( ^ω^)ブーンは秋葉原に生きるようです

5: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:23:33.18 ID:fXe5sFWi0
  

番外編  Christmas fantasy

(注: 本編は6月設定でしたが、ここではそれから3ヶ月ほど後のこと、という設定にしたいと思います。)

一章


季節は過ぎ去り、時は12月。
寒さの前兆が、風邪と共に姿をほのめかす。
待ち行く人は、コートに手を突っ込み、先端まで伝わり通す寒さを凌ごうとしている。

それもそのはず、今は月の後半。
街はいつもと異なり、やけに活気付いている。
毎年始まる、毎年起こる、この催し。
1年という短くも長い、その中の1日の出来事。
刻々迫る、その日を前に、街は壮大に、色づけされていくのだった。


16日、日曜日、午前10時。

(;^ω^)「むふ〜・・・ さ、寒いお・・・」

('A`)「今年で一番寒いんじゃないか・・・? う〜・・・」

東京都千代田区外神田、秋葉原の地
ここはある意味、いつも催されている。
人、ビルの電光、巨大ポスター・・・ 年中通して存在している。
しかし、今を彩る赤い模様はというと・・・?
どうも、ほかの街を比べて、圧倒的とまではいかないが、物足りないことが分かる。



6: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:24:49.60 ID:fXe5sFWi0
  
(;^ω^)「は、早くバーボンに行かないと・・・ ん?」

どこからともなく、聞こえてくる拡張機の音声。
発端は、ある1つの店にあった。


『つよきす〜 つよきす入荷しました〜』 

2人は、それにつられ、そこに集る人ごみに混ざってゆく。

( ;゚ω゚)「ぬあ、ぬあんだってーーーーーー!!???」

(;'A`)「つ、つよきす最新作・・・!!」

( ;゚ω゚)「さ、さすがゲーマースっ! はやいお!」

('∀`)「こ、これは・・・ 買いだな!」

(*^ω^)「もちろんだお! 金持ってきておいてよかったお!!」



7: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:26:38.96 ID:fXe5sFWi0
  
ブーンとドクオ。 VIP高校一年。
ここ秋葉原を愛す、アキバ系。
2人はそそくさと、店内に入り込んでいった。

(*^ω^)「OK、つよきすゲット!」

('∀`)「流石だよな俺ら」


この2人、前回見たときとは少し格好が変わっている。
勿論、冬だからということもあるが、
ブーンはいかにもモコモコしているジャンバー。
下には水色のトレーナーを着ている。

一方ドクオはというと・・・
下は青色のジーンズ。
上には中に黒いガラが入っている、白いシャツ。
そしてその上に、黒いフード付きの浅いジャンパーを軽く羽織っている。

それは、ドクオのいつもの服装とは、ちょっと離脱したものであった。
もっとも、ブーンは何も気にしていないのだが・・・



8: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:28:31.34 ID:fXe5sFWi0
  
ここ、秋葉原の郊外、バーボンハウス。
あの事件から早3ヶ月。
ここがあの事件の中心地だったと言えよう。
しかしどうゆう訳か、中は格段と騒がしい。

( ´_ゝ`)「ぶえっくしょいーーー!!」

(´<_` )「ぶぁ、ぶぁっくしょん!!」

(;´∀`)「うあっ! 2人同時にクシャミだモナ!」

(;´_ゝ`)「い、いや、今誰かに俺達の特権を奪われた気がしたんだが・・・」

川 ゚ -゚)「最近寒いからな・・・ 風邪かもしれんぞ」

/ ,' 3「今日が一番寒いらしいぞ。 気をつけたほうがいいぞい」

店内からは、なんとも元気のいい声が聞こえる。
まるで、つい前の事件がウソのように。

そう。 あの後、入院していた4人が退院し、皆、元の場所に戻ってきた。
そして、荒巻指導の下、ここを元に戻すべく、再び店を開いた。
様々な苦労もあったが、どうにかバーボンハウスを復活させたのだ。



10: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:29:46.64 ID:fXe5sFWi0
  
カランコロン・・・

( ^ω^)ノ「おいすー!」

/ ,' 3「おう、2人とも」

('A`)「寒い寒い・・・ 早く座ろう」

いつも通り、2人は奥に進む。
そして、やはりいつも通り、彼らはいる。

川 ゚ -゚)「やあ、ブーン、ドクオ」

( ^ω^)「こんにちはだお! みんな早いお!」

(´<_` )「なにせ、今日は『つよきす』だからな」

('A`)ノ□「もちろん、買いましたよ」

( ´_ゝ`)「おお! 流石だな!」

2人加わり、さらに熱くなった会話が展開する。
その時、カウンターから荒巻がこちらにやって来た。



11: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:31:42.28 ID:fXe5sFWi0
  
/ ,' 3「さてと、皆集まったところで、話すかの」

( ´∀`)「? 何かあるのかモナ?」

/ ,' 3「うむ、実はの・・・ こんな手紙が来ての。」

そういうと、荒巻はポケットから手紙を取り出し、机に広げた。
そこには、こう書いてあった。




バーボンハウス殿へ

時期はもう12月。 皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今年は、この冬にピッタリな、ある企画を考えています。
それは、『クリスマス・パーティー』です!
色々あった今年、一年の反省もかねて、どうでしょう。
そこで、お願いがあります。
そちらのバーボンハウスを、当計画の会場とさせてもらえないでしょうか?
ここ近辺で、広い敷地を有するそこなら、ピッタリと思ってお願いに参りました。
どうでしょうか? 是非お返事待ってます

当計画総幹事、コッチ・ミルナ( ゚д゚ )



12: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:33:10.81 ID:fXe5sFWi0
  
( ^ω^)「ミルナさんからだお!」

( ´_ゝ`)「クリスマス会か、斬新な計画だな」

(´<_` )「一体何人に上るかな・・?」

川 ゚ -゚)「ふむ、面白そうだ。 私も参加したいものだ」

( ´∀`)「ここが会場なんて、うれしいこと言ってくれるモナ!」

各々がそれを見て、期待している。
すると、荒巻が、

/ ,' 3「よし、みんなOKか?」

( ^ω^)「ぜんぜんOKですお!!」

と、皆が意気投合した正にその時、

(;'A`)「・・・・・・・」



13: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:35:15.62 ID:fXe5sFWi0
  
( ^ω^)「ん? ドクオ、どうかしたのかお?」

(;'A`)「い、いや・・・」

( ´_ゝ`)「? 何か不都合か?」

(´<_` )「そんなワケ、ないだろう?」

(;'A`)「あの・・・ 実は・・・」

ドクオはなぜか下を向いている。
皆、何の警戒のなく、ドクオの方を向いていた。
そして彼は、信じられない事を発する。


(;'A`)「クリスマスはちょっと・・・ 予定が・・・」



14: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:37:07.58 ID:fXe5sFWi0
  
;^ω^)「・・・・・ほぇ?」

(;´∀`)「な・・・・ 今、なんと・・・?」

(´<_` )「な・・・な・・・」

(  _ゝ )二´ ` 「なんだってーーーーー!!??」

店内は、一斉にどよめく。
ブーンが、モナーが、流石兄弟が、クーが、そして荒巻が。
視線は、当然ドクオに集まる。

(;^ω^)「まさかとは思うけど・・・ やっぱり・・・」

('A`)「あ・・ああ、しぃとな・・・」

それを聞いて、兄者がいきなり立ち上がり、

(;´_ゝ`)「ドクオォォォ!! それは、こないだのどっちだぁぁ!!??」

('A`)「え? ああ、えっと・・・こっち→(*゚ー゚)」

(;´_ゝ`)「え? なに? 俺の予想が外れた!! とすると、ブーンがこっち→ξ゚听)ξか・・・!?」

(;^ω^)「いや・・・! 僕はそんな予定、あるわけないお!!」

(´<_` )「おっ、ドクオはやっぱり(*゚ー゚)だったか! だが、しかし・・・」

川;゚ -゚)「まさかそこまで進んでいたとは・・・」



16名前: >>14の訂正 ◆zD.tvziESg 投稿日: 2006/12/16(土) 22:38:06.03 ID:fXe5sFWi0
  
(;^ω^)「・・・・・ほぇ?」

(;´∀`)「な・・・・ 今、なんと・・・?」

(´<_` )「な・・・な・・・」

(  _ゝ )二´ ` 「なんだってーーーーー!!??」

店内は、一斉にどよめく。
ブーンが、モナーが、流石兄弟が、クーが、そして荒巻が。
視線は、当然ドクオに集まる。

(;^ω^)「まさかとは思うけど・・・ やっぱり・・・」

('A`)「あ・・ああ、しぃとな・・・」

それを聞いて、兄者がいきなり立ち上がり、

(;´_ゝ`)「ドクオォォォ!! それは、こないだのどっちだぁぁ!!??」

('A`)「え? ああ、えっと・・・こっち→(*゚ー゚)」

(;´_ゝ`)「え? なに? 俺の予想が外れた!! とすると、ブーンがこっち→ξ゚听)ξか・・・!?」

(;^ω^)「いや・・・! 僕はそんな予定、あるわけないお!!」

(´<_` )「おっ、ドクオはやっぱり(*゚ー゚)だったか! だが、しかし・・・」

川;゚ -゚)「まさかそこまで進んでいたとは・・・」



17: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:39:25.20 ID:fXe5sFWi0
  
(;'A`)「ちょ、そんなことじゃないって!」

ドクオが立ち上がり、皆を制す。

(;'A`)「会うっつっても、別にヘンなことはしないよ・・・」

(;´∀`)「あやしいモナ・・・ ドクオが童貞卒g(ry」

(;^ω^)「うう・・・ ブーンは悲しいお・・・orz」

(;'A`)「だから、大丈夫だって・・・!」

客席はドクオのことで、大盛りあがりである。 
それを端から見ていた荒巻は、

/ ,' 3「若いって・・・ ええのぅ・・・orz」



18: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:40:42.92 ID:fXe5sFWi0
  
ともあれ、来る24日のため、色々を準備が行われる事になった。
その日、皆でツリーやら飾りやらを、お金を出し合って、たくさん買ってきた。
今日から24日まで、バーボンハウスはクリスマスムードに包まれていくのであった。

さて、一方こちらは・・・

ξ;゚听)ξ「な、なんて事なの・・・!」

(*////)「約束・・・ しちゃった・・・」

ξ;゚听)ξ「しかも、しぃから言い出したなんて・・・」

こちらはファッションの町、代官山。
ツンとしぃはここの洋服街を見て回っていた。
すると、しぃの口から思いもよらないことが発されたのだ。

ξ;゚听)ξ「いつ・・・ いつ言ったのよ!?」

(*゚ー゚)「き、昨日・・・」



19: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:42:12.78 ID:fXe5sFWi0
  
昨日の放課後、屋上にて・・・

ドクオは今日、ここにしぃに呼び出されていた。
まだ明るい昼下がりの事・・・
ドクオは屋上のドアを開けた。
と、柵の前にしぃがいた。
彼女はドクオを見ると、軽く手を振った。

(*゚ー゚)「い、今、ちょっといい・・?」

('A`)「おう、どうしたんだよ?」

ドクオはここに来るまで、様々な妄想をしていた。
教室では話せないこと・・・
彼にはあまり検討がつかなかったが、大よそは覚悟してやってきた。

(*////)「あの・・・ お願いがあるの・・・」

('A`)「ん? 頼みごとならなんでも引き受けるよ?」

(*////)「うん・・ あの・・・」

しぃは意を決して顔を上げ、ドクオに伝える。

(*////)「24日・・・ 暇かな・・?」



20: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:43:25.39 ID:fXe5sFWi0
  
('A`)「へ?」

当然の如く、ドクオは虚を突かれる。
そんなこと、妄想にも思いつかなかった・・・
24日、この日に対して、未だ思い入れをしたことがないからだ。

(*////)「ど・・・どうかな・・・?」

しぃは顔を真っ赤にさせ、上目でこちらを見る。
そして、ドクオもみるみる赤くなっていった。

(*'A`)「あ・・・おう、暇だけど・・・」

(*////)「! ・・じゃ、じゃあ・・・その日・・・よかったら・・・」

(*'A`)「ああ・・・分かった・・・!」



22: ◆zD.tvziESg :2006/12/16(土) 22:45:00.20 ID:fXe5sFWi0
  

────────

そんな感じらしい。
ツンは、それを聞くと・・・

ξ゚听)ξ「・・・・・・・・」

(*゚ー゚)「あ・・・ゴメンね・・・ 調子、乗りすぎたよ・・・」

ξ゚听)ξ「ううん、いいのよ。 でもよかったじゃない!」

(*////)「うん・・・・」

ξ;゚听)ξ「で、でもまさか・・・ 夜には・・・」

ツンはそれを言いかけると、しぃは突然、顔を覆って、

(*////)「そんな・・・ そこまでは・・・」

(*////)「(でも・・・ ドクオ君はどう思ってるのかな・・・?)」

しぃはもはや1人の世界に入り込んでしまってる。
一方、ツンは、

ξ゚听)ξ「・・・・・・・」

しぃの隣で、何も言わないまま忽然としていた。



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