( ^ω^)とひぐらしのなく頃に。のようです
- 41: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:02:20.18 ID:70cZ03Xx0
- 【ダム現場にて】
梨花ちゃんと話した次の日。
僕は学校があまり楽しく感じられなかった。
梨花ちゃんに不信感を抱いてしまっていたからである。
良くないとは分かっていても、今日はどうしようもないな、と思ったので、
あまり騒がず、目立たず、休み時間のほとんども眠って過ごした。
もちろん、昼休みはそうはいかないので、皆と一緒にお弁当を食べた。
・・・梨花ちゃんを意識して避けながらではあるが。
放課後、今日は魅音がバイトなので部活は無し、だという。
あまり、騒げるような気持ちでは無かったので丁度良かった。
しかし、レナと圭一が僕を宝探しに誘った。
朝から元気が無かった僕を励まそうとしたのだろう。
正直、梨花ちゃんがいないのなら遊んでもいいか。
そんな気分になったので、僕は宝探しに行く事にした。
- 42: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:04:09.71 ID:70cZ03Xx0
- レナ「それじゃ、レナはお茶を持ってくるね!」
そう言ってレナは走っていってしまった。
宝探し、そう言えば響きはいいが、実際はゴミ山を荒らしているだけである。
僕と圭一はレナが気に入った「ケンタ君人形」を掘りあてようとしているのだが、なかなか上手くいかない。
そこで、少し休憩しようか、というのが今の流れである。
圭一「全く、レナのやつもケンタ君の何がかぁいいんだろうな・・・。」
( ^ω^)「僕にも分からないけど、掘り当てたらレナが喜ぶのだけは確かだお。」
圭一「それもそうだな・・・!よっしゃ、休み終わったら、もういっちょ頑張るとするか!」
その時、閃光と共にパシャッという音が聞こえた。
・・・これはカメラのシャッター音?
- 43: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:06:25.86 ID:70cZ03Xx0
圭一「うわっ!!・・・いきなりなんですか、あなたは!」
富竹「おおっ!驚かせてすまないね。僕は富竹。フリーのカメラマンさ!」
趣味は写真撮影。
鍛えられている肉体。しかし、顔はどこか頼りなさげ。
でも、実際は秘密結社「東京」の一員である。それが富竹ジロウ。
・・・そんな感じは全くしないのだが。
圭一「説明になっていませんよ。どうしていきなり写真なんか撮るんですか!?」
富竹「ん?ああ、すまない。夕暮れに2人の少年が談笑しているのを見かけてね。絵になるなぁと思って。」
圭一はムッした表情を見せる。
だが、正直、僕は噴出しそうである。
・・・だってトミーが目の前にいるんだぜ?
- 46: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:08:33.09 ID:70cZ03Xx0
- 富竹「それより、君たちは一体こんな所で何をしていたんだい?」
圭一「さぁ?・・・バラバラ殺人の腕でも探しているのかもしれませんよ?」
( ^ω^)「・・・・。」
圭一は冗談のつもりで言ったのだろう。
・・・でもね。それは冗談にはならないんだ。
富竹「・・・嫌な事件だったよね。」
圭一「・・・えっ?」
富竹「ダム現場の監督が6人の男にバラバラ死体にされたんだったよね。
しかも、まだ、その右腕と主犯格の男は見つかっていないんだろう?」
圭一「それってどういう・・・!?」
富竹「・・・おっと、そういえば僕は人を待たせていたんだった。すまない、またね・・・圭一君とブーン君。」
僕達の名前はすでに知られていた。
・・・東京としての仕事柄なのか?
ていうか、行かないでトミー!
- 48: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:11:17.10 ID:70cZ03Xx0
僕の思いも空しく、富竹は去っていった。
そして、富竹が見なくなるのと同時に、圭一は僕に今の出来事について聞いてきた。
圭一「お、おい、ブーン!今の話聞いたかよ!バラバラ殺人って一体、なんのこと、」
( ^ω^)「僕は知ってたお。」
圭一は僕の反応が予想外だったのか、少しの間、言葉を詰まらせた。
だが、好奇心には勝てないのか、事件の内容について聞いてきたので僕は答えることにした。
昔、雛見沢がダム計画によって沈みかけていた事。
その計画に村の全員が立ち向かった事。
その途中に、傷害や器物破損・・・誘拐などの事件が起こった事。
計画が撤回された後も、殺人事件が起きていること。
・・・全てを話した。
- 49: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:14:03.68 ID:70cZ03Xx0
圭一「なるほど・・・。大体のことはわかったけどよ・・・。」
圭一「でもよ、どうして魅音やレナ達はこの事について、教えてくれなかったんだ?
・・・こんな出来事、隠しておくべきような事じゃないだろ?」
こんな些細な疑問がきっかけで圭一が暴走してしまう世界、それが『鬼隠し編』。
僕は、それを引き起こさないようにしなくてはならない。
( ^ω^)「魅音達は・・・圭一に早く雛見沢に馴染んで欲しかったんだお。」
( ^ω^)「こんな事件があったと知ったら、雛見沢に引け目を感じてしまうかもしれない。」
( ^ω^)「これは魅音達の心遣いだから・・・別に隠し事とかそういうんじゃあ、ないと思うお。」
この説明はゲームで見たからね。
意外とらくちんだ。
- 52: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:16:46.85 ID:70cZ03Xx0
圭一「・・・そっか。じゃあ、魅音達には感謝しないとな!」
どうやら、上手くいったようだ。
これで、圭一の暴走は無いだろう。
圭一「でもさ、これぐらいの事で俺が魅音達や雛見沢に引け目なんて感じるわけねぇよ。
・・・俺たちは仲間だろ?」
( ^ω^)「・・・そうだお!僕達は仲間だお!」
でも、君は一度、間違いを起こしてしまったんだ。
それは忘れてはいけない事。
今はダメでも、いつかは思い出してね?
圭一「でも、なんでブーンはそんなに詳しいんだ?魅音達は教えてくれないんだろ?」
(;^ω^)「え、えーと、鷹野さんに聞いたんだお!」
圭一「鷹野さんか!確かにあの人はなんか、独特な雰囲気をしてるもんな・・・。こういう話も好きそうだな!」
圭一は一人で納得してくれたみたいだ。・・・危なかった。
その後、僕達はレナにお茶をもらい、充分に体を休めた後、宝探しを再開した・・・。
- 53: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:19:03.04 ID:70cZ03Xx0
- 【ツンの日記】
6月14日
ブーンがいなくなってから、1週間以上がたちました。
でも、まだブーンは帰ってきません。
ドクオが色々と聞いて回ったりしたみたいだけど、手掛かりすら掴めないというのです。
・・・ブーンは一体、どこにいってしまったのでしょうか。
ドクオに相談したら、やはり犯罪に巻き込まれたのでは、と言っていました。
それは、信じたくないような事だけど、一番確立が高いように思えます。
だって、ブーンが何も言わないで、自分からいなくなるなんてありえないもの。
ブーンはとっても良い人だから。
私たちを不安な気持ちになんてさせないもん。
- 54: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:20:24.83 ID:70cZ03Xx0
- それで、今日は『八幡様』にお参りに行きました。
八幡様とは近所の神社に祀られている神様です。
何でも、旅が好きな神様だから、交通安全とかが、主なご利益なんだって。
今は、関係ないか。
そういえば、前にブーンはよく八幡様にお参りに行っていたな。
親が亡くなってから、1年ぐらい毎日のように。
一体、何を願っていたんだろう?
そんなに叶えたい夢があったのかな?
と、また話が飛んじゃった。
えっと、今日はお参りに行きました。
- 55: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:21:55.99 ID:70cZ03Xx0
もちろん、お参りの内容はブーンのこと。
早くブーンが帰ってきますようにってお願いしました。
あと、怪我とか病気とかもしてないようにって。
あとあと、犯罪とか、そういう危ない目にも遭っていませんようにって。
ブーンについてのお願いをいっぱいしました。
それにしても、旅好きの神様かぁ。
ブーンは旅に出ていってたりはしないのかなぁ?
何回も頼んだ夢が叶って、神様と一緒に旅に出てたりして。
なら、安心だな。神様と一緒なら、安全安全。
- 58: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:23:26.12 ID:70cZ03Xx0
- でも、ね。
ブーンが安心していても、私はダメだよ。
今日も手首の傷が増えちゃった。
包帯で隠しきれてるかな?
ドクオがすごく不思議そうな目で見てくるのが怖いなぁ。
むー、カッターを自分にもわからなくなるように隠して、やらないようにしないと。
どこに行っちゃったのブーン?
会いたいよブーン。
会いたいよブーン。
会いたいよブーン。
- 60: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:24:37.67 ID:70cZ03Xx0
会いたいよブーン。
あいたいよブーン。
あいたいよぶーん。
あいたいあいたいあいたいあいたい
あいたいあいたいあいたいあいたい
あいたいあいたいあいたあいたいあああああああああああああ
アアアアアアアアあああああああああああああああああ
あ、また傷が増えちゃった。
- 63: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:28:20.85 ID:70cZ03Xx0
- 【鷹野と祭具殿】
ブーンから話を聞いて、私は鷹野を古手神社に誘った。
初めは渋っていたが、祭具殿の中を見せると言ったら、別人のような表情をみせて快諾した。
こんな子供のような一面も併せ持つ鷹野。
彼女が私を殺すだなんて・・・正直、信じられない。
何かの間違いじゃないかという考えばかり、頭に浮かぶ。
でも、彼は確かに私しか、知りえない事を知っていた。
・・・いや、それ以上の事も。
その一つが、この鷹野のことである。
もっとも、これが一番重要な事ではあるが。
私は彼を信じると決意したつもりが・・・今は揺らいでいる。
それどころか、彼女が犯人で無い事を期待している。
まるで、裏切り者のようで心が痛む・・・。
- 65 名前: >>64 ツン+ヤンの仕様です ◆9d9cVF02x2 投稿日: 2007/06/20(水) 21:31:25.62 ID:70cZ03Xx0
- 考えているうちに、鷹野がやって来たようだ。
・・・富竹も一緒に。
そうとう、急いできた様子である。
そんなに、拷問器具が好きなのか・・・?
梨花「こんにちは、なのですよ。」
富竹「やぁ、こんにちは。りk」
鷹野「こんにちは!・・・で!本当に祭具殿の中を見せてくれるの!?」
取り乱しすぎだ。
こんな鷹野は滅多に見られないだろう。
梨花「もちろんなのですよ。にぱー☆」
鷹野「に、にぱーー\(>▽<)/ーー!」
私の中の鷹野のイメージ像がガラガラと音をたてて崩れていく・・・。
でも、今は崩れたイメージ像の方が、私には安心できて・・・。
富竹「はっはっはっ、こういう鷹野さんも良いものだろう?」
うるさい。
- 67: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:33:12.26 ID:70cZ03Xx0
- 祭具殿の中に鷹野と富竹を入れたところ、さっそくカメラで撮影を始めた。
鷹野は一通り、撮り終えて満足なのか、富竹に器具の説明を始めた。
鷹野「・・・だからね?昔の人たちはこういった器具を使っt」
梨花「やめるのです。」
不意に私の口から、そんな言葉がこぼれた。
不思議だ。今の私は、まるで何かを庇うかのように・・・?
梨花「え、ええと、オヤシロ様が怒るのですよ。すぐそこにいるのです。」
私はオヤシロ様のご神像を指差してそう言った。
もちろん、本当にオヤシロ様が怒っているかなんて事は分からないが。
鷹野「・・・そう?まぁ、梨花ちゃんが言うならしょうがないわねぇ。」
富竹「あはははは、梨花ちゃんも怖いこと言うねぇ。」
鷹野は残念そうに。富竹は怯えてないぞ、と自分に言い聞かせるようにそう言った。
- 68: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:35:39.19 ID:70cZ03Xx0
富竹が先に外に出て行ったので、私は鷹野に今日の目的である話をする事にした。
梨花「鷹野、最後に聞きたいことがあるのです。」
鷹野「何?何でも言ってご覧なさい。」
梨花「鷹野は・・・僕を殺そうと思ってますですか?」
単刀直入にそう聞いた。
しかし、鷹野は考える素振りもみせずに、こう答えた。
鷹野「そんな事がある訳ないじゃない!あなたに死なれたら私にもかなりの損害がでるのよ?
・・・それに、こうして、借りもできたしね。」
彼女の言葉、素振り、瞳。嘘をついているようには思えなかった。
やっぱり・・・鷹野を信じよう。
この目は殺そうと思っている相手に出来る目じゃない・・・。
梨花「・・・わかりました。今日はどうもありがとうなのです。」
鷹野「いえいえ、こちらこそ貴重な体験をありがとうね。」
- 70: ◆9d9cVF02x2 :2007/06/20(水) 21:37:18.95 ID:70cZ03Xx0
- ――――――――。
鷹野「『小此木』いる?」
小此木「はい、一体、何の御用ですか?」
鷹野「・・・Rに監視をつけなさい。念のため・・・ね」
小此木「・・・わかりました。すぐに手配させます。」
診療所に戻った私は、すぐさま、Rに監視をつけた。
・・・一体、何故あんなことを聞いたのかしら。
まさか、私の作戦に感づいている?
いえ、それはありえない。
第一、それなら私に聞くはずがないじゃない。
「僕を殺そうと思っていますか」、か・・・。
殺そうとは思っていない。
ただ、私が神になるための生贄になってもらうだけ。
あなたには何の罪も無いけれど・・・死んで頂戴?
殺すのではない、あくまでこれは『綿流し』という儀式。
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