( ^ω^)ブーンは秋葉原に生きるようです
- 212: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:29:11.99 ID:xcpkjvZ60
第5章 オタク狩り
キーンコーンカーンコーン・・・
今日も学校が終わる。
ブーン達は速攻で支度をし、クラスを出る。
( ^ω^)「今日も疲れたおー」
あの波乱の日曜日から1週間、
特に変わった事も起きず、変わらない毎日が続いていた。
('A`)「そういえば今日は、兄者が『うたわれ』持ってきてくれるって言ってたな」
( ^ω^)「そうだったお! さっさと行くお!!」
2人はいつも通り、駅の改札を抜け、ホームに降りる。
階段の途中でベルが鳴り、2人は走ってドアに滑り込む。
と、乗ったドアの1つ左に、壁にくっついているツンとしぃを発見した。
- 213: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:31:26.48 ID:xcpkjvZ60
- ( ^ω^)「お! ツンさんとしぃさんだお」
('A`)「あ、ホントだ」
( ^ω^)「・・・・・・」
あまり乗り気でないドクオ。
ブーンはさらに続けて、
( ^ω^)「ドクオはしぃさんと幼馴染だお? 駅とかで話はしないのかお?」
('A`)「さっぱりしないな・・・」
黙るドクオ。 しかし、一泊おいて彼は再び口を開く。
('A`)「俺も小学生の頃は、男女問わずに話してたさ・・・」
ブーンはふとドクオの方を見る。 そのまま視線をドクオに当てる。
- 214: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:33:34.48 ID:xcpkjvZ60
- ('A`)「小学校の頃はさ、恥じらいとかもなくて、本能的に誰とも話す事ができただろ?」
( ^ω^)「まあ・・・ 言われてみれば、そうだったお・・・」
('A`)「なのに中学、高校になってくと、俺の話も通用しなくなってくるんだよ」
ドクオは続けて、
('A`)「だから、あの頃みたいに無邪気にしぃと話せるわけないんだ・・・」
ドクオはフゥ、とため息を吐く。 ブーンはその話を聞いて、
( ^ω^)「でもドクオはしぃさんのことが好きなんだお?」
- 215: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:36:08.07 ID:xcpkjvZ60
- いきなり何を言い出すか、 ドクオはびっくりして
(;'A`)「おま、なんでいきなり・・・!」
( ^ω^)「ドクオはちゃんと皆を話してるお。 バーボンの皆とあんなに仲良くなったじゃないかお!」
( ^ω^)「だから大丈夫だお! 気にすることないお!」
ブーンの言葉が嬉しかったのか、
ドクオは、だといいがな・・・ といって下を向いてしまった。
(*^ω^)「でも驚きだお! まさかドクオが3次元にも興味があったなんて・・!」
(;'A`)「っておい! まだ何も言ってないだろう!!」
ドクオに小突かれながら、駅を降りる2人。
ブーンは心に、何か温まるものを感じていた。
- 216: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:39:19.40 ID:xcpkjvZ60
- カランコロン・・・
( ^ω^)ノ「おいすー」
(´・ω・`)「やあ、二人とも。」
店内を見回すと、いつもと変わらない、バーボンハウスがそこにあった。
しかし、自分たちがいつも座る席、ソファーはなぜか人が固まっている。
ブーン達は早速輪に入る。
( ^ω^)「みんなどうしたんだお? 劇場版EVAの最新画像かお?」
皆、兄者のパソコンを後ろに集っている。 なにがあったのだろうか?
( ´_ゝ`)「ブーン、ドクオ。いきなりだがこれを見てくれ。」
- 218: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:41:41.16 ID:xcpkjvZ60
- 2人はパソコンを後ろから覗き込む。
いくつかの文章が段落ごとに表示されている。
('A`)「これは何ですか?」
(´<_` )「これは警察のページから、ここ最近起こった事件をまとめたものだ」
よくみると、日付と時間ごとに区分されている。
しかし、2人はそれの場所を見て、驚きを隠せなかった。
(;^ω^)「これって・・・ 全部、秋葉原で起った事件なんですかお・・・?」
川 ゚ -゚)「そうだ。 しかも、ほとんどは1週間からのものだ」
/ ,' 3「平均すると、1日に約3件、全てが脅迫、カツアゲなんじゃ」
- 219: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:43:30.32 ID:xcpkjvZ60
- 2人は顔を見合わせた。
自分たちの街に、こんなことが起きている。
にわかに信じがたい事だ。
(;^ω^)「犯人はわかったんですかお・・?」
( ´_ゝ`)「目撃情報によると、犯人は2人組の男。 いかにもヤクザ風という感じらしい」
( ´∀`)「全部夜に起きてるモナ・・・ 夜遅くは危険モナ・・・」
兄者の話によると、被害者は、いかにも気が弱そうなオタクばかりだったらしい。
それを狙った犯行と思われる。
- 220: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:45:50.40 ID:xcpkjvZ60
- (#^ω^)「酷い話だお! 卑怯すぎるお!」
(#'A`)「まったくだ・・・ 調子に乗りやがって・・・」
(´<_` )「こんな奴らがいたら、この街は混乱してしまう・・・」
( ´_ゝ`)「警察もこれに関することでは全くアテにできない。 自分の身は自分で守るしかないんだ」
その日のバーボンハウスは、この話題で一色だった。
奴らはどんなことをするかわからない・・・
油断はできないので、今日は皆早めに店を出ることにした。
- 221: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:48:05.86 ID:xcpkjvZ60
- 場所は変わってここは駅から伸びる繁華街。
遠くから見える夕焼けが、長い道を真っ赤に照らしていた。
( ,,゚Д゚)「あーーっ、今日も授業ダルかったぜ・・・」
<ヽ`∀´>「本当ニダ。 時間の無駄ニダ。 謝罪と賠s(ry
下校途中、寄り道をしている高校生2人。
覚えてるだろうか? この2人はギコとニダー。 ブーン達のクラスのDQNである。
- 222: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:51:16.60 ID:xcpkjvZ60
- <ヽ`∀´>「どっか入るニダ?」
( ,,゚Д゚)「とりあえずマック行くか・・・・ うぉっ、と!」
ギコの肩に向かいから歩いてきた男の肩があたる。
彼は反射的に、
(#,,゚Д゚)「いってーなゴルァ・・」
と小声で言った。
ぶつかって去った男はそれが聞こえ、立ち止まり、振り返る。
ミ,,゚Д゚彡「ああ? なんか言ったか?」
( ・∀・)「ん? どうした?」
かなり巨体の男である。 185cmくらいだろうか?
そしてもう一人単身の連れがいる。
そのままギコたちと対峙する。
- 224: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:53:21.12 ID:xcpkjvZ60
- ミ,,゚Д゚彡「てめぇら、今なんか言ったか・・?」
ギコはその獰猛な形相に、少しおののいて、
( ;,,゚Д゚)「い、いや・・・」
それを聞くと男は、
ミ#,,゚Д゚彡「工房のクセにナメた口聞いてんじゃねーよ! あぁ!?」
なんとも恐ろしい形相で、怒号を叫ぶ。 回りにいた人たちも驚き、おののく。
<;ヽ`∀´>「ひぇぇぇぇ・・・」
2人は男に怯えている。 それほどこの男の迫力は凄まじかった。
男はギコ達にガンをつけている。
しかし、もう1人の男が、ふいに口を挟んだ。
( ・∀・)「おい・・・ こいつら、ちょっと使えるかもよ・・・」
背の低めな男は、巨大男の耳元で言う。
すると男は2人で何やら話を始める。
ギコとニダーには全くわけが分からなかった。
- 225: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:56:04.97 ID:xcpkjvZ60
- しばらくすると、単身の男が、
( ・∀・)「さっきは失礼。 ちょっと話いいかな?」
( ,,゚Д゚)「え・・・?」
ギコたちは唖然とした。
しかし、油断はできない。 2人は警戒する。
( ・∀・)「君たちにいい仕事を教えてあげよう」
<;ヽ`∀´>「まさか・・・ 薬とかじゃないニダか・・・?」
( ・∀・)「安心したまえ。 ただの仕事だよ」
そういうと、男は話し始めた。
- 227: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 22:58:17.90 ID:xcpkjvZ60
- ( ・∀・)「『オタク狩り』って知ってるかい?」
ギコ達は、突然聞き慣れない言葉を聞いた。
( ,,゚Д゚)「いや・・・」
( ・∀・)「そうか。 『オタク狩り』はその名の通り、秋葉原のオタクを狩る事さ」
( ・∀・)「俺達は、オタクを脅して金品などを盗んでる」
その言葉を聞いて、ギコ達は釈然とした。
( ;,,゚Д゚)「そ、それが一体・・・?」
男はなんの躊躇もなく続ける。
( ・∀・)「君達もやってみないか?」
<;ヽ`∀´>「・・・・・・・ええ??」
さらに唖然とする。
- 229: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:00:39.45 ID:xcpkjvZ60
- ( ・∀・)「人数が多い方がボスも喜ぶからね・・・ 簡単言うと、俺達が脅して金を取る。 それをボスに献上する。 そして報酬をもらう」
( ・∀・)「俺達の情報は、ボスがある程度操作してくれたいる・・・ こんな仕組みだ」
ミ,,゚Д゚彡「どうだ? やってみるか?」
ギコ達は迷った。 しかし、ここで断れば、どうなるか分かったもんじゃない。
ついに断れなくて、
( ,,゚Д゚)「・・・じゃ、じゃあ一応・・・・」
( ・∀・)「よし、決まりだ。 俺はモララー。 こっちはフサギコだ。 ヨロシクな」
ミ,,゚Д゚彡「頼んだぜ」
- 231: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:02:39.94 ID:xcpkjvZ60
- 2人に引きつられて、ギコ達は秋葉原に向かった。
まさか・・・ いきなりやるのでは・・・ とギコは思う。
人気のない道に入ると、モララーが、
( ・∀・)「オタク狩りは簡単だ。 試しにやってみるといい。 俺達はここに隠れて見ているからな」
2人は道に押し出され、どうしようもないという顔で、
( ;,,゚Д゚)「どうする・・・? やるのか・・?」
<;ヽ`∀´>「や、やらなかったら殺されるニダ・・・」
小声で話してるうちに、向こうから1人の男がやってきた。
その男は、まっすぐこちらに向かっている。
物陰をみると、モララーが、やれ。と合図をしている。
( ;,,゚Д゚)「くそ、仕方ない・・・」
2人はやってきた男に向かっていった。
- 232: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:04:14.06 ID:xcpkjvZ60
- (#,,゚Д゚)「おうおう! 何チンタラ歩いてんだ? 出すもん出せやゴルァ!!」
<#ヽ`∀´>「チョッパリが調子こくなニダ!!」
男は顔を上げる。 ギコとニダーを一瞥し、
冷静に一言口にする。
「ほう・・・ これが最近騒がせてる奴らか・・・」
(#,,゚Д゚)「ハァ? ワケ分かんないこと言ってんじゃねーよゴルァ!」
「ようするに、君達はコレがほしいんだろう・・?」
男はポケットに手を入れ、1万円を高々を見せる。
(#,,゚Д゚)「(シメた!) そうだゴルァ! さっさと・・・」
ギコとニダーが札に目線を向ける。 男はこの瞬間を見逃さなかった。
- 235: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:05:40.40 ID:xcpkjvZ60
- ドスッ!
(;,,゚Д゚)「グ、グハッ・・・!?」
ギコの無防備な腹を目掛けて、男は拳を入れた。
同時に、ニダーにも掛かる。
<;ヽ`∀´>「二ダッ・・・・・!?」
ギコとニダーは倒れる。
男は2人を見下ろして、
( ゚д゚ )「お前達が噂の『オタク狩り』か・・・」
( ゚д゚ )「1つ言っておく。 この街の秩序を乱すのは許さない。 もしまたこのような事があったら・・・ 覚悟しておくんだな・・・」
そう言い捨てると、男は去っていった。
- 243: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:08:13.01 ID:xcpkjvZ60
- それを見ていたモララーとフサギコは、
ミ,,゚Д゚彡「なんだよ・・・ 全く使えねぇじゃねーか・・・」
( ・∀・)「全くだ・・・ しかし、あの男、俺達が今までやった奴とは違うな・・・」
2人はうずくまっているギコとニダーを無視し、
( ・∀・)「しょうがない。 夜になったら俺達もやるか・・・」
ミ,,゚Д゚彡「・・・そうだな 戻るか」
と、言葉を残し、暗い道から去っていった。
- 245: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:09:19.10 ID:xcpkjvZ60
- 駅前の道、人が多数行き交いしている。
そんな中で、ミルナは止まって、空を眺めた
( ゚д゚ )「何か・・・ 嫌な予感がする・・・」
胸に飛び交う予感を感じ、彼はこの街を後にした。
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