( ^ω^)とξ゚听)ξが微妙な関係らしいです

  
85: ◆Qr4qH2Xi1M :08/22(火) 06:12 XltN8FBIO
  

━━━━━━━━━━

回想はとめどなく続く。
一度決壊した記憶のダムは、私の頭が眠りにつくまでひたすら思い出を吐き出し続けるだろう。

しかし

こんな状態で、眠れるはずもない。


━━━━━━━━━━

( 'A`)(なぁ…ツン…)


ξ゚听)ξ(何よ…)


( 'A`)(あいつらよ…実際のところどうなんだ?)


(*^ω^)花火凄い綺麗だお!!来てよかったお!!


(*゚ー゚)ツン達もこっちに来て見ようよー!!



気を遣って距離を置いてることにしぃは気付かなかった。
花火の楽しさが上回って鈍感になってるのだろうか。
…私だって、できることなら彼の隣で見たい…。


ξ゚听)ξ(なんかね…意外な展開を迎えそうよ…)


('A`)(意外?)


ξ゚听)ξ(うん。。あんたに黙ってたのは悪いけど、とりあえず今日決着がつくのは決まってるのよ…)


( 'A`)(mjsk。聞いてないよ、ハブかよ俺…ウツダシノウ)



(*゚ー゚)たまやー!!


(*^ω^)しぃちゃんが『たま』とか言うから不覚にもおっk(ry


(*゚ー゚)ほぇ?何か言った?


(*^ω^)なんでもないお。かぎやー!!



( 'A`)(あいつ…今日言うのか…)


ξ゚听)ξ(そんなに落ち込まないでよ…あんたに黙ってたのには他にわけがあるのよ…)


( 'A`)(なんだそりゃ?kwsk)


ξ゚听)ξ(実はね…)


私はしぃ達をチラと見て、二人がこちらのことを気にもせず楽しく笑いあってるのを確認すると、更に声を潜めて、ドクオに囁くように事情を話した。



  
86: ◆Qr4qH2Xi1M :08/22(火) 06:15 XltN8FBIO
  

ξ゚听)ξ(実は今日の決着ってのはね…)


(*'A`)(はふぅん…ツン…息が耳に…)


ξ;゚听)ξ(ちょ!!ばっ!!そんなつもりじゃないんだからねっ!!変な声出さないでよ…)


( 'A`)(あぁすまん、続けてくれ)


ξ゚听)ξ(…うん。多分今日は、しぃがあいつに告白する)


( 'A`)(あぁ、そうなのk…)



( ゚A゚)なななななんだってー!!!11!


ξ;゚听)ξ(馬鹿!声とリアクションがでかい!!)


私は慌ててしぃ達の方を見る。
大丈夫、何も聞こえていないみたいだ。


(;;'A`)(正直すまんかった…しかし…まさかあの子が…)


ξ゚听)ξ(そうなのよ…びっくりでしょ。)

ξ゚听)ξ(あの子から口止されてたからあんたには一応内緒にしてたんだけど…どうせ今日言うんだからあんたにも教えておかないとね。)


( 'A`)(なるほどね。じゃあ俺達はタイミングを見計らって抜け出せばいいわけか。)


ξ゚听)ξ(話が早くて助かるわ…決行は今日の帰り際よ。さりげなくね)


( 'A`)(把握。)



( 'A`)ん?しぃちゃんがこっち来るぞ


ξ゚听)ξホントだ。どうしたの、しぃ。ブーンはどこ行ったの?

(*゚ー゚)『しぃちゃんにフランクフルト買ってくるお!!』って言うやいなや走っていったよ。


( 'A`)そうか…しぃちゃん、ガンガレよ。応援してるぜ


(;゚ー゚)え…ドクオ君…ななんのこと?


ξ゚听)ξ悪いわね、しぃ。例のことこいつに話しちゃった。


('A`)ばっちり聞きましたとも


(*゚ー゚)そっか…


(*////)えーん、恥ずかしいよー…


( 'A`)。oO(…モエス!!)



  
93: ◆Qr4qH2Xi1M :08/23(水) 04:08 w4kwk4LBO
  

しぃは薄桃色の浴衣の袖をパタパタと振りながら恥ずかしがる。
この子のこういう可愛い仕草は、私には絶対できない。
そしてこんなことを、素でやってのけてしまう彼女が羨ましくもあり、妬ましくもあった。


(*゚ー゚)あー…どうしよ…凄い緊張するよぉ…


( 'A`)餅つけ。大丈夫、なるようになるさ。


ξ゚听)ξドクオの言う通りよ。落ち着いて、ちゃんとはっきり気持を打ち明けるのよ。


(*゚ー゚)うん…頑張るよ…うん…。


よっぽど緊張していたのだろう、彼女の視線は終始あちらこちらへと動き、見てるこっちまでも落ち着かなくなってしまう。



⊂二二(*^ω^)二⊃
かかか買ってきたおっ!!フランクフルト食べるお!!


ちょうどしぃとの話が一段落ついたころ、これから至福の瞬間を味わうとは露知らず、いつも通りの無駄に高いテンションで彼は帰ってきた。


(*^ω^)人数分買ってきたお。ツンとドクオも食べるお。


( 'A`)お、わりーな。金払うよ、いくらだ?

財布を取り出しながら聞くドクオに対し、ブーンはなかばフランクフルトを押し付けるようにして答える。


(*^ω^)僕のおごりだお。キニシナイで食べてほしいお


ξ゚听)ξアンタにしては気前がいいわね。でも高々数百円くらいなら払うわよ


(*゚ー゚)そうだよー、なんか悪いよ。


( ^ω^)本当にキニシナイでほしいお。僕は皆に感謝してるんだお


少し落ち着いた口調で話したそのときのブーンの言葉は、なぜかずっと忘れられないでいる。



  
94: ◆Qr4qH2Xi1M :08/23(水) 04:10 w4kwk4LBO
  

( 'A`)感謝…?kwsk


( ^ω^)僕は…嬉しいんだお

( ^ω^)ドクオは知ってるけど、僕は高校のときハブだったお

( ^ω^)たしかにその後なんとかクラスのみんなとの関係は修復できたけど、一緒に遊ぶほど仲良くなれたのはドクオだけだったお

( ^ω^)だから当然、こういう固定のメンバーでいつも行動することはおろか、ツンやしぃちゃんみたいな可愛いおにゃの子と話すこともなかったお

( ^ω^)花火大会をおにゃの子達と一緒に行くなんて夢のまた夢だったお

( ^ω^)あら不思議、今それがなぜか実現してるお

( ^ω^)それどころかこの四人はいつも一緒にいるお

( ^ω^)長くなったけど、要するにこんなピザオタの僕と仲良くしてくれて僕は本当にありがたいんだお


ブーンは一息にそう言った。
>最近のあいつは凄い生き生きしてる
以前ドクオの言った言葉は本当だったのだ。

自分の存在が(勿論しぃやドクオも同様だが)、ブーンをそこまで楽しませてあげていただなんて思いもしなかった。
いつも素直になれないで罵倒してばかりいる私に、彼は素直に感謝の意をこのとき伝えてくれた。

なんだか、恥ずかしかった。


( '∀`)ははっ、あんまり飾らない無器用な言い方がお前らしいな。俺もお前と一緒にいて楽しいよ


(*゚ー゚)わ、わたしも!!内藤くん面白いし優しいから凄い好きだよ!!!


ξ゚听)ξブーン…





このときの私、素直に言えてたかな。






ξ////)ξ青臭いこと平気な顔で言っちゃって、恥ずかしいわねっ!!


ξ゚ー゚)ξでもあんたのこと…嫌いじゃないよ…



  
111: ◆Qr4qH2Xi1M :08/31(木) 03:28 zsSjQIY2O
  

それからのことは…言うまでもないだろう。
私達は花火を堪能し、終電の時間の一時間前に結ばれるべき二人を残し私とドクオは抜けた。
彼はしぃに気持を告白をする。
出鼻をくじかれたしぃは少しきょとんとする。
ことの次第に気付いたしぃは顔を赤らめて自分も同じことを伝える。
互いに照れ臭さを感じながらどちらからともなく帰路につく。
帰り道、きっと二人の手は繋がれていたのだろう。
『ドクオもツンも知ってたのに黙ってたなんて、人が悪いな』だなんて冗談をとばしながら。
彼は特別な笑顔を特別な人に向け、彼女はそれに負けない笑顔を彼に向けていたのだろう。


ξ;;)ξやだっ…こんなこと考えたくないのに…考えてもつらいだけなのに…


なんで嫌な想像はとどまることを知らないの。
なんで涙を流してしまうのをわかっていながら考えてしまうの。


ξ;へ;)ξんーんー…


枕を噛んでおえつを堪える。
一度声を上げて泣いてしまえばきっと一晩中泣いてしまうから。
ダメ、早く涙を拭いて寝なきゃ。
明日、腫れた目であの二人に会ってはいけない。
いつものように、少しからかうような目つきであの二人を見てあげなきゃいけないのだから。
わかっている、頭ではわかっている。


込みあげる湿った感情を理屈で律することはできないまま、夜は残酷にもふけていった。



  
112: ◆Qr4qH2Xi1M :08/31(木) 03:42 zsSjQIY2O
  

私は橋を歩いていた。

家から歩いて五分の、大きな川をまたぐ橋を歩いていた。

私の右手はしっかりと誰かの左手を掴んでいた。

突然その左手は離され、驚く私。

離された手は私の上方からゆっくりと私の頭へ降りてきた。

頭を撫でられる感触。

あぁ、あの人が、今、私の頭を、撫でている。

嬉しい。

二度とどこにも行かないで。。

いつも私の右にいて。。

そう呟いて、私は頭を上げる。



━━━━━━━━━━


夢じゃなければいいのにと思うような夢を見たのは初めてだった。
目を覚ますとそこは見慣れた自分の部屋。


ξ゚听)ξ夢…か…


外で歌う鳥が、今が夜ではないことを告げる。
あのまま寝ちゃったんだ。。


ξ゚听)ξっ…!!ヤバイ!!


枕元に置いてある携帯を乱暴に掴み開いて、時計の表示を見る。
予感は当たった。



>P M 1 2 : 2 6








ξ゚听)ξどう見ても遅刻です。本当にありがとうございました。



  
133: ◆Qr4qH2Xi1M :09/14(木) 02:08 1TtgfjkKO
  

ξ゚听)ξさてと…


これにて学校の件は片付いた。
あとはこれからどうやって時間を潰すか、だ。
読みかけの本でも読もうかな…
そうも考えた。
しかしただでさえ今日は寝坊したのだ。
これ以上部屋でゴロゴロしようものなら、きっと今晩も眠れなくなってしまうだろう。
となると、夜までにある程度体を疲れさせる必要があるわけだ。


ξ゚听)ξ買い物でもしようかな


思えば、昨日は偶然にもドクオに会ったために本来の目的を果たせなかった。
いや、彼を責めるつもりはないが。
一応欲しいものは考えてはいたわけだし、体を疲れさせるにも、外出は最適だろう。

お昼ご飯は…VIPドナルド辺りで済まそうかな。

そうと決まったら。


私は布団から少し勢いをつけて起き上がる。
ここのところ、色々と考えすぎて気分が鬱蒼としている。
少しづつでいいから、日常の中で気分を上げていかないと。


ξ゚听)ξうん、今日はたくさん買い物しちゃお



  
139: ◆Qr4qH2Xi1M :09/19(火) 00:05 7W3efLECO
  

月曜日の昼間。
昨日とはうってかわって寒い。
去年買った茶色のジャケットのボタンを、立ち止まって閉める。


ξ゚听)ξoO(寒いなぁ…)

平日なだけあって、昨日のような不愉快でもあり微笑ましくもあるカップルの行列はどこにも見当たらない。
辛うじて目に入るのは、暇を持て余す散歩老人と、幼稚園に上がるか上がらないかの背のたけの子どもを連れて歩く大人の女性くらい。


そんな町中を、私は一人歩く。


ξ゚听)ξoO(あー駄目だ。。早くVIPでもラウンジドーナツでもいいから入って暖まらないと…)

春にはまだ遠い季節の寒風は、私のこめかみにキンとした痛みをもたらした。
寝起きの頭にはちょうどいいかもしれないが、こうも外を歩いてるとやっぱり我慢できないものね。
閑散とした昼下がりの駅前を一人歩く物憂げな女
そんな哀愁漂うふいんき(なぜか変換できない)を楽しむこともせず、私は視界に入ったファストフード店へと小走りで向かった。



  
142: ◆Qr4qH2Xi1M :09/21(木) 03:21 VQeTsX9RO
  

カウンターでホットコーヒーと食べ物を注文して、私は禁煙席に座る。
なんとなく頼んだ『今日のおすすめメニュー』のベーコンサンドは案外おいしくて気分が良い。
一口食べると余計に空腹を感じ、私は二十歳を過ぎる女性にしては少し早い速度で平らげてしまった。
時計を見るとまだ1時半、特に急ぐ必要もない買い物なので、私は鞄から吉本ばななのTSUGUMIを取り出し、コーヒーを一口すすって読みかけのページを開いた。

優しい姉、素敵な彼、面倒見の良い従姉妹。
そんな人達に囲まれながら海の町で生きる、恐ろしくワンパクで、極端に病弱でいつも強気な女の子のお話。

私はこの小説が好きだ。
人間関係の絡み方、主人公の女の子の勇敢さ、非のうちどころのない男の子が主人公と惹かれ合ってく様。
どんなにすさんだ気持でいても、この小説を読むといつの間にか嫌なことを忘れてる。

そしていつものように話に集中しようと字を目で追っていたとき、突然私の後ろからガラス食器を割るようなけたたましい音が聞こえ、思わず私は振り返ってしまった。
見ると、そこにいたのはセルフサービスで返すはずの食器を床に落として気まずそうに辺りを見回す同じくらいの歳の頃の、それでも私より数段大人びている(悪い言い方をすれば少し化粧が濃くて派手な)女性だった。
慌てた様子で店員がやってきた。
女性は力のない声ですみませんすみませんと繰り返しながら、その手で割れたカップの破片を拾う。
お気になさらずにと言う店員の声に、痛っ、と、かすかで小さな悲鳴が重なる。
女性は指を破片で切ってしまったみたい。


気が付くと私は鞄からハンカチを取り、彼女のもとへ駆け寄っていた。

ξ゚听)ξ大丈夫ですか?これ、使ってください。

突然見知らぬ人間にハンカチを差し出され、少し躊躇いがちなその人の顔は近くで見るととても綺麗だった。

(*゚∀゚)あ……すいません。ありがとうございます

彼女ははにかみながらハンカチを受け取った。



  
146: たまには分岐でも◆Qr4qH2Xi1M :09/21(木) 20:31 VQeTsX9RO
  

数分後、私と彼女は一緒に店を出た。
派手な見た目とは裏腹に、力無い声で謝罪を繰り返す彼女の表情はどこか憂いを帯びてるように見える。

(*゚∀゚)ハンカチ、汚してすいません。。洗って返します。それと、よかったらお詫びをさせてほしいのですが…

ξ゚听)ξお詫び…ですか。

どうしよう、まさかここまで恩に感じられるとは予想だにしてなかった。
私は返事に困った


@ξ゚听)ξいえ、お気になさらずに。どうせ安もんですからwwwサーセンwwww


Aξ゚听)ξあ、じゃあ、お詫びはいいからグミくれy…グミが急に食べたくなったので買って下されば結構です


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