( ^ω^)ブーンは秋葉原に生きるようです

11: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:31:56.29 ID:FydIteY80
  

7章  結束 前編


───バーボンハウス

(;´・ω・`)「どうだった? モナーの様子は?」

( ^ω^)「一応無事のようでしたお・・・」

(´・ω・`)「そうか・・・ 無事でなによりだ・・・」

ブーン達はいつものソファーに向かう。
そこには先客がいた。

/ ,' 3「ショボンから聞いたよ・・・ 大変なことになってしまったの・・・」

( ^ω^)「荒巻さん・・・」

荒巻は、勤務を終えた後、すぐにバーボンハウスに来ていた。
しかし、先に病院に向かった兄者たちと入れ違いになったようだ。



12: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:33:06.94 ID:FydIteY80
  
( ´_ゝ`)「それでだな、皆。」

兄者が真ん中のイスに座り、話し始める。
皆は、机を囲んで兄者の方に耳を傾けた。

( ´_ゝ`)「目的は犯人2人を捕らえることだ。 つまり犯人をうまくこちらにハメさせなければならない」

( ´_ゝ`)「犯人をおびきよせる為には、まず相手を挑発する必要がある」

( ´_ゝ`)「そこで、俺が考えた作戦なんだが・・・」

( ´_ゝ`)「ゴニョゴニョ・・・」



13: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:36:20.42 ID:FydIteY80
  
兄者が作戦内容を集まった皆に伝える。
その内容は、こうだ。

まず、夜の街に1人が彼らと出くわす。
絡まれた直後、犯人に威嚇をし、逃走する。
そして、暗い建物におびき寄せ、2人は道具を使って攻撃、もう2人が取り押さえる。

( ´_ゝ`)「暗い建物はアテがある。 3丁目の廃ビルだ。」

(;^ω^)「そこにおびき寄せて、犯人を捕まえる・・・」

(´<_` )「うまくいけば、犯人を警察に引き渡せる。 だが、犯人が3人以上、または仲間を呼ばれたら終わりだ。」

('A`)「そんなこと・・・ 可能なんですかね・・・?」

川 ゚ -゚)「私は、やらないよりはずっとマシだと思う」

( ´_ゝ`)「そして、誰が何をするか決めなければならない」



14: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:39:01.60 ID:FydIteY80
  
川 ゚ -゚)「私が囮役をやろう。 すぐには手を出すまい」

( ^ω^)「僕たちは、何をやれば・・・?」

(´<_` )「ブーンとドクオは、廃ビルの中で犯人を撹乱してほしい」

( ´_ゝ`)「取り押さえる役は、俺達がやる。 これでも結構強いんだぜ?」

(´<_` )「(それはミエだぞ、兄者・・) この役割りでいいか?」

(;^ω^)「お、OKですお」

('A`)「わかりました・・・」



15: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:39:31.39 ID:FydIteY80
  
/ ,' 3「ワシには、何かできることはあるか?」

( ´_ゝ`)「荒巻さんは危ない・・ 何かあったら大変だ」

/ ,' 3「わかった。  ワシはここで待っているよ。 何かあったらすぐ呼んでくれ」

こうして犯人確保の計画が決まった。 
やはり流石兄弟とクーは、しっかりしている。 恐れをなしていない。
しかし、ブーンとドクオは、

(;^ω^)「僕達に・・・ そんなことができるのかお・・・?」

('A`)「ああ・・・ すこし不安だ・・・」

すると、クーが、

川 ゚ -゚)「ブーン、ドクオ。 本当に大丈夫か?」

( ´_ゝ`)「作戦は俺達が勝手に決めた事だ。 強要はしない」



16: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:41:19.99 ID:FydIteY80
  
ブーン・ドクオは考える。
はっきりいって、怖い。 まさか自分がこんなことをするなんて、今まで思った事はなかった。
しかし今、それを迫られている。
ブーンは、顔を上げ、皆に向かって口を開く。

( ^ω^)「僕たちは、バーボンハウスの一員ですお」

( ^ω^)「今まで、僕達みんなは何回も助け合ってきましたお。 今回も、助け合えば、きっと目的を果たせるハズですお」

( ^ω^)「だから、みんなと一緒に、やるべきことをやりたいですお!」

('A`)「同意見です。 やれるだけのことはしたいです」

ブーンとドクオは決心したようだ。
その心意気が、皆に伝わる。

(´<_` )「ありがとうな。 2人とも」

川 ゚ -゚)「もし危険な目にあったら、すぐに110番する。 安心してほしい」

( ^ω^)「みんなでやれば、きっと成功しますお! がんばるお!」



17: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:42:54.07 ID:FydIteY80
  
('A`)「それじゃあ、ロープとかの道具を揃えないといけませんね」

( ´_ゝ`)「うむ。 今から行こうか」

皆が一斉に立ち、ドアに向かう。
すると、ショボンが、

(´・ω・`)「大丈夫かい? あまりに無茶なことはしないでくれよ」

( ´_ゝ`)「ハハハ! 大丈夫だ。 心配御無用だよ」

(´・ω・`)「そうか・・・。 必ず、絶対成功して、ここに戻ってきてくれよ」

( ^ω^)「ショボン! ありがとうだお! 行ってくるお!」

バーボンハウスを出る、5人の勇者、
その目には激しい闘志と、決して揺らぐ事のない、勇気が詰まっていた。

(´・ω・`)「行ってしまいましたね・・・」

/ ,' 3「奴らは本当に立派な若者じゃ。 ワシは良い友に出会えて本当に嬉しいよ」

(´・ω・`)「本当です。 無事帰ってくることを願いましょう」



20: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:44:42.14 ID:FydIteY80
  
午後3時、

ここは秋葉原にあるビルの一角の本屋。
ビルの中は広く、本・マンガも豊富にある。
その中で、一人の男が荒々しくため息をつく。

( ゚д゚ )「むぅ・・・」

アキバ王、ミルナである。
彼は怪訝そうに、この街の地図を見ている。

( ゚д゚ )「一体、奴らのアジトはどこなんだろうか・・・?」

ミルナは例の窃盗団、そのアジトを、ここ秋葉原にあると踏んでいる。
奴らの目撃情報が、この街以外にないからだ。
彼は秋葉原の地理に関して、知らないことはなかった
だが、一向に検討がつかない。

( ゚д゚ )「(奴らの本拠地は、絶対この街にある。 なんとしても見つけ出さねば・・・)」

再び他の本を取り、中身を見回し始めた。



21: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:46:42.96 ID:FydIteY80
  
午後8時半、

(*////)『それでね、それでねっ!』

ξ;゚听)ξ「・・・・・・・」

ツンは、受話器と取った瞬間、しぃの猛烈な説明を聞かされていた。
どうやらしぃは、今日のドクオの件について電話で話しているようだ。

(*////)『ドクオ君・・・ 前と違ってしゃべってくれてね・・・』

ξ;゚听)ξ「・・・ま、まあよかったじゃないの!」

ξ゚听)ξ「それにしても、あのドクオがまともに話したなんてねぇ・・・」

(*゚ー゚)『凄い急いでたけど・・・』

ξ゚听)ξ「でも、これでドクオは少なくともしぃのことは嫌ってないってことが分かったわね!」

(*////)『う、うん・・・。 あ、もう切るね。 また明日ね』



23: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:47:58.74 ID:FydIteY80
  
しぃは電話を切ると、一気に気が抜けたようにベットに転がった。

(*゚ー゚)「(良かった・・・ ドクオ君は、変わってなかった・・・)」

(*゚ー゚)「(昔の優しさは、まだ残っててくれたんだ・・・)」

ベットから起き上がり、窓を開ける。
見慣れた景色が夜の色を帯び、光がその活性さを伝えている。
ドクオと一緒に過ごした幼稚園、小学校・・・
思い出がまるで、この光のように点々と頭をよぎっていく。
再び床に倒れると、淡く目を閉じ、静かに眠りに落ちていった。



24: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:50:15.17 ID:FydIteY80
  
午後9時、秋葉原電気街口───

( ´_ゝ`)「よし、大体こんなものでいいだろう」

(´<_` )「あとは実行あるのみ、だ」

5人は電気街口前、総合ビルから姿を現した。
あちこちの建物に掛かる電光が、様々な文字や絵を形成している。
9時にしても、人の行き交う量は多い。 この街の繁栄ぶりを象徴している。

( ^ω^)「いよいよだお・・・」

('A`)「この街を脅かす窃盗団・・・ 絶対に追い出さなければいけない・・・!」

川 ゚ -゚)「うむ。 では、いくぞ」

(´<_` )「がんばってくれ!」

川 ゚ -゚)「ああ、任せておけ!」

クーは1人、細い道を進み、人気のない道を行く。
その様子を、4人は見守っていた。

( ´_ゝ`)「よし、そろそろ俺らも廃ビルに行こう」

( ^ω^)「クーさんの成功を信じてるお・・・」

4人も各々荷物を持ち、ゆっくりと目的地に進んでいった。



25: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:51:56.61 ID:FydIteY80
  
人気がない、暗い道。
建物の影に、獲物を狙う男達が待ち受けていた。

ミ,,゚Д゚彡「最近も、裏通りに進む奴も減っちまったな」

( ・∀・)「やっぱり警戒してるようだね・・・ だが、まだ稼げる」

ミ,,゚Д゚彡「おっと、誰か来たぜ・・」

川 ゚ -゚)

2人の視線の先には、小さなハンドバックを提げた女性。
どこか金持ちそうな雰囲気が漂う。 

( ・∀・)「女性のようだね・・・ どうする?」

ミ,,゚Д゚彡「願ってもないチャンスだ! 行っちまおうぜ!」

そういうとフサギコは、影から道に姿を現す。
遅れてモララーも、後を追う。



27: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:53:59.90 ID:FydIteY80
  
2人は、歩いてきた女性の行く道を、遮るように現れた。

川;゚ -゚)「・・・・・?」

( ・∀・)「やあ、こんな道で何してるんだい?」

ミ,,゚Д゚彡「不運だったな。 だが、おとなしく言う事を聞けば何もしないぜ?」

女性が固まった。 2人は確信した、成功したと。
しかし、女性はキッと2人を見ると、いきなり顔目掛けてハンドバックを振ってきた。

ミ,,゚Д゚彡「ウガ・・・!??」

カバンはフサギコの顔面に直撃する。 体制が乱れる。

ミ,,゚Д゚彡「て、てめぇ!!」

彼が咆哮した時、既に女性は走り始めていた。
フサギコは顔を押さえながら、

ミ,,゚Д゚彡「くそ・・! 追うぞ! モララー!」

( ・∀・)「把握した」

続いて2人も走り始める。



29: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:55:14.93 ID:FydIteY80
  
女性は裏道を走り続ける。 なぜか表道に逃げようとしない。
だが、2人はそんなことは気にもせず、全力で走っていく女を追い続けた。

女は、道の途中で曲がり、そこにある廃ビルの中に入っていった。
フサギコとモララーもビル内に入り、女を追う。

このビルは、もともと6階立てのビルだったが、劣化の為取り壊される事が決まり、今は3階までしか残っていない。
天井は一部残されており、中は結構暗い。
そのせいで、2人は一瞬のスキをつかれ、女を見失ってしまった。

ミ,,゚Д゚彡「チッ・・・ 暗くて何も見えねぇ・・」

( ・∀・)「なぜこんなトコに逃げたんだ・・・?」



32: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:57:36.32 ID:FydIteY80
  
(  ω )「来たお・・・ いくお・・・!」

( A )「OK、行くぞ!」

ブーンとドクオは、2階の階段付近にいる。
そこの一部に、大きな穴が開いて、1階と筒抜けになっているところがある。
2人はそこに、淵が開いた大きな袋を投下した。

バサァァァ・・・・

袋から、中身が一階にこぼれ落ちる。 粉のようなものが一階のフサギコ達に襲い掛かる。

ミ;,,゚Д゚彡「うわっ!! な、なんだこれは!!??」

(;・∀・)「これは・・・ 石灰・・・?」

次々と投下される石灰。
そのあまりの量が2人に被さり、ついに喋ることもできなくなった。



33: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 22:59:38.81 ID:FydIteY80
  
( ´_ゝ`)「チャンスだ! 取り押さえられるぞ!」

(´<_` )「把握した! 行こう、兄者!」

1階の物置から、2人の男が姿を現す。
その手にはロープが握り締められていた。
兄者、弟者は一斉に2人に飛び掛った。

ミ;,,゚Д゚彡「うお・・・! なんだ!? お前達!?」

(#´_ゝ`)「お前達こそ、夜のこの街で何をしているんだ!」

(´<_`#)「さあ、観念しろ!」

(;・∀・)「くそ・・・ 石灰で周りが見えない・・・」

兄者がフサギコを、弟者がモララーを押さえつける。
モララーが、弟者によって押さえつけられた。



34: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 23:00:09.01 ID:FydIteY80
  
しかし、フサギコは、

ミ#,,゚Д゚彡「この野郎っ!!」

(;メ´_ゝ`)「む・・・ ウガッ!!」

押さえつけられたにも関わらず、力で強引に兄者をふっとばす。
兄者が飛ばされ、近くの壁に激突した。

ミ#,,゚Д゚彡「随分なマネするじゃねーか! 覚悟はできてるのか?」

フサギコは、近くにあった鉄パイプを拾い、兄者に向かって突きつける。
今にも振りかぶらんとしている表情である。



35: ◆zD.tvziESg :2006/12/13(水) 23:01:19.51 ID:FydIteY80
  
(;メ´_ゝ`)「くっ・・・」

兄者は壁に飛ばされたせいか、体が動かない。
2人の距離が、どんどん狭くなっていく。
手にあるパイプが、宙に浮く。

ミ#,,゚Д゚彡「死ねぇぇぇぇ!!」

フサギコが、勢いよくパイプを振りかぶった。



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