( ´_ゝ`)兄者はバルトアンデルスのようです

388: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:42 uSaGok5b0




               「(´<_` )弟者は存在しているようです」



389: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:43 uSaGok5b0

夏休み。
それは、高校生までに限り許される特権。
ある者にとっては長く、またある者からしてみたら短かったりする。

日数とかそういう事ではなく、どう時間を使うか――という観点からの話だが。

有意義に使えば短いだろう。
友人と遊んだり、色々と勉強したり、バイトしたり。

怠惰に過ごせば短いだろう。
食ったり、寝たり、また食ったり、また寝たり。たまにゲームしたり。

そういえば――昔、こんな歌を聞いた気がする。
いい歳こいたオッサン達が、ネズミやら雪男やらのコスプレをする番組だったっけ。

「夏休みはやっぱり短い。やりたい事が目の前にありすぎて」

いいよな、そういうの。
なんか、こう――「精一杯生きてる」って感じがしてさ。

俺なんかさ。
夏休み中ずっと、積みゲー処理に奮闘してただけなんだぜ?



390: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:44 uSaGok5b0

(´<_` )「――というワケで、夏休みも残りわずかになってしまいました」

皆さん、こんにちは。
流石家の次男にして永遠の18歳の弟者です。
実年齢は18じゃないけど、数えるのめんどいからどうでもいいです。正直言って。

(´<_` )「先日、ついに“デジモンワールド2”をクリアしました。苦痛でした」

(´<_` )「何が苦痛だったかって、もう“デジモンワールドの続編”って事が苦痛でした」

なんだよアレ。
無印と比べたら月とすっぽんじゃねーかよ。
無印はいい理由で長時間プレイしたけど、これはもう酷すぎる。
ダンジョンとボス戦合わせて数時間かかる上に、途中セーブなしとか嫌がらせだろ。

(´<_` )「でも終わった、やっと終わった。あーつまらんかった」

(´<_` )「次は――“モンスタータクティクス”と“モンスターガーディアンズ”かな。あーめんどくさっ」

これが、俺の夏休み。
いわゆる、俺流というヤツだ。

誰にも文句は言わせない。
だって、何を言われても俺は反論できないだろうから。



391: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:44 uSaGok5b0

だが――何かが違う。

何年もの間、こんな夏休みを過ごしてきた。
しかし、今年の夏休みは例年のそれとは訳が違うような気がしてならない。

(´<_` )「……なんだろうな、この違和感は」

今までは、何もなかった。
どう夏休みを過ごそうと、何も感じなかった。
ニートの疑似体験と言われようが、鼻で笑ってやるほどだった。

あえて言うなら、数多の積みゲーに対して感じた不満ぐらいならあったけどさ。

(´<_` )「なんか……悔しいような、悲しいような」

よく分からない。
自分が感じている“何か”の正体が。
それが分からない現時点では、この違和感に対処する術も分からない。

だからこそ。

(´<_` )「さて、と。GBAはどこにあるか……」

弟者は、考えるのをやめた。



392: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:45 uSaGok5b0

流石家。
母、息子2人、娘1人の計4人暮らしの、ごくごくありきたりの家庭。
娘はもう1人――長女に当たる存在――がいたのだが、今は自立して家にはいない。父親はどうしたか忘れた。

単身赴任だったか死別だったか誰も覚えてないが、とりあえず家にはいない。

それと、他にも。
現在の流石家には3人の居候が巣食っている。

男1人に女2人の計3名。流石一族と合わせて計7名。
流石家は貧相(流石家に失礼)な一軒家なので、少し窮屈だ。

そんな流石家の朝の食卓は、実に賑やかなものだ。

( ´_ゝ`)「妹者、ソースを取ってくださいな」

流石家の長男、兄者。
弟者とは双子で、外見は瓜二つ。
しかし、見ればしっかり区別できるので「双子が入れ替わってましたー」なんてトリックは使えない。
見た目は似ているが、内面の壊れっぷりが弟者とは異なり、兄者は少々頭のネジが緩んでいるような感じがある。

l从・∀・ノ!リ人「はいなのじゃ!」

妹者。
兄者とは歳がいくらか離れた妹。
「年齢の割に幼すぎる」とよく言われるが、まあ気にしない。
そんな正確が反映してか人当たりがよく、現在彼氏持ち。ちなみに、彼氏はなかなかの変人。

、@#_、_@
 (  ノ`) 「自分でとれやボケ」

母者。
流石家の起源にして頂点。
隠し秘奥義やらその他色々やら、もうなんでもアリ。
トルネコで泥棒する時は、ガーゴイルを切り捨てて強行突破したい性分の人。

( ´_ゝ`)「ごめんなさい」



393: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:45 uSaGok5b0

川 ゚ -゚)「相変わらず母者には従順だな、兄者は」

クー。
居候その1で、長髪黒髪のクールビューティ。
普段は極めて冷静で、猛る時もやっぱり冷静でクールな人。
一般人には興味がなく、超能力者や未来人などに興味があるとか。何の事やら。

(=゚ω゚)ノ「それは暗黙の了解だょぅ」

ぃょぅ。
居候その2で、兄者とは腐れ縁。
本人曰く「ショタとか最悪だよね。しんじられなーい」だそうで。
以前は駄菓子屋で暮らしていたが、諸事情で流石家で養ってもらう事になった哀れな人。

从 ゚∀从「流石家の起源にして頂点だからな、母者は」

ハインリッヒ高岡。
居候その3で、赤毛の男勝り。
地毛なのか染めたのかは分からないけど、気付いたときには赤かったらしい。
弟者曰く「体型がエロい」。ハインリッヒ高岡曰く「弟者って誰だっけ?」。
兄者と他のキャラでの呼び方が違うのは、伏線のつもりだったけど破棄したから特に意味はない。

( ´_ゝ`)「居候風情が知ったような口を利くなよ」

从 ゚∀从「黙れ童貞風情が」

( ´_ゝ`)「童貞=SEXを必要としない=究極生物なんだぜ?」

从 ゚∀从「言いたい事は分かったからカーズに死んで謝れ」



394: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:46 uSaGok5b0

川 ゚ -゚)「ところで――弟者はどうしたんだ?」

箸を止め、クーが思い出したように尋ねる。
童貞やらSEXやらの単語が飛び交ってようが、まったく気にならないご様子で。

从 ゚∀从「知らない」

( ´_ゝ`)「なかった」

从 ゚∀从「死ねよ兄者」

( ´_ゝ`)「ごめん。悪ふざけがすぎたなら謝るから」

川 ゚ -゚)「真面目に答えないと極光な」

と言いながら、やたら冷めた目で兄者を睨むクー。
彼女のキャラを理解してない他人からしたら、どう見ても怒っているようにしか見えないだろう。
クーの性格を理解していて、慣れている者からすれば普段どおりの反応なのだが。

( ´_ゝ`)「弟者なら部屋に引き篭もってるぞ」

从 ゚∀从「マグネミサイルがなくて進めない、とか叫んでたな」

川 ゚ -゚)「マグネ……ああ、デジモンワールド2か」

( ´_ゝ`)「おお、クーも知ってんのか」

川 ゚ -゚)「まあな。私も買ったし」



395: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:46 uSaGok5b0

( ´_ゝ`)「で――どうだった?」

川 ゚ -゚)「5分で止めてフリスビーにした」

( ´_ゝ`)「うわーお」

川 ゚ -゚)「近所のおじさんの家に突っ込んでな。フリスビーなのに返ってこなかった」

( ´_ゝ`)「嫌なフリスビーだったね」

川 ゚ -゚)「まったくだ」

( ´_ゝ`)「――で、何の話をしてたんだっけ?」

川 ゚ -゚)「忘れた」

( ´_ゝ`)「ならいいや。さっさと朝飯食おうぜ」

彼らは気にしない。
弟者の話をしていた事を忘れていても、気にも留めない。

だって、正直言ってどうでもいいもん。



396: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:47 uSaGok5b0

弟者の部屋。
ゴミやら何やらで散らかったその場所に、弟者は篭城し続けていた。

弟者の手には、だいぶ使いこまれたような雰囲気を醸し出しているGBAが握られている。

(´<_` )「モンスターガーディアンズつまんねーな」

(´<_` )「変なサービス利用しないと入手できないモンスターとかないわ。ポケモン商法かよ」

(´<_` )「なにこれ、“大地のイグニス?” 強そうだから捕まえるか」

(´<_` )「ん、これってアレか? ボスだから捕まえられない、ってオチか?」

(´<_` )「もういいや。フルボッコしてさっさと終わらせるか」

画面とにらめっこしながら、喋り続ける弟者。
「俺って独り言が激しーなー」と思いながらも、その言葉は止まらない。

誰に宛てた訳でもなく。
自分に言い聞かせる訳でもなく。

それでも、弟者の独り言は続く。

だって、1人で黙って過ごすのって寂しいんだもん。



397: ◆wUOiOOQQF. :09/29(土) 11:47 uSaGok5b0

弟者は気にしない。
夏休み中ずっと1人で積みゲーと格闘してようが気にしない。寂しいけど。

弟者は気にしない。
夏休み中に遊んだ友人の数を四捨五入すると0になるとしても気にしない。虚しいけど。

弟者は気にしない。
「年齢=彼女いない歴」だろうと、まったく気にしない……と思う、たぶん。悔しいけど。

(´<_` )「だって俺、究極生物だし」

だから、気付かなかった。
携帯に久しぶりの着信が入り、マナーモードのバイブレーションが聞こえた事に。
「どうせメルマガだろ?」などと勝手に思い込み、微塵も興味を示さなかったから。

人間――それも、異性からの着信が入ろうが、今の弟者には関係のない事だった。



403: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:06 hfkd+Y2x0

報告。

キャラの呼び方とか、AAとか。
所々前と変わってるかも知れないけど気にせんでくれ。

斧が鉈に変わろうと、シャベルがスコップに変わろうとも突っ込んだらいけないよ。



404: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:06 hfkd+Y2x0

時がわずかに流れ、昼が訪れた。

この時間になって初めて、弟者は部屋を出ようと腰を上げた。
朝からずっとこの部屋にいた弟者の、本日初の部屋移動であるが気にしない。

(´<_` )「さって、今日の昼飯は何かな〜」

部屋を出て廊下を歩き、居間に向かう。
普段なら昼食ができてるであろう時間なので、すぐさま食事にありつけるだろう。

しかし。
普段とは異なる気配を感じ、弟者は違和感を覚えた。

(´<_` )(……昼飯時にしては、家の中が妙に静かだな)

流石家の昼食は騒がしいのが相場だ。
普段なら、兄者の声や母者の咆哮、ハインの怒鳴り声などが聞こえる筈なのだが。

それらがまったくない。
それどころか、人間が立てるような音は一切聞こえてこない。

まるで、家の中に誰もいないかのように。

(´<_` )「それにしても腹減ったなー」

しかし、弟者はあまり気にしなかった。
新手のドッキリか何かだと決め込み、そのまま廊下を進んでいった。



405: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:07 hfkd+Y2x0

弟者が居間に入ると、そこには普段とは異なる光景があった。
そして、それを確認するのと同時に、弟者はこの静寂の原因を理解した。

静寂の原因は、人がいない事だった。
普段はそこにいるであろう人物が、どうやらほとんどいないようで。

l从・∀・ノ!リ人「おそようなのじゃ、小さい兄者」

(´<_` )「おそようございます」

居たのは、妹者1人だけ。
その妹者も、なにやら不愉快そうな表情をしている。
「ふてくされた子供みたいでかわいい」と思ったが、この感情は生涯封印しておくべきだろう。

(´<_` )「どした? つまらなそうな顔をしてさ」

l从・∀・ノ!リ人「……小さい兄者は、大きい兄者の事をどう思ってるのじゃ?」

(´<_` )「いや、俺そういう性癖ないから」

l从・∀・ノ!リ人「せいへき……?」

(´<_` )「あ、そういう意味じゃないの?」

l从・∀・ノ!リ人「たぶん違うのじゃ」

(´<_` )「なんだ」



406: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:07 hfkd+Y2x0

(´<_` )「どう思うかって……どういう意味合いでだ?」

l从・∀・ノ!リ人「え〜っと、えっと……例えば……」

妹者は首を傾げ、何かを考えるような仕草を取る。
弟者の中に潜む“内なる弟者”が「押し倒してえ」と悶えたが、なんとか自制心で鎮圧しといた。

l从・∀・ノ!リ人「“空気が読める”とか“読めない”……とか、なのじゃ」

(´<_` )「ああ、そういう事か」

l从・∀・ノ!リ人「……それで、答えはどうなのじゃ?」

(´<_` )「そりゃあ、もちろん……」

l从・∀・ノ!リ人「もちろん?」

(´<_` )「読めてないね」

l从・∀・ノ!リ人「なんと」



407: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:08 hfkd+Y2x0

(´<_` )「完璧なエアークラッシャー。更正不能だろアレは」

l从・∀・ノ!リ人「ふむふむ」

(´<_` )「“空気”を本気で“からけ”って読むタイプだな。漢検5級通らねーよアリャ」

l从・∀・ノ!リ人「ほうほう」

(´<_` )「結論。兄者は“空気の読めない子”。異論は認めない」

l从・∀・ノ!リ人「……う〜、やっぱりそうなのじゃ……?」

唸りながら、妹者は首を傾げる。
どうやら、重々分かってはいるのだが否定したいようなご様子で。

(´<_` )「ああ。ブッチギリで超越してるって、マジで」

そんな事は気にせず、あっさり言い切ってやりました。

流石だな俺。



408: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:08 hfkd+Y2x0

l从・∀・ノ!リ人「……じゃあ、大きい兄者はキライなのじゃ」

それだけ言い、妹者は踵を返す。
そして、用は済んだ、と言わんばかりにその場を立ち去ろうと歩き始めた。

(´<_` )「なんで? つーかどこ行くんだ?」

l从・∀・ノ!リ人「ミルナと遊んでくるのじゃ」

振り向きもせず、即答。
歩みを止めることもなく、そのまま足早に去っていった。

(´<_` )「そうか。車には気をつけろよ」

距離的に聞こえてないだろうが、とりあえず。
妹者の外出時にはこの言葉をかけるのがデフォなので。

ガラガラと、戸の開く音が響く。
それからほんのわずかの間の後、戸の閉まる音。

どうやら、たった今妹者が家を出たようだ。

(´<_` )「……ミルナが羨ましい――と思ってしまった俺はイケナイ男なのだろうか」

誰もいない中、1人呟く弟者。

ここ最近、新たな世界が展開しようとしている気がしてならなかった。



409: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:10 hfkd+Y2x0

しかし。
それを妨げるものが弟者の中には存在していた。

(´<_` )(……何を考えてるんだ、俺は)

それは、自制心。
そして、弟者の歪んだ達観。

言うならば、弟者なりの価値観。
よく分からない言い回しをすれば、ワールドオブ弟者。

(´<_` )(恋愛なんてのは、人間に潜在する生殖本能の副産物。俺には関係ないね)

(´<_` )(しかも、俺って究極生物だし。ヘタレな兄者とは違ってな)

分かり易く言えば――「負け犬の遠吠え」と言われているようなモノだろう。



410: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:10 hfkd+Y2x0

恋愛?
何それ食えるの?

性行為?
それって腹の足しになるの?

――そうだ、これでこそ俺。

恋なんてしないし、性行為なんていらない。

これでいい。
これでこそ俺の人生。
ゴーイングマイウェイだ。

(´<_` )「俺は俺、他は他。それでこそ俺」

自分に言い聞かせるように呟き、弟者は気を紛らわそうとした。

そんな自分に言い聞かせるような涙声が、もうたまらなく馬鹿馬鹿しくて――

(´<_` )「どこかで見たような文章持ってくんな。悲しくなるわ」

さてはて、何の事やら。

(´<_` )「もうどうでもいいや」



411: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:11 hfkd+Y2x0

(´<_` )「――さて、今度こそ飯でも食うか」

――そう言えば、昼飯食べに来たんだった。

弟者はその事を思い出し、昼食を探そうと思った。
食卓の上には準備されていないようなので、冷蔵庫でも漁ろう。

そう思い、弟者は冷蔵庫に近づき、その戸を開けようとした。

――しかし。

(´<_`;)「――ッ! なんだ! 敵襲か!?」

弟者はそれをしなかった。

冷蔵庫を開けようとする手を止め、振り返った。

「……あ、あの〜……弟者さんはいらっしゃいますか?」

玄関の方向から聞こえてくる「知っている女性の声」を耳にして、もはや昼飯どころではなくなっていたから。



412: ◆wUOiOOQQF. :10/02(火) 00:11 hfkd+Y2x0

(´<_` )「じゃ………………始めるよ。流石弟者の一世一代のがんばり物語を」

从'ー'从「あれれ〜? 内容が手抜きくさいよ〜?」



414: ◆wUOiOOQQF. :10/04(木) 22:32 qYeXZ3Zk0

(´<_` )「――廊下を抜けると、そこは不思議の国でした」



415: ◆wUOiOOQQF. :10/04(木) 22:33 qYeXZ3Zk0

(*ノωノ)「……あ、弟者さん。お久しぶりですね」

廊下を抜けその先へ。
そうして辿り着いた先には、1人の女性が立っていた。

(´<_` )「ん? アンタはもしや……」

そう。
それは久しぶりの再会。
話の中では対して久しぶりではないが、更新速度の問題で数ヶ月ぶりの再会となった。

まあ、そんな事はどうでもいい。でもごめんなさい。

(´<_` )「これはこれは、久しぶりですね。アプケロスさん」

(*ノωノ)「人違いです」

(´<_` )「ごめん冗談。ただ言ってみたかっただけ」

ボリボリと頭を掻き、わずかに微笑む弟者。
頭は別に痒い訳ではないけれど、なんとなく照れ隠しに。

ただ同年代の異性と会話しただけで、感動してしまった弟者がここにいた。



416: ◆wUOiOOQQF. :10/04(木) 22:34 qYeXZ3Zk0

(´<_` )「それで、俺に何か用でも?」

出向いて来たって事は、俺に用事があるって事だろ?
俺に用事があるって事は、俺は忘れられてないって事だろ!?

やったじゃん、俺。
まだまだ捨てたモンじゃないやん。やったね!

(*ノωノ)「……えっと、その……えー……」

俯いて、困ったような仕草を取るあぷー。
言いたい事があるようだけど、それを言っていいのか迷っているようで。

(´<_` )「どした?」

(*ノωノ)「ええっと、兄者さんに用事があったんですけど……」

(´<_` )「ふーん、よかったね。帰っていいよ」

なんだよ。
俺に用事じゃねーのかよ。
いくら温厚な俺でも、流石に切れちまいそうなんだぜ?

まあ、勝手に勘違いして期待した俺が悪いんだろうけどさ。



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