(´・ω・`)ショボンの住む街はくるってしまっているようです

38: ◆ozOtJW9BFA [3話] :2006/12/10(日) 20:54:11.89 ID:pem/oKKkO
  
キーンコーンカーンコーン

( ´∀`)「みなさんさようならモナー」
授業が全部終わった。
ちょっとトイレに行っている間にブーンは帰ってしまったようだった。
仕方なくボクはひとりで帰ることにした。



39: ◆ozOtJW9BFA [3話] :2006/12/10(日) 20:58:57.91 ID:pem/oKKkO
  
もやもやとした気持ちをかかえて、まっすぐ家に帰る気が起きなかったのでちょっと寄り道することにした。

どこに行こうか考えた末、ボクは近所のラウンジ湖へ行くことにした。
あそこならだれにも会わないだろう。



40: ◆ozOtJW9BFA [3話] :2006/12/10(日) 21:03:10.69 ID:pem/oKKkO
  
ラウンジ湖は『湖』とは言っても、あまり大きくなく周り一面芝に覆われている。
なぜだれも近付かないのかと言うと、一年前子供が発見されたからだ。



41: ◆ozOtJW9BFA [3話] :2006/12/10(日) 21:09:12.56 ID:pem/oKKkO
  
その子供は湖に浮かんで死んでいた。
お腹がパンパンにふくれあがり、所々腐敗していた。
当時はマスコミが、なぜこんな見通しがいい湖で腐乱した水死体が発見されたのかとこぞって報道した。
そんな過去があってからこの湖に近付く人はいなくなった。

と、ボクは聞いている。



42: ◆ozOtJW9BFA [3話] :2006/12/10(日) 21:15:48.59 ID:pem/oKKkO
  
そんなだれも近付かないはずの湖の周りにひとつのテント小屋を発見した。
興味本位でテントに近付くと、その中にはぐったりした老人が寝転がってうめいていた。



43: ◆ozOtJW9BFA [3話] :2006/12/10(日) 21:19:16.72 ID:pem/oKKkO
  
/ ,' 3「…ら…っ…た…」
老人はかすれた声でなにか言っていたが、ボクを見ると小さいけどハッキリした声で話しかけてきた。
/ ,' 3「…はらへった…」



45: ◆ozOtJW9BFA [3話] :2006/12/10(日) 21:23:42.88 ID:pem/oKKkO
  
とっさにボクはランドセルを開けて給食のぶどうパンをとりだした。
ボクはレーズンが苦手だったから持って帰って処分しようとしていたのだ。
(´・ω・`)「これ食べて」
/ ,' 3「いいのかい?ありがとう」
それだけ言うと老人はガツガツとぶどうパンを食べ始めた。



46: ◆ozOtJW9BFA [3話] :2006/12/10(日) 21:33:48.61 ID:pem/oKKkO
  
老人はガリガリにやせていたけどお腹周りだけはまるまると肉が付いていた。
/ ,' 3「もう3日もなにも食べてなかったんじゃよ。本当にありがとうよ」
あぁ、栄養失調か。本で見たことがある。



48: ◆ozOtJW9BFA [3話] :2006/12/10(日) 21:46:51.96 ID:pem/oKKkO
  
あらためて老人を見ると手も足も顔も真っ黒に汚れていた。もちろん服も汚れている。
(´・ω・`)「おじいさんはここで暮らしているの?」
/ ,' 3「あぁ、そうじゃよ」
老人は話を続ける。
/ ,' 3「ありがとうな。きみみたいないい子がこの街にいるとはね。そうだ、なにかお礼をしよう」
そう言うと老人はテントの奥からなにかを持ってきた。
/ ,' 3「こんなものしかなかったがお礼じゃ」
(´・ω・`)「ありがとう」
それはきれいな藍色のビー玉だった。
そしてボクはテントをあとにした。
/ ,' 3「またおいで」
夜の暗闇のなか、その声を聞いた。



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