( ^ω^)ブーンの力は役立たずのようです。

428: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:42:52.57 ID:lpA65W140
  
( ^ω^)「ジョルジュのせいだお」
( ゚∀゚)「……え?」
( ^ω^)「ジョルジュのせいでドクオは死んだんだお」
( ゚∀゚)「……」

言ってはいけないことを言っている、そうブーンは自覚していた。しかしそれは涙のような物で、
止めようとして止められる物ではなく、次から次へと口をついて出てくるのにただ甘んじることしか
出来ないのだ。

( ^ω^)「なんでジョルジュは無傷なんだお? ドクオが死んで、なんでジョルジュは?」
(;゚∀゚)「いや、それは……」
( ^ω^)「全部ジョルジュのせいだお。もう……」

そこまで言葉が漏れてやっと喉のバルブが閉まった。しかし、肌に感じる空気は既に手遅れだと
言うことを痛いほどに伝えてきている。それに耐えられずにブーンはその場から無言で立ち去った。
間違いなくブーンは逃げた。けれどもジョルジュは怒りのあまりこの場から立ち去ったと思うかも
知れない等と今更ブーンは体裁の心配などをしていた。若しくは自己防衛ともいえた。



431: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:44:36.64 ID:lpA65W140
  
 半ば自棄になりながらブーンは一人屋上を目指す。屋上にはツンが居るはず、それにショボン
だって居る。そう、帰ってこないのは屋上で2人話しているから、屋上の扉を開けて敵に襲われるのが
怖いからだ、と色々と都合のよい現実を練り上げながらブーンは階段を登っていく。

( ^ω^)「ツン……ショボン……」

いつの間にか口からは友の名が出ていた。身の安全を保障されている場所はあった。学び舎で
いつも勉学を共にした学友も居た。しかし心は一向に安全にならず、学友は黒い影がちらついて
まるで精神の磨耗が止まらない。

――何故自分がこんなに辛い思いをしなければいけないのか。悪いのは誰だ。悪いのは誰だ。
他人を貶めるな。僕が弱いからいけない。いや、弱い友も戦い僕は結果護られた。
僕は救いようの無い弱者。今もただ問題から目を背け救いだけを求めている。
僕を弱いままにしたのは誰だ。責任を転嫁するな。僕が悪い。あぁ、あぁ――

 これ以上ネガティブな思考へ下っていかないようにブーンは必死に階段を上った。
とにかく誰かに会わなければ頭がおかしくなってしまいそうだったのだ。視野は狭まり、柔らかくも
重々しい真っ黒な物が四方八方からブーンを圧迫し殺そうとしていた。
そして辿り着いた屋上。開けられた扉。その扉を開けたから黒いものが漏れたのだろうか、
外は真っ暗だった。一歩一歩人影を探すもそれらしいものは見つからない。小さい頃家の鍵を
落として必死に探して時の事をブーンは俄に思い出した。それが幸いしたのか、それともやはり
それは不幸か、床に落ちていた探し物が見つかった。すっかり外に晒されたままで冷えきった
彼女に触れると、ブーンは吼えた。



433: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:46:38.84 ID:lpA65W140
  
( ;ω;)「ぁぁぁあああ! 僕はぁっ! ……あぁ! 僕は――」

救いようの無い弱者だ。
再度卑下し、ブーンは今更ながらに抱きかかえたその華奢な肩を、温めなおすようにグッと
自分の体に引き寄せた。カサカサと乾燥した血液を払ってやると、その下にぷっくりと膨れた
傷口があった。つい触れてしまい痛かったかとツンの顔を見るも反応が無い。当たり前だった。
しかしそんな風にツンを抱えながらも、恐怖感とともに何秒か置きに後ろを確認するのだった。
大切な人の死を前にしても暗闇に怯え自らの身を案じ、後ろを気にする自分はどこまでも卑しい。
ブーンは頭の中で自分をすぐ先の崖からグラウンドへ何度も突き落とした。
死んでしまえ、死んでしまえと。

( ;ω;)「……?」

――落とす? 屋上は、こんな場所だっただろうか。ここには確か――

     「内藤君」

背中の方から声が聞こえ、ブーンは少しばかりドキリとした。振り向いてみるとドアの方に闇よりも
更に濃い人影と、それを確かにするオレンジ色の光点が浮いていた。

(*゚ー゚)「迎えに来たよ」

何故かその声がとても心地よい物に感じられた。



436: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:49:13.49 ID:lpA65W140
  
 蛍光灯が照らす校舎の中をしぃに連れられてブーンは歩く。しぃについていったのは酷い
孤独を紛らわすためで、隙を狙って仇を討とうだとかそんなことはブーンの頭に微塵もありは
しなかった。憎くないといえば嘘だしこんなことになった原因はやはりしぃにあるとは思ってはいた。
けれども心ががらんどうで頭が満杯のこの不安定な状況では、自分を導いてくれる者にただ
惹かれ、思考や判断を放棄してしまうのだ。
 今でも楽しそうに何かの鼻歌を歌いながらブーンを只導くばかりでこの事件にはさも関係が
ないかのように見えた。あるいは本当にしぃはただゲームの説明をしただけで何が起きているかは
知らないのでないか、とさえ思えるほどに純真な様をしていた。

(*゚ー゚)「は〜い、どうぞ」

 着いたそこは音楽室であった。開けられた扉の向こうからは何かしらの音楽が聞こえている。
ブーンは只それに従い中へ入ると、少しばかり歩いてしぃの方を向き次の指示を待った。

(*゚ー゚)「どうしたの? そこら辺に座ってよ」
( ^ω^)「……しぃ」
(*゚ー゚)「なぁに?」

非常に不謹慎なことではあるが、ブーンはしぃに強く惹かれていた。日暮れの密室に居るからか、
それとも心を締め付ける孤独感から逃れる為か、はたまたその潔白さに憧れたからか。
せめてもの救いが、心の求めている物が劣情ではなく庇護であることだった。



437: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:50:20.34 ID:lpA65W140
  
(*゚ー゚)「あ、もしかして……駄目だよ、誰も居ないからって変なこと考えちゃ」
(*^ω^)「ち、違うお!」
(*゚ー゚)「赤くなってるよ〜」

間違っていることは確かだったが、自分がしぃを求めていることを見透かされたようで、ブーンは
思わず赤面してしまう。しぃには本当に人の心を見透かす能力でもついているのではないか
とさえ思った。

( ^ω^)「……皆居なくなったお」
(*゚ー゚)「そうだね」
( ^ω^)「……」

口に出すとまた悲しみがこみ上げてくるのを感じる。あの日々はもう戻ってこないのだと。
しかし、しぃはそんなブーンをただ笑顔のまま見つめるばかりであった。

(*゚ー゚)「ねぇ……内藤君」
( ^ω^)「ぉ?」

声が上擦らないようゆっくりと小さめに声を出す。



438: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:51:23.04 ID:lpA65W140
  
(*゚ー゚)「内藤君は楽しいこと、好き?」
( ^ω^)「お?」

こんな場面で出す話題なのだろうか。ズレたその質問に頭が適応せずに答えが浮かばない。
しかし気にする風も無くしぃは話を続ける。

(*゚ー゚)「私は好きだよ。ていうか嫌いな人なんて居ないよね、楽しいんだもん」
( ^ω^)「……たしかに」
(*゚ー゚)「うんうん、でもね、ボクはちょっと人よりそれが強いんだ」
( ^ω^)「それ?」
(*゚ー゚)「好きの度合いが」

そう言ってしぃは当たり前のようにタバコを取り出し、火を点けた。一度それをふかしてもくもくと
煙を吐き、再度咥える。タバコの先が一層その光を強くしたかと思うと、うっとりとした表情の
しぃの、そのしっとりと濡れた唇の先から直線的に紫煙が吹き出る。

(*゚ー゚)「……嫌い?」
( ^ω^)「……」

何が、と聞こうとしたがこの雰囲気を壊してしまいそうでブーンの口はそれを許さなかった。
それに辺りに広がり始めた臭いはタバコのそれとはまた違っていた。まるで野草が燃えるような
何処かで嗅いだ憶えのある臭い。こんな怪しい夜だっただろうか、だがブーンは思い出せない。



440: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:52:26.41 ID:lpA65W140
  
(*゚ー゚)「楽しいことって色々あると思うの」

話の主導権はすっかりしぃにあり、ブーンはただそれを聞きながらしぃを見るばかりである。

(*゚ー゚)「みんななんで犯罪をすると思う?」
( ^ω^)「犯罪……?」
(*゚ー゚)「そう、犯罪」

また話が飛んでいるとブーンは感じ、続きを促したがそれをしぃが許さなかった。どうあれ意見を
聞きだすつもりのようだ。仕方なくブーンはあれこれと考えを巡らせ語り始める。

( ^ω^)「……例えば強盗ならお金が欲しいからだし、殺人なら憎い人が居たから……」
(*゚ー゚)「うんうん、それで?」
( ^ω^)「麻薬は気持ちよくなるらしいし、その、性犯罪は言わずもがな……」
(*゚ー゚)「うん。共通しているものはなんだと思う?」
( ^ω^)「共通? ……人に迷惑をかける、とか?」
(*゚ー゚)「あ〜、うん。だから禁止されている。正論だね」
( ^ω^)「……」
(*゚ー゚)「ボクはねぇ、全部が『楽しい』ってことで共通してるって思ったんだよ」
( ^ω^)「……楽しい?」



441: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:53:09.81 ID:lpA65W140
  
(*゚ー゚)「うん、お金が増えれば楽しい、憎い人が居なくなれば楽しい、麻薬、レイプは楽しい……って」
( ^ω^)「……でも、人を殺すのは……」
(*゚ー゚)「それはちょっと複雑だよね。でもやりたい事がストレスの減る事、まぁ結果的にストレスが
    増えることになってもそれはどんな楽しいことにも起こり得ることだし、これも広義的に
    考えればそうかなぁって」
( ^ω^)「……」
(*゚ー゚)「別に全てが厳密にそうでなくてもいいんだよ、可能性があれば。それでね、ある日思ったんだ。
    禁止してるのは禁止しないと自然と皆がするから。自然と皆がするってことは楽しいから
    なんだなって」
( ^ω^)「……」
(*゚ー゚)「と言うことはさ、法律の本って実はすごい娯楽の指南書ってことになるなぁって」

なるほど、とブーンは納得した。それでも何か反論したいと思うのはそれが間違って
いるからなのか、ただ倫理観を刺激されたからなのかその判断がつかない。
ただ目の前に居るしぃが、酷く幼く見えたのは確かだった。



442: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:54:35.16 ID:lpA65W140
  
(*゚ー゚)「悪いことをすると楽しいってのは確かに思い当たる節はあるでしょ? 昔退屈してた
    ボクがこれに気づいた時はワクワクして仕方なかった。だって自分の知らない楽しいことが
    いっぱい見つかるかも知れないんだもん」
( ^ω^)「でも、捕まるお」
(*゚ー゚)「そうなんだよね。いくら上手く手を回しても捕まる可能性は0にならないんだよ。
    仕方ないからボクは色々と捕まらない程度に楽しいことを始めたんだ。でも全然
    ダメ、すぐに慣れちゃうんだ。でもね、そんな時この力を手に入れたんだ」

そう言うと部屋に流れていた音楽が急に切り替わった。一転してダイナミックな曲が流れ始め
しぃは満足げに一度目を瞑る。激しい音色の和音が立て続けに聞こえてきたかと思うと、
突如として流れるような優雅な旋律へと切り替わる。そしてまたダイナミックな旋律へと
目まぐるしく切り替わる。

(*゚ー゚)「飛翔……この曲みたいにボクはどこまでも羽ばたけるような気持ちになったんだ」
( ^ω^)「しぃの力……」
(*゚ー゚)「すごいよ、ボクは銃だって作り出せるんだ。しかもちゃんと動くんだって」

少し興奮した面持ちでしぃは両手を頬にあて顔を傾けうっとりと目を瞑る。



444: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:55:49.42 ID:lpA65W140
  
(;^ω^)「ま、まさか誰か撃ったのかお」
(*゚ー゚)「さぁ? ボクにはわからないなぁ」

その円らな目が一層輝きを増した。ブーンは少なからず身の危険を感じ、1度出口を見た。
しかし出口の向こうは真っ暗で、寒い、そんな感じがしてまたそこから目をそらすのであった。

(*゚ー゚)「内藤君、現実はつまらないよ」

急にしぃがそんなことを言ったものだからブーンはまた思考を束縛される。

(*゚ー゚)「ボクは何かに依存してなきゃ、とっても毎日笑ってなんか居られない。そんなボクには
    内藤君が眩しかった」
( ^ω^)「しぃ……」

 あの日のメールは本当の事だったのかとブーンは今更ながらショックを隠せなかった。
ブーンも毎日仮面を被って過ごしていた。そしてしぃは何も無く、ただ心から笑っているのだと
そう思っていた。多少のショックはあったが、それよりもブーンの心を支配したのは仲間意識だった。
自分と同類が居た。何故2人はもう少し早くお互いに気付けなかったのか、と。
しかし、それでもブーンはまだ自分の仮面を告白することに躊躇っていた。



446: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:57:40.37 ID:lpA65W140
  
(*゚ー゚)「内藤君。ボクを必要として。ボクを、求めてくれないかな?」
( ^ω^)「……それは」
(*゚ー゚)「大人が咎めるいやらしい事は、きっと楽しいことだよ」
( ^ω^)「……」

 この時ブーンは決意したわけでもないのに、しぃの体を一通り眺めた。その後そんなことを
していいのだろうかと思いながら心が傾き始めているのを感じる。頭の中ではしぃの肌の感触
なんかが再生されようとまでしていた。しかし頭の隅から蘇る記憶がブーンに歯止めをかける。
自分を好きだと言いながら死んでいったツン。聞いた当時は冗談か何かだと思った。
けれども時間が経って改めて考えるとそれはブーンの心に絡みつき、けっして離れなく
なっていたのだ。だがもうツンは居ない。そして自分は惨めに生きながらえながらしぃを求めようと
している。そこまで考えブーンはまた自己嫌悪の念を抱きつつ、何処かで免罪の根拠、
あるいは妥協点を探し、さらにそれは深くなって螺旋を落ちていく。

(;^ω^)「僕は……」
(*゚ー゚)「難しいことを考えないで。したいことをすればいいの……」

ゆっくりとブーンに近づき、骨が入っているのかと思わせるような柔らかく滑らかな動きで
科を作ってくるしぃに目が奪われる。幾許か自分より背丈が低いしぃのその見上げる目に
ブーンは指先の一本から呼吸のリズムまで拘束され、次第に思考さえも囚われていく。
そしてその決心がぐらついた。

(;^ω^)「僕は……その……」
(*゚ー゚)「……ごめんね」

降伏しようかと思ったその瞬間にしぃに袖にされ、ブーンは戸惑いと憤りを覚えた。
ここまでされて一体何なのだと。果てには掴みかかろうかとまで思ったが、頭から甘い蜜が
抜けていくと、状況に変化があったことに気が付いた。



447: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 22:59:15.02 ID:lpA65W140
  
(*゚ー゚)「良くないよ? そのノゾキ趣味」
( ゚∀゚)「いやぁ、入ろうと思った途端こんなだから動けなくなってよ」
( ^ω^)「……」

いつのまにか入り口にジョルジュが立っていたのだ。ブーンはジョルジュの顔をしばらく見つめ、
目が合うと気まずさからすぐに目を逸らした。

(*゚ー゚)「ジョルジュ、邪魔しないでよ。ボクだけジョルジュに協力するのは不公平だよ」
( ゚∀゚)「いやいや、だから俺は本当にたまたま――」
( ^ω^)「協力?」

小さい石が頭の上にこつんと当たったような、そんな違和感。それは落石が起こる前触れ。

( ゚∀゚)「……」
(*゚ー゚)「そう、協力」
(;^ω^)「いや、でも……」
(*゚ー゚)「内藤君ならもう気付いてると思ったんだけど……」

気付いている。その言葉で連想される書庫での出来事。ジョルジュの過去。

( ^ω^)「ジョルジュ……」
( ゚∀゚)「……その」
(*゚ー゚)「ジョルジュが全ての原因ってのはわかってる?」
( ^ω^)「……お」
(*゚ー゚)「じゃあやっぱりある程度の事は知ってるんだね」
( ^ω^)「あれは……本当なのかお?」

しぃを見て、そしてジョルジュの顔を見た。
気まずそうなその表情に加え反論が無いことにブーンは目眩がした。



449: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 23:00:17.96 ID:lpA65W140
  
( ^ω^)「……ジョルジュ、僕達は……」
( ゚∀゚)「違う」
(#^ω^)「違うもんか! ドクオは! ツンは!」
(#゚∀゚)「違う!」

2つの怒号が相殺し、部屋がしんと静まり返る。

( ゚∀゚)「俺は今回誰も殺してない」
( ^ω^)「そんな奇麗事……ジョルジュはとっくの昔に人殺しに――」
( ゚∀゚)「お前は」

ジョルジュの瞳が、まるで歯車がしっかりと合ったかのようにブーンを捕らえて動かなくなった。

( ゚∀゚)「お前は肉親を殺されて何も無かったと出来るか? 友達を殺されて騒いでるお前が」
( ^ω^)「僕は誰も殺してない」
( ゚∀゚)「俺と同じこと言ってるぜ。何故弟者が死んだ?」
(;^ω^)「それは……仕方なく……」
( ゚∀゚)「面白くないぜ。俺だって仕方なかった、頭がどうにかなりそうなほどグチャグチャになってな」
( ^ω^)「だからって人を殺して良いわけがないお!」
( ゚∀゚)「じゃあ俺が死ねばよかったってのか」
(;^ω^)「誰も……そんなこと……」
( ゚∀゚)「俺は間違いなくあのままだと死んでたぜ。同じ場所で飛び降りしてな」
( ^ω^)「……」
( ゚∀゚)「現に行ったんだよ、そこまで。そしたらよぉ……そこに居た奴らが話しててよ」

ジョルジュの顔が段々と歪んでいくのが見え、ブーンはその見たことの無い表情に少しばかり怯む。



450: ◆HGGslycgr6 :2006/12/15(金) 23:01:35.31 ID:lpA65W140
  
( ゚∀゚)「『ここで死んだらしいよ』『まさか本当に死ぬとかウケる』『めんどくさい事にしやがって』だってよ」
( ^ω^)「……」
( ゚∀゚)「全員同じ目に遭わせてやろうって思ったよ。不思議なもんで全然その場で感情的に
     なって殴るなんてことは無くてさ、家に帰って飯も食わずにずっと全員きっちり殺しきる
     方法を考えてたよ」
( ^ω^)「でも……」
( ゚∀゚)「でも結局逃げられた奴も居たんだけどなあの時俺まだ小さかったし。でもそのお陰で
     全部色々と変な理由、事故だとかが付けられて俺は何もなかったけどな」
( ^ω^)「……どうして今になって」
( ゚∀゚)「今になって!? おいおい、止めてくれよ。今までずっとだよ。俺はずっと探してたんだぜ?
     まぁ、勿論今こうして動き出したのは理由があるさ」
( ^ω^)「……見つかったとか?」
( ゚∀゚)「いや、見つかったらそのまま刺せばいいだけだろ。力に気付いたんだよ。姉ちゃんと同じ
     腐れた力に」
( ^ω^)「じゃあやっぱり……」
( ゚∀゚)「あぁ、皆が超人になったのは俺が力を目覚めさせたからさ」
( ^ω^)「なんでそんなことしたんだお」
( ゚∀゚)「人手は多いほうがいいだろ?」
(#^ω^)「なんで殺し合いなんかさせたんだお!」
( ゚∀゚)「おいおい、そりゃ俺じゃねぇよ」

そう言ってジョルジュは視線をブーンの背後に移したが、しぃは目を丸くして「何?」と言わん
ばかりの表情で首を傾げた。
するとそこへBGMとは違うメロディが流れた。一瞬何事かと思ったがどうやらしぃの携帯が
鳴ったらしく、どこからか取り出した携帯をしぃはスライドさせ耳に当てた。



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