( ^ω^)ブーンは秋葉原に生きるようです

259: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:19:41.20 ID:xcpkjvZ60
  

第6章  暗雲


いつも通り学校に行き、いつも通りバーボンに行く
ブーンとドクオは変わらない毎日を過ごしていた。 
しかし、世間はそのまま待ってはくれない
彼らが知らない間に、秋葉原には暗雲が立ち込めつつあった。

昨日早朝、秋葉原───

(=゚ω゚)ノ「ふあぁ・・ 眠いヨウ・・」

早朝、太陽が昇って間もない時間。
ここ秋葉原に人気はない。
昼の人の賑わいがウソのようだ。
そんな中、一人の男は裏道を歩く。



262: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:22:33.35 ID:xcpkjvZ60
  
(=゚ω゚)ノ「見回りなんて面倒くさいヨウ・・・ さっさと済ませるヨウ」

男は警察官。 最近連続で起きている連続窃盗事件、
そのせいで、早朝勤務がとり行われている。

(=゚ω゚)ノ「まさかこんな朝早くに犯人と出会うわけないヨウ・・・」

警察官は裏道のさらに奥、行き止まりの道に行ってみた。
これといって何も変わらない。 

(=゚ω゚)ノ「ん? あれは何だヨウ・・?」

裏道の奥に、不自然に積まれたゴミの山がある。
おかしい。 ゴミ捨て場はここではないはずだが・・・
しかし、よく見ると、そこにはゴミ以外に白い衣類が見える。
まさか・・・ 人? よく見る。



264: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:23:26.23 ID:xcpkjvZ60
  
(;=゚ω゚)ノ「まさか・・・ 人がいるのかヨウ?」

警察官は走ってゴミの山に立ち寄り、ゴミ袋をどかしていく。
そしてその中に、人がいることが分かった。

(;=゚ω゚)ノ「け、警察です! 大丈夫ですか!??」

(メ ∀メ )

男は太めの若い男。 学生だろうか? 酷い打撲である。
一目で分かる、この街の住人だ。

(;=゚ω゚)ノ「まさか窃盗団が・・・? くそっ!!」

警察官はすぐさま携帯電話を取り出し、119番通報した



270: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:27:21.26 ID:xcpkjvZ60
  
時は戻り、ここはVIP高校。
1時。 昼食の時間である。
ブーンとドクオは机を合わして、適当に持ってきた最新雑誌に目を通している。

( ^ω^)「なんとも平和だおー・・」

ブーンはイスに腰を反らし、一言口にする。

('A`)「全くだ。 静かだぜ・・・」

その理由はあの2人、ギコとニダーがいないせいだ。
彼らがいないと、この教室はなんとも活気づいてない。

( ^ω^)「は〜。 何か事件の1つ起こってくれないかお〜・・」

('A`)「はいはいハルヒ厨乙」

( ^ω^)「フヒヒ。 すいませんwww」



271: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:29:05.31 ID:xcpkjvZ60
  
その時だ。 ブーンが言い終わるのと同時に、電子音が流れる。
どうやら自分達の携帯電話のようだ。 しかもブーン・ドクオ全く同じタイミングである。
音量が高いせいか、クラスの何人かがこちらを見る。
だがブーンたちは気にもしていない。

( ^ω^)「兄者さんからのメールだお」

('A`)「同時ってことは、何かの情報かな・・・?」

2人は携帯を開け、内容を確認する。


宛先 兄者

大変だ。 モナーが例の窃盗団に襲われた。
今は病院にいる。
大至急病院に来てくれ



274: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:31:16.06 ID:xcpkjvZ60
  
(;^ω^)「じ、冗談だお・・・? モナーが・・・」

(;'A`)「昨日は早く帰ったのに・・・ アイツ・・」

(;^ω^)「急いで行くお! ドクオ!」

(;'A`)「おう!」

2人はしゃべりながら、カバンを片付けてる。
クラスメイトが怪訝そうにブーン達を見る。
しかし、そんなのお構いなしに、

(;^ω^)「あー! 靴だお! 靴!!」

廊下に飛び出し、あっという間に階段に向かっていった。



276: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:32:47.44 ID:xcpkjvZ60
  
と、その時、前を歩いていたドクオが、

ドンッ!!

誰かにぶつかった。 ドクオも向こうの人も、跳ね返って尻餅をつく。
同時に、向こうの人が持っていたノートやプリントが、宙を舞った。

(;^ω^)「大丈夫かお!? ドクオ!」

(;'A`)「いたた・・・」

ドクオはとっさに誰にぶつかったのか確認する。
ここでDQNだったら・・・ と考える前に、ドクオは驚くことになる。

(;*゚ー゚)「いてて・・・」

しぃだった。 ドクオは驚いた。
しぃもこちらを見る。 目が合う。



279: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:35:17.43 ID:xcpkjvZ60
  
(*゚ o゚)「ド、ドクオ君!!」

しぃは体を床につきながら、驚きの余り微動だにできない。
だがドクオは、先に体制を戻し、

('A`)「悪いな・・・ 急いでたんだ・・・」

素早く立ち上がり、舞ったノート・プリントを寄せ集める。
しぃもようやく立ち、ノートに手を寄せる。

(*゚ー゚)「ご、ごめん・・・ あ、急いでるなら片付けなくていいよ」

('A`)「いや、大丈夫だ。 はい。」

ドクオは急いでかき集めたノートを、しぃに渡す。
しぃはそれを受け取ると、どうしていいか分からず、唖然と立っていた。
するとドクオが、

('A`)「今日は俺ら、早退するからさ、良かったら先生に伝えといてくれないか?」

(*゚ー゚)「あ・・・ う、うん。」



280: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:37:29.25 ID:xcpkjvZ60
  
(;^ω^)「ドクオ! 早くだお!」

階段の途中でブーンが叫ぶ。 それを聞き、ドクオは

('A`)「じゃあな、」

と、しぃに言い、階段に滑り込んでいった。
しぃは、その即座の出来事に反応できず、走りだすドクオをただ見つめることしかできなかった。


VIP高校門前───

(;'A`)「電車より走っていった方が速い! 急ごう!」

(;^ω^)「OKだお!」



282: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:39:51.06 ID:xcpkjvZ60
  
2人は隣町、秋葉原を目指して走っていく。
ブーンが携帯を取り出し、兄者に電話をする。
かけて3秒。 兄者が出た。

(;´_ゝ`)『ブーンか! 今どこにいる?』

(;^ω^)「今そっちに向かって走ってますお! モナーは大丈夫ですかお?」

(;´_ゝ`)『命に別状はないが・・・ 酷い傷だよ・・・』

(;^ω^)「病院はどこですかお?」

(;´_ゝ`)『東口そばの病院だ。 7階まで来てくれ!』

(実際は秋葉原駅付近には、病院はありません)

(;^ω^)「分かりましたお! すぐ行きますお! 」

携帯を切り、ドクオに伝える。

(;^ω^)「モナーは命に別状はないそうだお・・・ 病院の7階だお!」

(;'A`)「OK、急ごう!!」

東口に伸びる道路を駆け抜ける。
途中、交差した高架から電車が駆け抜ける音がする。
2人は高架下を抜け、東口を急いだ。



285: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:41:22.20 ID:xcpkjvZ60
  
一方、ここは裏道、
今日は平日だというのに、ここもそこそこの人だかり、
その中、2人の男はラフは格好で道を進んでいた。

ミ,,゚Д゚彡「昨日の奴、結構な額もっていやがったなw」

( ・∀・)「本当だよ。 あれで1日分稼いでしまったよ」

窃盗団2人組、フサギコとモララー。
モララーは胸ポケットから、1枚の封筒を取り出すと、

( ・∀・)「2,4・・ 全部で6万だ。 オタクにはもったいないよ」

ミ,,゚Д゚彡「どうせ何かを買おうと必死だったんだな。 ザマぁねえな!」

ハハハハ・・・ と、男は笑うと、裏道の奥、細い階段を上り、姿を消した。



286: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:42:39.09 ID:xcpkjvZ60
  
秋葉原、病院───

ブーンたちは自動ドアを通ると、即座にエレベーターに向かった。
病院のことはわからないが、平日にしては結構混んでいる・・・ と2人は思っていた。
急いでエレベーターに乗り、7階のボタンを押す。
ドアが閉まると、エレベーターは7階に向かって動き始めた。

7階につくと、ドアが開いた目の前に、弟者がいた。

(´<_`;)「こっちだ! 2人とも!」

弟者に誘われるまま、2人は細い通路を走る。
やがて、1つの部屋でとまり、弟者がドアを開けた。

川;゚ -゚)「ブーン、ドクオ!」

(;´_ゝ`)「なんとも大変なことになってしまったよ・・・」

(;^ω^)「モナー!」



287: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:43:53.11 ID:xcpkjvZ60
  
2人はベットに駆け寄る。 モナーの姿がある。
しかしその顔は、明らかに数箇所、打撲の跡があった

(メ´∀`メ)「2人とも・・・ 来てくれてありがとうモナ・・・ この通り、酷い有様モナ・・」

(;'A`)「一体何があったんだよ・・・?」

(メ´∀`メ)「それは・・・」

モナーの話によると、こうだ。
あの日、バーボンの全員は早めに帰路に向かった。
もちろん、窃盗犯を警戒するためである。
モナーもそれを気遣い、早く自分の家に帰っていった。
しかし、部屋で大事な事に気づいてしまう。

(;´∀`)「し、しまったモナ!! 今日は08のDVD発売日だったモナ!!!」



289: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:45:21.11 ID:xcpkjvZ60
  
モナーは前から楽しみにしていた、今日は『起動戦士ガンダム第08MS小隊』のDVD発売日だということをすっかり忘れていた。
貯金箱を見る。 金は十分にある。

(;´∀`)「今日買って今日観ないと意味がないモナ・・・ よし・・・」

モナーは私服に着替え、サイフにありったけの全財産を入れ、再び玄関に戻る。
先程の警戒は忘れてしまったのか、モナーは急いで駅に向かっていった。

────────

(メ´∀`メ)「それで、辺りはすっかり暗くなっていたモナ・・・ それで僕がABDに向かってる途中・・・」


(;^ω^)「・・・・・ それは・・・ なんともモナーらしいお・・・」 

(;'A`)「全く・・・ 大変なことになんなくて良かったぜ・・・」

2人は安心したようだ。 そばのイスに座り込む。



291: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:46:39.95 ID:xcpkjvZ60
  
(´<_` )「ブーン、ドクオ」

弟者が2人に話しかける。

( ´_ゝ`)「窃盗事件もとうとう我々の身の回りまで来てしまった。 これはもう放っておく訳にはいかない」

( ^ω^)「・・・。窃盗犯を捕まえるつもりですかお・・? でもどうやって・・?」

('A`)「警察もそろそろ動き出してもいいんじゃないですか・・・?」

川 ゚ -゚)「警察は夜に現れると知っていても、人員不足という理由をつけ、交番でしか見張りをしてくれていない。」

( ´_ゝ`)「犯人は必ず夜に現れる。 向こうは2人だ。 俺に策がある」

ブーンとドクオは、兄者達の話を淡々と聞いている。

( ´_ゝ`)「とりあえずバーボンハウスに戻ろう。 話はそこでする」



293: ◆zD.tvziESg :2006/12/12(火) 23:47:28.56 ID:xcpkjvZ60
  
5人はモナーの病室を後にし、病院を出る。
人通りが耐えない秋葉原の駅を通り抜けていく。

(;^ω^)「(一体、この街には何が起こってるんだお・・・?)」

ブーンは思う。 恐らく皆もそう感じているだろう
人と人が交差する。 ビルに、店に、人が吸い込まれていく。
ブーン達も、そうようにこの暗雲に吸い込まれていくのだった。



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