こちらスネーク、ラクーンシティに潜入した。

  
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 16:40:10.88 ID:dcWZgIJi0
  
とりあえずこの話の説明をしますと、1 ◆uOC5Omg9jw さんの書いてる本編と同時間で進んでいるアナザーストーリーという形で書かせてもらっています。。

登場人物
ジョニー佐々木 MGS1と2に出てきます。(時間軸で言うとMGS1の7年前ということになるので次世代特殊部隊に入る前の傭兵時代だと考えてください。)
カプラン バイオハザード1(映画版)に出てくる傭兵と同名ですが一応別人です。
ニコライ・ジノビエフ バイオハザード3とアウトブレイク1,2に出ているそうです。
マイケル・ダグラス 傭兵関係の名前を検索していたらたまたま出てきたので使わせてもらいました。ちなみに俳優のマイケル・ダグラス氏とは無関係です。



  
  
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 10:26:16.27 ID:dcWZgIJi0
  
「おい、ジョニー!なにをやってる?早くしろ!」
若い男が甲高い声でトイレのドアに向かって叫んでいる。
「あぁ・・・ダグラスか・・・ちょっと・・・まって・・・くれないか・・・」
今にも気を失ってしまいそうなほどよわよわしい声でジョニーは答えた。
「何を言ってるんだ、早くしないと隊長が「何をやっているんだ!遅いぞ!!!」
トイレから早く出るようにと促すダグラスの声を大きな怒鳴り声がかき消した。
「ニ・・・ニコライ隊長・・・」
ダグラスは慌ててその男に敬礼する。
怒鳴り声の主は今回の作戦隊長、ニコライである。
「た・・・隊長!?」
トイレの中からは悲鳴にも聞き取れる声と水が流される音がし、中からジョニーが這い出してきた。
「全く緊張感のない男だ。用がすんだならさっさと4番ゲートに向かえ。」
「4番ゲートですか?しかしあそこはE班の・・・「そうだ。お前にはC班からE班に移ってもらうことになった。」
ニコライはジョニーの質問を最後まで聞かず、彼に部隊移動の命令を告げた。
「了解しました、では私は・・・」
ジョニーは再びトイレの個室へ戻ろうとしたが、ニコライの大きな咳払いにビクンと背筋を伸ばし尻を手で抑えながら小走りで4番ゲートへと向かった。



  
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 12:13:53.96 ID:dcWZgIJi0
  
ジョニーが4番ゲートへ到着するとE班の隊員たちはすでに車両への乗り込みを完了していた。
「遅いぞ!さっさと乗り込め!」
どこからか聞こえてきた大きな声に、ジョニーは自分がどの車両に乗り込めばいいのかも確認せずに近くの車両に飛び乗った。
「全員そろったな?ではこれより我々E班はラクーンシティ中央公園へと向かう。」
小太りの男が拡声器を使い叫んでいる。どうやら先ほどの声の主も彼のようだ。
先ほどまでざわついていたゲート内が静まり返りエンジン音だけになると彼は拡声器を投げ捨て満足げに最前列の車両に乗り込んだ。
すると正面にある巨大なシャッターが開き、止めてあった車は男が乗った車両を先頭に次々と市街地に向かって走り出した。



  
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 12:52:58.33 ID:dcWZgIJi0
  
「おい、大丈夫か?顔色が悪いぞ。」
眼鏡をかけた男がジョニーに声をかけた。見た感じでは20代後半から30代前半くらいだろう。
「あぁ・・・ちょっと腹を壊してな・・・」
「これから任務だってのに災難だな。」
男は少し、クスッとにやけたかと思うとポケットから錠剤を取り出しジョニーに渡した。
「下痢止め薬だ。即効性はあるがあまり長くは効かないから後は気合で何とかするんだな。」
ジョニーは男から薬を受け取ると何のためらいもなく口に放り込んだ。
「俺の名前はカプランだ。お前は?」
ジョニーが薬を飲み込むのを確認すると男は自己紹介をしてきた。
「ジョニーだ。」
ジョニーもそれに答える。
「ジョニーか・・・よろしくな。」
「あぁ。ところでカプラン、俺たちはこれから中央公園でなにをするんだ?」
「なんだと?」
カプランは呆れ顔でジョニーを見つめる。
「実はさっきC班から移動させられたばかりなんだ。」
「C班って行ったらニコライ作戦隊長直属の機動部隊じゃないか。お前よくそんなんで入れたな。」
「・・・、だからE班に移されちまったのかもな」
ジョニーは反論しようとしたがトイレに篭って隊長に一括されたのは事実だしなによりカプランには薬をもらっているのだからできるわけない。
「まあいい。これから俺たちE班は中央公園で避難所の安全確保を行うんだ。」
「安全確保って・・・街は化け物であふれかえってるんだろ?大丈夫なのか?」
ジョニーは不安そうにカプランを見つめる。



  
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 13:14:24.73 ID:dcWZgIJi0
  
「俺も怖いさ。でも俺たち傭兵は雇い主がやれといったらやらなきゃ仕方がないだろ?」
「・・・そうだな。下らない事を聞いてすまなかった。ところでさっきから気になっていたんだが・・・」
ジョニーは自分に言い聞かせるようにそういうと、カプランの胸ポケットから少しはみ出している長方形の紙を指差した。
「・・・実はさ、俺この任務が終わったらこいつと結婚するんだよ。」
カプランは少し恥しそうに胸ポケットからその紙を取り出した。女性の写真である。
「へぇ。綺麗な人だな。」
「そうか?」
カプランは嬉しそうにジョニーに問い掛ける。
「あぁ。うらやましいもんだ。」
「実はな、もう婚約指輪も買ってあるんだ。」
「・・・?」
「ん?どうした?」
突然目をこするジョニーにカプランが尋ねた。
「いや・・・いまお前の頭に旗のようなものがな・・・」
「何言ってるんだ。腹痛で幻覚とは本当に面白い奴だ。」
カプランはジョニーを笑い指輪の話を続けようと口を開いた。
「でな・・・「お〜い。そろそろラクーン市街地に入るぞ。各自戦闘準備に入れ。」
カプランの声を遮るように運転席から声がし、いままで雑談を交わしていた他の隊員たちも静かに準備を始めた。
「いよいよだな。」
「ああ。指輪の話はまた今度聞かせてやるよ」
ジョニーとカプランの2人も緊張した顔で武器装備の確認を始めた。



  
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 14:59:17.81 ID:dcWZgIJi0
  
「到着だ。全員車から降りろ。」
運転手が言う。
「さあ。仕事だ。」
カプランはそういうと車のドアを勢いよく開いた。
カプランに続いてジョニーそして他の隊員達も車から降りた。
車の外では他の車からも続々と隊員たちが降りてきている。
「いいか!よく聞け!これよりお前達には中央公園へ向かい生存者を殲滅を行ってもらう。」
先ほどの小太りの男が拡声器で叫ぶ。
「・・・・・」
隊員たちは静まり返り、辺りは街からでる騒音だけが響き渡る。
「どういうことですか?我々の任務は生存者の救出では?そんな・・・民間人を殺すなんて聞いていません。」
他の車から降りた隊員が男に言う。
「黙れ!これは任務だ。これより中央公園へ向かいそこへ避難している生存者を殲滅するんだ。市民も警察官も皆だ!いいな!」
「何故です!?それでは話が・・・『パーン』
先ほどの隊員が叫んだのと同時に一発の乾いた銃声が響いた。
隊員たちは何が起こったのか大体想像できたが先ほどの隊員が倒れると一斉に男のほうを見た。
「なんだ貴様ら・・・その不服そうな顔は?何度も言わせるな。これは任務だ。それともこいつのようになりたいのか?」
男は倒れた隊員を足蹴にすると他の隊員たちの方に銃口を向けた。
隊員たちはお互いに顔を見合わせ、そして静かになった。
「よし、これより中央公園に向かってもらう。」
男はまた拡声器を地面に叩きつけると一喝した。
「行け!」
隊員たちは市街地にある広場から、中央公園に向かって走り出した。



  
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 15:28:56.74 ID:dcWZgIJi0
  
「どう思う?」
走りながらカプランがジョニーに問い掛ける。
「あの指揮官のことか?」
「ああ。」
「そうだな・・・ちょっと壊しすぎじゃないか?」
「・・・拡声器の話じゃない。」
カプランが呆れたように答える。
「俺達に嘘の命令をしておいて口答えしたらズドンだ。それに当の本人は広場で待機だぜ?」
たしかに指揮官と思われる小太りの男は公園に向かって走る部隊の中にはいない。
「まだきっと何かがあるような気がするんだ・・・」
「何かするつもりなのか?」
カプランが何かを思いついたようにそういったのでジョニーはおそるおそる聞いてみた。
「俺達で調べてみないか?」
「化け物がいるこの街をか?」
「ああ。どうも納得せずに仕事をするのは好きじゃないんだ。」
「・・・お前、車で傭兵はどうとか言ってなかったか?」
「それとこれとは別だろ?それにお前理由も知らずに民間人を殺せるのか?」
好奇心旺盛な人間は好奇心が満たされる場所を見つけるとそこに行くために努力を惜しまない。
そしてカプランもその部類に入るようだ。
「・・・で、何処に行くんだ?」
「俺は警察署が怪しいと思うんだ。」
「警察署だと?」
「ああ。なにせニコライ機動部隊が派遣されるんだぜ?」
「しかし、もしばれたら俺達は・・・」
「化け物に襲われて逃げたとでも言えば何とかなる。」
そういうとカプランは公園に向かう部隊から外れ小道にはいった。
「まったく・・・薬をくれてなきゃここまで付き合わないぜ?」
ジョニーは諦めたようにカプランについていった。



  
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 16:20:14.17 ID:dcWZgIJi0
  
「見えたぞ。警察署だ。」
カプランは嬉しそうにジョニーに話し掛ける。
「お前なんでこんなにここの地理に詳しいんだ?化け物はおろか人間にすら会わなかったじゃないか。」
市街地広場から警察署まで何にも遭わず行き止まりにもあたらずおそらく最短で到着したであろうカプランのナビに驚嘆したジョニーが尋ねた。
「次の任務地がラクーンシティだと聞いたときにあらかじめ地理を知っておいた方がいいと思ってな。役所のコンピュータに進入して詳しい地形データをくすねたのさ。」
「それであの余裕か・・・まるではじめから部隊を離れて単独行動をするつもりだったみたいだヌガッ」
警察署正面の柵の前まで来るとジョニーの口をカプランの手がふさいだ。



  
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 16:21:08.01 ID:dcWZgIJi0
  
「静かに!あれをみろ・・・ニコライ隊長だ。」
警察署の影にニコライの姿が確認できた。
「もう突入する寸前なんじゃないのか?」
ジョニーがもう口をふさがれまいと小声でカプランに尋ねる。
「かもな・・・誰かが隊長に話し掛けてるぞ?」
白髪で中年の男がニコライに寄って行き何かを話し始めた。
「・・、部隊の配備は・・終了、いつでも・・できます」
「・・した」
「い・・も警察・を襲撃で・るように準・・ていてくれ」
距離がある上、周りの爆発音や炎上音などであまりはっきり聞き取ることができなかったが大体の流れから
『ニコライ隊長、部隊の配備は終了、いつでも襲撃できます』
『了解した』
『いつでも警察署を襲撃できるように準備をしていてくれ』
とでも言っているのだろうと判断した。



  
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/07/02(日) 16:21:50.89 ID:dcWZgIJi0
  
「で?どうするんだ?向こうに混ざって警察署を襲撃するわけにもいかなだろ?」
ニコライと男の会話が終わり男がニコライから離れて行くのを確認するとジョニーはカプランに言った。
「襲撃後の警察署を狙うんだ。なにかしらの証拠くらいは残ってるだろ?」
「なるほどな。じゃあもうしばらくここで待つことになるな。」
「そうなるな。それとさっきから言おうと思ってたんだがなジョニー・・・」
「ん?」
「そのマスク、外してくれないか?目立つと思うんだ。それは・・・」
「これは俺の体の一部だ。外せまい。」
ジョニーは断固として外さんとカプランに食い下がった。
「そのマスクと一緒に心中でもするつもりなのか?」
カプランの口調が少し強くなった。
「・・・はぁ。わかった。外すよ。あんまり見ないでくれよ。」
ジョニーはここでカプランとの中が気まずくなるのは得策ではないと思いしぶしぶマスクを外した。
「別に見られて困るような顔でもないじゃないか。」
カプランの声からは先ほどの熱は抜けていた。
すると上空からものすごい爆音が聞こえてきた。ヘリコプターだ。
「何故ヘリが?警察署の生存者は救出するのか?」
「しかし助けるならあんなにたくさんの傭兵は不必要だろ?」

ヘリはしばらく警察署の上を旋回した後、屋上に棺桶のようなものを落として去っていってしまった。





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