( ^ω^)ブーンと猫と神様

64: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 01:59:24.91 ID:hgYoUsgd0
  
 
川に着くと、お母さんはいつものように野菜を洗い始めました。
 
ギコはお母さんに寄り添いたい気持ちを一生懸命抑え、少し離れたところでちょこんと座りました。
 
 
 
ξ^ー^)ξ「フフフ………すぐに終わるから待っててねwww」
 
ミ,,゚Д゚彡「………」
 
 
 
そのときでした。



65: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:02:21.86 ID:hgYoUsgd0
  
 
「ウウウウゥゥゥゥゥ………ワン!!!!ワン!!!!!111!!!」
 
「ヴヴヴヴヴヴ………」
 
 
 
ギコがいる反対側の、お母さんから少し離れた暗闇の中から、獰猛そうな野犬数匹が現れました。
 
今にもお母さんを襲いかかるかのように、涎を垂らしながら威嚇していました。
 
 
 
ξ;゚听)ξ「ちょ………ちょっと………」
 
ミ;゚Д゚彡「ッッッ!!!!!!!!!111!!」
 
 
 
お母さんを守らなきゃ………!!!  
 
ギコはそれ以外のことは考えず、自分よりも何倍も大きい野犬に全速力で立ち向かっていきました。



67: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:03:07.23 ID:hgYoUsgd0
  
 
ミ,,-Д-彡「………」
 
ミ;゚Д゚彡「ッッッ!!!???」
 
( ^ω^)「おっおっおっwwww起きたみたいだおwwwww」
 
ξ;;)ξ「よかった………よかったぁ………」
 
 
 
目を覚ますと、お父さんとお母さんの顔がギコを覗き込んでいました。
 
懐かしい天井の色、家の暖かい明かり、生きていたときに布団として使っていた座布団………。
 
どうやら家の中にいるようです。



68: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:03:48.65 ID:hgYoUsgd0
  
 
ミ,,゚Д゚彡「………」
 
 
 
お母さんは………!?
 
お母さんを見てみると、ケガはしていないようです。
 
どうやらお母さんは無事みたいです。
 
ギコは安心しました。
 
そして、すぐに神様の4つの条件が頭をよぎり、家を出るために起き上がろうとしました。
 
 
 
ミ;゚Д゚彡「………グッッッ!!!???」
 
 
 
少しでも動こうとすると、それを拒むかのように全身に激痛が走りました。 
 
体のいたるところに薬草を染み込ませた包帯が巻かれてあります。



69: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:05:04.01 ID:hgYoUsgd0
  
 
ξ;凵G)ξ「ありがとうね………私なんかのために、本当にありがとうね………」
 
( ^ω^)「おっおっおっwwwwwお前は偉い猫だおwwwwwたった1匹で野犬をやっつけてしまうなんてwwwwww」
 
ミ,,゚Д゚彡「………」
 
( ^ω^)「それにしても酷い傷だおwwwwww治るまで、ここで休んでいくといいおwwwwwww」
 
 
 
全くそのときのことは覚えていませんが、どうやら野犬を全部やっつけたようです。
 
その代償として全身にたくさんの傷を負ってしまいました。 
 
神様の4つの条件が気になりましたが、冷静に考えてみると、どうやら家に入ることは大丈夫なんだと確信しました。



70: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:06:27.21 ID:hgYoUsgd0
  
 
恩返しのためにお母さんを助けるつもりが、逆に世話になってしまった………。
 
ギコは、これからもっと恩返しをしなければならないと、強く強く心に決めました。 
 
お母さんが助かったことを知ってホッとしたのか、ギコは急に眠たくなり、目を閉じました。
 
 
 
( ^ω^)「おっおっおっwwwww寝てしまったおwwwww………なんだかギコに似ているおwww」
 
ξ^ー^)ξ「フフフ………そうねwww」
 
( ^ω^)「そうだおwwwこの猫をフサギコって呼ぶお!!!wwwww」



71: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:07:37.90 ID:hgYoUsgd0
  
 
それから数週間、フサギコという名前をお父さんから貰ったギコは、家の中で療養しました。
 
神様の4つの条件が気になり、お父さんとお母さんがギコに触ろうとすると、相変わらず全身の毛を逆立たせて威嚇しました。
 
それでもお父さんとお母さんはギコを嫌いになんかならず、家に居させてくれました。
 
ギコは申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちで一杯でした。
 
ケガが治ると、ギコはお父さんとお母さんと共に行動しました。
 
畑仕事をするとき、山に薬草を取りに行くとき、お母さんが川に野菜を洗いに行くとき………。
 
生きていたときよりも少しだけ距離はありましたが、お父さんとお母さんを守るため、ずっとずっと着いていきました。



72: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:08:17.42 ID:hgYoUsgd0
  
 
ギコは何度も何度もお父さんとお母さんに甘えそうになったり、『ゴラァ!!!』と鳴きそうになりました。
 
だけど、一生懸命に我慢し、お父さんとお母さんへの恩返しをしました。
 
家にいるネズミを全部捕まえたり、畑仕事に行くときに忘れ物があると教えてあげたり………。
 
ギコは一生懸命に頑張りました。
 
 
 
しかし、ある日の晩に事件が起こりました。



73: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:08:53.51 ID:hgYoUsgd0
  
 
ギコとお父さん、お母さんが眠りに着いた丑三つ時………1人の男が家に忍び込もうとしました。
 
 
 
(*'A`)「フヒヒヒ………サーセンwwwwww」
 
 
 
男の名前はドクオ。
 
夜な夜な人の家に忍び込み、お金を盗んで生計を立てている泥棒です。
 
 
 
(*'A`)「ンッフwwwwフヒハッ☆さて………仕事すんべかwwwwフヒヒ………」



74: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:09:57.93 ID:hgYoUsgd0
  
 
ドクオは物音1つ立てずに、家に忍び込みました。
 
土足のまま、タンスのある部屋へ入っていきました。 
 
 
 
('A`)「まずはタンスの中を拝見させて頂きますか………」
 
 
 
ドクオがタンスを開けようとしたとき、ドクオも気付かないようなカタッという小さな音が出てしまいました。
 
 
 
ミ;゚Д゚彡「ッッッ!!!???」



77: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:10:38.02 ID:hgYoUsgd0
  
 
ギコはすぐに異変に気付き、タンスのある部屋へと走っていきました。
 
 
 
(*'A`)「あらぁ………お財布発見wwwwグフフフ………wwwww」
 
ミ#゚Д゚彡「フゥゥゥゥゥーーーーッッッッ!!!!!ゴラァァァァァアアアアアア!!!!!1111111!!!!!!」
 
((:*'A`))「ビクンッ☆フヒハッwwwwwwwサーセンwwwwwwww」
 
('A`)「って、ただの猫じゃんかよ………驚かせやがって……… ブ チ 殺 す ぞ 」
 
ミ#゚Д゚彡「ゴラァァァァァアアアアアア!!!!!1111111!!!!!!」
 
 
 
ギコはこの男が泥棒だと確信し、力いっぱい足に噛み付きました。



78: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:11:28.89 ID:hgYoUsgd0
  
 
(;'A`)「イッテェェェェエエエエエエ!!!!111!何すんだ!!!!11!!このファッキン猫!!!!!1111!!!」
 
 
 
ギコは何度もドクオの片方の足で蹴られながらも、一生懸命噛みました。
 
ギコの口がドクオの血で一杯になったところで、口を離しました。
 
 
 
ミ#゚Д゚彡「フゥゥゥゥゥーーーーッッッッ!!!!!!」
 
(#'A`)「この野郎………俺のシルクの肌を傷つけやがって………ブチ殺してやらぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!11!!!」
 
(#゚ω゚)「誰じゃいコラァァァァアァァアアアアアアアアアア!!!!!!!11!!!」



79: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:12:27.65 ID:hgYoUsgd0
  
 
騒ぎに気付いたお父さんが、タンスのある部屋へと勢いよく入ってきました。
 
 
 
(;'A`)「ヤッベ!!気付かれた!!!ドロンします☆フヒハハハハハハハwwwwwwwwww」
 
ミ#゚Д゚彡「フゥゥゥゥゥーーーーッッッッ!!!!!!」
 
 
 
お父さんに見つかったドクオは一目散に家を飛び出し、夜の闇へと消えていきました。
 
お父さんは部屋の様子と、ドクオ、それにギコの逆立った毛を見て、一体何が起きたのか把握しました。



80: ◆Joy86y.LIU :2006/12/03(日) 02:13:02.13 ID:hgYoUsgd0
  
 
( ^ω^)「フサギコ………お前、泥棒が来たのを教えてくれたのかお?wwwww」
 
ミ,,゚Д゚彡「………」
 
( ^ω^)「そうかおそうかおwwwwwwお前は賢い猫だおwwwwwwww」
 
 
 
ギコはとても嬉しく思いました。
 
お父さんとお母さんの役に立ってもらえた………。
 
ギコはこれからもずっとずっと、お父さんとお母さんに恩返しをしていこうと心に決めました。



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