('A`)ドクオが一歩踏み出したようです
- 898: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/17(金) 21:18:23.61 ID:iKIPhBLg0
- ξ゚听)ξ「でも、ドクオくんはここに来てくれたわ…。引き篭もりはダメよ、でも…、夢を忘れないでここに・・・。」
('A`)「…」
ξ゚听)ξ「それだけで…、夢を忘れないで逆境に立ち向かってくれただけでも…、私は…。
昨日は…ごめんなさい。私がいけなかったんだわ…。」
('A`)「…え?」
ξ゚听)ξ「あんな言い方…、酷すぎるわよね、ドクオくんだって色々あったんだから…。」
('A`)「そ…そんな…」
ξ゚听)ξ「本当にごめんね。ドクオくん…。」
('A`)「ありがとう、ツン…」
ξ゚听)ξ「…ドクオくん、約束して?」
- 909: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/17(金) 21:30:02.83 ID:iKIPhBLg0
- ξ゚听)ξ「今度は…夢を実現する男になって?昔の私との約束、今日までサボってた罰よ…。」
('A`)「ツン…!ありがとう!…本当にありがとう!」
ξ゚听)ξ「…ドクオくん、一緒に私の研究やりましょうよ。事情は教授から聞いたわ、ドクオくんなら…」
('A`)「ごめん、それは出来ないんだ」
ξ゚听)ξ「…え?」
('A`)「教授と約束があるんだ…、俺は教授に力を認めてもらう。そうすれば俺に研究をさせてくれるらしいんだ」
ξ゚听)ξ「…そういうことなのね、良かったわ。その約束を無碍にして私との研究を取るような男じゃなくて。」
('A`*)「…なるべく早く、認めさせてみせるよ」
ξ*゚听)ξ「…うん、その意気よ、ガンバッてねv」
('A`*)「…ツン、かわいい」
ξ///)ξ「あっ!ちっ違うのよ…?私の研究に人手が欲しいだけで…、別にドクオくんだからっていうのは関係ないのよ…うん…」
|ω・`)
- 12: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/17(金) 23:34:56.74 ID:iKIPhBLg0
- 荒巻の待つ教授室にツンが戻ってきた。
ξ゚听)ξ「教授…」
/ ,' 3 「ん、あぁ、どうだったかな?」
ξ゚听)ξ「事の次第は理解しました、私も協力させていただきます。」
/ ,' 3 「うむ、良かった。それでは先ほど出て行った助教授を探して、研究室に戻ろうか、みんな揃ってるようだしな」
ξ゚听)ξ「はい、わかりました。」
誰も居なくなった教授室、その書庫の奥にうごめく人影があった。
(=゚ω゚)ノ 「…」
- 15: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/17(金) 23:44:00.63 ID:iKIPhBLg0
- (=゚ω゚)ノ 「…なんだよそれ、俺の今までの苦労がたかが数ページのノートに負けるのかよ?」
イラだった様子をありありと見せ、モニュは教授のデスクを蹴飛ばした。
(=゚ω゚)ノ 「くそがっ…、とりあえず研究室に戻るか…。怪しまれるといけねぇし。」
/ ,' 3 「おーっす、みんな揃ってんな、おはよーう」
(´∀`)(*゚ー゚)(゚Д゚)「…」(ホモが来たぞ、ゲイだ、ハードゲイだww)
/ ,' 3 「…んん?どうした?みんな?」
(´∀`;)「ぉ…おはようございます…」
(゚Д゚)「…おはよう…だゴルァ」
(*゚ー゚)「…おはようです…」
/ ,' 3 「…?」
- 243: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 16:01:51.21 ID:oppZiw280
- / ,' 3 「それでは今日はあの研究の続きをしようか」
(*゚ー゚)「えぇ、あの例の論文ですか」
('A`)「…」
みんなが今日の打ち合わせをしている横で、ドクオは少しバツの悪そうにしていたが、みんなが散り始めた頃、荒巻に話しかけられた。
/ ,' 3 「何かあったら呼ぶけど、それ以外は基本暇だろう。奥の書庫で好きな本を読んでいていいぞ。
実験や新しい論文について議論するときは声をかけるから、見たかったらおいで」
('A`)「あ、はい、ありがとうございます」
(=゚ω゚)ノ 「・・・」
- 247: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 16:16:16.65 ID:oppZiw280
- ('A`)「ふむふむ…、この本なら俺でも何か分かるぞ…。高校物理の範囲は原始物理っていうのの一部なのか。」
ドクオが書物を読み漁っていたとき、しぃが来た。
(*゚ー゚)「ごめんよーっと、そこの本取ってもらえるかなー?」
('A`)「あ、はい、コレですか?」
本を慌てて渡すと、しぃは脇の本の山に気付いた。
(*゚ー゚)「へぇー、こんなに読んだんだぁ、すっごいねぇ、物理好きなんだー」
('A`)「あ!はい、面白いですね、ここ。本当に来てよかったです」
(*゚ー゚)「ふーん、いいことだよ〜?私みたいに物理はお金稼ぎの手段みたいな人よりずっとね」
('A`)「…はぁ、そうなんですか」(そうだよなー、そういう人もいるよな…)
(*゚ー゚)「ま、ここも色んな人がいるからね、ドクオさんは楽しそうで羨ましいよっ、それじゃあね!」
('A`)「あ、はぁ…」
- 249: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 16:21:45.27 ID:oppZiw280
- ('A`)「物理をやるための動機も…、色々だなぁ」
就職の道具として院生として研究をしている人もいる、俺のように夢を追って研究者を目指す人もいる。
しぃさんは前者らしい、俺や新巻教授、助教授やツンのような人から見れば、なんだか不自然に見えてしまうが、それもお互い様なんだろう。
('A`)「…さて、それじゃあ次はこの本を…」
ドクオが手にした本、それには「ハインゼンブルグの不確定性原理」と書かれていた。
('A`)「不確定性原理…か」
何気なくページを開いたドクオは直感で感じた。
そう、天からの賜り物と荒巻が考えている、その直感は感じ取ったのだ、それがタイムマシン技術に必要不可欠な理論であることを。
参考資料『ハインゼンブルグの不確定性原理』
- 258: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 16:30:34.34 ID:oppZiw280
- ('A`)「これは…俗にいう『あっちが立てばこっちが立たず』的なものなんだな…」
(´∀`)「おー、勉強してるね、ドクオさん」
(゚Д゚)「がんばってんなゴルァ」
モナーとギコの二人である。文献が大量に保管してある場所な以上、研究員の出入りが激しいのだ。
('A`)「あ、どうも。お邪魔してすみません。なにか本お探しですか?」
(゚Д゚)「あー、いやいや、ちょっと暇が出来たからな、ドクオさんとお話しようかと思ってなゴルァ」
('A`)「は、はぁ。」
(´∀`)「ぶっちゃけた話、ツンさんとどういう関係なんですか?」
('A`*)「ちょwwwwwうぇrtyふじこlp@」
- 266: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 16:37:09.40 ID:oppZiw280
- (゚Д゚)「そうそう、なーんかただの同級生っていう雰囲気じゃねーぞゴルァ、吐いちまえよゴルァ」
(´∀`)「ツンさんは学生時代はファンクラブできるくらいだったらしいし、講師の今も男子学生からの支持がすごいんすよ、
微妙な状況のまま、ファン達をやきもきさせると夜道危ないかもwwwww」
Σ('A`|||)「ちょwwwwwワラエナスwwwwwた、ただの友達ですよ…!友達!!」
(´∀`)(゚Д゚)「へぇー、そんじゃあ教授とはどういう仲?」
('A`)「…は?」
(;゚Д゚)「まさか本気でおほもだちか?ゴルァ?」
(´∀`)「…俺ら聞いちゃったんすよね」
('A`)「!!!?????」
- 272: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 16:44:46.28 ID:oppZiw280
- それから数分間、書庫が妙に騒がしかった。
ドクオのものと思われる叫び声が聞こえた為、不審に思った荒巻が見に行ったのだが、
騒ぎは収まるどころか更に酷くなった。
ξ゚听)ξ「な…何やってるのかしら…?」
(*゚ー゚)「…な、なんだろね…?」(事の真偽はどうなってるのかしら…ドキドキ)
(=゚ω゚)ノ 「…気にしてても仕方ありません、教授に任せてこっちはこっちで続けるべきだと考えます」
ξ゚听)ξ「そ…そうね、しぃちゃん、手伝って頂戴」
(*゚ー゚)「は・・・はい」(あぁ〜、気になる気になる気になるぅうう!)
(=゚ω゚)ノ 「…あんな騒ぎを起こして、全く迷惑な話だ。」
(*゚ー゚)「まぁまぁ、他の人がココにいるなんて珍しいから、みんなはしゃいでるんだよっ」
ξ゚听)ξ「そうねぇ、みんないつもより楽しそう…」
(=゚ω゚)ノ 『楽しい?ふざけるな、どこが楽しいんだ?ツンさんほどの方まで…。チッ』
- 275: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 16:55:06.95 ID:oppZiw280
- 暫くすると、書庫から4人がぞろぞろ出てきた。
/ ,' 3 「まったく、君たちは…」
(´∀`;)「ごごごごごめんなさいってばぁ〜」
(゚Д゚;)「…全く、申し訳ないぞノルァ…」
('A`)「ぉぇっ…、そういう…趣味はありませんから…」
すかさずしぃが走り寄る。
(*゚ー゚)「どうだったの!どうだったの!?」
/ ,' 3 「! しぃくん、君もか!!」
(*゚ー゚)「うぇっ!?い…いたっぁ!!」
荒巻がしぃの頭に軽くゲンコツをした。
ξ゚听)ξ「ちょ…、ちょっとどうしたんですか教授!」
(´・ω・`)「女に手をあげるとは…ぶち殺すぞ」
(=゚ω゚)ノ 「…そういった行動はちょっと賛同できかねますね…」
/ ,' 3 「こいつら、俺とドクオくんがホモ関係だと勘違いしてたんだ、まったく!とんでもないやつらだ!」
- 312: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 18:00:48.53 ID:oppZiw280
- ξ゚听)ξ「えええええ!?ホントなのドクオくん!?」
('A`)「ちょwwwツンwwwww俺はちゃんと女の人が好きだからww」
ξ///)ξ「…べ、別にドクオくんがどういう人が好きかなんて興味ないんだから…っ!」
('A`;)「ちょwwww収集つかねー!」
てんやわんやになりながら、その日はなんとか終わった。ホモ疑惑が出たり騒ぎの中でショボーンがツンに抱きついて殴られたり。
なんとかドクオが家路に着いたとき、時計は21時をまわっていた。
('A`)「あぁー…、なんだか滅茶苦茶疲れた…」
(=゚ω゚)ノ 「…ドクオさん、ドクオさん」
('A`)「あ、…モニュさん…でしたよね、今日はお疲れ様でした。」
(=゚ω゚)ノ 「いえいえ、ドクオさんこそ。」
('A`)「はは…、まさかホモと言われるとはw それじゃあ、また明日…」
(=゚ω゚)ノ 「あぁ、ちょっと待ってくださいよ、少し話が…。」
- 366: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 21:02:20.06 ID:EHmrB23k0
- ('A`)「え?お…お話?」
(=゚ω゚)ノ 「ええ…、ドクオさん、貴方一体何を企んでるんですか?」
('A`)「…え?企んでる…?」
(=゚ω゚)ノ 「…正式なルートで研究室に入ったわけでもないのに、あまり思いあがるなよ」
('A`;)「! …い、いや…俺は…」
(=゚ω゚)ノ 「教授に気にいられたのがなんだ?お前は俺が必死に勉強してる間何をやってたって言うんだよ…?」
ドクオの背筋に冷たいものが走った。
何を言おうか、言葉が見つからない。どう弁解すればいいのか分からない。
そもそも俺の弁解が説得力や意味を持つのだろうか?
('A`)「…ぁ、…いや…」
(=゚ω゚)ノ 「…お前みたいな奴をクズって言うんだ…」
- 378: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 21:15:40.48 ID:EHmrB23k0
- ドクオはモニュの罵声の中でひたすら耐えながら考えていた。
モニュさんが俺を怒るのは無理もない、本当に努力した人間というのは自分に誇りを持っている。その努力を最も大事にしている。
そんな事は分かっているんだ。俺がそうだったから。
俺が昔、自分の夢と夢への努力を大事にしていたのと同じように、モニュさんもここへ来るまで色々な努力をし、それを大事にしていたんだろう。
そこに横からひょっこり見ず知らずのニートあがりが来て、どこで知ったのかは定かではないが教授の期待を受けている。
俺は思いあがっていた。それは否定できない…。
(=゚ω゚)ノ 「…おい、何か言えよ!ふざけてんじゃねーぞコラ!!」
('A`)「…すまない、本当にすみません…。」
(=゚ω゚)ノ 「! …あ、謝ればいいってもんじゃねーんだよ!本当にすまないと思うんなら二度と来んなよ!」
('A`)「それは…、それは出来ない」
- 391: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 21:26:44.20 ID:EHmrB23k0
- (=゚ω゚)ノ 「あぁ!?ワケわかんねーんだよ!来るな!もうここに来るな!」
モニュの拳が俺の頬を殴る。久しぶりの感触だ。でもどこか昔とは違う。
昔は身体だけが痛かった。今は…、心までも痛かった。
きっとモニュが昔の自分と同じだから。大切なものを奪われそうなモニュは、あの時の自分と同じだったから。
('A`)「ううっ…」
モニュの拳は止まらない、ついに立っていられなくなり、膝をついてしまったが、モニュは止まらない。
俺も気を失うわけにはいかなかった。夢を譲れないのは俺も同じだ━━━━━━━━━
('A`)「好きなだけ殴るなら殴れよ…」
(=゚ω゚)ノ 「…はぁ!?イカれたか!?」
('A`)「殴られたくらいで…、暴力で俺の夢は砕けないぞ。だから俺はここに来るのを辞めない…。
だから殴るなら・・・、殴ってモニュさんの気持ちが済むなら殴ってくれればいい!」
(=゚ω゚)ノ 「…くっ!」
モニュの拳の力が一瞬強くなる。さすがに意識が遠くなってきた。
('A`)。o(あぁ、俺はまた暴力に屈してしまうのかな…)
- 406: ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/19(日) 21:37:33.95 ID:EHmrB23k0
- このままでは昔と同じだ…。
ドクオは薄れゆく意識の中で、なんとか一言言った。
('A`)「俺は何故教授に認められたのかはよくわからない。…でも少なくとも、暴力じゃ…ない。」
その後のことは覚えていない。
30分ほど、北大構内の草むらで倒れていたようだが目覚めたときにはモニュは見当たらなかった。
ヨロヨロと家に帰って、とりあえず傷の手当てをして、その夜は床についた。
寝る間際、携帯電話がブルブルと震えていたが、疲れきってしまっていたドクオはそれに気付くことはなかった。
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