緊張してるの?」
俺はただブーンが緊張してるから、動きがおかしいのかなって思ってた。
( ^ω^)「・・違うお。緊張してるわけじゃないお。
僕、今までキャプテンらしい事してないお。だから今日の試合で少しはキャプテンらしい事しようと・・」
あ〜あ、分かってないな・・
(´―`)「なんでギコ先輩がブーンをキャプテンにしたか、わかる?」
( ^ω^)「・・・・」
やっぱ分かってないみたいだ。俺なりの答え、教えてやるか・・
(´―`)「お前は正直バカだ。
でもな、お前にはその底抜けの明るさがあるじゃないか。
チームが暗くなった時、お前の明るさで皆を引っ張ってくれれば、もうそれでキャプテンらしい事してるんだよ。
だから、そんな気にする必要ないって」
(´・ω・`)「そうだよ。僕らは君のバカだけど、真っ直ぐで明るい所を慕ってるんだ。
それだけで十分じゃないか?難しいことは僕らに任せておけばいいんだよ?
僕らは何の為の副キャプテンなんだい?君に協力するためさ」
・・難しいことは全部ショボン任せだけどね。
( ^ω^)「バカバカ言われるのはしゃくにさわるけど・・
僕の役目、わかったお!ありがとうだお!」
ようやく明るくなった。ブーンはそれが一番だよ。
- 184: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:56:54
- よし、チームもいい雰囲気になり始めた。多分いけるよ!
俺の不安はもうどこかに行ってしまった。勝てる、きっと勝てるよ。
そろそろ試合時間になるな・・準備しないと。
この日のために皆で買ったユニホームに袖を通す時が来たみたいだな。
俺だけキーパーユニホームで違うのが残念だけどね・・
・・よし。皆準備できたみたいだ。出陣だな!
集合の合図がかかった。お互いが対峙する。
(*`ーωー´)「・・・・・・」
こいつ、近くで見ると、さらにでかく見える・・。
周りが子どもにしか見えない。この威圧感、半端じゃない・・
プギャーが意識するのも理解できるよ。
「おねがいしまーす!!!!!!」
挨拶をすませ、最後の短いミーティングに入る。
- 185: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:57:13
- ( ^ω^)「相手にはあの最強のキーパーがいるお。
慎重に攻めるんだお!幸い、プレイヤーにそこまでマークする選手はいないお。
シュートは沢山打っていけるお!とにかく、焦らず慎重にだお!」
全員が軽く頷く。よし・・
一同「ブーン、いつものあれ、頼むよ!!」
( ^ω^)「わかったお!!」
( ^ω^)「ブーン!!!いくおー!!!」
一同「いくおーーー!!!」
はたから見たらかなり間抜けに見えるだろうな・・でもこれが俺ら独自の気合だ。
さあ、ガチンコ勝負の幕が開く・・
俺らのディフェンスからのスタートだ。
相手を良く見て闘えば、それほど苦になる奴らではない。
パス回しが繰り返される・・早速相手の45が勝負を仕掛けてくる。
(´・ω・`)「そんなやわな体では、僕を抜く事などできぬ!!」
あ〜可哀想なくらい、ショボンに簡単にディフェンスされる。あいつ、動揺してるな・・
長いパス回しが続き、俺はいつシュートがくるかと、退屈になった。
審判の腕があがる。本格的に焦ってきたみたいだ。痺れを切らしたかのように、逆45がシュートを打ってくる。
だがそのシュートは体制も整わないまま、しかも俺らのディフェンスから近い位置だったので、あまりにも力が無く、簡単に止められるボールだった。
(´―`)「やられるわけにはいかないんでね」
俺はそのボールを楽々キャッチし、速攻の体制に移る。
- 186: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:57:34
- ( ^ω^)「祐!こっちだお!」
ブーンが既に走っている。あの足の速さに追いつける奴なんてなかなかいない。
サイドラインをもの凄い勢いで駆け上がっている!
(´―`)「決めて・・くれよッ!」
俺はそのブーンに答えるようにライナー性のボールを思い切り投げ込んだ。
多分ブーンなら取れるはずだ!取ってくれ!!
( ^ω^)「余裕だお!!」
ブーンは俺のボールを余裕でキャッチしてくれた。やっぱここらへんはしっかりやってくれる。
早速、最強のキーパーと1対1の勝負になる。得点のチャンスだ。
(*`ーωー´)「・・俺に勝てるか?」
その発言のブーンは一瞬躊躇する。だが、
( ^ω^)「勝たなきゃ次に進めないお!だから勝つお!!」
(*`ーωー´)「・・いい返事だな。来い!」
ブーン、勝てよ!!皆の視線がブーンに注がれる。
- 187: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:57:55
- ( ^ω^)「いくお!!ここは直球勝負だお!!」
ブーンが思い切り地面を蹴り、飛んだ!!あいつのジャンプ力はこの夏休み練習でさらにあがった。
元々足が速い=脚力ある。なので、さらに磨きがかかったという訳だ。
ブーンは目線は上の方に残して、右下を狙う作戦にでた。これくらいはしないとこいつからゴールは奪えないだろう。
ブーンはシュートを放つ!!相手の虚をついた攻撃だ、止められるはずはない。
(*`ーωー´)「・・やはりそうきたか、甘いな・・」
そのキーパーはまるでブーンの攻撃を予期してたかの様に、スライディングをし、ボールを前にハジきとばした。
(: ^ω^)「な、なんですとお・・?」
ブーンは完全に決めたと思っていた。なので、前に転がったボールに対して、反応が遅れてしまった。
(゚∀゚)「まだ俺がいる!決めてやる!」
一緒に走りこんでいたジョルジュがそのボールを広い、シュートの体制に入る。
(*`ーωー´)「・・くっ!」
さすがにこれは予想外だったらしい。前に出すぎている。ジョルジュは素直にループシュートを放つ。
これは止められないだろう・・誰もがそう思っていた。
- 188: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:58:16
- 次の瞬間、そのキーパーは後ろに飛びこんだ。
まさか・・届くはずが無い。そう確信していた。
(*`ーωー´)「ふんっ!!」
彼の指先がボールに触れる。ボールはラインの後ろに転がっていった。
「・・・・・」
俺らは無言になった。次に攻撃に備えることも忘れて・・
(# ^ω^)「なにやってんだお!早く戻るお!!」
ブーンの言葉で俺らは我に返った。
ダッシュでディフェンスに戻る。だが、一度動揺するとなかなか収集がつかなくなる。
相手に翻弄され、あっさりと相手のポストにパスを許してしまう。
マズイ・・ここは俺が勝負しないとな・・。
俺はチームに流れを呼び寄せることができるだろうか・・
- 189: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:58:35
- 俺とポストのタイマン勝負になる。
夏休み、あんなに練習した・・だから大丈夫だ!!いけるはずだ!!
俺はもの凄い勢いで前にでて、相手の腕を潰しにかかった。
・・その時この行動をした事を一瞬で後悔する。
相手のポストはループを使ってきた。マズイ。
クッ・・気負いしてたのは俺の方じゃないのか・・?
成す術がなく、そのループシュートはゴールに入った。
(;^ω^)「祐、気にするなお!今のはディフェンスのせいだお!」
ブーンはもう汗をかきはじめていた。体力が持つのか心配だ。
確かに仕方ない。俺は次のプレーに向けて頭を切り替える事にした。
こちらのオフェンスのターンになる。
何か、いい攻撃方法はないだろうか・・?
- 190: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:58:54
- プギャーの思考回路
相手は普通のディフェンスだ。ラウンジ高校やVIP二高に比べればたいしたことはない。
ここは、相手の集中力を散らしてからシュートに行くべきか・・
副キャプテンであり、ゲームリーダーなんだから、ここで頑張らなければ・・
必ずシュートを決めて、相手にプギャーしてやる。去年の雪辱晴らさせてもらうからな!
とりあえず、長めにパスを回す。キーパーを疲れさせてから、じっくり攻めてやるよ・・
他の皆はプギャーが何を狙っているのかは分からなかった。だがパスを回し続ける。
もっと・・もっとだ。審判の手が上がるまで・・
よし!上がった!!俺はみんなにクロスのシュートを打つサインをだした。
皆はそれを察したかの様に、体制を切り替える。
よし、仕掛けるぞ・・皆しっかりやれよ・・。
ショボンがボールを待ち、前に突っ込んだ!そしてシュートフェイントをして、ドクオにパスを回す。
ドクオはすぐプギャーがどこに居るのか確認し、見事なパスをだす。
シュートを打つには充分すぎる体制だ・・行くぞ!
- 191: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:59:20
- (#^Д^)「去年の雪辱、晴らさせてもらうぞ!」
そう言うとプギャーは思い切り体を捻らせ、センターからシュートを打ち込む!
あいつのシュートはただでさえ、癖があり取りにくい。それに勢いが+されるんだから、これほど止めにくいものはない。
(*`ーωー´)「・・あのシュート、厄介だな」
皆はディフェンスに戻る体制を作り始めた。だが、きっとプギャーのシュートは入ると信じていた。
(^Д^) 「頼む!入ってくれ!」
プギャーの願いはボールに届いたのだろうか・・
そのシュートは狙いもしっかりしていた。ゴールの左上近くを襲う。
(;*`ーωー´)「・・・!!」
キーパーも精一杯の反応を見せる!!これは完全に決まったとは言い切れない。
プギャーのシュートか、キーパーの反応力か・・どっちが勝つ?
ザァン!!
プギャーのシュートは見事にゴールネットを揺らすのだった。
- 192: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 20:59:43
- (^Д^)「や・・やったぞ!!」
プギャーは心の底から喜んでるみたいだ。そりゃそうだ。俺らも嬉しいからな。
(^Д^)9m「あ、忘れてた。プギャー!!」
よし、よくやった!プギャー!!
相手は怒り心頭のようだ。単純だな。こちらがペースを掴むのも時間の問題だな。
プギャーのシュートから、勢いに乗り始めた。
さっきからは考えられないほどの攻撃力をみせつけた。
前半終了時で6対3とこちらがリード。やはり多くのボールが止められた。
だが、このペースで行けば勝てる・・!
(*゚ー゚)「残すは後半のみよ!!気を抜かずに行きなさい!!
あなた達はこの夏休み嫌って程練習したでしょ?その成果を信じなさい!」
いつもより気合の入ったしぃ先生の声だ。
しぃ先生の期待に答えるためにも、この試合、かたないとな・・
短いミーティングが終わる。
ん・・?ブーンとジョルジュが少し辛そうだ。まあ仕方が無い。
今日の攻撃は速攻がメインだ。頑張って最後まで持たせてくれ・・!
短いハーフタイムが終わる。勝負はまだまだこれからだ・・
- 193: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 21:00:06
- 後半も俺らは速攻メインで攻め続け、点差は五点に開く。
だが、たった五点。いくら相手のディフェンスがショボくてもあのキーパーがいる。
簡単にゴールを割らしてくれない。ロングシュートにいたってはプギャーの他にショボンの一本しか入っていない。
・・よし、新しい攻撃を仕掛けるべきだな。
時計は既に残り10分を切っていた。
プギャーの思考回路
これ以上普通のセットを仕掛けてもゴールを割らせてくれないだろうな・・
あいつは一度やられたことは二度繰り返さない男だ。
よし・・ポストを使うか。まだ名前、覚えてないけど・・
多分上手くやってくれるはずだ。
みんなにもそのようにするサインを出した。
さて・・駄目押しさせてもらいますよ・・
- 194: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 21:00:53
- 何点か相手に決められてしまっていた。
少し皆浮き足だしていた。得点差は二点になっていた。
・・仕掛けるならそろそろだ。俺はわざとこうしたんだ。
相手のやる気も一緒に奪っていく、そのやり方で。
こちらのセットになる、予定通り相手のディフェンスを翻弄する。
相手は簡単に引っかかってくれた。まだまだだな。
(^Д^)「仕掛けるぞ!!」
その声と同時にポストにパスを回す。
( ^∀^) 「おk、いくよ〜ん」
なんか間の抜けたしゃべり方・・集中力が・・
ポストは間髪入れずに、思い切り相手の顔面横にシュートした。
一歩間違えれば、カードが出る距離だ・・あいつ、狙ってやったのか?
(;*`ーωー´)「・・・・・!!」
さすがに不意を突かれたみたいだ。思い切り頭でガードしようとしたが、球の方が速い。止める事は出来なかった。
・・これでもう相手のやる気はかなり持っていったようなもんだ。
- 195: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 21:01:14
- 相手のプレーヤーは俺の狙いどおり意気消沈だ。
その後、俺らは終わりまで終始攻め続け、快勝した。
あのキーパー率いるチームを破った!!俺らにとってはかなりの自信になった
「ありがとうございました!」
終わった後、あいつがこっちにやってきた。
どうやらプギャーに用があるようだ。
(*`ーωー´)「今日の試合の戦略・・全部お前が考えたんだろ?
俺はよく覚えてるよ。お前のチームと闘った事・・」
(^Д^)「ん・・覚えてたのか?」
(*`ーωー´)「ああ・・あのプギャー。忘れるはずもない」
(^Д^)「そういや・・あの時もそんなことやったなあ・・
負けて、泣きながらだったから情けなかったけど」
(*`ーωー´)「あれみて、お前らのためにも頑張ろうって思ったよ。
今度はお前らが頑張る番だ。俺らの分も頑張ってくれよ?
・・いい仲間を持ったな」
皆照れくさそうにしていた。でも嬉しかったな・・。
- 196: ◆gk43jgqTBM :2006/11/22(水) 21:01:36
- (^Д^)「待ってくれ!お前の名は!?」
(*`ーωー´)「・・アマゾンだ。頑張ってくれよ」
・・アマゾン。覚えておくよ。お前らの分も頑張るからな!!
さ〜て、次の相手は・・ラウンジ高校?
ライバル再びだな・・必ず勝ってやるさ。
帰り際の夕焼けはいつもよりも数倍綺麗に見えた。明日も頑張るぞ・・!
第八話 一年だらけの公式戦 完
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