( ^ω^)は幻の大地の住人のようです

  
419: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:22:08.97 ID:KLuqUZuh0
  

*第四十六話『愛の雷(いかずち)』*


〜?〜


ξ゚听)ξ「ん、ここは何処かしら……」

 私が目を覚ますと、そこは見慣れぬ景色。
 周りには何もなかった。一面、透き通ったような水色。空?
 地面は白くてふわふわしている。……雲?


ξ゚听)ξ「何でこんなところにいるのかしら……?
       みんなはどこに行ったのかしら……。私……」


 記憶の糸を手繰り寄せてみる。
 私たちは鮫島に乗り込んで ジャミラス……クックルと戦って……
 あっ……!


ξ゚听)ξ「そっか。私、死んじゃったんだ……ブーンを守って……
       ってことは、ここは天国かしら?」



  
421: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:23:54.55 ID:KLuqUZuh0
  
ξ゚听)ξ「他人をかばって死ぬなんて、お人よしすぎるわね。馬鹿みたい。
       でも……その代わりにブーンを守ることが出来たなら……」

 って、私は何を考えてるのかしら///
 べ、別にブーンのことなんかなんとも……


ξ゚听)ξ「はぁ、暇ねぇ。死後の世界ってこんなにも暇なのかしら。
       なんにもないし、誰もいない。これから先、どうしたらいいのかしら……」

 何かしたい。誰かと話がしたい。誰かと一緒にいたい。孤独はイヤ……
 ブーンに会いたい……

ξ///)ξ「何で、ここにブーンが出てくるのよ!!
       私はアイツのことなんて…………私の本当の気持ちは!
       ブーンがs――」

 ここから先の言葉が出てこない。
 素直になれない私。自分が嫌になる。
 誰か聞いてるわけでも無いのに、本当の気持ちを表に出せない。


 それから何分、何時間、ここでこうしていただろうか。時間さえもわからない。

ξ;;)ξ「一人はさびしぃよぉ……これからずっとここにいるなんて耐えられない……
       ブーン……長岡……ほ――


 「ツンさぁぁぁああああああん。どこですかぁぁぁああああ!!」



  
423: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:25:36.01 ID:KLuqUZuh0
  

ξ;;)ξ「この声……!」

 いつの間にか流れていた涙を、拭く。
 こんな姿、あのコに見せられない……


ヽ(・∀・)ノ「やっと見つけましたよぉおお! ツンさん!!」

 私を見つけて、猛スピードで駆け寄ってくる。


ξ゚听)ξ「『アンタ』どうしたのよ。何で『アンタ』までここにいるのよ!
       ブーンは!? ジョルジュは!? クックルは!?」


ヽ(・−・)ノ「最後まで、名前で呼んでもらえませんでしたね……」

ξ゚听)ξ「え?」

 『このコ』が一瞬だけ、さびしそうな表情を見せた。
 ……名前……最後ってどういうことよ?


ヽ(・∀・)ノ「もう、時間が無いですぅ。
       マスターに必要なのは私じゃなくてツンさんなんです」

 時間……ブーンに必要……よろしく、頼む?
 何のことなの一体……



  
425: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:27:37.44 ID:KLuqUZuh0
  
ξ゚听)ξ「ちょっとアンタ! いきなり現れてわけがわからないわよ!
       ちゃんと説明しなさいよ!!」

ヽ(;∀;)ノ「もう、時間です……さよならなんですツンさん……
       私の分までマスターのことよろしく頼みましたよぉおおお!」

 何で泣いているの? あのコの姿が急激に遠退いて行く。
 違う、遠退いてるのは私。私の体が足場の雲を突き抜け落下している。


ヽ(;∀;)ノ「ツンさん! 最後に一つだけお願いがぁぁあああ!
       私のローブに入ってる手紙を捨てt――」

 ローブ? 手紙? 何のことなの? まったく意味がわからないわよ。


「やっぱりなんでもないですぅぅううう。忘れてくださぁぁああああい」


 もう姿も見えなくなった、あのコが叫ぶ。
 私の体が落下するスピードは、さらにkskしていく。
        
ξ゚听)ξ「ちょっとぉ!! 何なのよこれぇぇええ!
      アンタ説明しなさいよぉおお! アンt――

 私の意識はそこで途絶えた。

――――――――
――――
――



  
426: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:29:18.89 ID:KLuqUZuh0
  
〜鮫島神殿〜

 あたり一面に 光が降り注いでいた。

 その色は真紅――真っ赤な光。


 情熱の色。熱血の色。リーダーの色。三倍の色。
 りんごの色。炎の色。血の色。命の色。愛の色。

  それが『赤』


 鮫島にある神殿の内部。
 そこは幻想的な 赤の光に包まれていた。



( ゚ω゚)「そんな……ホイミンまで……
     ホイミーーーーーーーーーーーン!」



 その叫びに答える者は 既にこの世にいない。



  
429: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:31:08.61 ID:KLuqUZuh0
  

 自己犠牲呪文『メガザル』
 己の命と引き換えに 仲間を救う呪文。

 ホイミンが その呪文を唱えた瞬間
 彼女の体は 弾け飛び この赤色の光が あふれ出した。


( ゚∀゚)「ホイミン……アイツ……」

 光に包まれたジョルジュの体は 完全に回復していた。
 傷や骨折は全て完治し 失われた右腕も元通りとなっていた。


(*゚∋゚)「うつくしい」

 生命の赤色に 見とれる 魔王。


( ;ω;)「ブーンは……僕はツンに続いて、ホイミンも……守れなかったのかお」

 自分の無力さを 嘆く 少年。

 そして――


ξう听)ξ「っう……ここは……」

 永遠だったはずの眠りから 目覚める 少女。



  
433: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:32:50.70 ID:KLuqUZuh0
  

 あふれ出ていた 赤の光が 消えてゆく……


( ゚∀゚)「ツン!」

( ゚ω゚)「ツン!!!」



ξ゚听)ξ「あれ? 私、いったい……死んだはずじゃ……」

( ;ω;)「ツン!! ホイミンがホイミンがぁあああ」

 ブーンは ツンに抱きつき 泣き喚く。


 _
( ゚∀゚)(ホイミン……お前が命と引き換えにくれた。
     この新しい右腕……大切にするからな……)

 ジョルジュが大事そうに右腕をさする。


(*゚∋゚)「…………」



  
437: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:34:41.84 ID:KLuqUZuh0
  

 ブーンが ツンに全てを話した。

ξ゚听)ξ「そんな……あのコが……最後ってそういうことだったの……?」


( ;ω;)「ツンが戻ってきても……ホイミンがいなくちゃ意味が無いお……
      わかって無いおホイミン……」


(*゚∋゚)「クックックックックックックル!!」

 突然 クックルが笑い出した!


(*゚∋゚)「ドゥクルドゥドゥックックク!! ックックドゥルクゥ!!
     (実に美しい花火だったぞ! さぁ、次は誰が打ち上がるのだ!!)」


 その言葉を聞いたとき ブーンの中で 何かが 種が 弾けた。



( ゜ω゜)「オマエ! オマエッ!! オマエエエエエエエエッ!!!」



.



  
441: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:36:48.05 ID:KLuqUZuh0
  

( ゜ω゜)『命を何だと思ってるんだお!!』

(*゚∋゚)『クックックックックルドゥドゥドゥww
     お前ら下等生物の命など、なんとも思わぬ
     だが、今の散りざまは素晴らしかったぞ!!』


(♯゜ω゜)『ふざけるなぁあああああああああああ!!』
 


(;゚∀゚)「あいつら何を話してるんだ?
     言葉がわからねぇ……」


 ブーンとクックル二人の会話は 全てクックル語で行われていた!
 ブーンは無意識のうちに クックルの言葉で話している!



(*゚∋゚)『オマエもブチ撒けたら、あのホイミスライムのように綺麗な花火になるのか?」



(  ω )『あのホイミスライムのように?……
       ホイミンのことか……』



  
448: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:38:28.61 ID:KLuqUZuh0
  




( ゜ω゜)「ホイミンのことか――――――――っ!!!!!」



 ブーンが 破邪の剣を片手に突撃する!
 その刀身は ブーンの心そのままに 猛火を放っている!
 燃える 燃える 真っ赤な炎。


(♯゜ω゜)『オマエはもうあやまってもゆるさないおおおおおおお!!』

 ブーンの 攻撃!


( ゚∋゚)『……フン』

 クックルは炎をものともせず 易々と片手で攻撃を受け止めた!

 そして――


( ゚∋゚)「ウーノ」

 拳を握り 刀身を砕く!
 その手には傷一つ ついていない!



  
453: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:40:32.99 ID:KLuqUZuh0
  

(♯゜ω゜)『次ぃ!!! 氷輪丸ゥウウウウ!!』

 折れた破邪の剣を投げ捨て 腰にかけられた 2本目の刃を引き抜く!

 ブーンの手に握られた 氷の刃は 荒ぶる吹雪を生み出し
 ブーンの繰り出す一撃と共に 龍の如く クックルに襲い掛かる!


(♯゜ω゜)<うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

(♯゚∋゚)<うるっせええええんだああああああああああああああああああああああ!!!


 刃と 拳が ぶつかりあう。
 何度も 何度も 幾重にも。


(♯゚∋゚)『暴打フォン!!』

 暴走的な連打が繰り出される!
 その拳により 前方にあるもの 全てが破壊の道を辿る!!


( ゚∋゚)『ドゥーエ……いない! 奴は何処だ!!』

 目の前にあったのは 砕いた刃のみ ブーンの姿が消えている!
 

 「うしろだお!!」



  
458: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:42:18.07 ID:KLuqUZuh0
  

 クックルの背後に回りこみブーンは叫ぶ!



( ゜ω゜) 『エターナルフォースブリザードォォオオオオオオ!!』



 ブーンの手から 最大限にまで圧縮された 冷気の魔力が放たれる!


(;゚∋゚)『こ、これは――


 クックルは 一瞬で周囲の大気ごと 氷結した!



( ゚∀゚)「やったか!! それにしてもブーンの奴、すげぇぜ……
     動きにしろ、魔力にしろ、いつもとは比べ物にならないくらいだ……」


 怒りと悲しみにより 引き出されたブーンの力。
 潜在能力の瞬間的開放が行われていた。

 それは暴走といってもいいかもしれない。



  
463: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:44:06.80 ID:KLuqUZuh0
  

(;゜ω゜)「はぁ、はぁ、相手はs――


(♯゚∋゚)『死なNEEEEEEEEEeeee!!』


 クックルを覆う氷が一瞬で消滅――いや蒸発した!
 その原因はクックルがその身にまとう炎。


(;゜ω゜)「そ、そんな!」


(;゚∋゚)『はぁはぁ、とっさにこの身を燃やさなければ危なかったぞ……」

 身体発火能力。
 クックルの体は炎を受けれるだけ出なく 自在にその身に火を宿すことが出来た。
 純粋な肉弾戦闘を好むクックルはあまり使わない能力。使ってもこのようにとっさの防御時だけだ。


(*゚∋゚)『さぁ、戦いを続けるぞ。お前との戦いは楽しい……!』

 魔王は笑う 命を懸けた戦闘を心底楽しみ。



  
467: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:46:13.13 ID:KLuqUZuh0
  

( ゜ω゜)『くそっ!』

 背中に背負った最後の刃を抜く。
 星型の鍔に雷神の玉が無いため 特殊な力は持たないが
 それでも 斬れ味・硬度は 他2本とは比べ物にならないほど高い。


(♯゜ω゜)『たあああああああああッ!!』

 ブーンの攻撃!


( ゚∋゚)『……フン』

 やはり それはクックルに止められる。

 いくら身体能力が引き出されているとはいえ
 ブーンは一般人 特別な修行ををつんだ訳で無い。
 剣の太刀筋は素人同然 故に見切られ阻まれる。

 だが―― 


(;゚∋゚)『トゥr――なっ……』


 先ほどまでと同様に 砕こうとした。
 だが クックルは見た。剣を受け止めた己の掌から血が流れ出るのを
 手を引き 改めて観察する。紛れもなく自身から流れる血だった。



  
469: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:48:13.50 ID:KLuqUZuh0
  

( ゜ω゜)「いける! いけるお!!」

 ブーンの実力を 雷神剣がカバーする!


( ゚∋゚)『この体に傷をつけれるとは……中々の業物のようだな』


 _
( ゚∀゚)「…………」

 ジョルジュは 二人の死闘を見続けていた。

 クックルの硬い体の前には打撃攻撃などは ほとんど効かない事がわかっていた。
 有効なのは ブーンのように斬撃 又は刺撃。それもある程度の威力を持った。

 『トライデントタックル』を まともに直撃させれば貫けるかもしれないが
 むやみにうっても クックルには かわされるのが おちだろう。

 傷は回復していても 体力自体はあまり回復していない為 分身を作り出すことも出来ない。
 チャンスは一度。

 _
( ゚∀゚)「…………」

 だから見続けていた。
 必殺の機会をうかがうために。



  
471: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:50:18.97 ID:KLuqUZuh0
  

ξ゚听)ξ「『メガザル』……聞いたことがあるわ
      自分と引き換えに仲間を助け、命すらよみがえられるという呪文。
      ……使用者の肉体は完全に消滅してしまう」


 ツンは呆然と考え続けていた。ブーンに聞かされた真実を。


ξ゚听)ξ「あのコが私を助けるために……
       自分を犠牲にして……私なんかのために……」

 ふと ツンの目が あるものに止まる。
 
 それは ローブ。
 着る者のいなくなった ネコミミのついたローブ。


ξ;;)ξ「ゴメンね……私なんかのために……」

 ローブを拾い上げ ギュッと抱きしめる。
 ツンの目からは 涙が流れていた。

 そして ローブのポケットに 何か入っている事に気づく。


ξ;;)ξ「これ、は……?」

 入っていたのは箱。
 ツンはそれをあけてみる。



  
477: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:52:33.63 ID:KLuqUZuh0
  

ξ;;)ξ「手紙……それと……」

 手紙をそっと開き読んでみる。


ξ゚听)ξ「…………」




(;゜ω゜)『くっ!!』

( ゚∋゚)『どうしたどうしたどうしたぁ――ッ!』


 ブーンがクックルに押され始める。

 いくらダメージを与えれらるといえど クックルにとっては微少。
 それに対し ブーンは一撃もらっただけで大ダメージ。

 必然と受身がちの戦いになる。



  
488: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:57:38.16 ID:KLuqUZuh0
  

(;゜ω゜)(なにか、もう一手。攻撃の手段が欲しいお……)

 ブーンの視界に 砕けた氷の刃が飛び込む。
 刀身が砕けたといえど 氷を発する能力は使えるはず。
 そう思い 剣を取ろうとする。

( ゚∋゚)『まだ、おもちゃに頼ろうとするか』

 ブーンの思考に感づいたクックルは 氷の刃を蹴り飛ばした!


(;゜ω゜)「ちっ!」

 ブーンが それにすがろうとするのも無理は無い。
 今までそういう戦い方をしていたのだ。しなかったのだ。
 ひたすら後方支援。前に出ても武器の力に頼る。


ξ゚听)ξ「ブ――――――――ン!!」

 ツンが叫ぶ。
 そして ブーンに何かを投げた。



  
491: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 22:59:14.31 ID:KLuqUZuh0
  


( ゜ω゜)「キャッチだ。とうっ
      ツン! これは!?」

 投げられたものをキャッチし たずねる。


ξ゚听)ξ「『雷神の玉』よ! あのコの残した力よ! 使って!!」


( ゜ω゜)「ホイミンが残した力……。雷神の玉……! よいしょーっ!」

 雷神の玉を雷神剣にはめ込む! 本来あるべきところに!
 その剣の 本当の力を発動させるために!


( ゜ω゜)「力をかしてくれお! 雷神剣!!」


 剣に力を込める。
 すると ブーンの動きが止まった。


(  ω )「…………」


( ゚∋゚)「…………」

 クックルは 無防備の相手に攻撃をするなど 野暮なことはしない 黙って様子を伺う。



  
492: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:01:11.14 ID:KLuqUZuh0
  

〜?〜

( ^ω^)「ここは……?」


 『お前の心の中だ』


( ^ω^)「ブーンの心の中……?」


 『我が名は雷神。汝が我を使うに値するものか、確かめさせてもらおう。
  汝に問う。何故、我の力を欲する』


( ^ω^)「……戦うためだお。強敵に打ち勝つため。
      そして、それは大切なものを守るための戦いだお」


 『…………怒りにや悲しみに任せたままでは強敵には勝てんぞ。
  守りたいものを守れぬぞ。強力な力といえども、暴走は所詮暴走だ』


( ^ω^)「それはわかってるお。でも、もう何も出来ないままなのは嫌なんだお!
      そのためには力が必要なんだお。力を貸してくれお!!」


 『……ならば、平常心を保つのだ。さすればこの力。お前のものとなるだろう。
  だが、少しでも隙あらば汝の体のっとらせてもらう!!』



  
495: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:03:28.38 ID:KLuqUZuh0
  

 _
( ゚∀゚)「ブーンの奴、急に動かなくなっちまったがどうしたんだ……?」

ξ゚听)ξ「ブーン……」


( ゚∋゚)「…………」



(  ω )「…………お」

 『叫べ、我が名を。汝が手に持つその剣(つるぎ)の名を!』




( ^ω^)「天を裂く咆哮! 轟かせろ愛の雷!!
           『雷神剣!!!』       」



 ブーンの持つ 雷神剣に雷が落ちる!

 その落雷により クックルの邪気が呼び寄せた 真っ黒な雲は引き裂かれ 空が見えた!



  
499: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:05:15.35 ID:KLuqUZuh0
  


 ブーンの体から闘気があふれだす。


( ゚∋゚)『ほう……ただのおもちゃではなさそうだな』

( ^ω^)「この力があれば負ける気はしないお!」

 ブーンが突撃する!


( ゚∋゚)「……はやい!」

 先ほどまでとは比べ物にならないスピード。
 それは暴走した力ではなく 剣を通してブーンに伝わる雷神の力!


( ^ω^)「おりゃ! おりゃ! おりゃ!」

 ブーンが剣を振るうたびに 追撃として雷の衝撃波が放たれる! 


(;゚∋゚)『くっ……厄介な雷だ』


( ゚∀゚)「いける! あのクックルを押してるぜ!」



  
501: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:06:56.01 ID:KLuqUZuh0
  


( ゚∋゚)『ならば、この技で迎え撃とう。
     お前についてこれるかな?』

(;^ω^)「おっ……!?」


 クックルの姿が消え



  『エリア51』



 クックル声のみが響く。


(メ ^ω^)「えっ……」

 ブーンの体に次々と傷が刻まれていく。遅れてくる痛みと共に



(;゚∀゚)「まずい、あの正体不明の技か!」



  
505: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:09:08.52 ID:KLuqUZuh0
  


 見えない攻撃 反撃しようも かわしようも無い。


(メメ;^ω^)「ぅぅっ……」

 『怯えるな。我の力を信じよ、そして汝自身の力を!』

 雷神の声がブーンの頭の中に響く


(メメメ‐ω‐)「…………」

 ブーンが精神を集中させる。


(メメメメ^ω^)「眼力強化! 『氷の世界』。――わかったお!」

 ブーンのインサイトが強化され エリア51の正体を見破る。


(メメメメメ^ω^)「『エリア51』。それは、姿を見せぬ音速の連続ヒット&アウェイだお!」


( ゚∋゚)『ほう、我が技を見抜いたか……だがどうする。
      見抜いたところでこのスピードにはついてこれまい」

(メメメメメ^ω^)「仕組みさえわかれば後は十分だお!」

 ブーンが移動を始める。



  
508: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:11:44.08 ID:KLuqUZuh0
  


(;゚∋゚)『当たらない……!?』

 先ほどから ブーンの体に傷は一向に増えない。


(メメメメメ^ω^)「おまえ自身もこの超スピードを制御しきれないんだお!
        一定のパターンでの動き、通らない場所があるんだお!」

(;゚∋゚)『馬鹿な、この短時間でパターンを見破るだと!?」

 ブーンの強化された眼力にはそれが見えていた。


(メメメメメ^ω^)「所詮、お前のその技も『暴走した速さ』なんだお!!」


( ゚∋゚)『だが、高速移動を続ける限り。そちらからも手は出せまい!」


(メメメメメ^ω^)「わすれるなお」

( ゚∋゚)『なに?』



(メメメメメ^ω^)『……おまえの相手は4人いるということだお』

( ゚∋゚)「むっ!?



  
513: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:14:05.49 ID:KLuqUZuh0
  


(メメメメメ^ω^)「ツン! いまだお!!」


(;゚∋゚)『これは……!』

 クックルの動きが鈍くなり姿を現す。
 原因は強烈な向かい風!
 いくら高速移動といえど その巨体は抵抗を受ける。


ξ゚听)ξ「『風神の盾!』」

 ツンが風神の力を借り 巻き起こした風。


( ゚∋゚)『だがこの程度の風……突破してくれる!』

 しかし それを阻止するため 既に動いてるものがいた!

 _
( ゚∀゚)「甘いぜクックルさんよ! やっと隙を見せやがったな!」

 ジョルジュが二本の腕でガッシリと クックルの両脇を抱え込み逃がさない!



  
515: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:16:14.88 ID:KLuqUZuh0
  

(;゚∋゚)「くっ、はなせ!」
 _
( ゚∀゚)「離すもんかよ! この新しい右腕にはアイツの思いも込められてんだ。
     ブーンいまだ!! 一発でけぇのぶちかませ!!」


(メメメメメ^ω^)「いくお! 『雷神剣!!』」


 ブーンが 高く飛びあがる!
 そして雷を呼び寄せ その力をダイレクトに剣に受け取る!


(;゚∋゚)『こうなったら……身体発火!』

 クックルが自分の体を燃やす!


(;゚∀゚)「あちぃっ!」

 ジョルジュは思わず手を離してしまう。


( ゚∋゚)『馬鹿め! 離したな!』

 クックルはそのまま空中に飛び抜ける!

 _
( ゚∀゚)「ああ、離したぜ。だが……『チェックメイト』だ!」



  
520: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:18:06.14 ID:KLuqUZuh0
  


(;゚∋゚)『くっ。これは……』

 クックルの動きが空中で完全に止まった。


ξ゚听)ξ『フウジン・シールド!!』

 ツンが全魔法力を盾に込め 力を爆発させる!

 全方向から容赦なく吹き付ける暴風
 その風に クックルは完全に拘束された!!


(;゚∋゚)『クッ……クックル。身動きが取れない……』


(メメメメメ^ω^)「終わりだお。ブーン達三人の力
        そして……ホイミンが残してくれた力でお前は負けるんだお!」


 クックルの前に立ちブーンは 雷の力を纏った雷神剣を構える!
 決着のときが訪れる。


ξ;゚听)ξ「もう、魔法力が持たないわ。ブーン、速く!」
 _
( ゚∀゚)「ブーン、いっけぇええええええ!!」



  
521: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:20:11.90 ID:KLuqUZuh0
  

 ブーンが飛ぶ! 目標であるクックルよりも高く飛び!

 そして 剣を構えクックルめがけ一気に振り下した!


( ^ω^) 『ゴッドサンダァアアーークラァァッシュッ!!!』




       ノノ  ノノ 
      (*゚|  |∋゚)     「 クックドゥドゥドゥルーーッ!!
      /⌒|  |\/ヽ /彡        (これが臨死の恍惚か、すばらs――……  」
      | | |  |  |ヽノ 
      | | |  |  |
 .    ミ|\|  |/.|
      | /   | |
      | )   //
      彡ヽ  ヽミ 



 一刀両断。

 クックルの体は頭から真っ二つに斬り裂かれ
 その後 爆発 四散した!!

             クックルを 倒した!!

                   ▽



  
527: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:22:20.23 ID:KLuqUZuh0
  


( ゚∀゚)「やった!! やったなブーン!!」

ξ゚听)ξ「私たち魔王を二人も倒したのよ!」


(メメメメメ´ω`)「ホイミン……」


( ゚∀゚)「あ……」

 一同の間に 気まずい空気が流れる。


ξ゚听)ξ「……ブーン、とりあえず傷の手当てしなくちゃね。
      ……それと、これ……」

 ツンがブーンに一枚の紙を手渡す。

(メメメメメ´ω`)「……これは?」

ξ゚听)ξ「手紙よ……ホイミンからブーンへの……」


(メメメメメ´ω`)「ホイミンからの手紙……?」

 怪我の治療を 受けつつ。
 ブーンが 手紙の文面を読み始める。



  
530: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:24:30.91 ID:KLuqUZuh0
  

Dear. Master BOON (親愛なるマスターブーンヘってこれであってますかぁ?)

 一目マスターの姿を見たとき、私の心に雷が落ちましたぁあ!!
 こう、バリバリィって感じで!! 一目ぼれってやつですねぇ!!

 そしてあなたと一緒にいると日ごとに 好きな気持ちがどんどんどんどんあふれて
 これが誰かを好きになる……愛するって気持ちなんだぁと、思いました。

 この箱に一緒に入ってるのはマスターへの誕生日プレゼントですぅ!
 この前、大会で師匠に会ったときにもらって、なんでも『雷を操る玉』なんですって!
 師匠が「お前の認めた人にあげるといい」っていったからマスターへプレゼントしますぅ!!


 ……マスター。私はあなたのこと全部わかってるつもりです。
 あなたが本当に好きな人も……。

 それでも私は今までどおり雷のようにバリバリとマスターを愛し続けますからねぇええええ!!
 ツンさんにも負けないつもりですからぁ!!


 う〜ん手紙って難しいですねぇ……言いたい事をうまく表現できないですぅ〜〜。
 つまり私がいいたいのは


   私は いつまでも マスターのことが 大好きです!


 この気持ちは、きっと……ううん。絶対に一生変わらないです。
 ずっとずっと仲良くしてくださいね!!
                                        ――hoimin



  
532: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:26:48.45 ID:KLuqUZuh0
  


 ホイミンが一生懸命 書いた手紙。

 最初の方は 元気よく大きな字で書かれ。
 このままでは スペースが足りないことに気づき だんだん字が小さくなるも
 最後の 『大好き』 だけは 一番大きく書かれた手紙。

 本当ならこんな渡され方はしないはずだった
 ホイミンの気持ちがつまった手紙。


( ;ω;)「ホイミン……ううっ」


ξ゚听)ξ「お墓、作らないとね……」

( ;ω;)「埋めるものが何も無いお。
      ホイミンの体ははじけ飛んでしまったお……
      ううっ、ホイミン……」

( ゚∀゚)「ブーン……」


 ブーンは手紙を握り締め しばらく泣き続けた。
 この戦いで 彼らが失ったものは 小さくなかった。

 空は夕日で真っ赤に染まっていた――



  
537: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:28:54.69 ID:KLuqUZuh0
  

〜???〜

「こんな時間に呼び出しとは何のようじゃ」

「てめぇはいつも寝てるんだろうが、まだ夕方だぞ!」


 暗い室内に 二人の人物の声が響く。

「ぃょぅ! ぃょぅ! ですぃょぅ! ぃょぅ! ぃょぅ! ですぃょぅ!」


 その部屋に もう一人 入ってきて部屋の電気をつけた。


(=゚ω゚)ノ「ぃょぅ!」

 電気をつけたものの姿は 小柄で子供に見える。

 そして 部屋にいた者たちの姿が浮かび上がる。


从 ゚∀从「おせぇぞ。【狭間の魔王・ぃょぅ】!」

 そう言った者の姿は 実際にはここにはなく 顔だけ映し出された立体映像。


/ ,' 3「まったく、四天魔王全員召集とは何のようじゃ」

 同じく この者の姿も 顔だけの立体映像。



  
540: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:31:28.40 ID:KLuqUZuh0
  

从 ゚∀从「クックルの鳥野郎がいないみてぇだが」

/ ,' 3「いてもいなくても同じじゃろ。どうせアイツは何もしゃべらん」

从 ゚∀从「そうそう、クールぶっちゃってな」


(=゚ω゚)ノ「実は今回の召集はその件なんだょぅ
     クックルが人間に殺されたょぅ」

/ ,' 3「! ジョーンズに続いてクックルもか!」

从 ゚∀从「はっ、所詮あいつはパワーとスピードだけの馬鹿だからな。
      四天魔王最強ぶっちぎりで断トツのlナンバーワンはこのハインリッヒ様だ!
      ハァーッハッハッハインリィーッヒ!!」

(=゚ω゚)ノ「それでもアイツは僕らの中じゃ2番目に強ぃょぅ!
     しかも、どうやらクックルをやった人間は
     セントジョーンズのじぃちゃんを殺した奴と同じパーティらしぃょぅ」

/ ,' 3「ほほう。人間にしては見所のある奴らだな」

从 ゚∀从「余裕ぶっこいてる場合かよじじぃ。
      次に戦うのは多分お前だぜナンバーフォーの荒巻さんよ」

/ ,' 3「じじぃって言うな! これでも、若いんじゃ」

从 ゚∀从「じゃあ、老け顔だ! それにその喋り方をどうにかしたらどうだ。
      ハァーッハッハッハインリィーッヒ!!」



  
544: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:33:59.32 ID:KLuqUZuh0
  


/ ,' 3「気にしていることをベラベラと……この男女が!
    いや、女男か? ナンバーワンだからと偉そうにしおって」

从♯゚∀从「ああぁ? やんのかこら、偉い奴が強いんじゃねぇ、強い奴が偉いんだよ!
       それに俺様の性別は俺様自身が決めた【性別:ハインリッヒ】なんだよ!」


(=゚ω゚)ノ「あ〜もう二人ともケンカはやめるよぅ〜。
      まったく子供なんだから……」

/ ,' 3「「本当にガキのお前に言われたくない!」」从∀゚ 从

(=゚ω゚)ノ「あ〜い、とぅいまてぇ〜ん!」


/ ,' 3「「…………」」从∀゚ 从


从 ゚∀从「それで、どうなんだよ。てめぇで勝てるのか【深海の魔王・荒巻スカルチノフ】さんよ」

/ ,' 3「所詮クックルやジョーンズは、大魔王様に力を与えられた、変身タイプの成り上がりの魔王。
    生まれついての魔王である、ワシらとは基本スペックが桁違いじゃわい。
    ワシをアナゴさんとするなら、奴らはポロリやピッコロじゃな。ぶるぁああああああ!」

(=゚ω゚)ノ「でたょぅ。荒巻さんの意味のわからない例えと声真似……」

从 ゚∀从「生まれついての魔王……ね」



  
545: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:36:17.81 ID:KLuqUZuh0
  


/ ,' 3「どうかしたか。【天空の魔王・ハインリッヒ高岡】よ」

从 ゚∀从「なんでもねぇよ! それに俺を高岡って呼ぶんじゃねぇ! 俺様はハインリッヒだ!」

/ ,' 3「呼ぶも何も、お前さんの本名じゃろうが」

从 ゚∀从「ちっ……」


/ ,' 3「それに、ハインリッヒよ。お前さん最近遊びが過ぎてないか?」

从 ゚∀从「なんだよ、遊びって」

/ ,' 3「わしは知ってるんじゃぞ。人間を手下にしてみたり、
    ジョーンズにけしかけて、辺境の町を襲わせたり……」

从 ゚∀从「全部考えがあってのことなんだよ、ふけ顔!
      そう、全ては大魔王デスタムーア様のためにな!」

/ ,' 3「なら、いいんじゃが……ところでクックルの担当はなんだったか?」

(=゚ω゚)ノ「クックルは危険性を持つ人間の拉致だょぅ!
     大半はこちらへ収容済みだょぅ!」

从 ゚∀从「なら、問題ねぇな。もう、あの鳥野郎がいなくっても」



  
548: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:38:31.26 ID:KLuqUZuh0
  


/ ,' 3「ところで、前々から思っておったのじゃが……」

(=゚ω゚)ノ「なんだぃょぅ?」


/ ,' 3「ここにいる三人。そしてクックル、ジョーンズ。
    ワシら、5人いるのに何で四天魔王なの?」


(=゚ω゚)ノ「「!!」从∀゚ 从


从;゚∀从「ハァーッハッハッハインリィーッヒ!!」

(=;゚ω゚)ノ「今回は、ここらでお開きにするぃょぅ!
      ぃょぅ! ぃょぅ! ですぃょぅ! ぃょぅ! ぃょぅ! ですぃょぅ!」


 ハインリッヒが通信をきり。
 ぃょぅが退室する。


/ ,' 3「ごまかすなよ……結局なんで?
    まぁよい、人間なんてワシがぶっ殺しちゃる」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……



  
553: オカマ(アラバマ州) :2007/04/03(火) 23:40:46.79 ID:KLuqUZuh0
  

〜海上〜


 あの後、捉えたれた人たちは神殿の地下から解放された。
 その中にトランクスはいたが、ブーンの親父さんや流石兄弟とか言う奴らの姿はなかった。


 ブーンは鮫島を出てから、一言もしゃべってない。
 ツンは黙ってそんなブーンを見つめていた。


 まずは カルカロッドの 西方にある海岸へと島をつけ 捕まってた人たちをおろした。
 ベジータの奴も空を飛んで どっかに行きやがった。

 どこに行くのか、と聞けば 「フン」
 この島はどうするのか、と聞けば 「キサマらの好きにしろ」 という始末だ。

 とりあえず 俺らはひょうたん島を悟空に預け 下の世界へと向かった。


 そして 今は船でロンガデセオに向けて進んでいるところだ!
 落ち込んでるブーン達には悪いが 俺はワクワクしている。


 _
( ゚∀゚)「待ってろよ! ロンガデセオ。パフパフ屋!」



*第十二章「真っ赤な誓い」 終わり*



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