( ^ω^)ブーンは秋葉原に生きるようです

144: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:35:38.71 ID:gAojy4ej0
  
第9章  信頼


時刻は10時を回っている。
そんな中、ここ廃ビル付近は、まばゆいサイレンが光る。
ブーンはその中から、ミルナの姿を必死で探した。

( ^ω^)「ミルナさんっ!!」

たくさんの人の中に紛れながらも、ミルナもブーンに気づく。

( ゚д゚ )「やあ、君か」

( ^ω^)「あの・・・。 助けてくれて、ありがとうございましたお!!」

( ゚д゚ )「いや、いいんだよ」

ミルナはそう言うと、

( ゚д゚ )「このビルになにやら人がいるってね、連絡がきたんだ。 間に合ってよかったよ。」

( ゚д゚ )「それに、私に言えば、君達のことを全面サポートできた。 早く言ってくれれば・・・」

( ^ω^)「す、すみませんお・・」

( ゚д゚ )「しかし、まだ終わっていないよ」



146: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:37:03.86 ID:gAojy4ej0
  
ミルナはパトカーの前にいるフサギコとモララーに話しかけた。
聞くことはもちろん、決まっている。

( ゚д゚ )「お前達のアジトはどこなんだ? そこに親玉がいるんだろう?」

それを聞くと、2人は、

ミ,,゚Д゚彡「・・・・・」

( ・∀・)「・・・・・」

無言を続ける。まもなく、モララーが

( ・∀・)「・・・・・4丁目の・・・X番地だ・・・」

( ゚д゚ )「そうか、ありがとう」

そう言って、ブーン達の下に戻っていく。
そこにはドクオ・クーも揃っている。



147: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:37:42.14 ID:gAojy4ej0
  
( ゚д゚ )「さあ、行こう。 まだこの街の悪は残っている」

( ^ω^)「はい! 分かりましたお!」

('A`)「行こう! これが最後だ!」

川 ゚ -゚)「街を、元に戻す為にな」

4人は最後の仕事を成す為に、目的の場所に向かい、走り出した。

( ^ω^)「ミルナさん。 そこは大体どこですかお?」

( ゚д゚ )「えーっとだな・・・ 確か・・」

頭に地図を思い浮かべる。 4丁目・・・ X番地・・・
・・・? おかしい。 ここではない。 覚え間違いだろうか・・?
いや、ここのはずがない・・ あるはずがない・・・
ミルナは錯乱する。 結果、忘れたのだろうと思い込み、

( ゚д゚;)「あれ? すまない。 ど忘れしてしまったよ」

と、片付けてしまった。

('A`)「まあ実際行けば分かりますよ」

川 ゚ -゚)「ここの角だな」

3人は角を曲がり、目的の地に立とうとしていた。



148: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:38:19.17 ID:gAojy4ej0
  
秋葉原の住所は、結構複雑である。
道はだいたい碁盤状に別れているが、番地は簡単には特定できない。
ブーンたちも、住所はあまり覚えておらず、そこに着くまではミルナの案内に頼りきっている。

裏通りを出、さらに奥に向かう。
ここ付近だ。 4人は近くの案内板を見る。

4丁目X番地、間違いない。 そう記してある。
しかし、ここは

(;^ω^)「・・・・え?」

(;'A`)「・・・・? は?」

川;゚ -゚)「な・・・・ ど、どういうことだ・・・?」

( ゚д゚;)「・・・・・・」

今4人の目には、同じものが映ってる。
しかもこれは、ブーン達3人は日頃よく見ているものだ・・・
質素な入り口、シンプルな看板。
ブーン達にとって、これ以上に安心でき、好んでいる地はない。
そこが今、自分達の目に映っている



『喫茶バーボンハウス』



149: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:40:17.72 ID:gAojy4ej0
  
( ゚д゚;)「(やはり、ここだったか・・・)」

ミルナは、恐る恐るドアを開ける。
3人はその後ろで、ただ立ち尽くしているだけである。
ゆっくり、ドアが開かれてゆく。

カランコロン・・・

ブーン達には、もうお馴染みのこの音、
それを聞き、彼らはドアの向こうを見る。
その先には、1人の男の影が立ちすくんでいた。

(´・ω・`)「やあ、ようこそ。 バーボンハウスへ・・・・」

この店の店主、ショボン。 来るのが分かっていたかのように、客席の真ん中でたたずんでいた。
そして、その足元には、体にいくつかの傷の跡がある、息が確かでない荒巻がいた。

( ;゚ω゚)「え・・・・・? な、何で・・・?」

(;'A`)「ミルナさん・・・・ これってどういう・・・・ ショボン・・。 なぜ荒巻さんを・・・?」

川;゚ -゚)「ショボン・・・ そ、そこで何をして・・・?」

激しい動揺が続く。 もはや3人には今の状況を理解できなかった。
するとショボンが、

(´・ω・`)「やあ、君達、まさか本当に戻ってくるとはね・・・」



150: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:41:53.06 ID:gAojy4ej0
  
( ゚д゚;)「あんた・・・ どうしてあんたが・・・?」

(´・ω・`)「どうも、アキバ王さんも来るなんて予想外だったよ・・。 前に1回来てくれましたよね」

( ゚д゚;)「まさか、この一連の事件。 それを取り仕切っていたのは・・・」

(´・ω・`)「そう。 僕だ」

ブーン達3人は驚愕のあまり一歩引く。

なぜ・・・? なぜなんだ?
この店はショボンの夢の叶える為に建てられたバーじゃないのか?
自分たちは、確かに毎日ここにいた。
皆が仲良く、信頼し合って今まで築いてきたこの店。
それがなぜ? ショボンがなぜ?



153: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:42:52.49 ID:gAojy4ej0
  
ショボンは淡々を話し始める。

(´・ω・`)「僕は海外でも筋金入りの、暴力集団だ。 そろそろ本国日本でも活動をしたいと思ってた」

(´・ω・`)「そして僕は、東京中を探し回り、この街を見つけた」

(´・ω・`)「最初に来た時は正直言って動揺したよ・・・。 しかし、この街には大量の金が蠢いている。 そう確信したよ」

彼は軽く歩き出す。
そして続ける。

(´・ω・`)「まずは本拠地の建設。 僕は君達を利用しようと思った」

ここにいる住人を引き集める。 そして信頼を得る。
手ごろなのが、このバーだった。
これなら表で信頼を稼ぎ、裏では悪行ができる。

ブーンは思い出す。 この店に最初に来た時、
ここは前のメイド喫茶を譲ってもらってできた。 そう兄者から聞いた。
まさか、それはショボンが考えていた策略だったなんて・・・



154: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:44:28.44 ID:gAojy4ej0
  
(´・ω・`)「安定するまでの3ヶ月は大変だったよ。 何も活動できなかったからね」

(´・ω・`)「しかし、何もしていなかったワケじゃないよ」

(´・ω・`)「君達から、情報を得る事ができた」

( ゚д゚;)「・・・・・・・・」

(´・ω・`)「さっきの時もそうだ、作戦会議の時間。 しかし、兄者が小声だったからね。 僕には声が届かなかったよ。」

(´・ω・`)「まあ大丈夫だろうと思って、フサギコたちには連絡をしなかった。 しかし、まんまとやられるとはね・・・」

(´・ω・`)「外の様子が騒がしかった時、あいつらが負けたことと知ってね。 急いで荒巻をやったよ」

ショボンの足元には、彼によって気絶させられた荒巻。
彼は荒巻に果物ナイフを突きつけた。

(´・ω・`)「お前達・・ 動くなよ? 動いたらコイツがどうなるか分かってるよな?」



155: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:46:12.08 ID:gAojy4ej0
  
( ;゚ω゚)「あ、荒巻さんっ!!」

同時にブーンが叫ぶ。 だが下手に動く事はできない。

( A )「くそ・・・ なんで、なんでだよショボン・・・!」

ドクオは悲壮な顔をし、ショボンを見る。
ブーンも続けて、

(  ω )「ショボンは、この3ヶ月間、ずっと僕達と仲良くしてきたんじゃないのかお・・・? 騙してたなんて、考えられないお・・・・」

川 - )「そうだ・・・ ウソだろう? ショボン・・・?」

(´・ω・`)「残念だが、現実を受け止めてほしい。 もうこの街には君たちの知ってるバーボンハウスはないんだよ・・・!」



156: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:48:12.35 ID:gAojy4ej0
  
そういうとショボンは、

(´・ω・`)「さっきも言った通り、僕は海外にいつでも逃げられる。 今から急げば簡単なもんだよ」

(´・ω・`)「もう少し儲かると思ったんだけどね・・・ まあしょうがない。 そろそろ僕は行こうかな・・・。 コイツは僕が安全になったら返してやってもいい」

ショボンは荒巻を引きずりだす。 彼はブーン達に背を向ける。
4人は何をすればいいのか、分からない。 
ただ、そこに立ち尽くすことしかできなかった。

(  ω )「・・・・・・」

( A )「・・・・・・」

川 - )「・・・・・・」

( ゚д゚;)「・・・・・・・」



158: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:50:22.03 ID:gAojy4ej0
  
時同じくして、ここは秋葉原駅前、
先程の事件で、野次馬が向かったのか、ここ駅前は、静かに時を過ごしている。
しかし、誰かの走る気配がする。
それは、東口から西口に走る男の姿だった。

(;´∀`メ)「モナ・・・・!!」

男は白い衣類を着、なんともシンプルな格好で走っている。
どうやら病院から抜け出したらしい、モナーだ。

(;´∀`メ)「一体、何が起こったモナ・・・?」



159: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:50:54.02 ID:gAojy4ej0
  
30分前、モナーは病院で安静にしていた。
しかし、それにガマンができなくなり、少し動いてみよう。と思い、病室を抜け出した。
あまり目立たないように1階に行ってみると、彼は驚くべきものをそこで見た。

(メ _ゝ )「・・・・・」

( <_  ) 「・・・・・」

救急車に運ばれ、2人の男が病院に転送されてきた。
しかし、モナーはこの顔に良く見覚えがあった。

(;´∀`メ)「あ、兄者、弟者・・・? ど、どうして・・・?」

モナーは近くの看護士に聞いてみる。
そして、さらに彼は驚愕することになる。



160: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:51:33.75 ID:gAojy4ej0
  
3丁目で暴力事件が起こった。
看護士からそう聞いた。 モナーは直後、

(;´∀`メ)「なぜ、あの2人が・・・?」

気がつくと、彼らは集中治療室に入れられていった。
一体彼らに何があったのか? 他のみんなは無事だろうか? 彼は動き出す。

(;´∀`メ)「み、みんなの所に行かないと・・・」

モナーは病院を飛び出し、バーボンハウスに向かっていった。



161: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:52:56.29 ID:gAojy4ej0
  
彼はバーボンに向かう。
しかし、店の角に差し掛かる1つ手前の道。
モナーの目はそこに止まった。

(;´∀`メ)「あれは・・・ バイクモナか・・・?」

この細道に不釣合いなバイクが、道に止めてある。
良く見ると、そこはバーボンハウスの裏口に当たる部分だ。
モナーはそこに気を引かれ、様子を見に行ってみた。

(;´∀`メ)「ドアの前になんでバイクが・・・? そういえば、このドアはバーボンハウスの裏口モナか・・?」

彼は、ゆっくりと裏口を開けてみる。
そして、恐る恐る店内を見ていく。

ブーンたちがいた。 ドクオもクーもいた。
彼はその場で声が出そうになった。 
しかし、その声はあの1つの光景でかき消されることになる。

(;´∀`メ)「え・・・ ショボン・・・?」

急いで首を引っ込める。 慌てて物置に体を隠す。
ショボンがこの裏口に向かって歩いてきているのだ
しかし、そのショボンの手には、ナイフ。
もう一方の手に、なぜか荒巻が引きずられている。



162: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:53:53.11 ID:gAojy4ej0
  
(;´∀`メ)「え・・・? ちょ、どうゆうことモナ・・・?」

モナーには全くワケがわからない。
今、ここバーボンハウスで何が起こっているのか?
しばし状況を伺う。
そして、モナーは1つの結論を導いた。

(;´∀`メ)「これは・・・? 9話のアレンジモナか・・・?」

9話。 彼の頭には、あるシーンが映し出されていた。

起動戦士ガンダムSEED 第9話
その背景は、こうだ。
主人公の軍はある日、とあることから女性を保護する。
まもなくその軍は、戦争に巻き込まれていった。
その戦争を回避するため、軍はある行動に出ることになる。
保護した女性。 それは相手の軍の要人だった。
それを利用し、女性を人質として、戦争を回避する策略に出たのであった。

(;´∀`メ)「ショボンが・・・ 荒巻さんを人質に・・・?」

モナーは想像する。
きっとショボンは、何かを要求するために、荒巻を人質に取っているのだ、と。
バーボンハウスの経営困難が原因だろうか・・・?
いや、どんな理由でも人にナイフを突きつけてはならない。
これは止めないと・・・! 戦争が起きてしまう・・・!

現実と妄想の両極端から導かれた決断が、
彼を一歩ずつ前に、進ませた。



164: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:55:28.86 ID:gAojy4ej0
  
(#´∀`メ)「モナアアアアァァァァァァッッッ!!!!!!!!」

瞬間、彼は咆哮した。
自分には何がなんだか分からない。 
しかし、今やるべきことを決めなければならない。
そう思い、彼は物置から姿を現した。

彼は走り出す。 目標に向かって、一直線に飛ぶ。

(#´∀`メ)「ソロモンよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

(;´・ω・`)「え・・・?」

突然ほとばしる、彼の声。
それは店内に響き渡り、皆の異を突く。

(##´∀`)「私はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

(;´・ω・`)「は・・・・??」

ショボンに向かって、突進していく
動き出した波動は、もう止まらない
全ての力を振り絞り、彼は野獣になる。



165: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:57:19.03 ID:gAojy4ej0
  
(###´∀`メ)「帰ってきたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ドガーーーーン!!!!!

(;´゚ω゚`)「ひでぶっ!!!」


響き渡る、衝突の音、
押し倒される、ショボンの体。

(;^ω^)「え・・・?」

(;'A`)「ちょ・・・モナー!?」

唖然とする、ブーン達4人。
こちらに吹き飛ばされてくる、ショボン。
宙に浮いた彼は、やがてブーン達の足元に打ちつけられた。



166: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 22:58:51.35 ID:gAojy4ej0
  
( ゚д゚;)「い、今だ! 押さえつけろ!」

(;'A`)「は、はい!」

ブーン達3人はショボンのもとに行き、押さえつける。
クーは荒巻の元に寄る。

川;゚ -゚)「荒巻さん!? 大丈夫か!?」

/ ,' 3「・・・・・・ぅっ・・・」

良かった。 息はしている。
クーは急いで警察に連絡した。

(#´゚ω゚`)「くそっ!! な、なんで・・・!」

ショボンは激哮し、暴れだす。
しかし、ブーン達3人はそれを制す。 なんとしてでも押さえつけなければならない。



167: ◆zD.tvziESg :2006/12/14(木) 23:00:12.25 ID:gAojy4ej0
  
店内の真ん中で、見事突進をしてみせたモナー。
しかし彼は唐突な決心が為、その後何をしていいのか分からなかった。

(;´∀`メ)「あの・・・ これって一体・・?」

モナーには分からない。 一体何が起きていたのか。
すると、荒巻の看護をしているクーは、困惑するモナーに

川*゚ -゚)b「モナー! GJだ!」

と言った。



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