( ^ω^)ブにも奇妙な物語のようです

18: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:52:40 ID:PPw1Q34Q0
今日も一日疲れるなと思いながら朝食を食べていると、耳に俺の星座が聞こえた。
十二位。最下位。不幸でしょう。つらいでしょうが頑張りましょう。
全世界の十二分の一がそんな日を送るわけが無いと、いつもいつも思ってはいるものの、
やはり少しは調子が落ち込むものである。

('A`)「……嫌だなー。こんなのもうこんな占い止めればいいのに……」

約十二日に一度は起きることだと思い直し、さっさと食べ終わり片づけた。
仕事に行くのにはまだ急ぐ必要もないが、遅刻しそうな気がしたからすぐに身支度を済ませる。
特に滞りもなく、スムーズに準備が出来たて、いざ出発。そんな時に……

('A`)「靴ヒモが切れた……不吉な……」



19: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:53:11 ID:PPw1Q34Q0



('A`)不吉な予兆のようです



20: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:54:11 ID:PPw1Q34Q0
今日は何かが起きる。何が起きるかわからないけれど不吉なことだ。
今まで靴のひもなど切れたことが無いから、一体どれだけ不吉なことが起こるのか分からない。

('A`)「クビとか宣告されたらどうしよう……」

そう考えていると、仕事へ向かう先々でカラスをよく見る。
いや、いつも目につかないだけで今日は特別目にとまるというわけではないだろうか。
だが、あまりにも多い何十羽といったカラスの群れがいく先々で現れる。

('A`)「不吉だ……よくわからんけど怖い」

(,,゚Д゚)「ニャー」

俺の前で猫が横切る。
まるで元気づけてくれるかのように癒される特有の声を出してくれている。

('A`)「猫だ可愛いな。やっぱりいいことだって起きるんだ。不幸じゃない」

(,,゚Д゚)「ニャー」

(;'A`)「あれ? でもクロネコに横切られると不吉なことが起こるって……」

ああ、不吉だ。



21: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:54:43 ID:PPw1Q34Q0
(;'A`)「怖い」

途中から駅の階段の段数を数えてみると十三段になってしまった。

(;'A`)「やばい」

傘とガムを一緒に買ったら値段がちょうど四百四十四円。

(;'A`)「不吉だ……」


空がやけにどんよりとしている。
今日は絶対何かが起きるだろう。



22: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:55:16 ID:PPw1Q34Q0
('A`)「……というわけなんだ」

(`・ω・´)「そうか」

昼、同僚に今日の不吉な予兆の事をすべて話した。

('A`)「絶対何か起きるぞ……」

(`・ω・´)「信じがたいな」

俺自身がそう思う。
しかし、実際に起ってるんだから仕方ない。

(`・ω・´)「でも、面白そうだな」

('A`)「どこがだよ」

(`・ω・´)「コーヒーはブラックの方が好きなんだけどな」

('A`)「どうした? 飲めばいいのか?」

マグカップに入った暖かいコーヒーとミルクを渡される。



23: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:55:44 ID:PPw1Q34Q0
(`・ω・´)「大丈夫。俺が飲むんだけど、ミルクを垂らしてくれないか?」

コーヒーをデスクの上に置き、ミルクを入れた。

('A`)「これでいいか? 何をしたいんだ?」

(`・ω・´)「コーヒー占いというものがあってさ、ちょっと確かめてみたかったんだ」

('A`)「好きな人のイニシャルとかが見えるとか」

量も多く無造作に入れたはずのミルクだったが、おかしな溶け方をし始めて、どう見ても文字に見えてしまうようになった。
『呪』と、確かにそう書いてあるように見えるのだ。

('A`)「不吉だ……」

(`・ω・´)「さっき言ってたことは信じることにしたけど……飲みづらいな」

('A`)「やっぱり俺が飲むよ」

渋々コーヒーを一気飲みした。
底に残ったコーヒーが今度は『死』の字に見えるような形をしている。
飲ませた張本人は、自分には関係のないことと思っているみたいだが。
どうしてさっきからこんなに不吉なんだ。



24: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:56:26 ID:PPw1Q34Q0
外回りの最中。

('A`)「お、雨」

降るな降るな、と思っていたら降りだした。
幸いにも傘を持っていたのだが、雷が落ちてきそうで怖い。
何が起きるかわからない、そんな不思議な天候だな。
そう思っていると、今度はいきなり晴れてくる。

すると今度は、変な奴に話しかけられる。
雨のなか雨宿りもしなかったのか、上から下までビチャビチャになっている。

(^q^)「あうあうあー」

一言で言うなら不気味だった。
よくわからないが、これも不吉の予兆の一つと考えよう。

すぐに晴れた空は、太陽に丸い虹が出来ていた。
もしかすると、これは自分の不幸が去ったことを意味してると思いたい。

(゜д゜@「まぁ、いきなり降りだしたと思ったらすぐ晴れたわ。太陽に虹が出来てる」
 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「知らないの? あれは、縁起が悪いのよ」

(゜д゜@「あらやだ」


('A`)「……不吉だ……」



25: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:57:42 ID:PPw1Q34Q0
そして、恐ろしいことがいつ起きるのかとずっとびくびく過ごしていたが、
それ以外はいつも通り、なんら変わったことは起きなかった。
ただ、よくよく縁起の悪いことが起きるのだ。
だから今日は早く退社して、家路につこうと考えた。

(`・ω・´)「なぁ、昼間の事で少し話したいことがあるんだが、いいか?」

返しに困っていると続けて話してきた。

(`・ω・´)「ここで済むような話なんだけど。ただ今日どんな不吉なことが起きたかだけ」

それなら、ということで簡単に今日の起きたことを全部話した。
床の染みが怖い顔に見えて不吉なんて些細なことも全部。
すると返事がこうだった。

(`・ω・´)「あくまでも仮定だけれど、もしかしたら君に不幸なことは起きないんじゃないかな」

('A`)「どうしてだ?」

(`・ω・´)「不吉な予兆が起きているだけで、今まで君には実害が起きていないだろう?」

そういえば、そうだ。結局クビを宣告されたわけでもないし、この会社が倒産することは無い。
周りの女性から煙たがれるのは、いつものこと。
怪我をしたり、身内に何かあったということも聞いてはいない。



26: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:58:16 ID:PPw1Q34Q0
(`・ω・´)「もしかすると、『不吉なこと』というのは次に『不吉な予兆が起こること』だけなのかもしれない」

('A`)「そう、かもしれないな」

(`・ω・´)「一気に不幸なことが起きてしまうような可能性もあるけれどそう思っていた方が得だろ」

('A`)「うん。そうだな」

(`・ω・´)「まぁ今日は精神的に疲れているだろうから、早く帰って明日に備えた方がいいだろ」

とても長く感じられた不吉な予兆が起きる日が終わりを迎えている。
帰路はとても安穏として帰れることだろう。
そういえば、さっきからもう不吉な予兆となることは起きてはいない。
もう大丈夫なんだ。

(`・ω・´)「ところで血液型はB型だよな?」

('A`)「なんで知ってるんだ?」

(`・ω・´)「いや、最下位がBだったから多分そうだと思って」

('A`)「……」



27: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:59:10 ID:PPw1Q34Q0
目の前の電柱にとまるカラスもそこまで恐ろしくなかった。

('A`)「今考えてみると、勝手に不吉な予兆の象徴とされてかわいそうだな」

カラスはただ生きているだけだ。
好きに鳴き、好きに飛び、自由にゴミをあさり、そして自由に糞を落とす。
そう、俺の頭の上にも。

(;'A`)「きたなっ…………って、不幸なことが起きた」

もう一度同僚の言葉が思い出される。

(`・ω・´)『もしかすると、不吉なことというのは次に不吉な予兆が起こることだけなのかもしれない』

あいつの言ってたことが間違っていたじゃないか。

(`・ω・´)『一気に不幸なことが起きてしまうような可能性もあるけれどそう思っていた方が得だろ』

(;'A`)「……」

もしかすると、今から一気に不幸なことが起きるのだろうか。
今までの予兆を足し合わせた分の。

(;'A`)「怖い……」

嫌だ。どうして。嫌だ。なぜ。何が起きるんだ。嫌だ。怖い。嫌だ。
これからずっとなのか。うそだろ。嫌だ。これから凄い不幸なことが起きるのか。
嫌だ。
嫌だ。



28: 以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします :2011/03/10(木) 10:59:44 ID:PPw1Q34Q0
(゚A゚)「イヤだ―! 死にたくない! イヤだ! やだ! やだー!」 

(゜д゜@「あらやだ。目を合わせないようにしないと」
 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「気分を損ねるわ」

(゜д゜@「なんか不気味ね。不吉なことでも起きてしまいそうだわ」




('A`) 不吉な予兆のようです 終



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