( ^ω^)ブーンで学ぶ世界史

138: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:15:27.36 ID:x0CD2VAbP

┌──────┐┌─────┐
│            ││.サーマーン朝 │    ┏━━━━━━━……
│            │└─────┘    ┗━┓
│            └──┐┌──────┐┃セルジューク朝
│                  ││ ブワイフ朝 .│┃
│                  │└──────┘┗━━━━━……
│                  └───────────────────┐
│ア ッ バ ー ス 朝                                │
│                  ┌───────────────────┘
│                  │┌────────────┐┏━━┓┏━━━━
│                  ││                  │┃アイ .┃┃
│                  ││  フ ァ ー テ ィ マ 朝  │┃ユーブ┃┃マムルーク朝
│                  ││                  │┃朝  ┃┃
└─────────┘└────────────┘┗━━┛┗━━━━
┌──────────┬────┐
│                    │        │
│   後  ウ  マ  イ  ヤ  朝     │
│                    │        │
└──────────┴────┘

────┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─
  8       9      10       11       12       13



どんどん年表が見づらくなっていきます。ごめんね。

とりあえず太線のところに注目してください。



139: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:17:37.68 ID:x0CD2VAbP

●遊牧民とマムルーク



まず、『マムルーク』という言葉について説明したい。



『マムルーク』とは白人奴隷のことを指す言葉である。
特にトルコ系やモンゴル系の、遊牧民出身だった奴隷を指して言うことが多い。


ところが、ここでいう「奴隷」とは、主人に殴られながら農作業をこなす人間のことではない。

マムルークは弓馬に秀でていたため、エリート軍人として扱われていた。
そしてある程度出世をすると、彼らは奴隷身分から解放され、司令官になる場合もあった。




すなわち、『マムルーク』になることは、イスラム世界における出世街道の一つであった。



141: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:20:55.18 ID:x0CD2VAbP

ローマの時にも少し説明をしたが、歴史の世界には様々な「奴隷」が存在する。

その中にはアメリカにおけるいわゆる「奴隷」もあるし、
古代ローマにおける家庭教師も、広い意味での「奴隷」である。



歴史を学ぶってことは、そういった些細な、けれども大切な違いに気が付かせてくれる。



もしこのスレの中で興味を持った部分があったら、どんどん自分で調べてみてほしい。
Wikipediaでも教科書でもなんでもいい。まんが世界の歴史なんかオススメだ。


おまえらも少しは勉強しなよw







まあ御託は置いといて。



(n´・ω・)η <そろそろあのAAが出てくるよー



144: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:22:58.24 ID:x0CD2VAbP


           )、  オラオラ
         yソノハヾ
        从∀゚#从  < 調子に乗ってるからこうやって痛い目に遭う
       ((⊂  と
         (⌒  /
      ∧(_)ゝノ
    ⊂(;ω;=)つ_)っ

   ぃ、ぃょっ!



11世紀、相変わらず『ブワイフ朝』はアッバース朝のカリフを支配下においていた。

しかしその軍事力はペルシア人ではなく、中央アジアから入手したトルコ系の『マムルーク』に依存していた。



145: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:25:04.42 ID:x0CD2VAbP

軍隊の主力を異民族が担っていることは、非常に危険なことでもある。

『ブワイフ朝』もその例外とはならず、徐々に弱体化してしまった。
ちょうど税金の徴収方法が改められたことも、一つの原因であった。





                        待ちなよ >

           )、
         yソノハヾ  < ん?
        从 ゚∀从
         ⊂  と
         (⌒  /
      ∧(_)ゝノ
    ⊂(=;ω;)つ_)っ

     ぃょ?



そんな中………



147: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:28:47.64 ID:x0CD2VAbP


        わ た し で す

            ィハヘヽ
           ('、`*川
          (( ( つ ヽ、
            〉 とノ ) ))
           (__ノ^(_)


     『 セ ル ジ ュ ー ク 朝 』




そこに現れたのが、トルコ系の『セルジューク朝』である。



152: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:32:02.16 ID:x0CD2VAbP

 ヘブッ                  とりゃ

  从゙ε(◆  ≡≡==−−    ⊂('、`*川




 ('、`*川 「あんたが主役だなんて1000年早いわ!」


 从゙ε(◆ 「お……おい、やめろ馬鹿………」






 ('、`*川 「はあ。まったく、これだからペルシア人はうざいね。
       いつまでも自分が一番だと思い込んでいる。いい加減学習してほしいもんだわ」


 (=;ω;)ノ ・・・・・



155: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:34:34.91 ID:x0CD2VAbP
 (=;ω;)ノ 「助けに来てくれたのかょぅ?」


 ('、`*川 「ん…… ああ、まだいたの?
       誰があんたみたいなのを助けに来るのよ。次の主役は私なんだから」


 (=;ω;)ノ 「ですよねー」




 ('、`*川 「それよりあんた、私にも何か称号を寄越しなさい。
       大アミールみたいな陳腐なものじゃなくて、もっとかっこいいやつをね」

 (=;ω;)ノ 「うぅ………」


こうして『セルジューク朝』は、バグダードにたむろしていたブワイフ朝を追い出すことに成功した。

ちなみにこの時、初代君主の『トゥグリル=ベク』は、
アッバース朝のカリフより『スルタン』という称号を授けられている。



160: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:36:34.22 ID:x0CD2VAbP




                          ━━━━Oィハヘヽ━━━━ロニニ>
                              ∧,,∧('、`*川
            ぎゃああああ         /ο ・ )Oニ)<;;>
                             /   ノ lミliii|(ヾゝ
     ∧_∧  ≡===---           (o_o,イ__ヽ´|(__) ノ~⌒)彡   ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
    (ili´;ω;) ≡===---               ノllllllllヽ| | ̄ノl ノ
    と  と ) ≡===---              / /~ヽ ノ'''''''~ヽヽ\ヽ_
     Y   人 ≡≡=====----          ヽニフ|_|   (_/  ヽノ
     (__) `J ≡≡≡=====-              (_ヽ---



その後セルジューク朝は、さらに西へ進んで、ついには『ビザンツ帝国』とも戦った。

この戦いのことを『マンジケルトの戦い』といい、
セルジューク朝は大いにビザンツ帝国を打ち破ったとか。



この結果ビザンツ帝国は『十字軍』の介入を求めるようになるが―――その経緯は『やる夫でキリスト教史』を読んでね。



162: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:38:12.67 ID:x0CD2VAbP

しかしその後、『セルジューク朝』はすぐに崩壊してしまった。

彼らはもともと遊牧民であったために、統一した政府を維持することが苦手だったようだ。




 从*゚∀从 「ざまあああああああああああああwwwwwwwwwwwww
        出てきた瞬間ささっと崩壊wwwwwwwwメシウマwwwwwwwwwwwwww」



 ('、`;川  「くぅ…… 反論できない………」



12世紀に入ると、セルジューク朝は完全にバラバラになってしまった。

結局最後に残ったのは、分裂したいくつかの地方政権と、大挙して押し寄せる『十字軍』だけであった。



168: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:44:32.86 ID:x0CD2VAbP

さて、次は『ファーティマ朝』のその後を見てみよう。




   _、_
 ( ;,_ノ` )y━・~~~ 「もはやこれまでか………」




        ギャアギャア

   (#゚;;0゚)   (・∀ ・)   ('、`*川



末期のファーティマ朝は、
各地から集められた『マムルーク』が派閥を作ってしまい、大混乱に陥っていた。

ファーティマ朝のカリフは既に実権を失っており、軍人が支配権を巡って争っている有様であった。



169: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:46:28.61 ID:x0CD2VAbP




     −=≡   /⌒ヽ   ∧,,∧    ≡       _  ∩
    −=≡   ( ^ω^)  ミ,,゚Д゚彡    ≡   ( ゚∀゚)彡 < おっぱい!
   −=≡    ⊂  ⊂   ⊂" ⊂    ≡   ⊂  ⊂彡  < おっぱい!
    −=≡   ( ⌒)    ミ ⌒)    ≡     ( ⌒)
     −=≡  c し'     c し'      ≡   c し'



しかも、地中海沿岸には『十字軍』が襲来しており、イスラム教徒を虐殺するなど好き放題やっていた。

末期のファーティマ朝には、十字軍を追い返す余力すらなかったのだ。



170: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:48:17.71 ID:x0CD2VAbP

世はまさに世紀末状態である。




   _
 ( *゚∀゚) 「ぐへへ……エルサレムにはいいおっぱいが転がっているそうじゃないか………」


 ミ,,^Д^彡 「ヒャッハーッ! 十字軍サマがお通りになるぞ!」


 ( ^ω^) 「道を空けろ〜〜ッ!!!」




残虐な十字軍は、イスラム教徒には容赦がなかった。



171: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:49:55.76 ID:x0CD2VAbP


 ??? 「待て!!」




 (#^ω^) 「ああん?」




だが! そこに一人の武人が現れた!



174: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:51:51.69 ID:x0CD2VAbP


 ν(・ω・ν) 「市民を殺害するなど言語道断……… 正々堂々と勝負せよ!」




彼の名は『サラーフ=アッディーン』。

ヨーロッパ風に呼べばサラディンである。



176: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:54:07.92 ID:x0CD2VAbP

 ミ#゚Д゚彡 「はぁぁあん? てめえも消毒されてえのか!!」


 (#^ω^) 「邪魔をするヤツは生かしちゃおかんお!」

   _
 (#゚∀゚) 「汚物は消毒だ〜!!」




 ν(・ω・ν) 「ふん、お前らが一番邪魔なんだ」




サラディンは腐りきっていたファーティマ朝を乗っ取り、新たに『アイユーブ朝』を建国した。

彼は混乱していたエジプトをまとめあげ、ついに『十字軍』への抵抗を試みたのである。



178: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 21:55:32.97 ID:x0CD2VAbP

…………で。








     _
   :(;゚Д゚)゚ω゚;).            ヘ(・ω・ )
   :(´`つ⊂´):..               ヽν |
   :と_ ))(_ つ:               < <




こうなりましたw



183: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 22:00:15.55 ID:x0CD2VAbP
  _
( ;゚∀゚) 「ごっごごごごmごめんなっささしいいいいいいい」



      ν(・ω・ν) 「あれほどの殺戮を繰り返した集団がこの程度か………」




(((( ;^ω^))) 「や、やめるお! 僕らを殺したら本国の人間が黙ってないお!」



      ν(・ω・ν) 「フン、貴様らには殺す価値すらないわ」





 ミ;゚Д゚彡 「へ?」



185: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 22:02:27.02 ID:x0CD2VAbP

      ν(・ω・ν) 「身代金だけ置いてさっさと帰るがいい」



(((( ;゚ω゚))) 「わ、わわ……」




         ギロリ

      ν(・ω・ν) 「さもなくば………あとはわかるな?」


  _
( ;゚ω゚) 「ヒッ!」



187: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 22:04:10.44 ID:x0CD2VAbP

                  ひぃぃぃ 助けてくれー
          _
     (゚∀゚; ) ≡=−
                     ミ;゚Д゚彡 ≡=−

            (^ω^; ) ≡=−




  ・・・・・

  ・・・

  ・




 ν(・ω・ν) 「さて、これでひとまずは安心か………」



188: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 22:05:46.70 ID:x0CD2VAbP

サラディンは十字軍を追い返すことに成功した。
彼は捕虜を虐殺することを好まず、身代金と引き換えに解放してやった。


また彼は、その後再び十字軍が攻め込んできたときに、
敵の司令官が病で倒れたという話を聞きつけ、逆に見舞い品を贈ったという。



このように、サラディンは異教徒に対しても非常に寛大な人物であった。
そのため彼は敵味方の区別なく人々に愛され、後世まで語り継がれている。

だから今でも、彼はヨーロッパ風の名前である『サラディン』と呼ばれているのである。




サラーフ=アッディーンに関するちょっといい話でした。



191: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 22:08:04.62 ID:x0CD2VAbP

しかし『アイユーブ朝』は、サラディンのカリスマによって
まとまった国であったために、彼が死んでしまうと国内は乱れ始めた。


再びエジプトでは『マムルーク』の派閥争いが発生し、
結局はマムルークによって新たな国が建設されたのであった。





   _、_
 ( ;,_ノ` )y━・~~~ 「さてと……」


      カンカン ガクガク

   (#゚;;0゚)   (・∀ ・)   ('、`*川



こうして成立したのが『マムルーク朝』である。



192: ◆ImMEukpfHw :2010/05/04(火) 22:10:09.87 ID:x0CD2VAbP

『マムルーク朝』が成立したのは13世紀半ば。




     ぃょぅぅぅーーーーーーーーーーーー!!!   >



   _、_
 ( ;,_ノ` ) !?




だから、ヤツらは突然やってきた。



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